気がつけば、俺はホテルで嫁に朝帰りの電話をしていた。
琉希が酔いつぶれたという理由にしておく。
すでにシャワーを浴びた彼女は、俺に背を向けて
口にスプレーを噴きかけていた。
やっぱりあのぐらいの子は、体臭を気にするものなんだろうか。
個人的には、ちょっとくらいの口臭はむしろ歓迎だけども。

産まれたままの姿で向き合い、中坊みたいにじっと見つめ合う。
手を回して彼女の頭を引き寄せる。髪の感触はやはり希薄。
上唇を合わせる軽いキスから、舌を入れていく。
舌の根をくすぐると、向こうも応えてきた。

彼女は男は苦手だが、女相手ならよく遊ぶそうだ。
ギルメンにも相手がいるのは、その本人から聞いている。
だから彼女のディープキスはうまい。
歯茎や喉のかなり奥まで舐め取られ、声が漏れてしまう。

何より、俺はこの瞬間を、もうずっと前から夢見ていた。
「この子とキスなんてできたらな…」
初恋のように、チャットを追いながらぼんやり考えたりもした。
それが実現している。
いい匂いが漂い、たちまち下腹部が熱くなる。

口づけを繰り返しながら、俺と彼女は互いの体を探りあった。
服を着た時よりも若干小さく思えたが、高校生とは違う胸の膨らみ。
細いのにふにふにと掴めるくびれ。
「むっちり」という表現をしたくなる、瑞々しい肌の太腿。
それらを揉むように撫でると、彼女はぴくっと敏感に反応した。
「触り方、やらしいよ…」
照れ笑いしながら身を捩る彼女を、笑い返しながら押し倒す。

折り曲げても長い脚を開き、手入れしてある茂みに口をつける。
鼻の下に柔毛の感触。
続いて湿った餃子のような舌触り。
ほんの少し肉臭い。でも俺はこのぐらいが大好きだ。
舌で、まだ花の芽ほどもない淫核をくすぐる。
締まった脚がベッドを小さく軋ませる。
演技かもしれないが、新鮮な反応だった。

潤み慣れているんだろう。
淫核と肉びらを丹念に舐めていると、わずかに湿ってくる。
だが割れ目に指をくぐらせた時、彼女は身を強張らせて息を詰めた。
露骨に痛そうな反応。

まさか、未経験か?
そう思い当たり、感激と同時に不安が襲った。
いや不安の方が大きい。
「琉希…もしかして、初めて?」
意を決して聞くと、頭の上でシーツを掴んでいた彼女が俯く。
「…ごめん…」
泣きそうな声で謝ることじゃない。
しかしプレッシャーだ。
嫁は色んな相手と付き合ってて経験豊富だったから、
常に俺がリードされるのが基本。
加藤鷹伝授の知識以外、俺はド素人に近い。

でも、相手は俺が『既婚』というのを見込んでの事だろう。
思えば、いつでも彼女は頼りない俺を慕ってくれていた。
父さんみたい、そう言ってくれた事だってあった。
応えたい。
せめて初体験くらい、彼女のいい想い出にしてあげたい。
俺なんかに大層な任務だとは思ったが。

「大丈夫、力抜いとき。できるだけ優しぃするし」
自信がなくても、弱気に見せないのが糞マスターの矜持。

体勢を入れ替え、互い違いに重なり合う。
上に被さる柔らかい身体を抱き寄せた。
細いなりに重さもある、大人の身体。
興奮からか酔いからか、ほかほかと温かい。
薄暗い光に浮かぶ側部のラインは、本当に美しかった。
ただその事を褒めても、それほど嬉しそうな反応はない。

本当に緊張しているようだ。

つきたての餅のような尻肉を割り、琉希の茂みを開く。
先程と同じく、いや、より念入りに彼女を潤ませていく。
どこまでも顔が埋もれそうな柔らかさだ。
襞の合わさりに舌を差し込み、湿らせる。
「ふ、ぅ…うっ…ん!」
舌が奥に届くたび腰が跳ね、歓喜が漏れていた。