小学校からの幼馴染、地味で目立たないのがメグミの特徴
顔も地味で普通、人見知りだからクラスの目立たない子たちと集まる感じ
俺は「人見知りってなに?」ってくらい誰とでも話す。
顔はまあ普通、メグミとも普通に喋ってて
家が近所なのがきっかけて登下校に見かけると話しかけるし
家が近所だから学校終わると自然に宿題とか一緒にしたりしてた
今思うと小学 中学 クラスずっと同じだったのは
おとなしいメグミを配慮してクソ明るい俺と同じクラスにしてくれたのかもしれない

俺はメグミが大好きだったメグミも俺のこと大好きで
ラブラブだったと思う特に中学の3年間は本当に幸せだった。
このまま将来結婚するんだって思ってた。

一緒に猛勉強して同じ高校へ受験して合格した。
残念だったのはクラスが違うこと
メグミ不安そうだったけど別に遠くに行くわけじゃないし
今までどおり登下校は一緒だしね

メグミも俺と付き合うようになってから明るくなって
意見が言えない地味な子から、そこそこ聞かれれば自分の事も言えるようになってた。
多分女としての自信がついたんだと思う、本人もそんな事をしきりに言ってた時期だった。

それでクラスが違えば友達もそれぞれ違うから
どうしてもお互い別の付き合いというのが出てくる
俺もクラスの女子や男子のグループで遊ぶことが出てきてしまう
彼女の方も自分のクラスの委員会とかそういう事で一緒に過ごせない時間とかが出てくる

そういうのはまあ仕方ないし、それはそれで別の日にお互い埋め合わせるようにしてた。
SEXは中学の頃からちょくちょくやってた。
でも、この時期は少し少なくなってたと思う

んで高校1年の11月位に嫌な話が俺のところに舞い込んできた。
話を持ってきたのは俺とメグミと同じ小・中学出身でめぐみと同じクラスの紗季
紗季は超がつく美人で凄い真面目というか堅物で俺は苦手なタイプだった。
俺がへらへら何時もの調子で話しかけてもムスっとして全く返答がないから
だから中学の3年間同じクラスだったけど唯一マトモニ会話が成立しなかった相手だった。

高校でも男子にモテモテみたいだけど全く相手にしてない感じらしい
うちのクラスにも狙ってる男子が多数だった。

「ねえ、メグミさんと貴方まだ付き合ってるのよね?」
相変わらずなんか不機嫌な感じで紗季が話しかけてきた。
「えっ・・うん・・そうだけど・・」
正直性格きつそうな美人が苦手な俺は久しぶりに話しかけられてタジタジだった
というか彼女の方から話しかけてくるのは初めてだったかもしれない
「だったらもっとちゃんとしてないと、あの子最近変だよ」
「変って?」
話が解らなくて聞き返すと、紗季は少し迷った感じになりつつも話してくれた。
「メグミさんって小・中だと凄く大人しい子だったわよね、でも最近自信がついたみたいで、友達とかも増えたし男の子との事で周りの相談を聴いたり結構クラスの中心になってるのよ」
「それは別に悪いことじゃないんじゃない?」
正直この時は何なんだ、言いがかりか?と思ってた。
そのくらい彼女の事は信じてたし大好きだった俺

「も、勿論それは悪いことじゃないのよ」
ちょっと不機嫌になった俺に珍しく紗季が動揺したような感じで
慌てて訂正した。
「ただ、そのせいで最近男子にも人気があってね・・クラスの男子に言い寄られてて」
「一緒に遊んだりはしてるみたい・・他の子の話だとホテルとか・・そういう所にも行ってるって・・男子が自慢してたとか・・勿論噂だけど・・でも気になって・・」
紗季はこの時点で確信がなかったのか、はたまた密告する事への後ろめたさからか
最後は言葉を濁してた。
「・・・・・・・・・・・・」

正直この時は信じられなかった。
メグミが・・あのメグミが・・小さい頃から一緒で
俺の後ろばっかり付いてきてたメグミが自分を裏切るような事するはずないと思ってた。
だから紗季から聞いた話を頭から信じる事なんてできなかった。

でも、言いようのない不安とかが俺の中に住み着いたのは事実だった。
なにより夏休みがあけてから俺とメグミの時間はずいぶん減ってた。
主な理由はメグミの方から、友達との付き合いがあるということで頻繁に
デートをキャンセルされてた時期だった。
まあ、俺の方も都合でキャンセルすることはあったから気にしてなかったけど
紗季の話を聞いたあとだと疑念ばかりが湧いてきた。

