萌え体験談

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2017年10月

触診

「ほら、しっかりしなさい。男なんでしょ?
あ、でももう男じゃないかもしれないのか」

女性に肩を貸りながら、
男は小さな診療所の扉をくぐる。

痴漢をした女性に電車から連れ出され、

「どうする? 警察に突き出されるか、
おしおきに金蹴り10発くらうか?」

と聞かれ、男は金蹴りを選んだ。
しかし、男の選択は間違いだった。
彼女のつま先は確実に睾丸をとらえ、たった一発で潰れてしまったのだ。
しかも彼女はそれで許さず、残りの9発分として、
うずくまる男の手をはらいのけ、残った金玉も握り潰してしまった。

「ばかね。痴漢はみんな警察か金蹴りかって聞くと、
必ず金蹴りって答えるのよね。
私、性犯罪者は去勢してやることにしてるの。
さあ、そのまま救急車呼んだら結局痴漢がバレて警察捕まっちゃうでしょ?
潰した男をいつも治療してもらってるところがあるから、
そこに連れてってあげるわ」

そういって連れてきたのがこの病院だ。

診察室は小さな診療所の外見からは意外なほど近代的な設備が整っており、
男はそこのベッドに寝かされる。
さらに男が驚いたのは、出てきた医師が驚くほど美しい女性であることと、
それには負けるものの可愛い看護婦が5人もやってきたことだ。

「またやったのね。今月に入ってもう4人目よ。少しは手加減しなさいよ」

「なに言ってるの。性犯罪者なんてのさばらせておけるわけないでしょ」

女医は彼女の言葉にクスリと笑い、「それもそうね」と言って診察に入る。

「まず触診して睾丸のダメージを確認するわね」

そう女医が言うと、看護婦たちが手馴れた手つきで男の足を開き、
手足に乗ってくる。ベッドに5人がかりで体重をかけて押さえつけられては、
男といえ身動きひとつとれない。

「ちょっと痛いと思うけど我慢するのよ」

女医の手が男の股間に伸び、膨れた陰嚢をむんずと掴み、
触診と言うにはあまりに乱暴に潰れた金玉を揉む。
潰されたときの痛みとはまた違う激痛に、
男は悲鳴を上げて暴れようとするが、ほとんど身動きがとれなかった。

「とりあえず、両方とも薄膜が破裂して潰れてるのは確かね。
でももう少し我慢しなさいね。
無事なところがあればちゃんと治療してあげるわ」

さらに女医は細い指に容赦なく力を込めて、
中身をひとつひとつ確かめるようにうごめく。
指先が潰れたタマの残骸を見つけると、その形と弾力を確かめるべく、
さらに力を入れてつままれる。

「ここはもうダメね……。こっちは……あれ?
さっき診たところかしら? 中で動くからよくわからないわね。
悪いけど診察しにくいから、
ダメになってるところは区別するために完全に潰しちゃうからね。
どうせ潰れて使い物にならなくなってるんだから別にいいわよね?」

男は「やめてえええええ!」と絶叫するが、
クスクスと笑う看護婦たちにたしなめられるだけだった。

「まず、ここはだめね。組織が千切れてるみたい」

女医は宣言どおり、ためらいなく潰れている肉片を指先ですり潰す。
グジュリグジュリという感触とともに、地獄のような苦しみが襲ってくる。

「ここもダメね……」

グチュ グチュ グチュリ。

「こっちも……ダメ……と」

グヂュリ。グチュ グチュ……。

「これも……」

グチャ グチュ……。

「……うーん」

ブチュ ブチュチュ……。

息も出来ないほどの痛みに、何度か気を失いそうになるが、
そのたびに新たな痛みに飛び起きることになった。

「あとは……あら、もう残ってないわ。
やっぱり無事だったところはひとつもなかったみたいね」

看護婦たちから「あーあ」「やっぱりね」「グチャグチャだ」
「私もやってみたいのに、先生ったらいつも全部すり潰しちゃうのよね」
と、次々に笑いの声が漏れる。

「どれ、たまには私にも触らせてよ……」

最初に男のタマを潰した張本人の美女が、
ブヨブヨとした饅頭のように変形した陰嚢を掴む。

「……ほんとだ。見事なものねえ。もうそれっぽいものは
カケラも残らずグチュグチュになってるわ。ひき肉が入ってるみたい」

この“触診”によって、男の潰れたタマはすっかりすり潰されてしまった。
押さえつけられて手も出せない男にも、それは感覚としてわかった。
男の股の間にはもう、タマが入っていた痕跡すら残っていないはずだ。

「破れた薄膜から精巣が完全に飛び出してたわ。
まあ中に残ってたのもあったみたいだけど、
あれだけ致命的なダメージを受けてたら修復も無理だしね。
男性器としての回復は完全に不可能だったわね……」

「あなたがみんなすり潰したからじゃないの?」

「なに言ってるの。私が潰したのは潰れて手遅れになってた組織だけよ。
この男から生殖機能を奪ったのはあなたなんだから」

「そりゃそうよ。そうなるようにみっちり潰したんだもん。
じゃあ痴漢男さん、そういうわけだから、
あとは袋の中のタマのミンチを出してもらいなね」

「まったくこの子は……性欲は後天的なものだから、
性犯罪者の去勢と言えばペニスも摘出しなくちゃいけないって、
何度も説明したでしょ?」

「それはだまっててもやってくれんでしょ?」

「もちろん。さあ手術を始めるわよ」

こうして男は1日に3度の地獄を見た。

切開した陰嚢の切れ目から、睾丸の残骸をかき出され、
薄膜と精索も引き出されて看護婦に引きちぎられ、
残ったペニスも、女医に根元から切り取られて
女医の引き出しに入った、おびただしい数の標本に加えられることとなった……。

彼の友達に貸し出された私・・・

私の10代の頃の話。
といっても結構経つけどね(汗)

高校の頃、付き合ってたのは派手目の今で言うイケメン。
当時でもDJやってて、部屋にはターンテーブルと
レコードが山ほどあった。

彼はバイト代をほとんどレコードの購入にあててたな?。
同じのを2枚は必ず買ってたし。
(こすると消耗するからって言ってた)

それはいいんだけど、
彼は友達が結構多くて、
そんな彼の事は大好きだった。
少し強面な一面もあったし、
私には多少冷たい感じだったけど、
基本的には優しかったし・・・。

ある時、そんな彼に呼ばれてアパートに行った。
そしたら彼以外にもう一人男の人がいた。
なんだか暗そうな感じの人だった。

私は挨拶して、
三人で一緒に雑談とかしながら時間を過ごした。

彼が急に「ちょっといいか?」
と言って、部屋の外に出ていったので、
ついていった。

「あのさ、頼みがあるんだけど・・・」
簡単に言うとこういう内容だった。

もう一人の男は彼の親友で、
好きな子に告白して酷い振られ方をして落ち込んでいる。
そんでもってアレの経験がない。
だから、経験させて元気づけてやりたい。

「・・・それって。なにそれ?」
と思ってもちろん断ろうとした。

ところが彼は本当に必死に頼み込んでくる。
「お前の事は愛してる」
「こんなことはお前にしか頼めない」
「これは浮気とかじゃない」
「親友だから助けてやりたいんだ」
「俺の為だと思って」
などなど・・・。

私も当時、彼が初めてだった訳じゃないし、
多少は遊んでた。
彼と付き合う前は、彼の友達ともしたことはあったし、
彼もそのことはしっていた。
要するに当時の私は、そんなに貞操観念とか、
抵抗は無かったというトホホな話。

結局私が折れて、
「わかったけど、本当にするの?」
「俺、2時間ほど外すから。あいつには俺が知っていることをちゃんと伝えて安心させてやって」
そう言うと出ていった。

仕方なく私は部屋に戻り、
その人に彼からの伝言を伝えた。
突飛な話でなんだか固まってたけど、
私が「するもしないも、好きにしていいよ。
やるなら2時間しか時間はないから早くしてね」

そう言うと、その人は近くによってきて、
何も言わずに私に抱きついてきた。
「そりゃやるわな」と思ったら、
突然大声で泣き出した。
ワンワン泣いて、ヒックヒックと嗚咽してた。
ビックリした(笑)

どうやら、誰かに甘えたかったらしい。

私は、別にどうでも良かったんだけど、
なんだか可愛かったし、元気づけてあげてもいいかなと思って、
その人にこう言った。
「やっても良いって言ってるんだから、気晴らしにやっちゃいなよ」
そして、アソコを手で擦ってやった。

そこからスタート。
キスはNGだと伝えて、
後は好きにやらせてあげた。
ゴムが無くって、生でやらせてあげた。

女の体を見るのも、
触るのも、舐めるのも、
舐められるのも全てが初めてだそうで、
物凄く体に力が入ってて触られるときは最初は痛かった。
でも、指示を出すと、ちゃんと言うこと聞いて優しくしてくれた。

フェラで一回抜いてあげて、
それから私の方が上で入れてあげた。

最後はお腹の上に。

全てが終わって、
私は服を着て帰った。
その人は彼が戻るまで待つと言って残った。

私的には、無意味なSEXだったけど、
なんていうか、喜んでくれてたから良かったかな??という感じ。
軽いと思われるかもしれないけど、実際軽めだったし(笑)

でも、それがきっかけで、
彼と彼の友達の中で、私はオモチャみたいな扱われ方になってしまった・・・。

それは改めて書きますね。

まぁ、昔の10年ちょっと昔の話ですが、
乱れてたなぁ?と反省する感じかな(苦笑)
まだ若かった頃の誰にも言えない失敗談です。

文章が下手でごめんね(笑)

国際交流

私には英語力も文章力もないです・・。

そんな僕が、この前新宿に友人といった時に外人と話すはめになったんです。
友人と2人で駅近くの路地裏をペチャクチャと話していると2人の外人の女の子がなにやら困った様子で話していました。金髪のスラッとした髪の女の子と茶髪でショートヘアの女の子でした。歳はその時は17.8歳に見えました。「やっぱ外人の若い子は可愛いなぁ」と友人とボーッと見とれていました。こんなかわいい子はアジア人なんか
恋愛対象にもならないんだろうなと憂鬱になっていると突然話しかけてきたんです。
もちろん思いっきり英語で聞き取れなかったです。この時ほど英語を勉強しなかったことを後悔した時はありませんでした。友人も得意じゃないので2人でタジタジ・・。
「へ?あ?イエス・・イエス」と連呼しているだけで女の子たちもハァと呆れてしまいました。でも「原宿」とだけは聞き取れたのでなんとか原宿に行きたいことだけはわかりました。だめもとで「DoyouwantgoHarazyuku?」というと「Yeah!」みたいなことを言って両方、話が通じたことに感激しました。とりあえず僕らは駅を案内して路線図で説明することに。今思えば英語で書いてあるし記号みたいのを教えればよかったのですがテンパってて片言で説明しました。しばらく説明してると「Wouldyouguyswantgowithus?」と言ってきたんです。ジェスチャーなどで「一緒に原宿まで行かない?」といっている事を理解して僕らのテンションは急上昇しました。原宿までの電車の中で
下手くそな英語を人の目も気にせず話し続けました。ジェスチャーなどでなんとかコミニュケーションを取り合いました。

話によると金髪のほうが「ミシェル」19歳。茶髪が「メリッサ」18歳だそうです。
2人はイギリス人で日本に観光で2週間滞在するようで今日は3日目。
僕的には茶髪のこの方が好みで胸はないけど日本人の女の子なんか目じゃないスタイル。目も綺麗な蒼色で透き通っていました。
その後、原宿でお茶をして滞在先のホテルを教えてもらいました。実は僕はその時童貞で外人で筆おろしなんて妄想してました。その日はもう上の空。帰り際、本屋で英会話の本を購入してしまいました。

それから1週間・・・。彼女達のことはもうとっくに忘れていました。そんな僕が
バイト帰りに駅前をポソポソと歩いていると奇跡が・・・。なんとあの子達と遭遇したんです。僕が「あ・・」と驚くと彼女達も僕に気づきました。こっちを指差し、駆け足で寄ってきました。かなり嬉しかったです・・。だって僕からしたら彼女達は次元が違うというか2人はたくさんの日本人の中で僕だけに駆け寄ってくるのです。
必死に覚えた英会話で軽く挨拶。文法間違ってたと思う。でも彼女達は馬鹿になんかせず笑顔で一生懸命、僕の話を聞いてくれました。そこで僕は2人に日本のすばらしさを
教えてあげようと思い立ちました。「案内するよ」とジェスチャーと下手英語で伝えると2人は笑顔で顔を見合わせ「Whooo」と叫びました。日本人って酒でもはいってなかったらこんなテンションついてけないですよね・・・。でもその時の僕は違いました。
バイト明けで疲れてたけど叫びました。「Whoooooo!」

まずはゲーセンで飴とUFOキャチャー。その後イニシャルDで盛り上がりました。
そしたらお好み焼き屋へ。初めて食べるようでちょっと抵抗があったみたいですが
僕が勧めて食べさせると「おいしい!」と絶賛してくれました。
まだ腹が減っていたので近くのコンビニで僕の定番「焼きそばパン」と「イチゴミルク」をかって食べました。これも好評。僕らは駅前で笑いながら遊びまくりました。
言葉の壁なんかとっくに忘れてて言いたいことは伝えられました。すごい楽しかったです。友人に申し訳ない。別れ際「ヒデーー」(僕の名前)といってミシェルは抱きついてきました。そのまま口にチュッとされてチラッとメリッサの方を見るとなぜだか悲しそうな顔をしてました。そしてメリッサともその後軽くハグ。「電話してよ」と僕の携帯番号の紙を渡しました。

