当方田舎者です。
都会の人にはたぶん「何だそれ」だろう修羅場。
私子…生まれた時からこの町にいるが、両親ともに生粋の地元民ではない。
A子…私子宅から歩いて3分の集落に住む。代々、生粋の地元民。
B男…A子の隣家に住む幼馴染。私とA子の1つ上。
C男…私子とA子の元クラスメイト。元いじめっこ。
前提として、場所はいわゆる「米どころ」と言われる農村地帯の多い県です。
私子両親は普通の会社員。
A、B、Cは元農家ですが、親の代にはもう農業やめてます。
私子とA子は小学校、中学校と友達でした。
高校で分かれましたが家が近かったためその後も付き合いがあり
私が進学して県外に行ったあとも、連絡は取り合っていました。
大学卒業後、私子はUターン就職して地元に帰ってきました。
A子含む昔の仲間とも会おうよ?ということになり、
けっこう大人数の飲み会(知らない間に輪が広がり、友達の友達のまた友達なんかもいました)になって、
その場にB男も来ていました。
B男はそれまで接点がなく、中学の時に遠くから見かけたことがあるくらいでした。
A子の幼馴染だってことは知ってたけど、
中学の頃からイケメン・運動神経抜群・高身長なB男はモテモテで自分には関係ない人だと思っていた。
それが久々に会ってみたら
イケメン→顔はあいかわらずだけど髪がかなりキテる
高身長→中学の時は目立ってたけど今となれば普通
で、腰が低くて、髪のことも進んでネタにする私好みのちょっと冴えない可愛い人になっていました。
(こういう言い方は失礼だろうけど、でも本当)
B男の方から
「おう!私子じゃね?」
「そうですけど…あれ、ひょっとしてB男先輩?」
「そうだよ?よくわかったね!こんなに薄くなっちゃったのにすぐわかってくれて嬉しいよ!」
みたいな会話をきっかけに、一気に親しくなりました。
もともとA子を拠点として同じような思い出話ができるし、B男がやけに私のことを覚えていてくれたので
話にかなり花が咲き、メアド交換して、その後もほぼ毎日メールのやり取りをしました。
そのことをA子にも報告し、
「マジで?じゃ私子が嫁いだら、お隣さん同士になるの?それいいね!」
などと気の早い祝福も受けたりしつつ、まったりやっていました。
ところがある日、B男とまったく連絡がとれなくなりました。
メールも返信なし。電話もつながらない。
身に覚えはないけど何か怒らせちゃったかな…それともやはりB男に自分は不釣り合いだったか…と
ヘコみつつ日々を過ごしていましたが、ある朝、出勤ついでにゴミ捨てしていた私を
近所のおばさんが呼びとめる。
「私子ちゃん、ちょっと」
「あ、おはようございます」
「ああおはよう。で、私子ちゃん、X家(A、B共通の名字)を怒らせちゃったんだって?それはまずいわよ」
「へ?」
「X家さんはもう捨てるもん何もないから。ね、やめときなさい。捨てるもんなくなった人は怖いのよ。
私子ちゃんならお見合いでも恋愛でも、まだ結婚できる口いっぱいあるから大丈夫」
と言われ、私ポカーン。
おばさんはゴミ捨てに来た新たなご近所さんを見ると、そそくさといなくなりました。
そしてそのご近所さんも私に「X家さんはダメだって!もう?私子ちゃん一家はのほほんとしてるんだから」と。
その後、ご近所情報+うちののほほん両親の話を総合すると
X家というのは代々、血縁以外とは結婚しない家系らしい。
昔は豪農だったらしいが曾祖父の代で身上つぶして蔵も全部売って田んぼも手放してしまった没落豪農で
でも純血主義だけは今も生きていて、A家とB家で代々結婚しあってる仲なんだということだった。
実際、A子とB男のご両親まではそれをやっていて、ずっといとこ同士の結婚らしい。
本当はいとこよりもっと血が濃いんだろうけど、なんと言っていいかわかりません。すいません。
でもあんまり血が濃いと良くないこともあるらしく
「そろそろ他から血を入れた方がいいんじゃないか」
という話にもなっていたんだそうです。
(遺伝的疾患が現われやすくなるんだそうです)
でもこの田舎にX姓はとても多いので、私は気にしたこともありませんでした。
そしてX家の中でも「純血を守るべき主義」と、「そろそろ外の血を入れろ」派が対立していて
それを知ってるご近所さんは、そんなことに巻き込まれたくない…とX家にはなるべく近寄らずにいたんだそうです。
ちなみに純血主義派の人の中ではA子とB男の結婚はすでに決定事項、
A子とB男はお互い
「子供の頃からきょうだいみたいに育ってきたのに、今更結婚とか無理」
と主張し続けていました。
内訳は
血縁結婚はもうやめれ派…A子両親、A子祖母、B男父、B男祖父母
純潔を守るべし派…A子祖父、B男母
でした。
あと分家の人々という烏合の衆。
B男携帯はB母に取り上げられていたそうです。
対立が激しくなり、家族間のいざこざが近所にも影響が出たので
