どうして裕子がヒロシと待ち合わせているんだ?

初夏のある土曜日。俺・聡眞(さとま)は、繁華街の駅前の物陰で呆然とした。
彼女・裕子が他の男と待ち合わせ、腕を組むと嬉しそうに繁華街の奥へ消えていく。
それも、俺の前では穿かないような超ミニスカートに生足、バストラインがくっきりとした真っ赤なタンクトップ。見たことのない格好だ。
予想していたこととは言え、ショックだった。俺は、人混みの陰に隠れて二人をつけた…………

実は、今日、有名アーティストのコンサートがあった。裕子の好きなアーティストで、いつものようにチケットを取って誘うと…………
「私、今回は友達と行くから、妹さんでも誘ったら?」と断られてしまった。

何かおかしい。そう言えば、ここの所、Hも積極的に誘ってくれなくなった事が思い当たった。
そこで、バイト先の友人と示し合わせ、複数の友人と裕子と俺で飲みに行き、べろべろに酔わせ、二次会のカラオケで携帯をチェックすると…………でるわでるわ。ヒロシとの逢い引きメール。ヒロシは、バイト先に出入りしている取引業者の男だ。いわゆるイケメンだが、ちょっとチャラ男っぽい。
「早くあんな奴と別れろよ。俺のHの方がいいんだよね」
「うん……あなたの×××の方がいいわ」要するに定番のやりとりだが、俺は真っ青になった。
さらに履歴を見てみると…………やっぱり。例のコンサートに行く話が出てきた。彼女は奴にチケットを取ってもらったらしい。なんてこった…………。
俺は、会場のカラオケボックスをそっと出て、連絡を絶ったが、向こうからも何も言ってこない。だめかも…………

何はともあれ集合場所に行って、怒鳴り込んでやろうと思ったのだが、何となく気後れしている内に、裕子とヒロシは寄り添ったままコンサートホールへ入っていった。
俺もチケットを持っているので、入ろうと思えば入れるのだが、ためらって立ち止まっていると…………同じように会場に入らないで立ち止まっている女の子がいた。だぶだぶのTシャツにジーンズ。コンサートに行く格好ではないよな。

あれ?  妹の美由紀だ。でも、美由紀も真っ青な顔をして、心ここにあらずと言った感じだ。
俺は、美由紀の方に向かって歩み寄っていった

ちなみに、俺は◎◎大学の2年生。自宅から通っており、同い年の妹、美由紀と父母との四人家族。美由紀も同じ大学に通っている。
妹:美由紀。………………血のつながっていない妹。


「美由紀、そんなところで何しているんだ?」
「お、お兄ちゃん……どうしたの? びっくりしたよ」美由紀は元々大きな目を、更にまん丸に見開いて振り向いた。
「美由紀こそ、どうしたんだ?」

「あれ、私の彼氏。何でお兄ちゃんの彼女と一緒に居るのよ?」
「えっ、まじで? てか、あんな奴とつきあっていたのか?」
「うん…………つきあってまだ半月だけど…………何なの? これ?」

「とにかく、中に入ろうか?」
「でも、チケット……ないよ」
「ジャ、ジャーン」俺はチケットを差し出した
「何でお兄ちゃんが持っているの?」
「それを聞くなよぉ……orz」

俺たちの席は二階席。アリーナ席を見下ろすと、真っ赤なタンクトップを着た裕子と、真っ黄色のシャツを着たヒロシの姿が見えた。
ヒロシの奴……アリーナ席かぁ。やっぱり社会人は違うな。

美由紀の横顔を見ると、寂しさ、辛さといった中に、思いがけない場所で兄と再会した事への安堵感も漂わせていた。親や大学をネタにいつも通りの他愛ない話をしていると、前座が始まり、会話は中断。つまらない演奏を聴きながら、俺は、深く回想した。

「僕」が幼稚園で"馬田聡眞"(うまだ さとま)と呼ばれていた頃、母が離婚した。
前の父親は母や僕にまで暴力をふるう人で、物心ついた頃から殴られていた。「着替えが遅い」「食べ物を残した」と。
母が「叩かないで」と僕をかばうと、母が殴られた。

小学校入学の少し前。家の中に知らない人が何人も出入りしているかと思うと、民生委員というやさしいおじさんが僕に言った。「お父さんとお母さんはりこんすることになったから、もう叩かれることはないんだよ」
僕と母は家を出て母の実家に引っ越した。おばあちゃんとの3人暮らしとなり、名前も母の旧姓、鈴木聡眞になった。母が働きに行く間は、優しいおばあちゃんが相手をしてくれた。

ところが、小学校2年生の9月におばあちゃんが亡くなった。
(遺産相続の関係らしく)母と僕は、狭いアパートに引っ越して、学校も転校した。
子ども部屋も無いアパートに、フルタイムの仕事から帰ってくる母は疲れ切っていて、いつも不機嫌だった。
昔の優しい母ではなく、文字通りの鬼ババに変貌。いつもヒステリックに怒鳴られていて、家に帰るのがイヤだった。

友達と遊ぶと言っても、アパートに友達を呼ぶことは許されておらず、出来たばかりの友達も離れていった。
勉強を見てくれる人もおらず、分からないところが雪だるま式にふくれ、更に勉強が楽しくないという悪循環。元々悪かった成績はみるみる下がっていったが、母は「勉強しなさい」と怒鳴るだけ。でも、一人で留守番しているときはマンガばかり読んでいたっけ。

3年生の新学期。持ち上がりのつまらないクラスに若田美由紀(わかた みゆき)ちゃんという転校生が入ってきた。
美由紀ちゃんのお母さんは3年前に亡くなり、お母さんの記憶は殆どないそうだ。授業参観会には、おじいちゃんが代理できていた。
そのためか、いつも寂しそうな目をしていた。
休み時間、いつものようにひとりぼっちで校庭の片隅でアリの行列を眺めていると
「何見ているの?」とのぞき込んできた。
「アリさんだよ。アリさんっていいなぁ。家族みんなで暮らしていて」
「うん」

美由紀ちゃんも上手くお友達が作れなかったらしい。
僕たちのクラスは、小さなグループがいくつかあって、グループ間では公然と対立していたが、新任の女性教諭は授業を進めるので精一杯。僕や美由紀ちゃんにお友達が居ないことなど見抜けていなかった。(どのグループにも入れてもらえなかった)
休み時間のたび、僕たちはちょうちょを追いかけ、アリの行列や池のオタマジャクシを見ながら過ごしていた。雨の日は図書室で読書や、美由紀ちゃんに勉強をちょっと見てもらうことも……。

美由紀ちゃんの家はお父さんと二人暮らしで、放課後は近所にいるおじいちゃんと伯父さんの家(=実家)に帰るという。(夜、父親が迎えに来る)
でも、しつけに厳しい伯母さんや、成績優秀な中学生の従兄弟に囲まれて、息苦しいとも。
「いいなぁ、ひとりでお留守番。わたしなんて伯母さんや従兄に気を遣って……」
「でも、つまんないよ」