それから2日後。僕の携帯がなりました。メリッサです。僕は喜んで電話に出ようと思いましたが肝心なことに気づきました。「ジェスチャーができない・・」なんとか
会う約束をとりつけました。僕は彼女に滞在しているホテルのロビーまで行きました。
するとメリッサが出てきてなんと「部屋に来なよ」と誘われたのです。僕はドキドキしながらついて来ました。ミシェルは東京タワーにいってるらしくメリッサは具合が悪いとホテルに残ったようです。普通に話してたんですが部屋にはいると急に抱きついてきたんです。「え・・」と硬直するしかない僕・・。「ヒデ・・」といきなりディープキス。こんなことが起こるのかと怖かった僕もディープキスには心を奪われました・・。

「ん・・・・ん」とお互い激しく舌を絡ませあい、彼女は上着を脱ぎ始めました。
僕も急いで脱ぐ・・。ブラジャーをはずすとちいさな乳首が露になりました。童貞の僕は見とれていると「どしたの?」て顔で見て来ます。愛想笑いで返してズボンを脱ぎました。これでお互い全裸。全裸のままさっきと同じように抱き合いディープキス。
さっきと違い肌と肌が触れ合う感触・・。勃起した僕のアレは彼女の茂みにあたってます。それに気づいた彼女はニコッと笑ってフェラ・・。かなり激しくて童貞の俺は
「メリッサ・・・!ストップ」などと言っていきそうなことを伝えました。
チンポから口を離しベッドにダイブ。彼女はそのまま覆いかぶさってきて騎上位の体勢になりました。童貞卒業ーーーー!僕のアレはズププと濡れた彼女のきれいなマ○コにはいりました。「はぁぁぁん」とメリッサは色っぽい声を出して激しく腰を振ります。
僕も負けてはいけないと乳首をいじると英語で感じてました。僕は一度彼女の中から抜くと正上位で挿入しました。やっぱ初射精はこの体勢でしょ・・。そのまま激しく出し入れするとメリッサは口をかみ締め苦しそうに喘ぎます。「ん・・あああん!!」
すると中に出していいとのサインが。そのまま2人で果てました・・。
ベッドで裸で抱き合いながら話すと性欲が溜まっていて我慢できなかったそうです。
ミシェルとバイブを使ってレズプレイをしたがやっぱ男がいいとの事。
僕は真剣な顔で「iLOVEYOU」というと「おーー」といって赤ちゃんを抱きしめるかのように僕を包んでくれました。あと4日ほどで彼女と別れるかと思うと急に悲しくなりました。僕も強く抱きしめると彼女もさらに強く僕を抱きしめる・・。こうやって1時間ほど抱き合ってました。そのあとは彼女が裸で立ち上がり机からバイブを取り出しました。僕が「はは」と笑うと「笑うなー」と笑い返してきました。椅子を持ち出して
そこに彼女が座りM字開脚。全て丸見えだよ・・。考えてみればちょっと前はあこがれだった女の子が自分の前でこんな哀れもない格好でバイブを欲しがってる・・。
彼女のはもうかなり濡れてて太ももからいやらしく垂れてました。バイブを19歳の
女の子の膣にヌルッと挿入。スイッチをいれると激しくよがりビクッと体を震わせてて
それが愛おしくてたまりませんでした。無理やり奥まで入れて回転させると「ああああん!!」と叫び僕に抱きつきいってしまう彼女・・。別れたくない・・。
愛おしくてまた抱きしめました。

空港まで送り行くと涙で別れを惜しみ抱き合いました。

昨日彼女から手紙が届いたんです。急いで返事書こうと思います!頑張って。
僕は今、国際恋愛真っ最中です・・。
みなさんも素敵な国際恋愛を・・。

『 プ レ ゼ ン ト 』

1/52

                     『 プ レ ゼ ン ト 』

会社が正月休みに入り、鮨詰めの列車に延々と揺られて
やっと帰って来た我が家。
一年振りの我が家だ。

    |   |     |                     ?  疲れたー。
    |   |     |    ||//  |   ||         ?  やっぱ、遠ーいーわ。
    |   |     |    ||   |  //||         ?`─────y──────'
    |   |     |   [二二二二二二二]   __   .?   ||?  __
─┬─ |   | ─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬|__|   ?   ||?  |__|─┬─┬─┬
┬┴┬ |   | ┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴|__|   ?   ||?  |__|┬┴┬┴┬┴
┴┬┴ |   | ┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬|__|   ?   ||?  |__|┴┬┴┬┴┬
┬┴┬ | l"| ┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴|__|   ?   |_|?  |__|┬┴┬┴┬┴
┴┬┴ | |_.| ┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬|__|   ?         |__|┴┬┴┬┴┬
┬┴┬ |   | ┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴|__| [二二二  ∧∧ ]. |__|┬┴┬┴┬┴
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      ~""~                                U |
                                             |  `?γ⌒)
                                              し`J (|| ̄||)
                                                  ̄ ̄

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 |::::::::::::::::   ただいまーっ
 |:::::::::::::::`──────y───'
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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (、、゚Д゚)  ̄ ̄\\
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        ?|  |        \\
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄γ⌒)し`J  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
         (|| ̄||)            θθ\
         ̄ ̄

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                             /´オヤジー、オフクロー、
                            / ・・・・おかしいなぁ、いないのか?
     ○≡○_         ∧∧  ∠、 物騒だなー、鍵も掛けないで。   、
    /(◎)./||          (、、゚Д゚)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |三三三|/||         U  |ヽ
   ||/|| ||/||         ?|  |.||)
 ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(((  (/`J ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

4/52

                     オウ! お帰りギコ。       なんだ、アニキが先に
                     待ってたんだ。           帰ってたのか。
                                         いつ帰って来たんだ?
                   `────y───────'   `────y───────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧、、
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)')             ∧∧
  l'| ̄||、/||.||/||            U  |                 (Д゚、、)
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7、            │ U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾ          |  |?γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、           し`J (|| ̄||)
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

                    お前の一本前の電車だ。   そりゃー良かったな。
                    結構すいてて座れたぞ。   ところで、オヤジとオフクロは?
                  `─────y──────' `──y────────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)         ∧∧
  l'| ̄||、/||.||/||            U  |          (Д゚、、)
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7、     │ U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾ.     |  |?       γ⌒)
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5/52

                     今、出掛けてるよ。
                     疲れたろう?        オイオイ・・・・・、
                     まあ、一杯付き合え。   酒は負担が掛かるだろう。
                   `────y──────' `──y─────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)          ∧∧
  l'| ̄||、/||.||/||            U つU        (Д゚、、)
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄ ̄ ̄U7.、    │ U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾ.     |  |?       γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、    し`J        (|| ̄||)
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

               そう堅い事を言うな。
               お前も少しなら飲むんだろう。   まあな。
              `───────y─────' `─y────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)    ∧∧
  l'| ̄||、/||.||/||            U つU  (゚Д゚、、)
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄ ̄ ̄U⊂ U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

6/52

             お前とこうして酒が飲めるとはな・・・・。
             あれから何年になる?        
            `─────────y───────' 

     __    .⊂⊃                       /´あの時は確か俺が8歳だったから、
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /  もう・・・・、13年になるのか。
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)    ∧∧  ∠、 ちょうど今時分、そう・・・、クリスマスだったな。  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U つU  (゚Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄ ̄ ̄U⊂ U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

7/52

                        ・
                        ・
                        ・
                        ・
                        ・
                        ・
                        ・

時が経つのは速いもんだ。
もうあれから13年が過ぎてしまった。
あの時はまだ俺も、サンタクロースを信じる、小さなガキだった。

8/52

事の始まりは俺のイタズラからだった。

                               とうちゃん、俺
     __    .⊂⊃                テストで100点を取ったゾ
    ..//.|――n|  |               `─────y──────'
   ///||_.n/||.ー‐'                                  /´ お・・・、俺は
  l'| ̄||、/||.||/||   ∧、、∧                ハ、、ハ    ハハ  ∠、 20点だ。    、
  l.| ||/、'|||レ!'||   (.、、´、д)   _______  (゚д゚、、)   (゚Д゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 、、l.|__|、、/、、l|||/~   ∪  |  /旦       ./|口⊂  ⊃ 口⊂.⊂|
 |   |l、、"/~   ?(⌒ヽ´)/______/    し`J?  .し`J?
 |   ||/         ̄ ̄ ||-----------||
/ ̄ ̄ ̄

9/52

頭が良くて、出来の良いアニキと、勉強はからっきしの俺。
オヤジに叱られるのは、いつも決まって俺ばかりだった。

         お兄ちゃんは頑張っているのに、
         それに引き換えギコはさっぱりだな。
         本当に情けないヤツだ。
        `──────y─────────' とうちゃん、もっと俺を
     __    .⊂⊃                  褒めてくれよ。
    ..//.|――n|  |                `─────y──────'
   ///||_.n/||.ー‐'                                  /´ エーン・・・
  l'| ̄||、/||.||/||   ∧、、∧                ハ、、ハ    ハハ  ∠、 ごめんなさーい 、
  l.| ||/、'|||レ!'||   (.、、´、д)   _______  (゚д゚、、)   (ДT、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 、、l.|__|、、/、、l|||/~  (つ つ /旦       ./|口⊂  ⊃ 口⊂.⊂|
 |   |l、、"/~   ?(⌒ヽ´)/______/    し`J?   し`J?
 |   ||/         ̄ ̄ ||-----------||
/ ̄ ̄ ̄

毎度、毎度、同じパターン。
アニキと比べられる事が大嫌いだった。
別にアニキが悪い訳でもないのに、
「いつか兄ちゃんに仕返しをしてやる」
そんな風に考えていた。

10/52

ある日、俺は一つのイタズラを思い付いた。
題して『兄ちゃんオネショ大作戦』だ。

 ...::..:...:...::.:..:...::..:...:...::.:..:...::..:...:...::.:..:...::..:...:...::.:..:...::..:...:::::
 ...::....::......:.::..::....:.....:.:...:....::..::.::.::..::.::....::......:.::..::....:.....:.:...:...:
 ...::..:::.....::::....:::....                  ...::..:::.....::::....:::.....::::
 ...:.:.:...::.                              .:.:...::.::.::
 ...:.:.:           zzz…                /´ 兄ちゃん
           ハ、、ハ          ハハ   ∠、 起きてるか? 、
         /⌒(-д-)⌒ノ        /⌒(゚Д゚;)⌒ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ノ`~`^''~''`ヽ./        ノ`~`^''~''`ヽ./
      /      i!./     /      i!./
    (_、.    //     (_、.    //
    く.、_`^''ー-、_、、..ノ/      く.、_`^''ー-、_、、..ノ/
      `~`''ー--‐'         `~`''ー--‐'

11/52

 ...::..:...:...::.:..:...::..:...:...::.:..:...::..:...:...::.:..:...::..:...:...::.:..:...::..:...:::::
 ...::....::......:.::..::....:.....:.:...:....::..::.::.::..::.::....::......:.::..::....:.....:.:...:...:
 ...::..:::.....::::....:::....                  ...::..:::.....::::....:::.....::::
 ...:.:.:...::.                              .:.:...::.::.::
 ...:.:.:           zzz…                    :.:.:...::
           ハ、、ハ    シーコッコッコ   
         /⌒(-д-).ハハ        /⌒´⌒``⌒ノ
        ノノ⊂  ⊃(゚  、)      ノ`~`^''~''`ヽ./
      /丿ヽ。゚⌒ヽU |    /      i!./
    (_、..~`^''~''`ヽ//し`J?  (_、.    //
    く.、_`^''ー-、_、、..ノ/      く.、_`^''ー-、_、、..ノ/
      `~`''ー--‐'         `~`''ー--‐'

これでアニキはオヤジにこっぴどくしかられる予定だった。
ところが、夜が明けると事態は思わぬ方向へと展開して行った。

12/52

アニキの布団は血の色に赤く染まっていたのだ。
そこから我が家始まって以来の大騒ぎが始まった。

 オイ・・・・・・、
 急いで病院に行くぞ。
`──y───────'
          ハ、、ハ とうちゃん・・・
            (゚д゚;) かあちゃん・・・
 ∧、、∧       │ U                 zzz…
 (;´、д)       し`J?        ハハ
 U  |    /⌒´⌒``⌒ノ         /⌒(-Д-)⌒ノ
?|  |   .ノノ ..;:;;;;:;:.. /        ノ`~`^''~''`ヽ./
 し`J  /丿ヽ.:;;;;;;;;::./      /      i!./
    (_、..~`^''~''`ヽ./ ∧、∧   (_、.     //
    く.、_`^''ー-、_、、..ノ/ (゚; 、、)  く.、_`^''ー-、_、、..ノ/
      `~`''ー--‐'  U |    `~`''ー--‐'
                |  `?
                U`U

13/52

それからアニキは数日間病院に通い、あらゆる検査をした。
一つの検査をして結果が出ず、また検査をして、何も判らない。
その度ごとに医者は首を捻り、オヤジとオフクロは不安を重ねて行った。

    こんな症例は     息子は・・・・
    私も初めてです。  大丈夫なんでしょうか?
  `────y────'`───y───────'

|EDですか|
|(・∀・)
| ::::: ∧_∧       ∧、、∧  ∧、∧
ロ__ (;´∀`)         (д、`;) (゚?゚;)
__/┌(\Ω/)         │ U  ヽ)(/|
 ||/||..|_└ヽ__|ヽ   [ ̄ ̄]  |  |? │ )?
─||┸.。__]__)_)    __||__.  し`J   UU

14/52

家族の中に疲れが色濃く現れ、イラ立ちの空気が漂い始める。
「俺のしたイタズラがとんでもない事になってしまった」
そう思ったおれは、恐る恐る、自分のした事をやっと口にした。

   ごめん、兄ちゃん・・・   バカ野郎!!
   あのおしっこ・・・      なんで今まで黙ってた?!
   俺がやったんだ
 `─────y─────'`───y─────────'

       ハハ         、、、ハ、、ハ
       (;゚Д゚)         ('(゚д゚;)
       U |         │ U 
      ?し`J           し`J?