町内会長や地元の議員が間に入り、話し合いの場がもうけられました。
話し合いの場に私は最初は呼ばれなかったのですが
途中から召集(A子叔母から)がかかり、行ってみるともう座は涙・涙の場面になっていました。
もうほとんど全員が号泣。
何があったの?!と固まる私。いきなりB男母に抱きつかれ
「B男をよろしくううう???」
と泣かれる。
純血派だったB男母になぜ抱かれるのか理解できない私に、B男が
「私子ちゃん!昔から好きだった、付き合って!」
と叫ぶ。
その背後からA子が
「なんだそれえ!まだ付き合ってなかったのかよおおおおお!!」
と絶叫。カオス。
後日、A子、B男、A子両親から聞いたところによると
話し合いの席で、まずA子祖母が
「私は好きな人と結婚できず、つらい思いをした。孫にはそんな思いをさせたくない」と語る。
A子祖父「え?ばあちゃんは俺が好きで嫁に来てくれたんじゃなかったの?」とショック→再起不能
その後はB男母が一人で何時間も粘るが、最終的に
「そんな、時代が違うってだけで好きな男と結婚していいんだったら、私の人生なんだったのよーー!!」
と泣きだす。
号泣するB男母を、B男祖母、A子祖母、A子母がかわるがわる抱き締める。
そして
「私らがつらかったことを、大事な孫や子にさせちゃだめ」
と諭す。
B男母号泣→改心
という流れのさなかに私が入っていったらしいです。
女性陣はとても結託していましたが、A子祖父をはじめ、男性陣はかなりヘコんでいました。
その後ちょっとした続報では、私子とB男がいい感じだと噂を流したのはC男とのことでした。
C男はA子が好きだったので、相手がB男なら勝ち目はないかと思い
A子とB男がかなり濃い縁戚関係にあることを新興住宅街の人にまで知らせて
「そんなの普通じゃない」と
悪評を立てて結婚できないようにするつもりだったようです。
私子のことはそのついでに出てきただけに過ぎないとか。
でもC男は子供の頃からえげつないいじめっ子で、A子に嫌われまくっていたので
今回のことで余計嫌われたから、正直ざまあwでした。
B男にその後「昔から好きだったて、ほんとかい」と訊いたら
「ほんとだよ。昔から私子ちゃんは、ドラゴンボールに出てきそうな子だと思うとったからね」
と言われました。
意味がわかりませんが、一応まったりちゃんと付き合うことにしました。
まだ映画館デートまでしかしてませんが。
都会の人にはたぶん「何だそれ」だろう修羅場。
私子…生まれた時からこの町にいるが、両親ともに生粋の地元民ではない。
A子…私子宅から歩いて3分の集落に住む。代々、生粋の地元民。
B男…A子の隣家に住む幼馴染。私とA子の1つ上。
C男…私子とA子の元クラスメイト。元いじめっこ。
前提として、場所はいわゆる「米どころ」と言われる農村地帯の多い県です。
私子両親は普通の会社員。
A、B、Cは元農家ですが、親の代にはもう農業やめてます。
私子とA子は小学校、中学校と友達でした。
高校で分かれましたが家が近かったためその後も付き合いがあり
私が進学して県外に行ったあとも、連絡は取り合っていました。
大学卒業後、私子はUターン就職して地元に帰ってきました。
A子含む昔の仲間とも会おうよ?ということになり、
けっこう大人数の飲み会(知らない間に輪が広がり、友達の友達のまた友達なんかもいました)になって、
その場にB男も来ていました。
B男はそれまで接点がなく、中学の時に遠くから見かけたことがあるくらいでした。
A子の幼馴染だってことは知ってたけど、
中学の頃からイケメン・運動神経抜群・高身長なB男はモテモテで自分には関係ない人だと思っていた。
それが久々に会ってみたら
イケメン→顔はあいかわらずだけど髪がかなりキテる
高身長→中学の時は目立ってたけど今となれば普通
で、腰が低くて、髪のことも進んでネタにする私好みのちょっと冴えない可愛い人になっていました。
(こういう言い方は失礼だろうけど、でも本当)
B男の方から
「おう!私子じゃね?」
「そうですけど…あれ、ひょっとしてB男先輩?」
「そうだよ?よくわかったね!こんなに薄くなっちゃったのにすぐわかってくれて嬉しいよ!」
みたいな会話をきっかけに、一気に親しくなりました。
もともとA子を拠点として同じような思い出話ができるし、B男がやけに私のことを覚えていてくれたので
話にかなり花が咲き、メアド交換して、その後もほぼ毎日メールのやり取りをしました。
そのことをA子にも報告し、
「マジで?じゃ私子が嫁いだら、お隣さん同士になるの?それいいね!」
などと気の早い祝福も受けたりしつつ、まったりやっていました。
ところがある日、B男とまったく連絡がとれなくなりました。
メールも返信なし。電話もつながらない。
身に覚えはないけど何か怒らせちゃったかな…それともやはりB男に自分は不釣り合いだったか…と