休み時間ごとに校庭の隅っこでアリを観察している僕と美由紀ちゃんに関心を払うクラスメイトはいなかったが、自分のことを分かってくれる友達がいるだけで楽しかった。

6月のある土曜日の昼下がり。
電話を受けた母が切羽詰まった声で僕に言った。
「聡眞、悪いんだけど今晩、お友達の所に泊まってくれない?」
「ええっ」
遠方に住んでいる母の姉の家が火災に遭い、泊まりがけで見舞いに行くという。
「僕も行く」
「だめよ。火事場に子どもが行くものではありません」
「…………」
「誰の所に頼もうかしらね」
「クラスの男の子なんてイヤだよ。だったら一人でお留守番する」
「3年生の子どもを置いて泊まりがけなんて行けるわけ無いでしょ!!」
母がクラス名簿の男の子の所を差しながら「○○クンは?」と聞くが、みんな僕を仲間はずれにするのでイヤだ。
「もうっ、いやっ!! いい加減にしてよ!!。あんた!!男の子の友達、いないの?」母はヒステリックに怒鳴った。
「うん。いない。一人もいないよ」
「休み時間はどうしているの?」
「美由紀ちゃんとしゃべっている。美由紀ちゃんしか話し相手いない」
「えっ?、女の子と??」
「うん。そうだ、美由紀ちゃんのところならいいよ」
「そんな……父子家庭だし、女の子の……」
「じゃあ、ぼく一人で留守番している。じゃなきゃ付いていく。男の子の所に電話しても無駄だよ。」

母は、大きなため息をつくと、ためらいがちに電話のボタンを押した
「すみません……鈴木聡眞の母ですけど。初めまして。誠にあつかましいのですが」
母は泣きそうな声をしていたが、声のトーンが急に明るくなり電話が終わった。

「美由紀ちゃんのお父さん、泊めてくれるって」
「えっ、本当?」
僕と母は大あわてで支度をして、美由紀ちゃんのおうちに行った。
大きくて綺麗な二階建ての家では、美由紀ちゃんのお父さんが迎えてくれた。
母は何度も何度もお礼を言うと、駅まで駆けていった。
「わぁ、聡眞くん来てくれた!!」
「まあ、何もできないけどゆっくりしていってくれ」と美由紀ちゃんのお父さん。
がっしりした体格だが、やさしそうなお父さんだ。僕を殴った昔のお父さんとは大違い。

僕は、美由紀ちゃんに促されるまま二階の子ども部屋へ。
真っ白な壁紙が貼られた大きな部屋には机とベッドとテレビと本棚があった。
(夜は別の部屋で父親と寝ているので、ベッドの上に寝具はない)
「ねえ、ゲームしようよ」
初めて上がり込んだクラスメイトの部屋。最初は面映ゆかったものの、次第にほぐれてきてゲームをしたり、漫画をみせてもらったり。
美由紀ちゃんのお父さんは、庭の手入れをしていたが、夕方には台所に入り、晩ご飯のカレーをご馳走になった。
お父さんの作る料理なんて見たことがない。おいしくて2杯もおかわりした。

夜、エアコンの効いた客間に布団が3枚並べられ、お父さんと3人で寝た。僕にあてがわれた客布団が柔らかすぎて、寝付けなかったが。

翌日は、車に乗せてもらって大型都市公園へ。
ボートを漕いでもらい、サッカーのまねごとをして…………こんなに体を使ったのは久しぶり。
(僕の普段の休みったら……バスに乗ってショッピングセンターへ買い物に行くだけで半日が潰れ、帰ってくると母は疲れて昼寝だ)
夜は回転寿司をご馳走になり、美由紀ちゃんと喋りながら目の前を流れてくる皿を何枚取っても美由紀ちゃんのお父さんはにこにこしている。母に連れて行ってもらうと「5枚までよ」と怒られるのに……
僕は、帰りの車の中で眠くなってしまって、気がついたら美由紀ちゃんのお父さんに抱えられてアパートの部屋に送り届けられていた。

その日以降、美由紀ちゃんのお父さんは、僕と母を連れ出してくれるようになった。
今までは1時間に1本のバスに揺られて出かけていたショッピングセンターも、車でスイスイと乗り付けて、あとは動物園に遊園地。
「おい、聡眞くん! シャツからヘソが出ているぞ!!」と美由紀ちゃんのお父さんに笑われて、ちょっとだけ靴や服も買ってもらった。

そして、夏休み。僕と母は、美由紀ちゃん父子と泊まりがけの旅行に出かけた。着いたのは高原の貸別荘。
1階は居間と和室の寝室。2階は布団2枚でいっぱいになりそうな小さなロフトだ。
「ねえ、お父さんと私がロフトだよね」
「えーっ、僕とお母さんがこっち(ロフト)がいいなぁ」

室内を探検した僕たちがもめていると「それなら、聡眞くんと美由紀がロフトで寝たら?お父さんは和室の方がいいから」と美由紀ちゃんのお父さん。
「お母さんも和室でいいわ」
「うそ!!、本当? やったー」
大好きな美由紀ちゃんとお泊まりなんて。ただただうれしかった。

夕食はバーベキュー。てきぱきと準備する美由紀ちゃんのお父さんと、ぎこちなく手伝う母。
僕たちはゲームをしたり、山の中に探検に出かけたりと楽しく過ごした。
夕食、風呂の後、美由紀ちゃんのお父さんは食卓にみんなを集めた。
「若田さん、何でしょうか?」母がいぶかしげに尋ねた。
「千秋さん、今日は誕生日だったよね」と冷蔵庫から大きな箱を取り出した。
中からは、イチゴがぎっしりと敷き詰められた大きなケーキ。
母の年齢の28本は無かったが、数本のローソクが立てられた。

「さあ、お誕生会をしよう」
………………「うっ、うそ??、私のお誕生会?」母の声が震えている。
「そうだよ。ケーキは別荘のオーナーに頼んでおいた……あと、プレゼントも」

「うっ、うっ、ウソ……えっ、どうして? わーーーーーーん」母は手で顔を覆うと、思いっきり泣き出した。
父と離婚してから今まで、僕の前では涙を見せたことのない母が手で顔を覆い、嗚咽している。
「聡眞くんのお母さん、どうしたの?」美由紀ちゃんがのぞき込む。
「私……私……この子を産んでから、自分の誕生日にケーキなんて食べたこと無かった……今日が誕生日だってことも忘れてた。何で、どうして? うそみたい……」

「千秋さん……泣かないで。子どもたちが待っているよ」美由紀ちゃんのお父さんが、母の肩に手を当てた。
「は、はい……」
母は洗面所で顔を洗ってくると、震えながらローソクの火を消した。
プレゼントの中身はネックレスだった。母はそっと身につけた。

ケーキを食べ終わり、ロフトに上がる前に美由紀ちゃんのお父さんから言われた。
「お母さんは疲れているから、静かにするように。あと、和室に入る前にはノックをしなさい。扉は中から開けるから、勝手に開けないように」と。

美由紀ちゃんとロフトに上がり、ゲームをしたりおしゃべりしたり。
普段ならこんな夜ふかしは許されないが、今日は叱る人がいないのでのびのびできた。
「ねえ、聡眞くん」「なぁに」「見て、星がきれいだよ」と窓際に誘われる。
都会とは比べものにならないぐらいの満天の星空。今にも降り注いできそうだ。