週末、もんもんとした気持ちのなか今日こそはメグミを問いただそうと決心した矢先
メグミからまたもデートのキャンセルが入った。
クラスのみんなで集まって急遽年末のクラス会の話をするとかそんな感じの内容だった。
今までの俺ならそのままなんの疑いも持たずに素通りしてたかもしれない

俺は中学の卒業アルバムだして紗季の家にかけた。
運良く一発目に紗季が出てくれた。
父親とか母親が出たらどうしようとか正直考えて泣きあったけどよかった。
「俺君?ど、どうしゅたの?」
なぜかテンパリ気味に噛む紗季がちょっとおかしかった
「いや、さっきメグミからクラス会の打ち合わせでデートキャンセルされたんだけどさ」
「クラス会?・・・えっ私そんなのきいてないよ・・わたし書記だからそういう話があれば私にも声かかるはずだし・・」

「・・・・・・・・・・」
「ねえ俺君どういうこと?」
「分かった・・ありがとう・・」
「えっちょっ」
受話器のむこうで紗季が何かいおうとしてたが俺は受話器を置くと
その場にヘタリ込んだ
メグミが浮気してるというよりもメグミが俺に嘘をついてたことがショックだった。

夕方過ぎ位にメグミが俺の家にケーキ持ってきた。
「今日はごめんねw代わりに俺君の好きなチョコケーキ買ってきたから一緒に食べようw」
「・・・・・・・・・・・・」
無言の俺
「・・・今日デートすっぽかしちゃったからやっぱり怒ってるよね・・」
「ごめんね・・」
ちょっと媚びるような目で俺にそっと抱きついてこようとするメグミを
俺はとっさに引き離す。
今まで可愛く思えてた仕草なのに
ごまかすようにSEXするサインを出してきたメグミが
なんかとても汚く思えた。

「どうしたの?今日俺君変だよ?」
「デートすっぽかしたのそんなに怒った?」
なおも作り笑いのような笑顔(俺にはそう見えた)でごまかすメグミ
「今日クラス会だったんだろ?」
「えっ・・うん・・」
表情が曇った・・多分メグミもこの時点で何かを感じたと思う
「香山紗季って知ってるよな」
「うん知ってる」
「書記なんだろ?クラス会の」
「・・・・・・・」
メグミの表情が明らかに恐怖に変わった

「帰れ・・・」
「俺・・くん・・ちが・」
「帰れ!!!」
言い訳しようとするメグミに俺はケーキの箱をつかんでメグミに思いっきりぶん投げた
メグミはびっくりして飛び上がるように家を飛び出してった。
俺はメグミに怒ったところとか暴力的な所を見せたことがなかったから
メグミは実際ものすごく驚いたと思う・・いつもあいつの前では優しくいたいと思ってた
うちの親父がどうしようもないクズで俺と母親に暴力ばっかりだったから
俺も生まれて初めて大声で怒鳴ったせいでそのあと気分が悪くなって寝込んだ
それから3日学校休んで誰とも口を聞かずに過ごした
その間何回もメグミから携帯に着信あったけど10回目くらいの時に電源を切った。

ずっとずっと大事にしていきたいと思ってた子だった。
地味で小柄で大人しくて俺がいなきゃダメ、そんな弱いやつだと思ってた
でもそれが俺の勝手な勘違いだったってだけなのかもしれないけど
それでも俺の気持ちは嘘じゃなかった・・大好きだった。

4日目の朝 びっくりした、母親に呼ばれて玄関へ行くと
香山紗季が玄関に来てた。
「俺君学校行こう」
「はっ?」
意味がわからなかった、クラスも違うし特に親しいわけでもないのに
そもそもこいつの家はこことは真反対の地区だ

「何しにきたの?」
「貴方を学校に通わせに来たのよ」
きっぱりと相変わらず不機嫌そうに言う
「落ち込む気持ちはわかるけど、あなたは何も悪くないんだからいつまでも休んじゃダメだよ」
「お前には・・関係ないだろ・・」
「・・・・・・・・・・そうかもしれないけど・・とにかく行こう」
正直まだそんな気分じゃなかったけど
悲痛な紗季の表情とかで何かを察した母親に無理やり押し出される格好で
学校へ行くことになった。