   だ・・・・、だって、     お前、判らないのか?
   怒られると思ったから。  そう言う問題じゃないんだぞ!
 `─────y─────'`───y──────────'

      ハ.ハ         、、、ハ、、ハ
      (TДT)         ('(゚д゚;)
       U |         │ U 
      ?し`J           し`J?

15/52

オヤジに連れられ病院に行き、検査を受けると、すぐに俺の入院が決まった。

 これは非常に深刻な       ど・・・・
 状況と言わざるおえません。  どう言う事でしょうか?
`─────y───────'`──y────────'

|EDですか|
|(・∀・)
| ::::: ∧_∧       ∧、、∧  ∧、∧
ロ__ (;´∀`)         (д、`;) (゚?゚;)
__/┌(\Ω/)         │ U  ヽ)(/|
 ||/||..|_└ヽ__|ヽ   [ ̄ ̄]  |  |? │ )?
─||┸.。__]__)_)    __||__.  し`J   UU

    ∧_∧  今回、息子さんの腎臓を主に検査させて頂きました。
   ( ´∀`)  その結果、息子さんの腎臓は両側供にかなりの萎縮をしており、非常に強い腎機能の
   (\Ω/)  低下を確認致しました。
           いわゆる、腎不全の一歩手前と言った状態です。
           今まで自覚症状が出ていなかったのが不思議なくらいです。
           さしあたっては、透析によって短期間であれば凌ぐ事も出来ますが、
           いずれにせよ、彼の命を守る為には腎臓の移植手術が必要です。

16/52

  それも、出来るだけ早い
  時期にするべきです。   移植ですか・・・・
 `─────y─────'`──y──────'

|EDですか|                         /´あのー・・・・、
|(・∀・)                          / その手術はすぐにでも
| ::::: ∧_∧       ∧、、∧  ∧、∧ ∠、 受けられる物なのでしょうか? 、
ロ__ (;´∀`)         (д、`;) (゚?゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__/┌(\Ω/)         │ U  ヽ)(/|
 ||/||..|_└ヽ__|ヽ   [ ̄ ̄]  |  |? │ )?
─||┸.。__]__)_)    __||__.  し`J   UU

    ∧_∧  移植手術となりますと、当然、「ドナー」・・・・、アッ・・・、提供者が必要となります。
   ( ´∀`)  臓器という物はですね、人の個性と同じ様に人それぞれで違う物なのです。
   (\Ω/)  臓器の適合性と言うのがありまして、健康な腎臓であれば誰の物でも使えるという訳ではないのです。

17/52

 幸な事に、息子さんの場合、
 先日検査しましたお兄さんの
 腎臓がほぼ問題無く使える    本当ですか?!
 事が判ってはいるのですが    それは良かっ・・・・
  ・・・・・・・・・・            アッ・・・、イヤ・・・、でも・・・
`─────y───────' `─y────────────'

|EDですか|
|(・∀・)                          /´ お・・・・、
| ::::: ∧_∧       ∧、、∧  ∧、∧ ∠、 おとうさん・・・・。  、
ロ__ (;´∀`)         (д、`;) (゚?゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__/┌(\Ω/)         │ U ⊂ U
 ||/||..|_└ヽ__|ヽ   [ ̄ ̄]  |  |? │ )?
─||┸.。__]__)_)    __||__.  し`J   UU

    ∧_∧  そうです。
   ( ´∀`)  例え片方とは言え、まだ成長期にあるお兄さんから腎臓を摘出するという事は
   (\Ω/)  かなりのリスクを伴います。
           例えば、移植手術直後には問題が生じなかったとしても、彼が大きくなるにつれて、
           また新たな問題が生じるかも知れません。

18/52

 移植をするならば、
 そういったリスクを覚悟
 してもらわなくてはなりなせん。 いったいどうすれば・・・・。
`─────y───────'`──y──────────'

|EDですか|
|(・∀・)
| ::::: ∧_∧       ∧、、∧  ∧、∧
ロ__ (;´∀`)         (д、`;)  (゚-∩、)・゚゚・。
__/┌(\Ω/)         │ U  | ソ
 ||/||..|_└ヽ__|ヽ   [ ̄ ̄]  |  |? │ )?
─||┸.。__]__)_)    __||__.  し`J   UU
           

13年前・・・・、当時はまだ「脳死患者からの臓器移植」など、議論すらされていない段階だった。
国内での手術を諦め、僅かな希望を求め海外での手術を望んだ人もいたが、それにかかる費用は
とても一個人で払える様な額ではなかった。

19/52

                         ハア・・・・・        アッ、とうちゃん、どうだった?
  | ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄|                         アレ?、かあちゃん泣いてるの?  
  |    ||    | 泌尿器科  `───y──'      `─────y─────────'
  |    ||    |  外来
  |    ||    |                              ハ、、ハ
  |   o.||    |   ∧、∧     ∧、、∧              (゚д゚、、)
  |    ||    |。・゚゚・(、∩-゚)   (;´、д)             ⊂  ⊃
  |    ||    |  ヽ |    U  |         二二二//ノ?二二二
  |____||____|  ?(  |    ?|  |  _____  ┃ ____┃ _____
               (((  (/´U  (((  (/`J         ┻     ┻

20/52

                         お前の・・・・・       
  | ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄|          腎臓を・・・・・・      エッ?! 何?!         
  |    ||    | 泌尿器科  `───y────'   `────y─────'
  |    ||    |  外来
  |    ||    |
  |   o.||    |   ∧、∧     ∧、、∧
  |    ||    |。・゚゚・(、∩-゚)   (;´、д)             ハ、、ハ
  |    ||    |  ヽ |    U  |         二二(゚д゚、、) 二二二二
  |____||____|  ?(  |    ?|  |  _____  ┃ | U  _┃ _____
                UU     し`J         ┻ し`J?  ┻

21/52

          ねえ!!                       何でもない、大丈夫だ。
          何があったの?!                 心配するな。
        `────y─────'               `────y───────'

                               ∧、∧     ∧、、∧
             ハ、、ハ              。・゚゚・(、∩-゚)   (;´、д)
       二二二(;゚д゚) 二二二二          ヽ |    U  |
_____  ┃  U  | _┃  _____ ?(  |    ?|  |    ________
       ┻ ?し`J   ┻         (((  (/´U  (((  (/`J

22/52

入院生活はいたって退屈な物だった。
一日おきに3時間の透析、それ以外の時間は「出来るだけおとなしくしてろ」と言われていた。
オフクロが付き添って俺の世話をしてくれていたが、家の事も有ったし、パートをどうしても
抜けられない時も有り、病室に独りきりの時にはとても寂しく思えた。
学校が終わって、アニキが病室に来てくれた時は、とても嬉しかったのを覚えている。

     ギコ
     もうちょっとでクリスマスだな。
     お前、サンタさんに何を貰うんだ?
    `───────y────────' 

                             /´何にしようかなー。
            ハ、、ハ   ______  /  欲しい物がいっぱいあり過ぎて
            (、、゚д゚)  ||__.ハハ __|| ∠、 俺、困ってるんだ。         、
    ____  U  |__/ (゚Д゚、、) ./|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

23/52

     バカだなーお前。
     どうせ一個しか貰えないんだから、
     早く決めとかないとクリスマスに
     何も貰えなくなっちゃうぞ。
    `───────y───────' 

                             /´ヒデーなー兄ちゃん。
            ハ、、ハ 、、  ______  / でも・・・・、
            (、、゚д゚)') ||__.ハハ __|| ∠、 俺、何もいらないや。 、
    ____  U  |__/ (゚Д゚、、) ./|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

     なんでだ?
     別にいいけどよー・・・、じゃあ、
     お前の分も俺が貰っちまうからな。
    `───────y────────' 

            ハ、、ハ   ______  /´ それよりも、俺・・・・・
            (、、゚д゚)  ||__.ハハ __|| ∠、 うちに帰りたいんだ。  、
    ____  U  |__/ (゚Д゚、、) ./|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

24/52

          うちに・・・・?
         `───y───' 
                              /´ウン。
                             / かあちゃんにでっかい
          ハ、、ハ   ______  /  ケーキ作ってもらって、
            (;゚д゚)  ||__ハハ __|| ∠、  家族4人でパーティするんだ。 、
    ____  U  |__/ (゚Д゚、、) ./|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

     ・・・・・・そうか。
     それまでに退院出来るといいな。
    `───────y───────' 

                             /´ ウン。
          ハ、、ハ   ______  /  だから俺・・・・
            (、、゚д゚)  ||__ハハ __|| ∠、  がんばって病気を治すんだ。、
    ____ ⊂  ⊃/ (゚Д゚、、) ./|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

25/52

           ギコ・・・・
         `───y───' 

          ハ、、ハ   ______  /´ なんだ 兄ちゃん?
            (;゚д)  ||__ハハ __|| ∠、              、
    ____  U  |__/ (゚Д゚、、) ./|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

         なんでもねぇーよ
       `────y─────' 

                    ?  ?
          ハ、、ハ   ______
           (д 、、)彡 ||__.ハハ __|| 
    ____. ゚U  |__/ (Д゚、、) ./|_______
         __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//))
         || ||  /       //
           _______ //
           || || || ||//
           || ̄|| ̄|| ̄||/
          ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎

26/52



27/52

         中央検査室                           放射線科  CT
            ←                                →    MRI
                              せんせーい
                            `───y───'

        ∧_∧
        (´∀` )                 、、 ハ、、ハ
        (Ω/ )                 ('(゚д゚、、)
____  |_|ヽ_ヽ    ________   | U      __________
        (___)__)  ))              し`ヽ)?  ))

       ん・・・・・、          先生・・・・             放射線科  CT
       何かな?          俺の腎臓ってのが有れば      →    MRI
     `───y───'        ギコの病気が治るの?
                      `──────y─────'

        ∧_∧
        ( ´∀`)             ハ、、ハ
        (\Ω/)               (゚д゚、、)
____  /_」|__|   ________ | U   ______________
        (___)__)                し`J?

28/52

 うん・・・・、
 確かにそうだけど・・・、         とうちゃんは何も教えてくれないんだ。
 お父さんに何か聞いたのかい?   でも、もしそうなのなら、俺のをギコに
`───────y───────'  あげてもいいかなって思って・・・・。
                       `─────y────────────'

        ∧_∧
        ( ´∀`)             ハ、、ハ
        (\Ω/)               (゚д゚、、)
____  /_」|__|   ________ | U   ______________
        (___)__)                し`J?

   そうか・・・、              そうでもないよ。
   君は良いお兄ちゃんだね。     ギコとはいつもケンカばっかり
 `───────y─────'    してるし・・・・。
                       `─────y────────'

        ∧_∧
        ( ´∀`)             ハ、、ハ
        (\Ω/)               (゚д゚、、)
____  /_」|__|   ________ | U   ______________
        (___)__)                し`J?

29/52

    ∧_∧  でもね・・・・、よく考えてごらん。
   ( ´∀`)  弟を助ける事は素晴しい事だけど、同時にそれは君の体を傷付ける事になるんだよ。
   (\Ω/)  先生はギコ君だけじゃなくて、君も手術する事になるんだ。

   どうだね?               こっ・・・怖いけど・・・・
   君だってそれは怖いだろ?     スッゲー怖いけど・・・・
 `───────y─────'     でも・・・・、でも・・・・・
                       `─────y────────'

        ∧_∧
        ( ´∀`)             ハ、、ハ
        (\Ω/)               (゚д゚;)
____  /_」|__|   ________ | U   ______________
        (___)__)                し`J?