「ねえ、聡眞くん」いきなり美由紀ちゃんが声を掛けた。
「??」
「もし、お父さんと聡眞くんのお母さんが結婚するって言ったらどうする?」
「ええっ?」僕は思いも寄らない美由紀の問いかけにびっくりした。
「だってぇ、何か怪しいよ」小3ながらも女のカンが働いていたらしい。

「そうしたら、お母さん、美由紀ちゃんのお父さんに取られちゃうのかな?」
「でも、聡眞くんには新しいお父さんができるでしょ」
「僕と美由紀ちゃんはどうなるの? どっちか捨てられちゃうの? よく分からないよ」
「ばかねぇ。きょうだいになるんだよ」
「きょうだい?」
「うん。私は妹がいいなぁ。聡眞お兄ちゃんに甘えたいから」
「ぼくは美由紀ちゃんといっしょならどっちでもいいよ」
「お父さんと聡眞くんのお母さん。結婚する相談でもしているのかな?」
「そうだといいね」

「寝ようか」「うん」僕と聡眞ちゃんは、網戸を閉めると、床についた。

翌日、貸別荘を出た僕たちは「◎◎こどもランド」に連れていかれ、「ちびっこ乗馬スクール・半日コース」に参加するように言われた。
コーチから指導を受け、初めての馬におっかなびっくりまたがり、コースを歩いていると、美由紀ちゃんのお父さんと母が並んでベンチに腰掛けていた…………あれ、美由紀ちゃんのお父さんが母の肩を抱いている。

「ね、ねぇ。美由紀ちゃん!!」僕は馬の上から指さすと
「本当だぁ……エッチなんだから」美由紀はニヤニヤしている。
一瞬かいま見た母の幸せそうな顔に、僕は嫉妬した。僕の前ではこんな顔見せたこと無かったのに……あの気丈だった母が甘えている。
僕はちょっと凹みかけたが、美由紀ちゃんは
「お父さ~ん、お母さ~ん」と大声で手を振った。母は美由紀ちゃんのお父さんから離れてフェンスに駆け寄ると
「美由紀~っ、聡眞~っ」とにこにこと手を振ってくれた。あんな嬉しそうな母の顔を見たのは初めてだった。


お昼を食べた後、母から「聡眞、お母さんから大切な話があるの」と言われ、二人だけになった。
美由紀ちゃんもお父さんから同じ事を言われたらしく、別々の方向へ歩いていく。
無言で小さな喫茶店に入り、パフェとアイスコーヒーが並ぶと、母の口が開いた。
「お母さん、美由紀ちゃんのお父さんと再婚したいけど……いい?」
…………やっぱりそうか。僕は身構えた。
「僕はどうなるの?」
「聡眞は……」母が語った。
美由紀ちゃんとはきょうだいになる。誕生日の関係で、僕が兄で美由紀が妹。
住むところは美由紀ちゃんの家。子供部屋も個室がもらえる。が、苗字はまた変わってしまう、と。

僕は何も言えなかった。というか、もっと色々聞きたかったが、母は震えて今にも泣き出しそうだ。
「聡眞、ごめんね。お母さんのわがままで。お母さん、疲れちゃった。このままだとあなたのこと幸せにできない…………」
「お母さん…………いいよ。お母さん、取られる訳じゃないでしょ」
「うん……聡眞のこと、きっと幸せにしてあげるから……ありがとう」母はテーブルにつっ伏すとすすり泣いてしまった。

顔を真っ赤にした母は、僕の手をつないだまま喫茶店を出ると、花壇の前に向かった。
ベンチには美由紀ちゃんとお父さんが腰掛けていて、満面の笑みをたたえた美由紀ちゃんは、俺に向かってピースサインをした。

帰りの車は母と並んで後ろに座った。母は僕の手をつないだまま離さなかった。
車が高速に入ると美由紀ちゃんのお父さんが話を始めた。明日、籍を入れ、学校にも挨拶に行く。明日の晩から身の回りのものを持って同居しよう、と。
(美由紀ちゃんのお父さんの夏休みスケジュールの関係で、ちょっと急いでいるらしい。トラックが用意でき次第、アパートから荷物を出して引き払うとのこと)

早めの夕食のあと、散らかったままのアパートに着いた。母と二人きりで過ごす最後の夜。まずは、当座の着替えや勉強道具をカバンや段ボール箱に詰めた。玄関に小さく積まれた荷物……そして……
「大切な話がある」と食卓に座らされると、母は二つの古びた封筒を取り出した。
1つめの封筒からには、思い出すもおぞましい、前の父親の写真。
幼児の頃の記憶とはいえ、殴りかかってくる姿は今でも思い出してしまう。

もう1つの封筒には、かっこいいお兄さんの写真。
「この人は?」
「聡眞の本当のお父さん」
「えっ?」
母が18歳の時、この写真のお兄さんと母の間に僕が出来た。
妊娠したため高校は3年生なかばで退学。結婚するつもりだったのが、僕がお腹の中にいるとき、お兄さんは交通事故で亡くなってしまった。そのあと、前のお父さんと一緒になったという。

母は「お母さんは、徹也さんと一緒になるので、この写真は持っていられない。聡眞も、明日からお父さんは徹也さんだけ。だけど、将来、あなたが生みの父親や育ての父親を知りたくなったとき困るから、この写真はあなたにあげる。独立したらこの箱を開けなさい」と言いながら写真を木箱に収め、ボンドで封をしてしまった。
「最初のお父さんってどんな人?」僕は、母から生みのお父さんの話を聞きながら、寝入ってしまった…………

翌日、みんなで市役所に行ったあと、夏休みで閑散とした学校に行って先生に報告。
「若田聡眞くん、美由紀ちゃん、お父さんとお母さん。おめでとう」と先生方から拍手を頂き、照れまくる僕たち新しい家族。

美由紀の家、というか新しい自宅に着き、妹になったばかりの美由紀は僕の手を引いて2階へ。
「ここが聡眞の部屋だよ」と、東向きの広い部屋をあてがわれた。

僕の荷物はアパートから持ち出した古い布団と、着替えや勉強道具の入ったかばんだけ。母と一緒に汗を流しながらほこりっぽい部屋の掃除を済ませ、窓の外に広がる住宅街を眺めていると「お兄ちゃん!! どう、この部屋」
「お兄ちゃんって!?」
「うん、わたしが妹になるんでしょ」
妙に照れたけど、うれしかった。


夜、食事の後に父から言い渡された。
「これからはお父さんとお母さんは一緒に寝るから、子どもたちは自分の部屋で寝なさい」
「あと、夜10時以降、お父さんとお母さんに用事があるときは、必ずドアをノックすること」
やっと、母から離れて一人で寝ることが出来る。僕を大人扱いしてくれた父の配慮がうれしかった。

がらんとした部屋。ピカピカのフローリングの上に布団を敷き、美由紀から借りたマンガを読んで寝ころんでいると
トントン……「お兄ちゃん……」パジャマ姿の美由紀が入ってきた。
妹とはいえ、女の子のパジャマ姿なんて初めて。どぎまぎしていると
「お兄ちゃん……寝られない」
「どうしたの?」
「いつもお父さんと寝ていたから……一人で寝るのやだよ。怖いよ……」ぐすっ。べそをかいている。
「…………」
「いっしょに寝て。お願い」

