以前、外食産業に勤めていたときの新入社員歓迎会の話しです。
エリアマネジャー、店長、その部下を含めてその地域の全社員総勢20名で居酒屋の2階を貸しきって歓迎会を行ったときのことです。
エロい話しは全くありませんのでご容赦下さい。
登場人物

酒にOマネジャー(熱い兄貴分、代紋TIKE2の念仏の石田みたいな方)

F店長(私の1期先輩です。役職は同じ。ちょっと皆から馬鹿にされている30歳素人童貞。からかうと反応が面白い。人に乗せられやすい。とてもいい人)

T君(F店長の部下。入社したてなのでF店長ともそんなに親しくはない様子。ものすごくもの静か、黙って席を中座しても誰も気付かないタイプ)

T田君(T君と同期。大卒体育会系。体はかなりガッチリ)

まあ、こんな感じの方たちがあるハプニングを巻き起こしたわけなのです。
最初はOマネジャーの挨拶から始まり、普通に場が盛り上がっていったわけなのですが、
新入社員達も社会人に成り立てなので最初は抑えていたものの徐々に、盛り上がり、マネジャーや店長達にお酌をして周り、盛り上がりが最高潮に達しようかという時、私達のF店長をからかっているところをみて、新人達も調子に乗り、学生のノリでF店長と一気飲み勝負を始めました。
F店長は実はかなり酒が強かったのですが、新人達は次々とF店長に勝負を挑みます。
F店長は3人の新人相手にし、相手を潰したのですが、自分も相当弱っていました。
さすがに見かねてOマネジャーが「お前ら、そろそろやめておけ」と皆に注意を促しました。
これでしばらく皆おとなしく飲んでましたが、皆がF店長を乗せるために「F店長は酒が強くてかっこいいなー」など褒め称えます。
すっかりその気のF店長でしたがもう限界のようでした。
皆から進められても「ちょっと・・」と一気はせず、ちびちび飲んでました。
そんな中、T田は体育会系のノリでジョッキになんと焼酎をストレートで並々注ぎ、F店長に勧めます。
この行為に皆は異常なほど反応し、一気コール!
この時点で、限界のF店長は「もう無理だよ?」と、ベロベロに酔った、しまりの無い顔で皆にアピール!
しかし、20名近くのコールに一人で何を言っても無駄です。
F店長は懇願するようにOマネジャーに助けを求めます。
が、Oマネジャーもすでにかなり酔っ払っており、皆のノリで一言。
「F!!飲め!!」
唖然とするF店長、さらに盛り上がる私達。
それをみて、半ば諦めた様にF店長は立ち上がり、ジョッキに注がれた焼酎を一気に飲み干します。
一回も口を離すことなく全部飲み干しました。(ちょっとかっこ良かったです。)
恐らく、少しでも勢いを止めると無理だと判断したのでしょう。英断です。
皆は予想外のことに少し戸惑いました(多分無理だと誰もが思ってました。)
が、場を盛り上げるために頑張った英雄をすぐに褒め称えました。
F店長もまんざらでもない様子で、皆に手を振っています。
すぐ右横には新入社員の部下T君も座っており、彼にも上司の威厳を魅せつけたことでしょう。
皆のF店長に対するイメージも変わりつつあったその時!!
F店長の身に異変が!!
突然、口を右手で押さえ出しました。
「おえっ!!」と嗚咽を漏らします。
F店長は右手で口を押さえながら、右上を向きます。
収まったか??
そう思った瞬間!プピュッビュピュブピッピッピュ!!!!??
F店長の人差し指と中指の間から右上45℃の今まで見たことも無いキレイな放物線を描いてゲロが放出され、隣に座っていたT君の頬にかかります。
T君は、その時ちょうどビールを飲むために正面を向きグラスに口を付けている状態でした。
T君は状況が把握しきれていないのか、なんと避ける事もせず、同じ状態で頬にゲロを受け続けます。時間にして約1?2秒ほどでしょう、ずっと受け続けます。
皆、あまりの出来事に(というか全く動かないT君に)
呆然としていましたが、次の瞬間。
これ以上ないほど爆笑の渦が巻き起こりました。
F店長はゲロを吐き終え、罰が悪そうにT君に「ごめ゛んね゛」と謝っていましたが、
T君は、全く無表情で正面を向きながら「はあ?」と返事
これをみて皆はまた大爆笑!!
店の方には怒られましたが、ゲロまみれの彼らの絆は一晩で深まったはずです。
T君はそのおかげでしっかりした店長になりました。
F店長ありがとう!!
F店長との逸話はほかにもありますが、またの機会に。