30/52

           /ヽ      /ヽ
          / │    /  ヽ      キゴがいなくなっちゃうと
          /  ヽノノノノ丿   ヽ.
         .、:'             ヾ    俺・・・・
        .:'  ○      ○ u  i
        .i    | ̄ヾ     u i   俺・・・・
        .'..   |__)     ::/
         `:、          ..:::/    兄ちゃんじゃなくなっちゃうんだ!!
          /  :、_ _    ....:::;;ヽ
         /          ...::::::::;;ヽ
         /          ....::::::::::::、、ヾ

31/52



32/52

俺が何も判っていない内に、俺とアニキの手術は決まった。

            ありがとな・・・・
            ありがとな・・・・
          `─────y────'
     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |
   ///||_.n/||.ー‐'           ∧、∧           /´俺・・・
  l'| ̄||、/||.||/||.   ∧、、∧   。・゚゚・(、∩-゚)     ハ、、ハ  ∠、 もう怖くないぞ! 、
  l.| ||/、'|||レ!'||   (、、。_。)   ___|_ソ__|____ (゚д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 、、l.|__|、、/、、l|||/.~  U::|  /旦        /.⊂  ⊃
 |   |l、、"/~   ?(⌒ヽ´)∠_______/.:ヾ し`J?
 |   ||/         ̄ ̄ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、
/ ̄ ̄ ̄            ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ
                   ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

あの時、俺は『アニキの腎臓を貰う』事の意味さえ良く判らずにいた。
手術が何なのかも知らなかった。
ただ、不思議な事に怖くはなかった。
「兄ちゃんと一緒なら、何も怖くなんかない。」
そう思っていた。

33/52

俺とアニキの手術の日がやって来た。
「出来るだけ早くして欲しい」とオヤジが望んで、年の瀬ではあったが、年内の手術となった。
その日はちょうどクリスマスイブだった。

               ┌──────┐
               │ 手 術 室 |
               └──────┘
            ____________
    先生     |        ||        |
    お願いします。      ||        |
   `──y────'      ||        |
            |       ||        |     /´大丈夫ですよ。
..     ∧、、∧   |       ||       ∧_∧ ∠、 心配いりませんから。 、
     (;´、д)  |   ギコ…||.    (´∀` )   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    U  |   _ハ、、ハ_   ||ニイチャン… ( Y  )
    ?|  | /(、、゚д゚)/||   __ハハ__ | | |
     し`J/~⌒⌒⌒~| ◎ /(゚Д゚、、)/||(_(_)
       / /⌒ヽ/_ノ.  /~⌒⌒⌒~| ◎    /´
      /  ⌒./_丿  / /⌒ヽ/_ノ ∧、∧ ∠、頑張ってね。 、
      || ̄ ̄ ̄|||丿  /  ⌒./_丿 (゚; 、、)   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   .  ◎.   ◎   || ̄ ̄ ̄|||丿   U |
               ◎.   ◎     |  `?
                       U`U

34/52

           先生・・・・・    もう麻酔で眠っているよ。
           ギコは?     さあ、次は君の番だ。
        `────y───' `───y────────'
                 ___                ___
                /___/|∧_∧        /___/|
               |ΘΘΘ| :|(´∀` )      |ΘΘΘ| :|
            _ハ、、ハ___  │;|( Y  )   _.ハハ___   .│;|
          /(、、゚д゚)./|.    | | |  /(=◎=)./|
         /~⌒⌒⌒~|/    (_(_)/~⌒⌒⌒~|/
       / /⌒ヽ/_ノ          / /⌒ヽ/_ノ 
      /  ⌒./_丿          /  ⌒./_丿
    | ̄ ̄ ̄ ̄|丿|        | ̄ ̄ ̄ ̄|丿|
.     ̄ ̄ ̄| ̄: ;|            ̄ ̄ ̄| ̄: ;|
         [二二二]             [二二二]
 

35/52

                  ___                ___
          ∧_∧/___/|            /___/|
            ( ´∀`)ΘΘΘ.| |           |ΘΘΘ| :|       ギコ・・・・・・・
            (_ハ、、ハ__つ◎∝.│|        _.ハハ___  .│;|
          /(、、゚д)./| §        /(=◎=)./|             今年はサンタさんは
         /~⌒⌒⌒~|/          /~⌒⌒⌒~|/
       / /⌒ヽ/_ノ          / /⌒ヽ/_ノ               来てくれそうもないから
      /  ⌒./_丿          /  ⌒./_丿
    | ̄ ̄ ̄ ̄|丿|        | ̄ ̄ ̄ ̄|丿|                  兄ちゃんが代わりに
.     ̄ ̄ ̄| ̄: ;|            ̄ ̄ ̄| ̄: ;|
         [二二二]             [二二二]                 サンタクロースだ

36/52

                 ___                ___
                /___/|            /___/|
               |ΘΘΘ| :|           |ΘΘΘ| :|
            __.ハ、、ハ___ :│;|        _.ハハ___  .│;|
          /(=◎=)./|          /(=◎=)./|             兄ちゃんからのプレゼント・・・・・
         /~⌒⌒⌒~|/          /~⌒⌒⌒~|/
       / /⌒ヽ/_ノ          / /⌒ヽ/_ノ
      /  ⌒./_丿          /  ⌒./_丿                大切に使えよ
    | ̄ ̄ ̄ ̄|丿|        | ̄ ̄ ̄ ̄|丿|
.     ̄ ̄ ̄| ̄: ;|            ̄ ̄ ̄| ̄: ;|
         [二二二]             [二二二]

37/52

                        ・
                        ・
                        ・
                        ・
                        ・
                        ・
                        ・

38/52

             13年か・・・・、速いな。
             イヤな野郎だったけど
             助けてやって良かったとは思ってるよ。        
            `─────────y───────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ オイオイ・・・・、
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)    ∧∧  ∠、 随分な言い方だな。  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U つU  (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄ ̄ ̄U⊂ U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

             本当、ヤな野郎でよ、
             いつもいつも目障りなヤツで・・・、なのに
             可愛がられるのは年下のお前ばかりだ。        
            `─────────y─────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ それは俺のセリフだろ!
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)  、、 ∧∧  ∠、 俺なんか叱られてばかりだったぞ。  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |   ('(Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

39/52

                それはお前が判ってないんだよ!
              `────────y────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧、、         /´ 判ってないのは
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)') 、、 ∧∧  ∠、 アニキの方だろーが!! 、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |   ('(Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

                相変わらずヤな野郎だな・・・・。
              `────────y───────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ じゃあ、なんで
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 そのヤな野郎を助けたりしたんだよ? 、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

40/52

                  なんつーかさ、
                  『当たり前の幸せ』ってヤツかな。
                  お前が教えてくれたんだぞ。
                `───────y────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ 俺が??
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 何の事だ? 、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

               覚えてないのか? お前、あの時、
               「プレゼントはいらないから、うちに帰りたい」
               って言ったんだ。
             `────────y────────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ 俺そんな事を言ったのか?
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 覚えてねぇーなぁー。    、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

41/52

   ∧、∧  俺がいて、お前がいて、オヤジとオフクロがいる。
    (、、゚д゚)
.    U |

              ∧、、∧              ∧、∧
             (、、´д`)  ハ、、ハ   ハハ  (゚ー゚、、)
           U  |   (、、゚д゚)  (゚Д゚、、)  ヽ)(/|
           ?|  |   U  |  | U  │ )?
             し`J  ?し`J   し`J? UU

           4人は家族で、一緒に暮らしている。
           それは当たり前の事なんだけど、実はその当たり前の事がとても幸せな事なんだ。

42/52

           もし、その当たり前の事が当たり前じゃなくなってしまうとしたら・・・・、

              ∧、、∧            ∧、∧
             (、、 д)  ハ、、ハ      (?、、)
           U  |   (、、д)      ヽ)(/|
           ?|  |   U  |      │ )?
             し`J  ?し`J   `` ´´ UU

           それはとても悲しくて、不幸な事なんだ。
           でも、人はそうなってしまうまで「当たり前の幸せ」に気付かないんだよ。
           多くの場合が、「当たり前の幸せ」に気付いた時にはもう、手遅れになってしまっているんだ。

43/52

              ∧、、∧              ∧、∧
             (、、´д`)  ハ、、ハ   ハハ  (゚ー゚、、)
           U  |   (、、゚д゚)  (゚Д゚、、)  ヽ)(/|
           ?|  |   U  |  | U  │ )?
             し`J  ?し`J   し`J? UU

           そうならない為に、「当たり前の幸せ」を守る為にも、家族それぞれが
           自分に何が出来るのか、
           自分が何をしなくてはならないのか、
           それを考えなくちゃいけないんだ。

44/52

               あの時、病室で寝ているお前を見ていて
               俺は変な事を考えていたんだ。
             `────────y──────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ 変な事?・・・・
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 何を考えていたんだ?  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
 、、l.|__|、、/、、l|||/       ∠_______/.:ヾソ               γ⌒)
 |   |l、、"/~        ノ ::::ヾ  ...  :::.. `、 `、               (|| ̄||)
 |   ||/          ( ..:::::::"、、.;、、.:..::: 、、.;、、.: .   ノ                 ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

45/52

      ┌ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ┐

      │       俺は・・・、                           |
              俺は、ギコがいるからお兄ちゃんなんだ。
      │     `─────y─────────────'          |
                     。 
      │           ゚                         │
                   ハ、、ハ   ______
      │            (;゚д゚)  ||__ハハ __||           │
             ____  U  |__/ (゚Д゚、、) ./| ______
      │           __?し`J/⌒⌒⌒⌒⌒//))          |
                  || ||  /       //
      │             _______ //               |
                    || || || ||//
      │             || ̄|| ̄|| ̄||/                 |
                   ◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◎
      │                                         |

      └ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ┘

46/52

               あの時は、それがどういう意味なのか
               俺にも良く判らなかったけど、
               今考えてみると、それが判る気がするんだ。
             `────────y───────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ フーン、
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 なるほどね。  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

               そう考えると、ガキの頃の俺って
               エライなぁー。
               我ながら思う。
               ウン!、たいしたヤツだ!!
             `────────y───────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ そーいう事は、自分じゃ
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   、、、∧∧  ∠、 言わねぇー事だぞ。 普通!  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |   ('(Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

47/52

                お前が言わないから
                俺が自分で言ってるんだよ!
             `────────y───────' 

     __    .⊂⊃                       /´まあ、いいじゃねぇーか。
    ..//.|――n|  |      ∧、∧、、         /  とにかく、アニキのおかげで俺は助かった。
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)')   ∧∧  ∠、 感謝してるよ。  ありがとな。         、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

                  そんな風に言われると
                  逆に照れるもんだな・・・・。
                  適当でいいぞ、そこら辺は・・・・。
                `────────y───────' 

     __    .⊂⊃                       /´イヤ・・・・、マジで感謝してるんだって。
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /  あの手術の後、俺、自分に誓ったんだ。
   ///||_.n/||.ー‐'         (;゚д゚)    ∧∧  ∠、 「これからは兄ちゃんの頼み事は何でもきいてやろう」ってな。  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

48/52

                そうかぁー・・・・、じゃあ、
                その「お言葉」は有り難く頂戴しとくよ。
              `────────y─────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ ところで・・・・、
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 オヤジとオフクロはどこに出掛けてるんだ?  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

               オヤジ達は・・・・、二人で
               正月は豪華温泉旅館だそうだ。
             `────────y───────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ ハァ?! 何だそりゃ?
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   、、、∧∧  ∠、 聞いてねぇーぞ!!    、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |   ('(Д゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

49/52
                俺もな、さっき電話で初めて聞いたんだ。
                ホラ・・・、正月に大学生が走ってるだろ・・・・
              `────────y────────────' 

     __    .⊂⊃                       /´箱根か?!  オヤジ、あれ好きだったからなぁー
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /  ・・・・って、何だよ急に!
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 それならそうと、前もってだな・・・・・            、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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/ ̄ ̄ ̄            ~~"'""~~" ~" ~"'''''""~

              元々はオヤジの知り合いが予約を取ってた旅館
              つー事なんだけどよ、その人が急に行かれなくなってな、
              代わりにオヤジ達が行く事になったんだとさ。                
              「駅伝の時なんて、滅多に予約なんか取れない」ってさ
              オヤジ、スッゲー喜んでやがんだ。
            `─────────y───────────────' 

     __    .⊂⊃                       /´イヤ・・・・、それはそれでいい事なんだけどな・・・・。
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /  ちくしょう・・・・・。
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 こんなんなら、わざわざ帰って来るんじゃなかった。    、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚、、)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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                そこで、お前に頼みが有るんだけど、
                ・・・・・・メシ作ってくれ。
              `────────y────────' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ ハァ?!
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   ∧∧  ∠、 ・・・・・・・・・?  、
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                     メシだよ!
                     メェーシッ!!
                  `─────y───' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ なんで俺がアニキに
   ///||_.n/||.ー‐'         (、、゚д゚)   、、、∧∧  ∠、 メシ作んなきゃならねぇーんだ?!、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |   ('(Д゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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               さっき自分で言ったばかりだろ、
               俺の頼みは何でもきくって!!
             `────────y───────' 

     __    .⊂⊃                       /´
    ..//.|――n|  |      ∧、∧、、         /  ・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ///||_.n/||.ー‐'         (;゚д゚)')  ∧∧  ∠、                、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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                       頼んだゾ!
                   `─────y───' 

     __    .⊂⊃
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          /´ てっ・・・・、テメー・・・・・、
   ///||_.n/||.ー‐'         (;゚д゚)   ∧∧  ∠、 それで急に昔の話しを・・・・・  、
  l'| ̄||、/||.||/||            U |    (Д゚;)    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U
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52/52

                    さて・・・・・・、
                    何の事だか?・・・
                  `─────y─────' 

     __    .⊂⊃                       人_人_从_人_从人_人_从_
    ..//.|――n|  |      ∧、∧          )              (
   ///||_.n/||.ー‐'         (д゚;)彡 、、、∧∧  <   汚ねぇーぞ!!  >
  l'| ̄||、/||.||/||            U |   ('(Д゚;)  ヽ              (
  l.| ||/、'|||レ!'||        / ̄[] ̄ ̄U ̄U.7| U     ⌒Y⌒YY⌒YY⌒Y⌒Y´
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                              糸冬

由紀21歳

俺のつまらない話を聞いてくれ。
1人の青年が、ダメな大人へと成長して行く話。

当時
俺:17才高三
由紀:15才高一

クラスの奴と、高校が有る町の中学校卒業アルバムを見ていた。

なぜか、その年の高一世代の奴ね(笑)

誰がヤンキーだの、誰が可愛いだので盛り上がってた。

その中で、完全にレベルが違ってたのが由紀。

一目見て、興味が湧いた。
てか、うちの高校の一年生なんだって。ワクワクしたのは覚えてる。

わざと一年生のフロアを通ったりして、何度か目が合った事も有った。

由紀のスペックは、当時身長153とかかな。胸はAかB位かな?
成長期だしわからん。

見た目は芸能人で言うと、押切もえ、石川梨華(元モー娘、漢字わからん)
みたいな感じ。

ぱっと華やかで整った顔立ち、スラッと伸びた手足、肌が超きれいな訳。

体は押切もえと石川梨華を足して2で割って、顔は石川梨華が大体似てるかな。。

言っとくが、俺はモー娘ファンではないからな(笑)

ある日、中学校の時の部活の後輩と立ち話をしてたら、A君の先輩?
と語りかけてくる子がいた。
それが由紀だった。

その時は他愛も無い話で終わったが、また会話出来るように頑張って、
それから何度か話せるようになった。

そんな訳で、知らず知らずに熱烈アプローチをして、晴れて付き合う事に。
途中興味ないだろうから省略ね(笑)