僕は照れくさかったが、「おいで」というと、美由紀は「うん」とにっこり笑って僕のぼろ布団に潜り込んだ。ええっ、一緒のふとん?
美由紀は「お兄ちゃん、寝よう」と全く意に介さない。
電気を消すと、あっという間に眠りについてしまった。
美由紀の髪の匂いを嗅ぐと、いい匂いがした。

優しくて威厳がある父と、怒りっぽさがすっかり消え、やさしくてきれいになった母。
学校から帰ると「おかえり」とエプロン姿で迎えてくれ、食卓には手作りのおやつが並んでいる。
そして、何よりも嬉しいのが、可愛らしい妹の美由紀が、いつもそばにいること。
外でも「お兄ちゃん」と甘えてくるのがちょっと恥ずかしいけど、それでも悪い気はしない。お風呂も一緒に入っているし、夜は僕の部屋に布団を持ち込み、布団を並べて一緒に寝ている。

新学期を迎え、明るくなった僕らの様子を見た何人かのクラスメイトが友達になってくれて 一つの輪ができた。僕らがグループを作った格好だが、僕と美由紀は父のアドバイスを受け「誰でも出入り自由」を宣言し、3学期には男女入り交じった一番大きな輪になった。

更に、休日は月に2~3回、(塾の先生をしているという)伯母に兄妹で預けられ、伯母や従兄に勉強を見てもらった。伯母の指導は厳しいが的確で、成績も回復しつつある。
そんな僕たちを両親は喜んで見守ってくれた。

小学校6年生のある日。

美由紀と二人で寝ようとすると、美由紀が変なことを言ってきた。
「ねえ、おっぱい舐めて」……ええっ!?
手には、派手な表紙のマンガ雑誌を持っている。
何でも、悪友からエッチな話を聞かされ、実際に試してみたくなったらしい。
僕も、好奇心からOKした。

ここのところ、さすがにお風呂は別々に入っていたので、久々に見る美由紀の胸は少し膨らんでいた。鷲づかみしようと手を伸ばすと
「もう、ムードも何も無いんだから」と手を掴まれ「キスしようよ」
「どうやって?」
美由紀はエッチなマンガのページを開くと「こうするの」と僕の首っ玉にぶら下がって、唇を合わせてきた。
ぬるっとする妙な感覚と、歯磨き粉の匂いがしたが、僕のジュニアが大きくなってきて…………
キスが終わると、美由紀は横たわってパジャマの胸を開いた。
こんもりとした膨らみの先に、ピンク色の小さな乳首が尖っている。
「舐めて」…………恐る恐る舌でべろりと舐めると「きゃあ!!」
「どうしたの?」
「くすぐったいよぉ」
「おかしいなぁ、気持ちいいんでしょ」と再び乳首を口に含み、今度は赤ちゃんみたいに吸ってみた。
「ああんっ」と、美由紀がのけぞった。
「美由紀?」
「凄い。全身に電流が走ったみたい」
僕は、そのまま舐めを続けると「んんっ、いやっ」と体をじたばたさせた。
しばらくして「気持ちよかった。寝よう」と美由紀は寝てしまった。
僕はお◎んちんが大きくなったままどうしていいか分からない……

次の日。再びキスをして、胸舐めをしていると
「ねえ、聡眞、股の間が変なの」と美由紀はパジャマのズボンを降ろした。
パンツの股間がシミになっている。
「これが愛液なの?」「そうみたい……」「どれどれ?」
僕は、パンツの上からシミになっているところを触ると「んんんっ」と仰け反った。
「気持ちいいの?」「うん、すごく気持ちいいけど……何か怖い」
そう言いながら抱き合うと、美由紀が
「聡眞のお◎んちん、大きくなっているよ」と触ってきた。
「ちょっと、恥ずかしいからやめてよ」
「えーっ、わたしの胸見せてあげたんだから、見せてよ」
と、強引にブリーフをおろされた。
妹の前で大きなお◎んちんを出すのは恥ずかしかったが、美由紀は手で撫でさすりながら
「大きくなってる。ふだんのお◎んちんと全然違うよ」としげしげと眺める。
僕は、頭の中が変になってきた。むずむずするような感じだ。

美由紀の手の動きに「美由紀、気持ちいいよ。変になりそう」
「こうすると気持ちいいの?」と美由紀はジュニアをこね回したために…………
「美由紀、おちんちん爆発するよ」「えっ、うそっ、何で」
「うわあっ!!」どくっ、どくっ、どくっ
白いどろどろとした液体が僕のお腹と、美由紀の手に掛かった。
あまりの気持ちよさに我を忘れかけたが…………

「きゃー!! 何これ、すごい。ぬるぬる出てきているよ~っ!!」
美由紀が上げた悲鳴を聞いて、近くを通りがかった母が部屋に飛び込んできた。
「あ、あなたたち! なにやっているの!?」と、ヒステリックな声を上げる。
目の前には、パンツ1枚の娘と、下半身丸出しの息子。娘の手には栗の花の香り漂うザーメンが…………

階段を上がる人の音……父も来たようだが、母に制される。
「あんたたち、服を着なさい」パジャマを着た美由紀は母に連れられて美由紀の部屋へ。
父は「シャワーでも浴びてこいよ」と辛うじてパンツを穿いた俺に無表情で言った。

30分後。食卓に座らされた僕たちは、父から説教を受けた。
これからそう言うことに関心の出てくる時期だけど、お前たちは兄妹なんだから自重しなさい。エッチなことをして、お互い気まずくなるよりも、家族として友達感覚でつきあったほうが、将来のためだろう。そういうの『近親相姦』と言って、昔は死刑になるぐらいの犯罪だったんだぞ、と。…………そして
・夜、二人で寝ること
・下着で隠す所を見せ合ったり、触ったりすること
は禁止すると申し渡された…………

穏やかだが、重みのある口調に、僕は従うしかなかった。

中学生になっても「お兄ちゃ~ん」と甘える様子は変わらない。
夕食に間に合うのならデートは許されていたので、映画に一緒に行くときはいつも手をつないでいたが、エッチなことはしなくなった。
ただ、美由紀にからかわれて下着姿のまま胸の膨らみや尻の丸みを見せつけられた後、自室で美由紀の下着姿をネタに発射することはよくあったが。


勉強の甲斐があり、高校も同じ所に進学した。
その高校生2年生のとき…………下級生の女の子から告白された。
このまま美由紀の事を想っていても辛いだけだ、と美由紀への想いを振り払うように告白を受けた。
その子も甘えんぼだったが、ぶら下がってくる腕の柔らかさ、髪の匂いや触った感触。全てが違っていた。
それでも、その子を好きになろうと懸命に努力し………………とうとう初体験。
俺の名前を叫びながら貫かれる女の子の顔を見て、美由紀への気持ちも吹っ切れた、と思った。
ところが、部屋で美由紀と喋っているとき、その子との初体験を話すと、美由紀の顔が一瞬引きつった。しどろもどろになっている美由紀を後にして自室に戻ると、美由紀の部屋から号泣する声が聞こえた。
「美由紀……ごめん」無意識に俺はつぶやいていた。

