新宿歌舞伎町前で深夜1時にタクシーでもない、俺の車に
彼女は両手を上げて飛び出してきました。「危ないやろ!!」と
窓を開け、怒鳴りました。彼女は「幡ヶ谷まで乗せてよ。」と
俺の怒りなど全然、気にもしていない様子なので、
頭に来て、「おちょくってんのかぁー!!」もう一度、怒鳴りました。
すると「ゴメンなさい。ゴメンなさい。」と言いながら、助手席に乗り込んできました。
「お前、アホか!!人の…」彼女を押し出そうとした時、後方から
Bi?!!Bi?!!Bi?!!とクラクションの一斉射撃を食らい、
仕方なく車を走らせました。一つ目の信号で路肩に寄せ、
車を降り、助手席のドアを開けて彼女を引きずりだしました。
「いーやだぁ、嫌だ。」とゴネる彼女を無理やり降ろし、
財布から3千円を彼女に投げつけ「これで勝手に帰れ!!」と
彼女を見たとき、乱れた衣服から、所々に擦過傷がみえました。
「何じゃ?お前、怪我してんのか?」と言うと彼女はイキナリ!
俺の右肩に噛みついて来ました。ガブッ・・・・・・痛たたぁー!
このボケ!!と咄嗟に彼女を殴りました。彼女はその場に倒れました。
買ったばかりのTシャツが肩口が破れて血が滲んでました。
トンでもないヤツに関った…。そのまま車に戻り、走りだしました。
正当防衛とは言え、女性を殴るのは後味が悪い…。
暫く走ってから、どうなったのか心配になり、Uターンをしました。

元の場所に行ってみると彼女の姿はなく、帰ったのか?と思い
安心して再度Uターンをしてみると、歩道の影にしゃがんでいました。
彼女に近寄り、声を掛けました。彼女は俺を見て、
「顔殴るなよ!明日、店に行けないよ・・・。」と言うので
「お前が噛みつくからやないか!見てみろ!」と歯型の入った右肩を
彼女に見せました。すると彼女は俺の腕を引っ張り、傷口を舐め、
「ツバ付けときゃあ、治るよ。」と笑いながら言いました。
不覚にも、この一連の行動が、妙にカワイく感じて車に彼女を乗せました。
「幡ヶ谷までやぞ。」と言うと彼女は頷き、助手席のサンバイザーに
付いてる鏡で何度も自分の顔の傷を確認していました。
幡ヶ谷には直ぐに到着しました。
「ありがと。」降り際に初めて彼女がマトモな言葉を言うので、
「悪かったな。殴って。」と3万手渡すと彼女は再び助手席に乗り込み
「こんなに悪いよ。」と付き返してきました。いいから。と押し返すと彼女は
「タダでは悪いから、今からどっか行アうよ。」と言いました。
普段なら、笑ってかわせるのですが、傷口を舐められて、
俺は何故かその時、欲情していました。
そのまま、2人でホテルに行きました。彼女はユーと名乗りました。

ユーとしてみて、ビックリしました。風俗の女の子とも付き合ってきたので
あっちの自信はあったのですが、俺は完全に手玉に取られました。
誰に仕込まれたのか?完璧でした。ただ、体の擦過傷だけが気になり、
「どないしてん?」と聞くと「秘密・・・。」とだけ答えました。
翌朝、ユーに朝食を食べさせ、携帯番号を自ら聞いてしまいました。
「お兄さんイイ人だから、ヤリたくなったら電話してね。タダでいいよ。」と
言われて、柄にもなく赤面しました。
4日後、ユーの方から電話があり、「行くところが無くなったので来て欲しい。」
実は当時、某姉さんと一緒に暮らしていたので、何処に行くか考えましたが、
仕方ないので、姉さんに事情を言いました。「いいよ。連れて来なよ。」と
アッサリ、OKがでました。こういう状況は普通の恋愛ではありえませんが、
姉さん方の懐は男女間の話になると深いんです。(藁)
「お邪魔します。」緊張したユーが、玄関で姉さんに挨拶すると
「気を使わず、適当に暮らしな。」と笑って受入れてくれました。
「アンタ、この子とやったのか?」と聞かれたので、
「はい。」と答えると姉さんは「じゃ、部屋はココを使いな。」とユーを
俺達の寝室から一番遠い玄関前の部屋に入れました。
彼女達2人はあっと言う間に、本当の姉妹のように仲良くなりました。
姉さんはユーを凄く可愛がりました。

姉さんが居ない時はユーと関係し、ユーが居ない時は姉さんと…。
俺は楽しい生活をしていましたが、やはり、天罰が下りました。
ある日、姉さんから「ユーを連れて行こうとするヤツが家に来てる。」と
連絡があり、慌てて帰るとそこには、女が3人???あれ???
姉さんは「ユーどっちで暮らしたいの?」とユーに言いました。
ユーは泣きながら、謎の女に「帰って!もう、別れたじゃない!」と
言いました。謎の女は「嫌!お願い!戻ってきて!」と・・・ん???
俺は一人、女3人のやり取りを立ったまま聞いていました。
ユーは「ここで暮らしたいの。姉さん達と一緒にいたいの。」と言いました。
「女々しいんだよ!お前!!」と若干、筋違いの姉さんの一言に
謎の女は退散していきました。
掛ける言葉が見つからず、コーヒーでも入れようと台所に立った時
姉さんが「もう、誰にもユーは渡さない!」と言うので
俺は「そうやな。」と相槌を打ちました。すると、姉さんは俺に
「出ていって!!」・・・・・え???なんで???
「アンタにもユーを触らせない!この子は私のもの!!」と言い、
ユーを抱きしめました。おいおい・・・。その場で俺は追い出されました。
ユーは男だけでなく、百戦錬磨の姉さんまでも手玉に取る怖い女でした。