童貞だった俺だが、初体験は夏休みの終わり。

彼女の部屋で、いつものようにキスして抱きしめてた。

良く有る話だが、親の帰りが遅くなるのなんて言われて、
期待しない男なんていないわな。

きっかけと勇気がなかったんだが、キスして、腕枕
して話こんでるうちに、
部屋は暗くなってた。
その時、ふいに音楽が止まった。

由紀と目が合う。潤んでた。
自然と、キスして、初めて胸を触った。

心臓バクバク(笑)

俺は童貞だったから、ちゃんと出来るのか、あと、由紀は可愛いかったから、
初めてなのか気になってた。

不安だったし、ただの知識しかなかったから、ゆっくりゆっくり、
キスしながら服脱がせて、キスしながら胸揉んで、
ブラ取って胸揉んでキスして…初々しかった(笑)

乳首がピンクでほっとした。黒かったらやだなとか考えてたっけ。

由紀の体は綺麗すぎた。
あんなに可愛くて完璧なプロポーションの子には、多分二度と巡り会えないと思う。

俺は胸だけで既にイキそうだったが、我慢してゆっくりゆっくり責めた。

そして、いよいよ由紀が処女かどうか確かめる時が来た。

俺の仮説はこうだ。
指が入って痛がらなかったら経験済、
痛がったら処女だ。

「はっ…はっ…やぁ?」
クリトリスをいじると、由紀は少し感じてた。

「指、入れてみていい?」
由紀はこくっとうなずいた。

中指を舐め、まずは穴の位置を探る。

小さな入り口だった。
ゆっくりゆっくり入れていった…

「痛い痛い痛い」
中指では太すぎてきつい。由紀は処女だった。

「痛い?」
「平気」全然平気そうではない。

キスしてから、今度は小指を入れてみる事にした。
「痛っ」
小指でも痛がったが、するっと入った。

中は凄く熱くて、ムニュムニュしてた。

雑誌とかで、童貞が素股で行く話なんかを良く読んでたので、
この時点で作戦を変更した。既にイキそうだったよ俺。

俺は息子を由紀のに押し付けながら、キス&胸でイク予定にした。

素股でイっちゃうより、寧ろ素股でイって、二発目でチャレンジだ。

「由紀、好きだ。可愛いよ」
「俺君…好き!」
限界だった。

俺は息子を由紀の膣口に押し付けたまま、いった。

密かに、膣の中に注ぎ込んでやろうと思ったのは内緒だ。

「痛ったぁ?い」
処女膜は破ってないが、由紀が痛がっている。
俺は、それどころではない。
穴の中の角度を考えながらチンコを押し付けた。

ビューッ!ビューッ!思春期にしても最高に気持ち良く、精子を放出した。

ごまかす為に、キスと愛撫は止めなかった。

俺はイったのをごまかす為に、おもむろに由紀の膣に中指を入れた。

やはり痛がるが、指を抜いたら精子が漏れて来た。

あわてて指ですくい、膣の中に指ごと入れる。
クチュクチュと、精子と由紀のマンコを馴染ませる。

もの凄く卑猥に感じたが、俺は由紀の中でイキたかった。

「入れていい?」
由紀は無言でうなずいた。

「初めては、ゴムすると痛いから、なしでいい?外で出すから。」

「やだよ?。ゴム絶対だよ!?お願い。」

俺は右手の中指を膣に入れたまま、ゴムの袋を噛み切り、
左手でゴムを装着した。

態勢的に無理が有ったが、我ながら良く頭がまわったものだ。

指を抜くと同時に、チンコを膣口にあてがう。

「入れるよ」
由紀は無言でうなずいた。

グーッ!
「痛ーっっ!」

精子のおかげでヌルヌルだったので、一気に中に入ってしまった。
由紀は涙目になりながら、肩で息をしていた。

俺はキスをしながら、ゆっくりと腰を動かした。

由紀の中は凄く熱くて、膣口がギュッと締め付けてくる。

由紀が痛がるので激しくは動けないが、名器だと思った。

俺は生で入れたかったので残念だが、きっと秒殺されていたに違いない。

でも、バックにして一突き目でいきなり限界を超えてしまい、
そのままイってしまった。

結局、中に入ってしまった精子は、血が出てると言って掻き出して拭いた。
ばれてなかったかな?

そのまま、腕枕をして30分程うたた寝した。
幸せだった。

由紀は、キスと抱き合うのは好きだけど、
入れるのはあまり好きじゃないみたい。

月に一度位しかセックス出来なかった。

初めてフェラしてくれたのは、俺の卒業記念。
下手くそなのは百も承知だ、由紀が俺のをくわえてる
と言うだけでイキそうだった。

でも、結局イけず、俺が自分でして、限界近くで由紀にくわえて貰った。
黙って口の中に出したら、急いでトイレに出しに行って、機嫌を直すのが大変だった。

由紀は、全体的にセックスは苦手みたいだったが、
俺は地元の大学に進学が決まっていたし、
薔薇色の未来が待っているように思えた。

その後、由紀とは順調に付き合っていて、俺が大学4年、由紀が大学2年の時に籍を入れた。

由紀が20才になった事と、酔っての話の成り行きで、
クリスマスに結婚する事になってしまっていたからだけど、
見事に親にバレてしまった。

結局、お互いの親に会ったり色々と有ったけど、
結婚式はせずに大学卒業を目指す事になった。

てか、その時点で俺は留年が確定してたという(笑)

相変わらず俺は馬鹿で、由紀と生でしたいなぁ
なんて考えていた。

彼女はむしろセックスレスでも良いらしく、
積極的ではなかったが、夜の生活もたまには有った。

歯車が狂い始めたのが、俺が大学5年目の時。

由紀は歯医者に行くようになった。

歯医者の先生がどうだとか、良く家で話をするようになった。

何かと理由をつけては、実家に帰る事も増えた。

俺は寂しくは感じたが、特段気になったり、浮気を疑うような事はなかった。

ただ、その頃からセックスをすると痛いと言いだし、
全く感じてくれなくなった。

徐々に歯車が狂い始めたような感じがした。

俺が住んでたアパートは、木造二階建の一階で、
住宅密集地帯。アパートの裏は車一台分の駐車場が有り、
車と建物(L字型)と塀の間は木や草が生えていて、デットゾーンになっていた。

木造アパートなので、隣の部屋のセックスの音が聞こえたり、
声をこらえていても、ハァハァと言う息遣いは聞こえる程度だった。

俺はその頃、夜のガードマンのバイトをしていて、
バイトがない日でもバイトと言って、クラブに行く事が有った。

後はみんなの想像通りかな。

ある日、バイトに行くふりをして遊びに出かけ、
友達に電話した。が、その日はたまたまいつものイベントが休みで、
誰一人としてクラブへ行かない日だったんだ。

家の近所のファミレスで一時間程時間を潰したけど、朝までいる訳にはいかない。

言い訳を考えて、アパートに帰る事にした。

たまに、驚かせようとして窓から帰る事がある。

俺は裏にまわり、寝てるかな?
と思いながらアパートの中を覗いた。

オレンジの、豆電球(小さい電球で暗いやつ)が点いていた。

カーテンの隙間から中を覗いた瞬間、部屋を間違えたと思った。

女がフェラをしていた。

慌てて部屋の数を数える。
ここ、俺の部屋だよな??

女を見る。
美しい黒髪、体のライン、間違いなく由紀だ。

震えが来ると同時に、相手は誰か、いつからか、色々な事が頭の中を駆け巡った。

しかし、由紀がフェラをしている!?
あり得ない。あんなに嫌がってたのに。

俺はしばらく凝視していたと思う。

念入りに、愛らしくフェラをしている。
袋を揉んだり、根元から先の方までチロチロと舐めたり、
先っちょをチロチロしたかと思ったら、キスをして根元まで
くわえこんだり。AVでも、ここまで念入りで気持ちのこもったフェラはないだろう。

男は誰だ?いつから??
俺は不審者に見られてもいけないので、
家の中に入る事にした。

ゆっくり鍵を開け、忍び足で部屋に入る。

うちのアパートは1Kで、キッチンと部屋とはカーテンで仕切られている。

ゆっくりと、こちらからは見えるようにカーテンを開けた。

相手は30代のオッサンのようだった。

俺が揉んで柔らかくした、由紀のバストを揉みしだいていた。

由紀の胸は、当時Bカップ、エビちゃんみたいに細いが、
意外に胸が有り、形が良くきれいなんだ。

舌でベロベロ舐め回されたりして、無性に腹がたった。

しかも、由紀は男の股間をまさぐっているようだ。

今すぐ包丁で刺してやろうか、金玉蹴ってやろうか。
怒りは頂点に達していたが、不思議と目を離す事が出来なかった。
興奮して、勃起している自分もいた。

「もう入れて…」由紀が言った。
俺には一度も「入れて」なんて言った事はない。

「今日は濃いぞ」
「いいよ、いっぱい出して!?」

男は正常位で挿入した。
えっ??今、ゴムしてないよな??
正直、目の前で起きている事が理解出来なかった。

俺とは、一度も生でセックスした事がない。
結婚しても、由紀はそれだけは拒んできた。
俺も、いつか子作りする時までのお預けだと思っていた…。

「ああっ、気持ちいい!あっ、あっ、あっいやぁ?」
由紀が感じている。

いつもセックスには控えめで、貞淑なところが良かった。
でも今は、メス豚のように快感に狂っている。

悔しかったが、勃起している自分も情けなかった…。

「由紀のオマンコ気持ちいいよ」
「あんっ!あんっ!けいくんの気持ちいいの?!あっ、イク?!」

由紀はビクビクしながらイってしまった。
ああ、俺の時は演技だったんだなって思った。

男は再びピストンを開始し、由紀を座位にして、そのまま騎乗位にした。

ゆっくりと腰が回りだす。
由紀の騎乗位を初めて見た。
あんなにいやらしい腰使いが出来たんだ。

由紀はピクピクしながらも、ゆっくりと腰を回し、時々縦に腰を振った。

男は満足したのか、「そろそろイキそう」そう言うと、由紀はうつ伏せになった。

「溢れる位出しちゃうかも」
意味がわからなかった。

男は由紀腰を持ち上げ、腰だけ持って欲望をぶつけだした。

「ああっ!もっとして!あんっ!」
由紀はバックが好きだが、見てて卑猥だった。

パンパンパンパン!あっあっあっ!
絶対隣に聞こえてるよ…。
興奮しながらも、意外と冷静な自分もいた。

「イキそう…」
「出してぇ!」由紀は叫んでいた。

そして、由紀がビクッとした瞬間に、男は一番奥に挿入したまま、動きを止めた。

二人とも無言のまま、息を切らしていた。
俺は、由紀の中に出されたんだと悟った。

大切な由紀を汚された。
俺も中出しはした事がないのに…。
(内緒で、外から中に出した事は有るが)
気が付くと涙が出ていた。

「抜くよ」
「うん、んっっ」
由紀はティッシュを股間に当てて、横になった。

「けいくん、たまってたの?いっぱい出たよ」
「俺は由紀とヤル時以外は出してないよ」
「ほんと?」
「だってもったいないじゃん」
由紀は起き上がり、股間を拭った。

「妊娠しちゃうよ」由紀は照れくさそうに言った。
「けいくんが中で気持ちよくなってくれるのが好き」
「中でいっぱい出されると幸せ」
俺の知ってる由紀ではなかった。

「遠藤さんとは、正直あまり会いたくないんだけど…ダメ?」
「ああ、遠藤か…。俺からも言っとくけど」
「私正直嫌いなんだ。体目当てだし…。実はたまに
呼び出されてるんだ…。知ってた?」
「えっ、あいつと二人で会ってるの?」
「最初があんなのだったからさ、言えなかったけど、たまに呼び出されて…」
「ヤってるの?」
「うん…出したら帰ってくの、私けいくん以外としたくないし、
けいくん以外の人の出されたくない」
「俺も由紀が好きだ。あいつとはもう会うな」
何とも感動的なやり取りだが、由紀はヤリマン確定だ。

ベッドでは、2回戦が始まった。
俺はそっと家を出た。

行き先は、アパートの裏。
ヘタレな俺は射精したかったので、観戦しながら射精するつもりだった。

由紀がフェラをしていた。
69の形だが、男が何かをいじっている。
バイブだ。男は、バイブにローションを塗っていた。

長さが30センチ位のバイブって有るんだろうか。
持ち手の長さも有るんだろうが…。

バイブは、ゆっくりと入れられて行った。

「んんっ」「はぁっ…あんっ」
男は、ゆっくり引き抜き、一気に奥まで突き刺した。
スイッチを入れたのだろうか、バイブが突き刺さったまま、由紀はたまに
体を震わせながらフェラを続けた。

「お願い、けいくんの入れて」
由紀はすぐに音をあげたようだ。
男は何か言ってるが、聞こえない。

由紀はそのまま、イクまでフェラをしていた。

「あっ、あんっ、入れて!お願い?」
更に焦らされ、由紀はおかしくなってきたようだ。
「遠藤とはもう会うな」
男は怒っているようだった。
こっちの台詞だ。

「ごめんなさい。けいくんの事が好きだからっ、ちょうだいっ」
「あぁぁぁっ」
由紀は貫かれた。さっきと違い、激しいピストンだ。
由紀はすぐにうつぶせにされ、さっきの態勢で犯された。
男は何か言うと、そのまま中でイったようだった。

