俺の卒業した小学校で毎年地域の夏祭りがあるのだが、母はその祭りに関わりのある委員らしく
暇だった俺も手伝うことになった。
しかし実際やらされたのは母の知り合いの子の面倒見ててというものだった。いわゆる子守り。
その子(N)はここの四年生らしく、話しかけても警戒?してるのか
「うん」とか相づちうつだけであまり積極的ではなく俺も困ってしまった。
あまりにも気まずかったので校内を歩くことにした。

久しぶりの母校で上がったテンションで色々話しかけていると俺のテンションが移ったのか、
それともいつもと違う人がいない学校を歩けて嬉しいのか、割と明るく話してくれるようになった。
しばらく歩いて疲れたので図書室で休もう、と提案すると「いいけどなんで図書室?」
「卒業前に残した落書き見たいんだ」
「へー」

図書室に入り、窓側のテーブルの下を二人でのぞき込むと
「平成○年卒業」とデカデカと書かれた文字と俺を含むクラスメイト何人かの名前が書いてあった。
「これだよこれ」
「なんか派手だね。」
「せっかくの卒業記念の奴だしね」
「ウチも卒業するときやってみよ」
「やってみやってみ。後々盛り上がるよ」
とここでNの胸元に気づく。