数ヶ月後、今度は美由紀がイケメンの先輩の男と歩いているのを目撃した。
「彼氏出来たの?」「うん」……すこしして「しちゃった。痛かったよぉ~」と俺に語る美由紀。うれしそうに語っているふりをしているが、どこか寂しげに見えた。
俺は大いに凹んだ。いつかはこのようにして美由紀を送り出さなくてはならないにしても、今まで培ってきたものの上にあぐらをかかれたような気分だった。
辛くて、ご飯ものどに通らなかった。

高校1年の彼女は、俺のそんな心の傷をいやすのには幼すぎ、程なくして別れを切り出された。
(美由紀も、結局はイケメンに遊ばれただけで、捨てられた)
その後も、美由紀から彼氏の話を聞いたりしたが、長続きしない様子だった。俺も時々は彼女が出来たが、あまり長続きしない。
18歳の春。父の母校でもある◎◎大学に二人揃って入学出来た。
俺には無理と言われた難関校。しかし、美由紀と同じキャンバスに行きたいという夢と家族の愛情が後押ししてくれた。
父はもちろん、学業の志半ばで俺を身ごもって進学をあきらめた母も涙を流して喜んでくれた。

学部は別々だが、バイト先は一緒の所にした。美由紀と一緒に往復することで、美由紀は遅い仕事も出来るし、両親も安心できる。
が、バイト先で俺は彼女を作り、最近、美由紀にも彼氏ができた様子。
……俺と美由紀は、別々に帰るようになった。(家では普通に喋ったり勉強したりしているが)

今度の彼女・裕子は俺より1つ年上のお姉さんタイプ。
やさしくて気の利く人で、美由紀に対しても優しく振る舞い、兄妹で仲良くしている俺のことを理解してくれていると思っていた。
将来を考えてもいいと思っていたのに、まさか妹の彼氏と通じていたとは…………

そんな回想をしているうちに前座が終わり、アーティスト登場。
アリーナにいる裕子とヒロシは、近くの観客と共に踊り狂っている。

俺と美由紀、そのアーティストはあまり詳しくなかったのだが、会場の熱気に釣られ、いつの間にか回りの観客と一緒に盛り上がっていた。
盛り上がりながら、美由紀は体を押しつけてきたり、腕をつかんできたり。時々、二の腕に美由紀の柔らかい胸が押しつけられた。
そんな美由紀を見て、俺は思った。「しばらく女を作るのはやめて、美由紀と遊んだり出かけたりしようかな」と。
エッチなことは親に禁止されているが、一緒にデートするだけでも楽しく、癒される相手。最近は彼女ばかり目がいって、あまり美由紀と話したりしていないもんなぁ。
コンサートの終わりがけ、美由紀は俺の手を握りしめてきた。


夜9時。コンサート終了。
出口には大勢の観客が殺到していたが、派手な格好をした裕子とヒロシはすぐに見つけられた。俺は美由紀と顔を見合わせ、後をつけた。
何のために? 別れると決めたのに。でも、美由紀はどう思っているのだろう。

裕子とヒロシは、駅に向かう人混みから離れ、シティホテルに入った。ええっ?
「美由紀……これって」
「きっと、そうだよ」
案の定、二人はフロントでチェックインを始めたので、物陰から携帯で隠し撮り。
チェックインを済ませた二人は、絡み合うようにエレベーターに乗り込んだ。

「やっぱり……」 二人を見送った格好の美由紀。ロビーにへたり込んだ。


「美由紀…………もう帰ろうよ」
「ヒロシが、聡眞の彼女と……ひどいよ」
美由紀がべそをかきはじめたので、俺は美由紀をホテルから連れ出し、近くの公園に向かった。水銀灯で明るく照らされた公園は少し蒸し暑く、けだるい空気が漂っていた。

ベンチに座り、美由紀の肩を抱いたまましばらくたたずんでいた俺は「俺、もう裕子と別れるよ」と、ぽそっと言った。今回のこともそうだが、考えてみれば少しおかしいところが以前からあったのだ。
「さてと、メールでも打とうかな」と俺は『たっぷりヒロシとお●んこ楽しんでね。スケベな裕子へ。さよなら』と入力し、先ほどのフロントでの盗み撮り画像を添付し、送信した。
「もうっ、聡眞ったら……ひどーい。ww」これを見た美由紀の機嫌が良くなった。
「ねえ、私にも頂戴」と言うので、赤外線通信で画像を送り、美由紀はそれを添付してメールを作った。
「今夜は頑張るのよ。張りぼてち●ぽさん。バイバイ」
送信を押した後、美由紀は一人で笑い転げていた。
「どうしたの?」
「だって、エッチに夢中になっている二人の所に、同じ盗み撮り画像が送られたのよ。二人で見せ合っているところを想像すると…………」


「さあ、美由紀。帰ろうか。門限は午前0時だから…………」
俺と美由紀は手をつなぎながら、駅に向かった。
ところが、駅近くの別の公園を通り抜けていると、美由紀はいきなり立ち止まり、すすり上げ始めた…………

「も、もう……やだよ。ぐすっ……、いや……。嫌だ……」美由紀は再び泣き始めた。
「美由紀……俺、何かした?」美由紀の泣く理由が今ひとつ分からない。
「それとも彼氏がいなくなったこと? 大丈夫だよ、美由紀はかわいいからきっと……」

「違うの!! いやだよ!! いや……自分に嘘付くの……もういやだ」
「美由紀?」
「私、好きでもない人とつきあいたくない。私、私……お兄ちゃんが好きなの。お兄ちゃんと結婚する!!」

「ええっ」今まで、父の連れ子であり、妹だった美由紀を結婚相手として考えたことなんてなかった。でも、でも…………俺も美由紀が好きだ。
「美由紀・・・・・僕も美由紀のこと」そう言うと、思いっきり抱きしめた。上手い言葉が出てこなかった。今まで、思いこみだけで遠回りしていた自分が腹立たしかった。
胸に顔を埋めた美由紀の嗚咽が響いている。

「ねえ、お兄ちゃん……泊まっていこうよ。」
「でも、お金が……」いきなりの外泊。心の準備ができていないので、今日は…………ところが
「これ使えばいいじゃん」と美由紀はバイト先で作らされたクレジットカードを取り出した。学生用なので利用限度額は10万円足らずだが、ホテルの泊り代ぐらいには足りるだろう。

「じゃあ、お母さんに電話するね」満面の笑顔の美由紀は、涙の跡も拭かずに電話をかけ出した。
「あっ、お母さん。私。今日泊まっていくから。…………お兄ちゃんと一緒だよ…………」・・おいおい。まずいよ……ほらぁ…………電話の向こうから甲高い母の声が聞こえた。
「違うよ、私たち遊びじゃないもん、お兄ちゃんのこと好きだもん!!」
再び母の怒鳴り声がここまで聞こえてくる。
「美由紀……やっぱり今日はまずいよ」と俺は美由紀の腕を掴むが、聞く耳を持たない。美由紀も激しく言い返している。そして……