由紀はビクッビクッと軽く痙攣している。

俺は由紀にメールを入れ、早く終わったので帰ると伝えた。

しばらく、楽しそうな話声が漏れてくるが、俺は由紀を抱きたかった。

結局、俺は射精しなかった。
近くの公園で時間を潰して帰ると、男は既にいなかった。

家に帰ると、いつもの清楚な由紀が、満面の笑顔で迎えてくれた。

俺は簡単に着替えを済ませると、ベッドに座って由紀を呼んだ。
キスしようとしたら嫌がられた。

構わずキスをし、いきなりクリから責めだした。
すぐに感じるはずだ。

「嫌だ!やめて!」「お風呂に入ってない」「電気がついている」「今日はしたくない」
関係なかった。
頭には、作戦が有った。

電気がついたまま由紀を裸にし、クリを責めまくった。
「ねぇ、嫌だってば!嫌!」
由紀は抵抗するが、由紀のマンコをパックリと開いてみた。

「中真っ赤っ赤だよ?」
「みないで!嫌!」
「浮気してたんじゃないの?今エッチ終わったって色してるよ」
「するわけないじゃん!ひどい!」

由紀は顔を真っ赤にして否定するが、構わず責め続けた。
「あれ?由紀のはいつも透明だけど、今日のは何か白いよ?」
「いやぁ?」
由紀は泣き出してしまった。

結局、由紀がシクシク泣く中、俺は初めて生で入れて、初めて中に出した。

由紀は、それから1週間ほど実家に帰った。

俺は、それからほぼ毎日バイトと言う事にして、曜日をずらしながら
アパートに帰って覗いていた。

大体、金曜日の夜は男がやってくるようだった。
俺とは、セックスレスになったが、
月に一度は証拠作りの為か、体を許してくれた。ゴムつきで。

俺は由紀を愛していた。
捨てるなんて出来なかった。
でも、その日はやってきた。

「妊娠したみたい」
そう、告げられた。
堕ろすように言ったが、泣かれてしまった。絶対無理らしい。

全てが終わった事を悟った。

俺は、由紀と結婚生活を続けるのは無理と判断し、
男に仕返しをする為に、興信所に調査を依頼した。

結論はこうだ。
男は由紀の通っている歯科医で、38才の妻子持ち。
もう1人の男は、接触がなかったので不明。

証拠写真は、俺の部屋にピンホールカメラを仕込んで貰い、簡単にAVが撮れた。

結構な謝礼を支払ったが、東○弁護士会へも相談に行った。

もはや、男を地獄に落とすことしか考えてなかったな。
由紀とは仮面夫婦を続けてたし。

由紀の美しい顔は、目の保養にはなったが、産めと伝えてからは
一緒にいるのが辛かったよ。

結局、俺はボロアパートを借り、必要最低限の物だけ持って引っ越した。

精神的に大分参ってたから、交渉は全て弁護士にやってもらった。

そんな時でも、俺はお金を稼ぐ為にがむしゃらに働いた。

結局、遠藤と言う男も身元を押さえる事が出来、事態は着々と進行したようだ。

弁護士さんは、都度進捗を報告してくれたが、経緯はこうだ。

歯医者と由紀は、飲んで関係を持った。
遠藤は、その時同じ部屋で雑魚寝をしていたが、
遠藤が先に手を出して、酔って正体をなくした由紀と関係を持つ。

遠藤にその話を聞いた歯医者は、慌てて由紀と関係を持つ。

翌朝、由紀は歯医者に告白され、付き合う事に。

歯医者にフェラとセックスを仕込まれる。

由紀は遠藤に写メを撮られており、歯医者の友人である事から、
断れずに度々関係を持っていた。

そんな事から、由紀は歯医者に中出しをせがむようになり、結果、歯医者の子を妊娠。

大体こんな感じだったな。

歯医者は家庭を選び、由紀と歯医者、遠藤に慰謝料を請求。

由紀みたいな、清楚でモデル体形の美人と、本当は別れたくなかった。
良く気がきくし、家事も頑張ってた。
何より、あの体は魅力的だった…。

別れた後、ボロアパートは解約し、二人で住んでいたアパートも解約。

新しくアパートを借りた。

由紀からはずっと謝罪と、会いたいとメールが入っていたが、
アドレスを変えてからはしばらく静かになった。

ポッカリと空いた穴は、埋まらなかったなぁ?。

結局俺は、由紀以上の女とセックスして、由紀との思い出を塗り替える為と、
女と付き合うつもりがなかったので、援助交際に手を出した。

写メ送って貰って、可愛い子としかしなかったが、由紀以上の女はいなかったな。

そして俺は、貰った慰謝料も使い果たし、精神に疾患を負い、
女性不信のまま今に至ると言う。

みんなも女には気を付けてね。
あいつら、いい男と金の前では簡単に股開くから(笑)

バイトの同僚の清純巨乳がお客の巨根に喰われた(続編)

これは私が二十歳の頃の忘れられない「夏」の思い出です。

前回の続きですが、あらすじは、夏休みに泊まり込みでホテルのアルバイトに出掛け、そこで知り合ったFカップの「佐藤江○子」似の由香の話です。
由香は性格が凄くしっかりしていて、「男は性格!セフレとかあり得ない!」と言っている様な厳格さを持っている女の子で、周りの男はお姫さまの様な眼差しで毎日見ていました。

そんなある日、今日合ったばかりのお客のチャラチャラした男に、部屋で巨根を見せつけられ、飲み会の席で話題にしていた、その夜に、その男のチ○ポをしゃぶっている由香に遭遇してしまいました。

二人が倉庫のベランダに出てイチャ付いているのを、隣の便所の窓から、同じベランダに侵入して覗いていました。
由香は酔っぱらっているのか、巨根が好きなのか、理由は分からないが、とにかくチャラ男に巨乳を玩具の様に扱われて、クリ○リスをイジられてイッてしまったのです。

由香はベランダの手摺に片足を掛けて、大股を開き、巨乳を丸出しで、イッたばかりの体がヒクヒクいわせて、大量のマ○汁を太ももに垂れ流して、呼吸を荒くしています。
私は未だに信じられなかった、あの気丈でナンパもセフレもあり得ないと豪語していた由香が、今日初めて会った男にマ○コをさらけだして、マ○汁を吹きこぼしながらヒクヒク痙攣した姿を見せているのだ。

巨根:「おーい、お前簡単にイキすぎだろ、マ○汁がすげーわ、手がベタベタだわ、すげー臭い、本気汁じゃん」
由香:「ハァハァ、言わないで、いつもこんなんじゃないもん、ハァハァ、今日おかしいの」

そして男は人指し指をアナルに入れて、中指をマ○コに入れた。

由香:「いやああああ、何するの、そんなとこ汚いよ、駄目、あん、ああ、あっ」
巨根:「うるせーよ、まかせろ俺に」
由香:「あん、ああ、ああ、あん、ああ、あっ、やだ、やだこれ、変だよ、ハァハァ、気持ちイイ、いいよ、ああ、あっ」
巨根:「お前アナル柔らかいな、二本いけんな!」
由香:「ちょっと、ちょっと待って、やだ、汚いよ、そんなの変だよ、いやああ、ああ、ああああ、何、何これ、あああ」
巨根:「お前スケベだな、アナルだけで感じてんジャン、よしアナル攻めに変更!」
由香:「いやああ、だめ、ふつうの、普通のしようよ、お願い、いやああ、だめ、そんなに激しくダメ、ハァハァ、いやああ、あああ、あん、あん、あっ、あん、ああああ、いやあ、おかしい、よ、いいよ、ああああ、すごい、何これ、いやあああ、あああ、あん、あん、あっ、うはぁ、いい、あっ、イク、イク、イクよ、イクよ、イクうううううううう」

信じられません、あの由香がチャラ男にアナルでイカされてしまったのです。

巨根:「何だよ、やっぱアナル好きの変態じゃん、よーしソロソロ入れるか?あっ、その前にパイズリでチ○ポ立たせろ」
由香:「えっ、何それ、どうするの?」
巨根:「はぁ?そんなの知らねーの?何の為の巨乳だよ、チ○ポはさむ為のデカパイだろ?」
由香:「そんなの・・・・・じゃ、教えてよ・・・・・」

ショックです、由香はチャラ男にパイズリを教えてくれと頼んだのです。

巨根:「しょうがねーな、ほら、しゃがめ、そんで挟んで、ツバ垂らせよ、そんでヌルヌルにしろよ、そーそー、そんで飛び出た先ッチョはお前がじゃぶれ、あーーー、そーそー、気持ちイイわ」
由香:「ジュボッ、ジュブッ、これでいいの?ジュルウ、ブチュッ、気持ちイイの?ハァハァ、ねぇ、いい?」

由香の声のトーンがおかしい、明らかに、巨根を胸で挟んで感じているようだ。

巨根:「おーーーし、固くなったな、入れるか」

ふと気が付いたのだが、コンドームは有るのだろうか?
そう言えば、由香とちょっと前に飲んだ時に、「コンドーム無しのエッチなんてダメ!マナー違反!彼氏でも、結婚するまでは、何が有るか分からないから絶対付ける!」と言っていたのを思い出した。

巨根:「おい、手摺に掴まれ、立ちバックからやるか!」

と男が言うと、由香は素直に手を突いて、ケツを上げて、マ○コを男に向けた。

由香:「あっ、ねーコンドーム付けてよ、お願いだから・・・・・」
巨根:「はぁ?そんなん有るわけねーじゃん、入れるぞ」
由香:「ちょっと待ってよ、ダメ、絶対ダメだよ、無理だよ、彼氏だってするんだから」

由香が騒いでいると、男は亀頭をマ○コに付けて「クチュクチュ」やっている。
そして、クリ○リスの周りも「クチュクチュ」イジりながら、「じゃあ、入れなくてもいいわ、これでオナニーしよっかな」と言い出した。
由香は「えっ」と言って黙ってしまった。
しばらく男はマ○コの周りを「クチュクチュ」やったり、巨根で由香のケツをパシパシ引っ叩いたりしていた。
由香はモジモジ腰を動かしながら「ハァハァ」言っていた。
由香も入れて欲しくてたまらない様子だった。

すると男はピタッと止まり、巨根の先は、穴の入口に「ペチョッ」とくっ付いている状態で、腰に手をあてて仁王立ちしていた。
しばらくすると、何と由香がケツ更に突出してきて、自分でゆっくりと入れようとしている。
すでに亀頭が入った、その瞬間由香は「うはぁ」と声を漏らした。

そのまま男は無言で「ズブズブ」入れ始めたが、由香は全然抵抗して無い、むしろ喜んでいるようだ。

由香:「うはぁあああ、ああ、すごい、すごいよコレ、すごい、いっぱいになっちゃう、あああ、いい、すごいイイ」
巨根:「何だよ、結局チ○ポ欲しんだろ、彼氏いるくせによー、でかいチ○ポが好きか?」
由香:「そんなんじゃ無い、ハァハァ、彼氏の事は言わないで、ハァハァ、今日だけ、おかしいだけなの、ハァハァ」

そうすると男は段々と激しく腰を動かし始めて「パアァーンパアァーーーン」と音が響き始めた。

巨根:「あーーー生はマジ気持ちイイわ、ああー、じゃあ俺が初生じゃん、ああ、彼氏に悪りーな」
由香:「いやあああ、あああ、ああ、すごい、いい、すごい、おっきい、おっきいよコレ、ああ、あん、あん、外に出してよ、お願いだから、あああ、すごい、気持ちイイ、アン、ハァハァ、いやああ、いい」
巨根:「彼氏のチ○ポよりいいだろ、だから話し掛けて来たんだろ?」
由香:「ちがう、あああ、あん、あん、そんなんじゃ、ああ、いい、すごいイイ、ああ、だめ、イキそう、イク、イク」
巨根:「どっちのチ○ポがいんだよ?俺の生チ○ポだろ?言わねーと止めるぞ、あ?」
由香:「ダメ、ああああ、いい、ハァハァ、いい、すごい、今やめちゃダメ、おねがい、イキそうなの、ハァハァ」
巨根:「だからどっちだよ!やめるぞ!」
由香:「いやあああ、こっち、こっちのがイイ、あああ、すごいイイ、あん、あん、ハァハァ、すごいおっきい、ああ、イク」
巨根:「生気持ちいいだろ?あ?」
由香:「はい、ハァハァ、アン、アン、気持ちイイ、生、生の気持ちイイ、すごい、硬いの、硬いのが分かるの、すごい」
巨根:「ほら、生チ○ポいいって、言いながらイケよ、ほらああああああ」
由香:「いやあああああああ、イク、イク、あああ、イク、ああああ、生、生のチ○ポいいいいいいいいいい、イク、イクうううううううううう、ああああ」

とうとう由香は生入れを許して、彼氏よりも巨根が良いと言い、生のチ○ポと叫びながらイキました。
私の知っている由香はそこには居ませんでした。
その後、由香は立っていられなくなって、ベランダに倒れ込みました。
マ○コから「バフッブビッ」と空気が大量に出てきました。
そんな由香など関係なく、男は正常位でイレ始めました。

由香:「ちょっと、ハァハァ、まって、ハァハァ、いやあああ、あん、あん、あん、あっ、やだ、また、すごい、すごいよ」
巨根:「じゃあ俺もイクわ、あーーーー、気持ちイイ、ああああ、出るわ」
由香:「ハァハァ、ああ、あん、あん、外ね、ちゃんと、外に出して、あああ、いい、硬い、すごい硬い、ああああ」
巨根:「ああああ、イク、ああ、出る、あっ、中に出すぞ、イク、出るぞ、ああ、イク、あっ、出る、出る、ううっ」
由香:「あああ、あああ、いやあああ、ダメ、中ダメ、中だめえええええええ、いやああ、ああああ、だめええええええ、あん、あん、あああ、いやああああああ、ハァハァ、すごい出てるよ、ハァハァ、できちゃうよ、ハァハァ」

結局、由香は中に出されてしまったのです。
男は出し終わると、絵に書いた様な冷たさで帰って行きました。
由香はしばらくぼーーーっとしていましたが、服を着て落ち込んだ様に帰って行きました。
しばらくは立ち直れずに過ごしましたが、バイト終了真際の1週間に意を決して開き直って、ある行動に出ました。

それはまた次回です。

中間管理職の憂鬱

「この・・・馬鹿者がーっ!」

私の怒声に、オフィスがシンと静まりかえる。

デスクを挟んだ目の前には、薄いグレーの犬人が身を縮こまらせて恐縮していた


いつもは元気良く振られている尻尾を垂れ下がらせ、両の耳を完全に寝せてショ
ンボリとうつむいているが、そんなことくらいでは私の気はとても収まらなかっ
た。

「今すぐ先方にお詫びの電話を入れろ! 謝罪に行くぞ! 外出の支度をしろ!