ヘコみつつ日々を過ごしていましたが、ある朝、出勤ついでにゴミ捨てしていた私を
近所のおばさんが呼びとめる。
「私子ちゃん、ちょっと」
「あ、おはようございます」
「ああおはよう。で、私子ちゃん、X家(A、B共通の名字)を怒らせちゃったんだって?それはまずいわよ」
「へ?」
「X家さんはもう捨てるもん何もないから。ね、やめときなさい。捨てるもんなくなった人は怖いのよ。
私子ちゃんならお見合いでも恋愛でも、まだ結婚できる口いっぱいあるから大丈夫」
と言われ、私ポカーン。
おばさんはゴミ捨てに来た新たなご近所さんを見ると、そそくさといなくなりました。
そしてそのご近所さんも私に「X家さんはダメだって!もう?私子ちゃん一家はのほほんとしてるんだから」と。
その後、ご近所情報+うちののほほん両親の話を総合すると
X家というのは代々、血縁以外とは結婚しない家系らしい。
昔は豪農だったらしいが曾祖父の代で身上つぶして蔵も全部売って田んぼも手放してしまった没落豪農で
でも純血主義だけは今も生きていて、A家とB家で代々結婚しあってる仲なんだということだった。
実際、A子とB男のご両親まではそれをやっていて、ずっといとこ同士の結婚らしい。
本当はいとこよりもっと血が濃いんだろうけど、なんと言っていいかわかりません。すいません。
でもあんまり血が濃いと良くないこともあるらしく
「そろそろ他から血を入れた方がいいんじゃないか」
という話にもなっていたんだそうです。
(遺伝的疾患が現われやすくなるんだそうです)
でもこの田舎にX姓はとても多いので、私は気にしたこともありませんでした。
そしてX家の中でも「純血を守るべき主義」と、「そろそろ外の血を入れろ」派が対立していて
それを知ってるご近所さんは、そんなことに巻き込まれたくない…とX家にはなるべく近寄らずにいたんだそうです。
ちなみに純血主義派の人の中ではA子とB男の結婚はすでに決定事項、
A子とB男はお互い
「子供の頃からきょうだいみたいに育ってきたのに、今更結婚とか無理」
と主張し続けていました。
内訳は
血縁結婚はもうやめれ派…A子両親、A子祖母、B男父、B男祖父母
純潔を守るべし派…A子祖父、B男母
でした。
あと分家の人々という烏合の衆。
B男携帯はB母に取り上げられていたそうです。
対立が激しくなり、家族間のいざこざが近所にも影響が出たので
町内会長や地元の議員が間に入り、話し合いの場がもうけられました。
話し合いの場に私は最初は呼ばれなかったのですが
途中から召集(A子叔母から)がかかり、行ってみるともう座は涙・涙の場面になっていました。
もうほとんど全員が号泣。
何があったの?!と固まる私。いきなりB男母に抱きつかれ
「B男をよろしくううう???」
と泣かれる。
純血派だったB男母になぜ抱かれるのか理解できない私に、B男が
「私子ちゃん!昔から好きだった、付き合って!」
と叫ぶ。
その背後からA子が
「なんだそれえ!まだ付き合ってなかったのかよおおおおお!!」
と絶叫。カオス。
後日、A子、B男、A子両親から聞いたところによると
話し合いの席で、まずA子祖母が
「私は好きな人と結婚できず、つらい思いをした。孫にはそんな思いをさせたくない」と語る。
A子祖父「え?ばあちゃんは俺が好きで嫁に来てくれたんじゃなかったの?」とショック→再起不能
その後はB男母が一人で何時間も粘るが、最終的に
「そんな、時代が違うってだけで好きな男と結婚していいんだったら、私の人生なんだったのよーー!!」
と泣きだす。
号泣するB男母を、B男祖母、A子祖母、A子母がかわるがわる抱き締める。
そして
「私らがつらかったことを、大事な孫や子にさせちゃだめ」
と諭す。
B男母号泣→改心
という流れのさなかに私が入っていったらしいです。
女性陣はとても結託していましたが、A子祖父をはじめ、男性陣はかなりヘコんでいました。
その後ちょっとした続報では、私子とB男がいい感じだと噂を流したのはC男とのことでした。
C男はA子が好きだったので、相手がB男なら勝ち目はないかと思い
A子とB男がかなり濃い縁戚関係にあることを新興住宅街の人にまで知らせて
「そんなの普通じゃない」と
悪評を立てて結婚できないようにするつもりだったようです。
私子のことはそのついでに出てきただけに過ぎないとか。
でもC男は子供の頃からえげつないいじめっ子で、A子に嫌われまくっていたので
今回のことで余計嫌われたから、正直ざまあwでした。
B男にその後「昔から好きだったて、ほんとかい」と訊いたら
「ほんとだよ。昔から私子ちゃんは、ドラゴンボールに出てきそうな子だと思うとったからね」
と言われました。
意味がわかりませんが、一応まったりちゃんと付き合うことにしました。
まだ映画館デートまでしかしてませんが。