「お母さん!ふざけてなんかないよ。私、お兄ちゃんと結婚するの!! もう我慢したくない!! 自分に嘘付くのイヤだ!!!! お兄ちゃんと結婚出来なきゃ私たち、家出して駆け落ちするから!!」と電話口に向かって怒鳴った。通行人やカップルが振り向いている。
「美由紀……!!」「お兄ちゃんは黙っていて!!」逆ギレされてしまった。

と、俺の携帯が鳴った。こんな修羅場に誰だ?……と画面を見ると、父だったので出る。
「聡眞。お前、美由紀といるのか?」
「はい、父さん」
「母さんと美由紀が凄いことになっているけど……」
美由紀が母と怒鳴りあっている隣で、俺は簡単にいきさつを説明した。
「そうか…………わかった。今夜は泊まっていきなさい。……お金はあるのか? …………そうか、カード持っているのか……それなら宿代は後で出してあげるから、ちゃんとしたところに泊まるんだよ。ラブホテルなんて駄目だぞ」
「えっ、いいの? 父さん」
「ああ。お前も美由紀もずいぶん遠回りしていたけど……お前たちの気持ちは何となく察していた。本当に仲がいいんだな。」
「父さん……」
「何とか母さんは説得してみるよ。」
「はい」
「だけど、聡眞。一つだけいいか!」
「はい」
「明日、晩飯までに必ず美由紀を連れて帰って来い。駆け落ちとか家出なんて許さないから」
「はい」

電話が切れると、美由紀の電話相手が変わったようだ。父と話しているみたいだ。
「お父さん……ごめんなさい。ありがとう」そう言って美由紀は電話を切った。

と、近くにいた近所の住民風の若い夫婦が歩み寄ってきた。買い物袋を下げ、寝ている子どもをベビーカーに乗せている。
「あの……話はまとまりましたか?」と。
「は、はい。お騒がせしてすみません。あの……何か?」
「はい。私たちも実は姉と弟なんです。お互い連れ子の」
「は、はあ」
「今の話を聞いて、他人事とは思えなくて。横で聞いてしまいました。私たちも苦労したんです。連れ子同士なら結婚できるんですよ、私たちみたいに。……幸せになってください」
「ありがとうございます」
若い夫婦は去っていった。幸せそうな後ろ姿だった。


「美由紀……よかったね」
「聡眞、私なんかでよかったの?」
「何か、信じられないよ。今まで妹とか見ていなかったから。だけど、やっばり美由紀が一番好きだ」
「聡眞」美由紀は飛びついてきたので抱きしめる。と……ぐぅ~っ。美由紀の腹が鳴った。
「お兄ちゃん……」「ん?」「おなかすいた」……近くのマックで腹ごしらえ。


「ねえ、ホテル、どこにする?」マックの二階席から駅前ロータリーを見下ろしている。
「あそこは?」裕子たちが泊まっているのとは違うホテルを美由紀は指さした。美由紀が指したホテルの方が建物も大きく、高級そうだ。まあ、カードがあるからいいか。
ホテルに着いた俺たち……つまり、軽装で予約無し、しかも荷物も持っていない若い二人を見て、フロントの人はいぶかしそうにしていたが、カード精算する旨を伝えると、途端に態度が変わり、手続きを進めてくれた。


部屋に案内してくれたベルボーイが去り、扉が閉められた。
「聡眞……ここまで、私、辛かった。」美由紀がしがみついてきた。
「美由紀……」
「私、ファーストキスはお兄ちゃんだったけど……」
「…………」
「バージンもお兄ちゃんにあげたかった。ごめんなさい、こんな私ですが、もらってください」
「美由紀……ぼくの方こそ、美由紀のこと好きだったのに……」
「聡眞」美由紀は、俺の首っ玉にぶら下がったまま、唇を突き出してきた。
そっと唇を合わせると、美由紀は強く押しつけ返してきた。

……むぐっ、むぐうううっ…………んんっ、んんんんんっ…………ぷはぁっ

「お兄ちゃん……」唇を離した美由紀は、俺のことをじっと見つめている。
「美由紀……俺の顔に何か?」
「ううん。やっとお兄ちゃんと一つになれるんだな、って」
「うん。長かったね。ここまで」

「お兄ちゃん……お風呂入ろうよ。何か体がべたべたしているから」
「うん。美由紀、先に入る?」
「ばかぁ、一緒に入るに決まっているじゃないの」

そう言うと、美由紀は俺のシャツのボタンに手を掛け、下から一つずつ外していった。
シャツを脱がせた美由紀は、裸の胸板に顔を押しつけて、頬を擦りつけている。

「美由紀……美由紀のも見せてほしい」
「えっ、恥ずかしいよ」
「そうだよね。小学生のあの時以来、美由紀のおっぱい見ていないから、恥ずかしいよね……でも、だめだよ! 夫婦になるんだから」
俺はそう言うと、美由紀のTシャツを上に捲り上げた。

「お兄ぃ、何するのよ!」美由紀は口では怒っているが、満更でもなさそう。
真っ白な肌に、チェック柄のブラが目に飛び込んだ。時々洗濯物として干してあるので、見覚えはある。
胸は巨乳というわけではないが、こんもりと丸く膨らんでいる。
俺は「美由紀……」と抱きしめる振りして、背中に手を回し、ホックを外した。
「もうっ、ひどい……何飢えているのよ!」
「お風呂に入るんだったら早く脱がなきゃ」
「ごめん……恥ずかしいから……ちょっと経ってからお風呂に入ってきて……お願い」
美由紀は真っ赤な顔をして、中扉の先に消えていった。

程なくして、シャワーの音が聞こえだしたので、俺も服を脱いでバスルームへ。
美由紀は後ろ姿でシャワーを浴びていた。
ほっそりとした背中、可愛く膨らんだ尻。多少むちっとしているが、それでもきれいに伸びた脚。こんなにきれいになっていたとは……

「お兄ちゃん、来たの?」美由紀が振り向くと、小さく飛び出た胸の先に可愛らしい乳首が見えた。
「美由紀……きれいだ」
「えっ……でも、もう恥ずかしくないよ。好きなところ触って……と、その前に洗ってあげる」
ボディソープを付けたスポンジで、胸板から背中、尻、脚、そして股間へ。
「すごーい。立ってるね」美由紀は手に泡をつけると、慈しむように包み込んだ。
竿を擦られ、玉を揉まれ、丁寧に…………俺のジュニアはますますいきり立った。
普通に触られただけなのに、こんなに気持ちいいのは初めてだ。
普段一緒に暮らしている妹が胸をさらけ出して、ジュニアを触ってくれている…………
「美由紀……気持ちいい……すごい」
「ちょっと待ってね」と美由紀は全身の泡を洗い流すと、立ったままの俺の前にかがみ込み、ジュニアに口づけした。そして、目をつぶると、口を大きく開き、少しずつジュニアを収めていった。カリの部分、そして、竿が半分ぐらい美由紀の口の中に収まっている。

ジュニアは今までで一番熱く、柔らかく包み込まれている。
目を開けた美由紀は、俺の方をじっと見つめ、軽く微笑むと、口を前後に動かし始めた。
「ちゅぱ、ちゅぱ。……んぷっ、んぷっ」ジュニアはますますとろけそうになり、眼下には小さな胸と、美由紀の髪が揺れている。