「は、はい・・・! あの、部長も来られるんですか・・・?」

「当たり前だ! お前一人で取れる責任じゃないだろう!」

部下の尻ぬぐいも上司の役目。

まったく、損な役回りである。

「でも、その・・・」

「デモもストライキもない! さっさとせんか!」

「はい・・・!」

泣きそうな顔で、犬人はデスクに戻って受話器を取った。

私はイラつく気持ちをぐっと堪え、煙草に火を付ける。

・・・泣きたいのは私の方だ。

私の名前は弓塚孝太郎。

当年取って37歳、働き盛りのサラリーマンだ。株式会社ボヤージで営業販売部
長を務めている。肩書きだけ聞けばご立派だが、実体は中小企業のしがない中間
管理職。上からは押さえつけられ、下からは突き上げられる、ストレスと戦う悲
しい企業戦士である。

そんな私の種族は虎人。それも、白虎の虎人。

冒頭でいきなり怒鳴ってしまったが、普段は温厚を地で行く物腰柔らかな性格。
そうでなければ、こんな仕事はやっていられない。・・・本当である。そりゃ、
たまには怒ることもあるが、堪忍袋の緒は切れるためにあるのだから、致し方な
い。

30を過ぎた辺りで急激に肉が付き始め、これはマズイと思って摂生に努めるも
、時既に遅し。結果、現在の体重は3桁手前。土俵際の攻防を繰り広げている。
・・・洒落になっていない。

おかげで、なりたくもない独身貴族だ。爵位はいつもらえるのかと役所に問い合
わせてみようか。

・・・冗談である。そんな不名誉な爵位は欲しくない。

周囲にもそんな私の心の叫びが届いているのか、ここのところよく見合い話を持
ちかけられる。今年に入ってからでも既に2件の見合いをしたが、結果はごらん
の通り。

・・・別にフラれたわけではない。1件は気乗りしなかったため、こちらから断
ったのだ。もう1件に関してはノーコメントとさせていただく。

現在の所、4戦して2件断った。2勝2敗のイーブンというわけだ。

・・・まあ、世間様から見たら4戦全敗という見方も出来なくはないが、結婚は
人生の墓場。しない方が幸せというものだ。

・・・・・・。

ハァ・・・嫁さん、欲しいなぁ。

そして、そんな私のストレスに拍車をかけているのが、冒頭で怒鳴った彼だ。

遠野修一。21歳。

さっきも言ったが、薄いグレーの犬人で、明朗快活な好青年だ。

・・・のだが、仕事はお世辞にも出来るとは言えない。今日もとんでもないポカ
をやらかして私の胃に大きなダメージを与えてくれた。・・・もしかしたら私の
健康を心配して肥満を防ごうとしてくれているのかも知れないが、逆効果だ。ス
トレス太りという単語を勉強した方がいい。それともまさか、私の体重を3桁に
押し上げようとする秘密結社からの刺客だろうか。そちらの可能性の方が高そう
である。

とまあ、愚痴はこぼすが、本人はいいやつである。

私のことも慕ってくれているし、人当たりもいい。仕事のミスさえなければ、本
当に好青年なのだ。

真摯に謝罪する彼の態度は先方にも伝わったのか、契約もなんとかまとまった。

被害は私と彼のサービス残業だけにとどまってくれて、私は突き出た胸をなで下
ろしていた。

そして、舞台はオフィスに戻る。

時計の針は8時前。とりあえず今日の仕事はこのくらいでいいだろう。

私は背を反らせて大きく伸びをした。椅子が悲鳴を上げたが、大丈夫。私はそん
なに重くない。軟弱な椅子である。

「あの・・・部長」

「ん?」

私は煙草に火を付けながら声のした方を見る。

そこには、相変わらずションボリとした犬人、遠野君がいた。

「今日は、本当にすみませんでした。・・・どんな処罰も覚悟の上です」

「処罰、ね。とりあえず君を解雇しても会社には一文の得にもならない。そんな
無駄な覚悟を決めるより、失敗を取り返すための努力をしてください」

遠野君は申し訳なさそうに「はい」と答え、キーボードを叩き始めた。

・・・ふむ。ちょっと凹ませ過ぎたかもしれない。

「罰を与えてもらった方が気が楽かね?」

「えっ、いえ、そんなことは・・・」

「いいだろう。ではその書類をまとめたら私に付き合ってもらおう」

「え?」

「今夜は付き合いたまえ。これは罰である」

私は猪口をくいっ、と傾けるようにジェスチャーする。

「あ・・・はいっ」

遠野君は元気を取り戻し、弾む指でキーを叩く。

彼が呑兵衛だということは当然知っている。

先日、会社の近所のビル、その屋上にビアガーデンが開店したばかりだ。

ちょうどいい機会だから、そこへ行くことにしよう。

部下のメンタルケアも上司の仕事の内だ。まったく、私ほど優秀な中間管理職も
そうそうはいないだろうに。

私は紫煙を燻らせながら、自画自賛した。

そして件のビアガーデン。

席はほぼ満席だったが、私たちは運良く空席にありつけた。

なんでも開店記念とかで1杯目が半額だとか。

とりあえず生中二つとつまみを頼み、運ばれてきたジョッキを煽る。

「・・・ぷはーっ!」

「やっぱ美味いっすね! 生は!」

同感だ。

この味には缶や瓶、ましてや発泡酒などではとても太刀打ちできない。

私は上機嫌でネクタイとズボンのベルトを緩めた。

「生中、もう一本!」

早くも一本空けた遠野君が追加注文をする。

うーむ。こりゃ確実に割り勘負けするな。

つまみのじゃがバターをつつきながら、私は唸った。まあ、別に構わないのだが
、やはり面白くはない。

私は年甲斐もなく負けん気を起こし、ジョッキに残ったビールを飲み干した。

「私も一本!」

「部長、大丈夫ですか?」

「なんのこれしき! まだまだ若いモンには負けんぞ」

「いや、若いも何も、部長まだ37歳じゃないですか」

「うむ。だから大丈夫だ」

「・・・まあ、いいですけど・・・潰れないでくださいよ。部長、重いんだから
・・・」

失敬な。私はまだ3桁行ってない。

バターをたっぷり乗せたジャガイモを口に放り込み、新しく手羽先とコーンバタ
ーを注文する。

「・・・部長、また太りますよ?」

・・・またとは失敬な。

「私はデブではない。ぽっちゃりしているだけだ」

「・・・・・・」

遠野君はなぜか微妙な表情を浮かべた。・・・いかんな、話題を変えよう。

「・・・そういえば遠野君、君は先月のアレには来なかったな」

「ちょ、部長。こんなところで何言い出すんですか」

「こんな所だから言えるんじゃないか」

アレというのは、ホラ、アレだ。

「先月は金無かったんすよ」

「そうか。いい娘いたぞ、もったいない」

「また今度ご一緒しますよ」

うむ。若いんだから、もっと積極的にならんといかん。

私は先輩風を吹かし、横柄な物言いで言った。

「君、付き合っている娘はいるのかね?」

いないはずである。

それを知りつつ聞くとは、私も意地が悪い。

「恋人っすか・・・今はいないですねー」

帰ってきた返事は予想通り。・・・だが、予想外の単語も混じっていた。

・・・今は? ということは、昔はいたのだろうか。

私でさえ彼女いない歴37年だというのに、生意気な。

・・・おっと!

勘違いしてもらっては困る。

私は決して童貞ではない。

たしかに彼女としたことはないが、今のご時世、金さえあれば大抵のことはでき
てしまうのだ。

一瞬、「素人童貞」という単語が頭をよぎったが、私は慌ててうち消す。そりゃ
本番はさせてもらえないが、非童貞であることに変わりはないのだ。何も卑下す
ることなど無い。

「そうか。若い内に相手を捕まえておかないと、私みたいに婚期を逃してしまう
ぞ」

若干自嘲めいて言う。

「いやいや、部長だってまだまだ若いっすよ」

「うむ。それはそうだが、この年になると嫁探しも楽じゃないからな」

「この間の見合いはどうしてダメだったんですか?」

・・・痛いところを突かれた。

藪をつついて蛇が出てしまったか。

「まあ、悪くはなかったんだがね。ちょっと趣味が合わなかったようなので、丁
重にお断りしたよ」

「そっすか。・・・その前は?」

「・・・同じだ」

まあ、どちらにしろ断るつもりだったから、嘘は吐いていない・・・な。うん。

「なかなか趣味の合う相手って見つかりませんよねー。無理に付き合っても疲れ
るだけで、結局ダメになっちゃうんですよねえ」

「・・・まあな」

そうなのか。

不意に含蓄のある言葉を聞かされ、私は面食らった。

「遠野君は、その、今までにどれくらいの子と付き合ったのかね?」

「えー? 嫌だなあ、そんなの普通数えてませんよー」

・・・そうなのか。

なんだか、「お前は今までに食べたパンの耳の枚数を覚えているのか?」と言わ
れたようで、私は少なからぬショックを受けた。

・・・パンの耳・・・?

まあいい。

私だってお店に行けば毎回違う娘を選ぶ。相手の数で言えば、きっと私の方が上
に違いない。

「そういう部長は、どうなんですか?」

「・・・む。な、何がかね?」

「いやー、彼女とか。・・・いないんですよね、見合いするくらいだから」

「そ、そうだな、『今は』いないな」

見栄を張ったわけではない。

近い将来、私にもステキな彼女ができる予定なのだから、間違ったことは言って
いない。

「お互い寂しいっすねえ。・・・今度の合コン、上手くいくといいけど」

合コン!?

「合コンがあるのかね?」

「え? ええ、まあ。・・・よかったら部長も来ますか?」

「是非!」胸元まで出かかった言葉を断腸の思いで飲み下す。

「・・・い、いや、私みたいなオジサンが行ってしまったら盛り上がらないだろ
う。若い者同士で行くがいい」

涙を飲んで私は言った。

そしてジョッキを煽る。

「ぷはあ!」

「・・・大丈夫っすか? 部長」

「かまわん! 今夜は飲むぞ!」

私は自棄になってガンガン注文を重ねた。


・・・気が付くと、私は見知らぬ部屋にいた。

「・・・あー・・・あ?」

ベッドの上に体を起こし、朦朧とする意識を手繰る。

・・・たしか・・・ビアガーデンで酔い潰れて・・・

時計を見ると12時を回っていた。こりゃ、終電は無理だな。

部屋を見渡す。

ごく普通のマンションだ。壁には私の上着とネクタイが掛けられている。

私はいつの間にかワイシャツのボタンを三つほど外し、ベルトもほどいてズボン
のボタンまで外していた。降りたチャックから、ヘソに繋がる毛とブリーフの裾
が覗いていた。

「あ、起きましたか? 部長」

「ん? ・・・遠野君か」

そういえば、遠野君に肩を借りて歩いた気がする。

・・・どうやら私は、ずいぶん情けない姿を晒してしまったようだ。

「すまなかったね。ちょっとメートルを上げすぎてしまったな・・・」

「?」

なぜか不思議そうな顔をして、彼は私に何かを差し出した。

それは灰皿だった。

私は気付かない内に煙草を探して胸ポケットを探っていたようだ。

「ありがとう」

壁に掛けられた上着のポケットから煙草を取り出し、くわえる。火を付ける直前
になって私は気付いた。遠野君は煙草を吸わない人だ。犬人には嫌煙家が多い。

「・・・いいのかね?」

「はい。俺は吸いませんけど、友人が来た時とかはみんなパカパカ吸いますから
ね」

「そうか」

私は安心して火を付ける。

あー、美味い。

私が至高の一服を味わっていると、どこからか電子音が聞こえてきた。

「あ、風呂沸きました。入っていってください」

「いや、結構。すぐ帰るから」

「でも、もう電車ないっすよ?」

「かまわんよ。タクシー呼ぶから。遠野君、私に構わず入ってきなさい」

「そうっすか? じゃあお言葉に甘えて。・・・部長重いから、すげえ汗かいち
ゃいましたよ」

・・・失敬な。私はそんなに重くない。だがまあ、ここは素直に謝っておこう。

「・・・すまなかったね」

「いえいえ。あ、電話はそこに」

「ありがとう。携帯あるからいいよ」

「それもそっすね」

そう言い残し、遠野君はバスルームに消えた。

私は携帯を開き、馴染みのタクシー会社の番号を呼び出したところで気が付いた
。・・・ここの住所がわからなければ、呼びつけられないではないか。

「・・・仕方ない。遠野君が出てくるまで待つか」

二本目の煙草に火を付け、もう一度部屋を見渡す。

やはりごく普通の若者の部屋だ。

AVラックにミニコンポ。テレビにパソコン。テレビの横に大きな空気清浄機が
あって不思議だったが、よく見たらテレビゲームのようだ。ピコピコ動かすヤツ
が繋がっていないところを見ると、遠野君はそれほど頻繁にゲームで遊ぶ人では
ないようだ。

机の上には雑誌が何冊か置かれていて、床にも数冊散乱している。

「・・・まったく・・・だらしのない・・・」

私は机に戻そうと、そのうちの一冊を拾い上げて、違和感を覚えた。

小さいくせに妙に分厚いそれには、やけに露出度の高い男性が描かれている。

何とは無しに開いてみて、私は目を疑った。

巻頭のグラビアに、男性が二人写っている。一人は良く肥えた虎人。もう一人も
良く肥えた猪人だ。そして二人とも、褌姿だった。

いや、それだけならまだいいが、その二人は明らかに抱き合って、そして、なん
とキスをしているではないか。男同士であるにも関わらず、だ。それに、よく見
ると褌も膨らんでいる。

「これは・・・ま、まさか・・・」

信じられない気持ちでページをめくる。

私は再び目を疑った。

二人は最後の良心であった褌を早くも脱ぎ去り、生まれたままの姿で組み合って
いた。寝ころんだ虎人の上に猪人が跨り、チン・・・いや、男性器をくわえさせ
ている。黒く塗りつぶされているが、間違いない。そして、恍惚の表情で男性器
に舌を這わせているその虎人の性器もまた、大きく天を突いていた。

私はクラクラした。手が震え、ページをめくる指がおぼつかない。

ゴクリと唾を飲み込み、なんとか次のページへ。

そして私は、信じられない光景を目撃する。あまりの光景に、一瞬理解が追いつ
かないほどだった。

雑誌の中では、うつ伏せになった虎人に猪人がのしかかっているではないか。背
後からの撮影な上、二人とも大きく股を広げているので、猪人の肛門が丸見えに
なってしまっている。が、一方の虎人の肛門は猪人の金玉に隠されて見えない。
・・・いや! 違う!