「メグミさん俺君が休んだ初日から普通に学校に来てたよ」
「そうか・・」
「彼氏に嫌われたとかで一日中めそめそしてるのよ彼女」
「そうか・・」
「周りも心配してたんだけどね」
「そうか・・」
「それ見てね私、生まれて初めてビンタしちゃった」
「そ・・えっ?!」

「だって腹立つじゃない?」
「自分が散々好きにやっておいていざバレたら自分が不幸の主人公みたいでさ」
「私ああいう女大嫌いなのよ」

「ってもお前いきなり暴力は・・」
「いいのよあのくらい、俺君の方が何杯も痛い思いしたんだから」
「・・・・・」
「んで、私言ったのそんなに俺君以外の男とSEXしたいならクラス会だとか嘘つかずにはっきり俺君と別れてからやりなさいって」
「・・・・・キツイなお前・・」
「そしたら私が俺君と付き合えるでしょって」
「・・・・ええっ?!」

「は、早とちりしないでね、この事は一応私も告げ口みたいなことした責任があったし」
「なんか言ってとにかくメグミさんを凹ませたかっただけなの、だから勢いで言っただけだから」
「・・・・・・・うん」
この時は素直にまあ、そんな所だろうなとおもった。
だって俺の事を紗季が好きになるわけないと思ってたから
紗季の責任感とかそういうものが綯交ぜになって出た行動だとおもった。
だからそのあとの
「それに、なんか今は・・つけ込むみたいでいやだし・・」
ってセリフはこの時はあまり頭に入ってなかった。

それから学校行ったらすっかり紗季VSメグミで俺は時の人になってた。
二人の女が俺という男を取り合って修羅場を展開したという根も葉もない噂
そして難攻不落の堅物美女 紗季が俺に夢中だというありえない嘘まで

色々質問されたけど適当にごまかした。
紗季は学校では俺とすれ違っても前のように無視というか
気がついてない感じにもどった。
だから「やっぱりあの時の事は彼女の正義感みたいなもので勢いだったんだろうな」
と思った。

メグミの方は俺と連絡を取ろうとしばらく色々な方法でアプローチしてきた
自分のクラスの女の子をメッセンジャーにしたり
携帯つかったり俺の男友達を使ったり、でも一度も自分で直接会いには来なかった。
彼女らしいが・・同時にそんなダメな女だったなとも思った。
好きなうちは短所も長所にみえるし愛せるんだと思った。

だから正直もう俺はメグミの事は嫌になってた
大好きだった分そのまま嫌悪感にすり替わってた
あれだけ長い時間親密な時間を過ごしたのに彼女はそれを大事にすることなく
あっさりそこそこイケメンと浮気した
そう、浮気相手が俺よりカッコイイやつだったのも正直ショック大だった
しょせん顔かと・・うすら寒かった。
しかも救われないのはそのイケメンは相当なヤリチンでどうやらメグミも
やり捨て女の一人にされてたようだという話がさらにメグミを救えない女にしていた。

俺はそんな安い女を好きだったのか?と落ち込んだ
俺にも勿論悪いところ至らない所はあったのかもしれない
ただ、俺自身はこのことをもう嫌な思い出として全部忘れてしまいたかった。
だから俺の方からメグミの家に行って玄関先で別れを言った
「今までありがとう」馬鹿なナイト気分に浸らせてくれたお礼位は言うべきだろう
彼女はそれほど弱くはなかった訳だから

皮肉なのは別れを告げた時のメグミは初めてあったころの
おどおどした俺が大好きだった頃のおとなしいメグミによく似ていた。

そんな感じで高校1年が終わって2年になってクラス替え
幸いめぐみとは同じクラスにならずにすんだ
代わりに同じクラスには香山紗季がいた
でも相変わらず俺の事は居ないように無視する
だから一時期あった噂は俺が振られたという話になってた。

同じクラスになって分かったのは
とにかく彼女は頭がいい、そして男にモテルってことだ
女子たちのヤッカミが半端ない、頭もいいし運動神経も良い(家が居合の流派らしい)
だから嫌われてるというよりは怖がられてる
それにはメグミをビンタしたあの一件も絡んでるようだ
まさに近寄りがたい高値の花だった

そんな2年の夏休みは男友達と遊びまくった。
ただ、彼女をつくるというのはあまり気乗りしなくて
女子達と遊んでもどこか一線を引いてるというか気後れしてた。
実は夏前にクラスの女の子から告白もされたのだけど断った
今はそういう気力が湧いてこないと思った
小・中・高とメグミにかけてきたような情熱が自分の中になかったからだ

