俺と嫁は生まれた時からの、正に運命の相手である。
同じ日に、同じ病院で生まれ、家も隣同士で、母親同士が幼稚園からの幼馴染で、父親同士も高校時代の親友という間柄である。
そんな家に生まれた俺達は、子供の頃から非常に仲が良かった。両家の親も早い段階で、将来結婚するだろうと踏んでおり、いつしか周囲公認の関係になっていた。
嫁は客観的に見ても可愛く、スタイルもそれなりに良かったので、中学に入ってから恐らく十人近くに告白された(一応、俺も二人に告白された)が、その全てを断っている。
そんな嫁と互いに意識し合いながらも告白できぬまま、月日が流れて大学の卒業式を二日後に控えた日。
嫁に呼び出されて、二人の思い出が沢山詰まった近所の神社に赴いた。そして、そこでこんな事を言われた。
「あのね、俺にこの場で決めてほしいの。私と結婚するか、それとももう二度と会わないかどっちか決めてほしいの」
嫁と一世一代の告白だった。一見、究極の選択にも聞こえるが、俺にとっては迷う事のない一択だった。
「結婚するに決まってんだろ」
その場を聞いた瞬間、嫁は俺の胸に飛び込んできて、その場で熱いキスを交わした。
数ヶ月が経ち、六月にジューンブライドという最高の形で式を挙げ、二十三年間という月日を費やし、遂に嫁と結ばれた。
翌年には長男が生まれ、更にその二年後には次男が誕生し、平凡ながら順風満帆な生活を送っています。
そして数ヶ月前、結婚六周年の日。子供二人を寝かし付けた後、今までの感謝の言葉を述べると嫁は泣き出してしまった。しばらくして泣き止んだと思ったらこんな事を言いだした。
「三人目、作ろう」
その日は朝まで終わらせてくれず、子作りしまくった。そして、寝不足のまま出社する際にこう呟かれた。
「多分、出来たと思う」
この時点では半信半疑だったが、先週病院で検査を受けた結果、見事に妊娠してる事が発覚。
三人目の為にも仕事に奮闘しています。