「美由紀……きもちいい……上手だよ」
…………ちゅぱ、ちゅぱ…………
「美由紀、このままだと出ちゃうかも」
「いいよ」美由紀は口からジュニアを離すと答えた。「でも……お兄ちゃん……私、飲むの苦手だから出しちゃってもいい?」
「もちろんだよ。でも、どうして?」
「あの人……飲まないと怒るから」
「美由紀……」いったい、どんなことをさせられていたんだ?
美由紀は安心した表情を見せると、猛烈にジュニアを吸い立て、竿を手で擦りだした。

「美由紀……逝くよ」「んんお」……「いくっ、おおおおおおおおおおおおおっ」
俺は、美由紀の口の中にどくどくと出した。
「んっ、んっ、むぐうううううううううううっ」美由紀は顔をしかめながら小さな口で受け止めている。と、ジュニアが吸い立てられて、最後の一滴まで搾り取られて…………
ジュニアが抜かれた。美由紀は、口の端からバスタブの中に白濁液を垂らしている。

「美由紀……無理していたの? ごめん。」
「だ、大丈夫。大好きなお兄ちゃんのだもん。」美由紀は、シャワーを出すと、ジュニアをさっと流し、自分もお湯で口をゆすいだ。

「お兄ちゃん……すごい。もう勃ってきている」
「そりゃ、溜まっているから」
「そう……最近してなかったの」
「うん」
「今度は私に頂戴ね」
「うん。ベッドに行こうか?」

体を拭きっこして、裸のままベッドに横たわる。美由紀をそのまま抱きしめると、美由紀も必死で体をくっつけてきた。

「お兄ちゃん……私……抱っこされているだけでも気持ちいいよ」
「美由紀。俺もだよ」確かに、小学生の時以来の添い寝なのに、今までで一番しっくりと来る抱き心地だ。美由紀の髪に顔を埋めると、美由紀も胸に顔を埋めてきた。

「お兄ちゃん……何度言っても言い足りないけど、世界で一番お兄ちゃんのこと好き」
「うん」
「あのね、私……小学校3年の最初の晩、一緒に寝てくれて本当に嬉しかった」
「…………」
「今まで、パパと一緒に寝てくれたのに、あの晩。突然パパが私を寝室から追い出して……千秋さんと二人で寝るなんて…………ママにお父さん取られた気がして、凄く辛くて、悔しくて……」
「…………」
「普通だったら『川の字で寝ようよ』って言ってくれてもいいのにね。私、何となく分かっていたから……お父さんとお母さんがすごく嫌だったけど……聡眞がいてくれたおかげで……パパのこと、心から祝福できたような気がする」


そう言いながら、美由紀は抱きつく力を弱め、仰向けになったので、俺は、美由紀の胸に手を触れた。
弾き返されるような感触。胸の下側から、そっと、そっと揉み上げると
「んんっ、んっ、はあっ」と美由紀が喘ぎ始めた。
乳首はそっと触るだけにして、やさしく、胸をこね回した。
美由紀は目をつぶり、口を半開きにして喘いでいた。

俺は、体を起こすと美由紀に覆い被さって、乳首を口に含んだ。口全体で包み込み、舌で転がし、軽く吸うと
「ああんっ、あんっ、ああんっ」と舌の動きに合わせて声が出てきた。
「お兄ちゃん……気持ちいい……あんっ」
「美由紀、あの時はくすぐったくて転げ回っていたのにね」
「あの時って…………あーーっ、ひどーい。あれは小学生の時だよぉ。ああんっ」

吸っても吸っても、飽きることはなかった。ただただ美由紀が愛おしかった。
男が何人、美由紀の上を通り過ぎて行ったのかは分からないが、俺が好きなのは、美由紀の全て。世界一俺が好きだと言ってくれる美由紀全てだ。

「ねえ、お兄ちゃん……気持ちよすぎておかしくなりそう」と美由紀がギブアップしたので、胸への責めはやめたのだが…………
体を起こすと、引き締まった中に、程よく女性らしいラインをした、真っ白な美由紀の体があった。
俺は、美由紀のお腹に指をのせ、そっと撫でた。
「お兄ちゃん、何見ているの?」
「美由紀の体、きれいだなって」
「いやっ、恥ずかしいよ。高校の時から5kgも太ったんだから……腕や脚もムチムチして……えっ、いや、だめ。やめて、恥ずかしいよ」俺が美由紀のお腹に口づけし、太ももを撫で始めたから。

足下に回り込み、太ももを撫で、腰に手が回り……そして、薄めのヘアにたどり着いた。
ヘアを撫で上げるだけで「ああんっ」と体をよじらせた美由紀。そして……
「美由紀……見せて欲しい」
「えっ、でも…………」
「妻となる妹の大切なところを見たい」
「でも、私……恥ずかしい。初めてじゃないもん」
「美由紀」
「私、よく言われたの『いやらしいお◎んこだ』って」
「そんなこと無いと思うよ。ただの枕詞だよ」
「…………」
俺は美由紀の膝を立てさせると、そのまま脚を開いていった。
「えっ、ああんっ、だめ、恥ずかしいよ。ねえ、もっと部屋を暗くして……いや……」

美由紀の男性経験が何人なのかはまだはっきりしないが、いずれも交際期間は極めて短かったためか、美由紀の割れ目はきれいだった。
ふっくらした割れ目は少しだけ開き、ピンク色に輝いていた。
そして、割れ目の下のシーツはびっしょりと濡れていた。
俺は、股の間に顔を進め、割れ目をぺろりと舐めた。
「いやあん。だめ。恥ずかしいよ」
「そんなことないよ。美由紀のあそこ、とてもきれいだよ」
「そんなことない…………だめ、ああんっ、ああ、あああっ」
俺は、無心に舌を上下させ、中に突っ込んだ。そして、クリもぺろぺろと舐めていくと、美由紀がのたうち回って絶叫している。
「お兄ちゃ~んっ、だめ~っ、おかしくなっちゃう。恥ずかしいよぉ、ああんっ、はああんっ、ああっ、だめ。逝く、逝く、逝くぅ。ああああああああああんっ」

美由紀の動きが止まったので、顔を上げてみると、美由紀は真っ赤な顔をして息を切らせていた。
「逝ったの?」
「う、うん…………」
「気持ちよかった?」
「もう、お兄のバカ!!」美由紀の怒る仕草が可愛かった。
再び美由紀を抱きしめると、美由紀は
「ねえ……愛撫で逝かされるのもいいんだけど……その……入れて……」
「??」
「お兄ちゃんの、欲しい。」
「うん……あれ? しぼんでない?」美由紀は起き上がると、手で俺のジュニアをしごきだした。
と、すぐに力がみなぎってくる。
「しゃぶる?」「いいよ。また逝かされたら大変だ」「そうね」

「じゃあ、美由紀……そのまままたがって」と冗談で言うと
「ねえ、お願い。最初は普通にして」
「うん?」
「だって、これが私の初体験だと思いたいから……今までのことは本当にごめん。私、今からはお兄ちゃんだけのものになる」
「うん」俺と美由紀は場所を交代し、明かりを少し落とした。
美由紀は緊張した表情で横たわっている。

