高2の夏のこと。
彼女いない暦=年齢の俺は、同様の経歴の友人らとツルみ、無気力で自堕落な学生生活を送っていた。
そんな俺たちは当然と言えば当然、口を開けば「彼女が欲しい」「セックスしてー」ばかり。
もちろん日常的にそんな愚痴をこぼす俺たちに、都合よく彼女なんて出来るわけがあるはずもなし。

だが、そんな友人グループの中でも一人だけ例外がいた(彼を仮にAとします)。
Aは同性の俺から見てもなかなかのイケメン。
相当モテていたらしく、女性経験もかなりあったよう。
そんな彼は何かあるごとに、付き合っている女子と行った性行為の内容を、
俺たちに詳細に話して聞かせていた。

おそらくAは自身の優越感のため、そういったことをしていたのだろう。
俺たちとしてもはじめのうちは、大して悪い気はしていなかった。
セックスには興味津々だったわけだし。
しかし「昨日は2回連続でヤッちまったよー」とか「騎上位って結構腰疲れるんだぜ」とか
延々と聞かされているうち、少しずつ俺たちに共通の感情が芽生え始める。

それは嫉妬の入り混じった羨望だった。

ここまではどこにでもあるような話だが、ここから事態は少し異常なものとなってくる。
ある日学校で、Aと一番親しかった友人(仮にBとします)がAのいない時、
俺にあることを持ちかけてきた。

「Aのことなんだが… いいか? これはお前にしか言わないからな」

開口一番釘を刺され、俺はよくわからないまま「ああ」と曖昧に頷く。
そして俺は、Bの次の台詞にひっくり返ることになる。

「なんかAが、彼女とのセックスを間近で見せてやるとか、言ってるんだけど」
「はぁ…?」とかマヌケな声が出た。
「というか… 俺はもう既に一回、見せてもらってるんだけどさ」
「それで、もう一回見に来ないかって言われてるんだよ。そのときはもう一人呼んでも良いって。
だから俺、今お前にこの話打ち明けてるんだけどさ…。 お前どう?」

どう…って。

「いやぁ、ありゃいいぜ! 彼女超可愛いし、おっぱいもすげーし、
マジエロいし、何より至近距離で…」
「それってさ、それこそどうなんだよ。 リンリ的に…」
とか何とか言いつつも、結局俺は、Aと彼女とのセックスを見ることを希望した。
だってセックスには興味津々だったわけだし…。
「じゃ、Aに行くって伝えといて」とBに言い残し、俺は帰宅。
決行は次の日曜と言われ、その日まで俺の胸はドックンドックン。

日曜日、俺とBはAの家に向かった。
出迎えて一言目から「お前らも物好きじゃのう…」とA。
一番の物好きはお前だ。
そうしてAの自室に上がり、さっそく俺はAからこのあとの段取りについて教えられた。
まず、あと30分したらAの彼女が来るので、俺とBはそれまでにクローゼットの中に隠れる。
Aと彼女は、部屋に入るなりすぐにセックスを始める。
クローゼット内は暗いが二人が入れるスペースはあり、
座椅子が出してあるため長時間いても疲れることはなく、
行為中はCDで音楽を流すので少しばかりの物音なら何も心配はない。
扉には格子が組み込まれていて、細い隙間から二人の様子を覗くことが出来る。
ティッシュの使用もご自由に。
でも事前に箱から出しておくこと(紙擦れの音が出ちゃうから)。
そして行為の後、Aは彼女にシャワーを勧めるので、その間に俺たちは部屋を出る。
その後Aは先輩をひとまず帰らせ、それにあわせ駅前の喫茶店で待ち合わせ。以上。

「てか、彼女に秘密で覗くのかよ俺たちは…」と言うとA、
「当たり前だろ、バレたら困る」と返答。 
「それよりも彼女がもうすぐ来るから、もう隠れておいてくれよ」

今さら罪悪感が湧いてきたが、それを無理やり押し込め、
俺たちは言われたとおりクローゼットに潜伏した。
狭いクローゼット内でBと二人、楽な座り方を模索しているうちに、ピンポーンと呼び鈴が鳴る。
それを合図に、心臓の鼓動がドッと大きくなる。
部屋の扉が開いて、細い格子の隙間から、Aが彼女を部屋に導き入れる様子が見えた。
そこでまず驚いたのは、彼女、ウチの学校の制服を着てやがる。 
そして顔は… 俺は驚愕した。
彼女、見たことがある!…と言うか、俺の部活の先輩だよ!
それほど親しいわけでもないが、何度も会話したし、一緒に練習したりしたのに…
凛々しくも優しかった俺の先輩…
いつの間にかAの彼女になってしまっていたのか!
基礎練中、俺は先輩の豊満な胸が揺れるのを眺めているのが好きだった…そんな先輩が…
かなりショックではあったが、それとは裏腹に
「これから先輩の裸が見られる」という期待に、俺は早くもギンギンに勃起してしまう。
Aは先輩をベッドに座らせた。
ちなみにクローゼットはベッドの目の前。

「もぉ、部屋につくなりすぐなの?」