男友達との気楽な関係がとにかく俺には楽だった。
思えばメグミといた頃はメグミ優先で友達とはその合間合間の付き合いだったとおもった。

んで、夏休み男友達女友達で集まってカラオケ屋に向かってる途中で
紗季と偶然会った。
紗季は日傘に白のワンピースに長い黒髪をポニーにしてた
正直どこのお嬢様だってくらい清楚で凛としてた。
男子がここぞとばかりにカラオケに誘う
俺は正直無駄なことしてるなぁ断られるに決まってるのに
と思ってたら

「いいよ」
と意外にも彼女がOKの返事
喜ぶ男子、少し嫌そうなほかの女子
んで、色々あって帰りにメアドと番号を交換した
彼女の方からこっそり俺にメモを渡してきた

今の今まで無視されまくってたのに
なんでまたこんなことになったのか混乱してた

それからメールでやり取りするようになった。
と言っても殆どは翌日の時間割とか授業や進学とかの真面目な話ばかりで
ただ、クラスで顔を合わせると挨拶するようになり
相変わらず彼女の表情は硬かったが、無視されるよりはマシだとおもった

高校2年の間俺と彼女の関係はほぼメールと朝顔を合わせたときに挨拶するだけで過ぎていった
なんの面白みもない関係なのに
俺は不思議と毎日欠かさず彼女の事務的なメールに答え続けてた。

それでようやく思った
彼女はとてつもなく不器用なのだと

そう思い立った俺に一つの勇気が生まれた
彼女を遊びに誘う勇気だ

今ままではとてもじゃないか誘うような勇気はなかった
はるかに俺より顔がいい連中が日々玉砕する中で
俺なんかが誘ってもという気持ちがあったが
これだけ毎日メールのやり取りしてるのは俺だけみたいだし

もしかすると望みがあるのかなと思えたからだ

結果あっさりデートに誘うことが出来た。
当日の彼女は終始無言だった。不機嫌そうに見えたのは緊張しているからだと分かった

デートの最後に付き合ってくださいと俺の方から告白した
彼女はなんだか困ったような顔をしながら「わ、わかった!」と答えた

それからポツポツ不器用な彼女から聞いた話
彼女はずっと小・中と俺のことが好きだったということ
理由は、メグミに優しくしてるところとか
誰にでも気さくに話しかけるところがよかったと
その内にメグミが凄く羨ましくなったけど
俺がメグミに夢中だから片思いだったこと

で高校に入ってメグミが俺を裏切ってる事をしって
自分でもびっくりするくらい怒りが湧き上がってきた
勢いで俺に告げ口したことで二人の関係が壊れた事に責任を感じてた
二人が別れたあとも、まるで自分がその状況を利用したようにして
俺と親しくなるのは嫌で、それで最近まで悩んでいたと話してくれた。

そう言う話を聞くうちに俺は昔メグミに感じたような気持ちが
紗季に感じられるようになってた。
凄く大事にしてやりたいと思った。

俺と紗季が付き合うことになって
周りがかなり驚いた、俺が紗季に振られたという噂は
そもそもガセでそんな事は最初からなかったということになってたから

メグミと紗季では色んなところが違った
メグミは俺の後ろを歩く感じだけど紗季は俺と並んで歩く
時には俺の先を行き俺の手を引いてくれることすらある
メグミの様に甘えてもくるけれどそれはとても不器用だ
だからメグミの時よりもずっと繊細に観察しなければならない
逆に必要とあれば
俺を叱ることもあるし俺を優しく慰めてもくれる

メグミがお姫様なら
紗季は背中をあずけられる相棒だろうか
どちらがいいとも言えないけど

ともかく俺と紗季は上手くいってる
彼女に叱られるのは新鮮だ・・とても聡明で大人な彼女といると自分も成長するきがする
そしてしれば知るほど天然な言動に毎日笑いがこみ上げてくる
本人はいたって真剣なのに周りが日々誤解してる状況が俺にだけは喜劇のようだ

まず不機嫌そうに見えるのは単に恥ずかしいだけ
目付きが鋭くなるのは真剣になってるから
美人のくせに子供の頃から吃る癖があってそれで口数が少ないとか
恋愛関係とか貞操関係には古風でSEXは結婚してから!とか真顔で言う
そのくせキスは大好きでフニャフニャになる
まあ、お互い浮気の心配はなさそうだ
今二人で同じ大学へ行くために勉強している