俺は、美由紀の脚の間に割り込むと……脚を広げ、大切なところにジュニアを宛てた。

「美由紀、入れるよ」「うん……入れて。」
そのまま、ジュニアを前に押し出していくと、美由紀の中にぬるっと入っていった。
中は熱く、むにむにとジュニアをくわえ込んでいるので、そのまま一番奥まで差し込んだ。
「あ、あっ、お兄ちゃんの入ってきている。すごい。私の中、熱いよ……ああんっ、うわっ、奥まで入っちゃった」

奥に挿したまま、しばらく感触を味わっていたが、そろそろとピストンをし始めると……
「ああんっ、はあっ、ああんっ」と美由紀は目をつぶり、微笑みながら喘いでいた。
「美由紀。凄い気持ちいいよ」
「うん。私も……凄く幸せ……ああんっ」

体位を変えることも忘れ、美由紀の感触を味わった。
熱く包み込まれるジュニア。腰にまとわりつく美由紀の太もも。ぷるぷると遠慮がちに揺れる胸と、はち切れんばかりに固くなった乳首。髪を振り乱す美由紀の顔は、当初の微笑みから段々余裕が無くなってきたのか、顔をしかめて声を上げている。

愛する美由紀を確かめながらだらだらとピストンをやべっ、逝きそうになってきた
「美由紀……逝きそうだから、一旦抜かせて」
「聡眞、私も逝きそうだから、そのまま続けて。抜いちゃいや」
「でも、中に出したらまずい。ゴムしてないし」
「いいよ。中に出してよ。赤ちゃん出来たっていいじゃない。んんっ」
「そ、そんな……」
「パパを奪った千秋から、聡眞を奪いとってやりたいの」
「ち、ちょっと…………だめだよ。美由紀。抜かせて」
美由紀は脚を俺の脚に絡めてきた。まずい。本当に出そうだ。でも、美由紀は
「お願い、中に出して。お兄ちゃんと一緒になるの。ねえ、お兄ちゃんの欲しい。出して。お願い!」と絶叫して髪を振り乱している。もうだめだ。

「美由紀。逝くよ。中にたっぷり出すよ」
「ああんっ、お兄ちゃん。頂戴!」
俺は、頭の中が真っ白になり、美由紀の中にたっぷりと出した。生まれて初めての生中だし。美由紀の中は、一滴も逃すまいと、ジュニアを絞り立てているようだ。で、ジュニアが抜けた。

「はあっ、はあっ」「はあ、はあ」
二人で顔を見合わせて笑った。
「もう、美由紀のエッチ」
「だって、聡眞が上手なんだもの」
抱き合って長いキスをして、シャワーを浴びに行ったのだが…………
洗いっこしている内にまたまたその気になった俺たち、もつれ合うようにベッドに行くと、今度は美由紀の小振りの尻をつき出させ、後ろから貫いた。
胸を揉み、首筋を舐めながらのエッチに、再び美由紀は逝ってしまい、今度は尻に白濁液を振りかけた。

「お兄ちゃん……寝ようか」「うん」
いつの間にか日付が変わっている。昔のように美由紀と抱きあったまま眠りについた。

翌朝。まだ早い時間。
「うわーっ、どうしよう」という美由紀の声で目が覚めた。
「どうしたの?」
「お兄ちゃん……生理来ちゃった」
美由紀は、ハンドタオルで即席のナプキンを作った。それを股間に当てた様子で、ホテル向かいにあるコンビニに飛んでいった。ナプキンでも買いにいったのかな?

俺はほっとした。
確かに、既成事実を作るのもいいかもしれないが、そんなことするよりも、父や母と話し合った方が得策のように思えたから。
直情的なところは、美由紀と母はよく似ているんだな、血がつながってないのに、と苦笑した。


ホテルをチェックアウトし、街中で少し遊んだ後自宅に着いた。

「お母さん……ごめんなさい。お母さんが大切にしてきた聡眞を……私が……」
と玄関先でうなだれる(ふりをしている)美由紀。
母は、無言のまま目を真っ赤に腫らしていた。昨晩殆ど寝られなかったという。
「いいから、中に入りなさい」と父。

「まあ、血のつながっていないきょうだいは結婚できることは確認してきた。でも、本当にいいんだな?」
「はい」「はい」
「それで、これからだが…………」

母が初めのうち強硬に反対したのは、子どもたちが家を出てしまうのではないか、とか、大学をやめてしまうのではないか、という心配をしたらしい。そこで、条件を出された。
・二人とも、家を出ないで大学は卒業すること。家事などの分担は今まで通りで、美由紀は無理に主婦業をしなくてもいいから、学生生活を楽しんで欲しい。卒業後。美由紀も少しは会社に勤めて社会経験をつむこと。
・そのため、避妊はきちんとするように。(ぎくっ)
・籍は入れても良いが、結婚式は卒業してから。卒業まで、法事など親戚の前では兄妹扱いとし、一人前の家庭とは認めない。車の所有も認めない。(買い物やデートに行くときは母の軽自動車を借りること)
・そして……今まで通り親子としても仲良く暮らそう。
更に、父は隣の空き地も購入するように手続きを始めたという。家族が増えたら……両親は隣に平屋の小さな家を建てて住むそうだ。

3日後。
俺たちは講義が終わった後、婚姻届の用紙を出しに市役所に行き、その足でバイト先に行った。あの日以来、裕子とは連絡を絶ったままで、バイトも休んでいた。
仕事をしていた裕子とヒロシ。俺たちに気がつくと気まずそうに目を逸らした。それを一瞥して、店長にバイトを辞めることと、結婚することを伝えた。
スタッフたちは俺たちが連れ子兄妹とは知らなかったので、びっくり仰天。

ただ、夜に裕子からメールが入ってきた。
「聡眞、美由紀さん。結婚おめでとう。でも、私、きっとこうなると思っていた。二人とも兄妹にしては仲よすぎだもの。私、妬けていたんだよ。ヒロシは『あいつら、絶対に近親相姦しているよな』なんて言っているし…………それで、ヒロシにちょっかい出しちゃったの。ごめんね。でも、赦してくれるよね…………ヒロシとは少しつきあってみようかと思います。エッチしか取り柄のない、どうしようもないケダモノみたいな男だから、チョット体のつきあいをしたら捨てるつもり。お幸せに」
これを美由紀に見せたら大爆笑。小振りな胸をぷるぷると震わせながら笑い転げていた。


自宅は今までと全く変わらない。
玄関の表札も、家族構成も、夕食の支度をする母を手伝う美由紀のエプロン姿も、晩酌を愉しむ父の姿も。
階段の傷や、日に焼けた部屋の壁紙、扉に残されたシールの跡も変わらない
美由紀は旦那である俺のことを未だに「お兄ちゃん」と呼んでいるし。

ただ、少しだけ変わったことがある。
2階の南向きの部屋には勉強机が2つ並び、東向きの部屋にはベッドが2本並んだことだ。もちろん、ベッドはぴったりとくっつけられていて、枕元の小さな箱の中にはコン(ry………………。