虎人は、猪人に犯されているのだ! つ、つまり、虎人の肛門を・・・し、猪人
の男性器が、貫いている・・・!

生々しい程よく撮れている写真から、二人の荒い息づかいまで聞こえてくる。汗
を飛び散らせながら、何度も腰を打ち付ける猪人。嬌声を上げる虎人に気をよく
し、猪人はさらに激しく腰を振る・・・。垂れ下がる四つの金玉が、ブラブラと
揺れる様子まで鮮明に目に浮かんでしまう。

自分の妄想に吐き気すら覚えつつ、私はよせばいいのに懲りずにページをめくっ
てしまった。

そのページは、もう大概のことでは驚かないと決めていた私の心に、さらに大き
な衝撃を与えてくれた。

目尻に涙さえ浮かべて、恍惚の表情の虎。その顔面には、白い液体が飛び散って
いる。牛乳とか、もしかしたら生クリーム・・・いや、駄目だ。そんなごまかし
が効かないほど、それは紛れもなく・・・精液だ。

私と同じ虎人は、猪人に犯された上に、顔射までされたのだ。

その証拠に、舌を伸ばす虎人の視線の先には、怒張した猪人の男性器が。そして
それには、虎人の顔面にまぶせられたのと同じ体液が伝っている。

ハァ、ハァと荒い息づかいが聞こえ、私はハッとして雑誌を閉じた。

愕然とする。それは私の吐息だった。

息苦しくなり、ネクタイを緩めるが、ネクタイなどしていない。それどころかシ
ャツのボタンも外しているというのに。

「・・・っ!?」

私は今になって自分の置かれた状況を理解する。

この雑誌の持ち主は、間違いなく遠野君だ。彼は・・・ホモだったのだ! 

そして、私は今、その遠野君のベッドの上で、無防備この上なく、だらしない格
好を晒している。

このボタンを外したのも遠野君だ。ベルトを解いたのも、ズボンのボタンを外し
たのも!

恐ろしくなり、私は大慌てでズボンのチャックを上げた。いつもより穴一つきつ
めにベルトを締め、シャツのボタンも全て留める。指が震えて上手くいかない。
まるでパンチドランカーになってしまったかのように。

彼が戻ってくる前にここから逃げ出さなければ!

さもなければ、私は・・・私は、グラビアの虎人と同じ運命を辿ってしまう!

冗談ではない。初めての相手が男だなんて・・・いや、初めてだろうが二度目だ
ろうが、男に操を奪われるなんてのは絶対に御免だ。

雑誌に目を落とす。嬉しそうにしていた虎人の顔が浮かび、私はもう一度だけ、
と心に決めてページを開いた。

体型といい、年齢といい、どことなく私に似ている。違うのは毛皮の色と虎縞模
様くらいか。そして、相手の猪人はよくよく見れば社長にそっくりだ。

ガチャッ、と扉の開く音がして、私は悲鳴を上げた。

遠野君が、風呂から出てきてしまった。

私は神速の域で雑誌を閉じ、机の上に置く。

「ふー・・・」

遠野君が頭を拭きながらやってきた。

・・・裸だった。腰に一枚タオルを巻いただけの、裸だ。

「なっ、な、なんて格好を・・・!」

「え? 部長?」

私は立ち上がって後ずさり、上着を取った。

「部長?」

「あ、う、アレだ。その、帰る!」

「・・・え? タクシー呼んだんすか?」

「ああ、うん。も、もう来てるだろう」

「ここの住所、わかったんすか?」

な、なんでそんなに食い下がるんだよ・・・

私は恐怖で泣きそうになりながら、何度も頷いた。

「と、というわけだから、スマンね、じゃ!」

私はなんとか彼の横をすり抜け、玄関へ。

慌てて靴を履き、玄関の扉を開ける。逃げるように外へ飛び出て、扉を・・・閉
められなかった。

遠野君が、内側からドアを支えている。

ドアの隙間から、私を見上げる遠野君の目は、底冷えするほど恐ろしかった。

「部長・・・もしかして、何か見ましたか?」

「!!」

身体が凍りつき、歯の根が合わない。ガチガチと鳴ってしまいそうで、歯を食い
しばる。

だ、誰にも言わない! だから、許してくれ!

そう叫びそうになるのを必死に堪え、私は極めて冷静を装って答えた。

「い、いや・・・私は、何も・・・な、何も読んでいない!」

「・・・へぇ。そうですか」

遠野君は信じてくれたようだった。

なぜ、私がこんな目に・・・

あまりといえばあまりに理不尽な仕打ちだ。悔しさで目が滲む。

「じゃ、じゃあ、私はこ、これで」

「はい。・・・あ、部長」

「!?」

「おやすみなさい。また明日」

「!!」

答えられず、酸欠の金魚のように口をぱくぱくさせている私をよそに、バタン、
と扉が閉じられる。

同時に私は走り出していた。

ドタドタと腹を揺らしながら、なんとかエレベーターホールにたどり着き、ボタ
ンを連打する。早く、早く来てくれ・・・!

気が付くと涙が流れていた。

やっと来たエレベーターに飛び乗り、閉まるのボタンを連打する。

エレベーターの扉が閉まると同時に、私は腰を抜かしてその場にへたり込んだ。

一階に着いてドアが開いても、私はしばらく立ち上がることが出来なかった。


翌日から、私の態度は一変してしまった。

遠野君に声を掛けられるたびに身がすくむ。

それに気付いているのか、いないのか、彼の態度もどこかよそよそしい。

・・・彼は、本当にホモなのだろうか。

あの雑誌が本物ならば、まず間違いなくそうだろう。そして、あのグラビアから
察するに、やはり私を性欲の対象として捉えている・・・。

自分の考えに嫌気が差す。遠野君は相変わらず好青年だ。あの日だって、よくよ
く考えれば私に対して何もしなかったというのに。

もしかしたら、あの雑誌は友人が悪戯で置いていったもので、私が卑猥な誤解を
してしまっただけではなかろうか。

なんとか確認したいところだが、その手段は既に失われてしまっている。こんな
事なら、あの時素直に雑誌を見たと言えば良かった。後の祭りであるが。

「弓塚部長?」

「んっ、な、何かね?」

部下の乾君に声を掛けられ、私は我に返る。

「えと・・・言いにくいですが、ここの数字、一桁違ってますよ」

「・・・あ!」

危ない危ない。

余所事にうつつを抜かしてポカをやらかすなんて、遠野君みたいじゃないか。

「すまん! すぐ訂正する! 教えてくれてありがとう」

・・・遠野君みたい、か・・・

チラリと遠野君のデスクを窺う。

彼は今、外に出ている。

「・・・・・・」

私はくしゃくしゃと頭を掻いて立ち上がった。

「ちょっと出てくる」

「はい。いってらっしゃい」

特に当てがあったわけではない。

私はビルを出て、街を歩いた。

ふと書店の看板が目にとまり、私は吸い寄せられるようにそこへ足を運んだ。

「・・・・・・」

ザッと本棚を見渡す。

別に欲しい本があったわけではないのだが・・・

・・・いや、正直に言おう。

私は、遠野君の部屋で見た、あの雑誌を探していた。

別に欲しかったわけではないが、いや、むしろ全然欲しくはないのだが、なんと
なくだ。

「・・・・・・」

・・・見あたらない。

そりゃそうか。あんな本、一般の書店に置いてあるわけがないのだ。仮に置いて
あったとしても、私は雑誌のタイトルすら覚えていない。見つけられるわけが・
・・

ない、ハズだったのだが。

なんというご都合主義か、私の目には、小さいくせに妙に分厚い雑誌が映ってい
た。

「・・・これ、だったような・・・」

震える手で、雑誌を取ってみる。

ページを開いてみようとしたが、しっかりビニールで閉じられていて立ち読みで
きない。しかし、雑誌の表紙には良く肥えた男、ちなみに熊人だった、が描かれ
ているし、雑誌の醸し出す雰囲気があの時ととてもよく似ていた。うん、間違い
ない。コレだ。

私は意を決して、その本を小脇に抱えた。

が、そこで気付く。

・・・これをレジに持っていくと言うことは、レジの人間に「私はホモです」と
大声で告げると同義だ。

そんなことはとても出来ない。かといって、いまさら本棚に返すのもなぜかため
らわれる。

私は雑誌を手にしたまま、書店をうろついた。

後々考えたら恥ずかしくて顔から火の出る行為だが、このときの私にはそこまで
思考を巡らす余裕がなかったのだ。

・・・どうしよう。

なんとか、この雑誌を人に見られずに購入する方法はないだろうか。

通販・・・いやダメだ。宅配業者に知られてしまう。万が一郵便受けに入ってい
るところを他の住人に見られぬとも限らない。

「・・・うぅ」

なんだろう、この微妙に懐かしい気持ちは。

ああ、そうだ。

まだ私が若かった頃、はじめてエッチな本を買った時の心境、まさにそれだ。

私は何度も手の中の雑誌とレジを見比べる。

手にじっとりと汗が滲み、雑誌がふやけてしまいそうだ。

一度外に出て、サングラスとマスクでもしてもう一度来ようか。

・・・それも怪しいな・・・

「!」

その時、私の脳裏に素晴らしいアイデアが飛来した。

そうだ、この手がある。

大人になった今だからこそ使える、とっておきの方法が。

私はいくつかの雑誌をダミーとして手に取り、人がいなくなるのを見計らって堂
々とレジに着いた。

全ての雑誌を裏向きにレジに置き、

「あー、領収書を頼む。株式会社ボヤージ、資料室で!」

胸を張って告げた。

そう、これは会社の資料なのだ。

これなら、誰も私がホモだなんて思わない。完璧な作戦である。

「わかりました」

レジのお姉さんは私の言動に一欠片の疑いも抱かず、テキパキと自分の仕事をこ
なした。

うむ。好感の持てる女性である。

そう、私はこういう女性が好きなのだ。そんな私が、ホモであるわけがないでは
ないか。

「・・・部長?」

不意に声を掛けられ、私は心臓が口から飛び出るのでは、というほど驚愕した。

振り向くと、そこにはなんと、遠野君がいるではないか!

「あっ! と、と、遠野君・・・!? なんで・・・ど、どうしてこんな所に・
・・!?」

「いや、本を買いに」

まさか、私と同じ本を!?

そう思って彼の手を見る。違った。どうも、テレビゲームか何かの雑誌のようだ
った。

「あの、株式会社ボヤージ、資料室でよろしかったですか?」

レジのお姉さんが聞いてくる。

なんてタイミングで聞いてくるんだ、この人は!

私はこの女性に対する評価を一気に押し下げ、うんうんと頷いた。

大量にかいた冷や汗で、脇が滲むのを感じる。

「・・・資料室?」

不審そうに呟く遠野君。

私はできるだけレジの上が彼の視線に入らないように立ち位置を調整し、言い訳
した。

「そ、そうそう! 資料室の友人にお使いを頼まれてね! ま、まあいいかと引
き受けたんだ。決して私の私用の買い物ではないよ!」

「ふぅーん・・・そっすか。へぇー」

遠野君は素直に信じて、引き下がった。

「お待たせしました」

そう言うレジのお姉さんから本を受け取り、私は駆け足で書店を出る。

「あ、部長、待ってくださいよ。一緒に帰りましょう」

「う、うむ。そうだな」

せっかく上手く誤魔化したのに、下手に急いで怪しまれたら元も子もない。私は
遠野君の買い物を待って、一緒に帰社した。


時計の針が、8時を回る。チクタクという秒針の音だけが、オフィスに響いてい
た。

オフィスには、既に誰もいない。

この時間に警備員の巡回が来て、それから2時間は誰も来ない。

「おや、残業お疲れさまです」

「そちらこそ、お疲れさまです」

いつも通りの挨拶を交わし、警備員は去っていった。

足音が遠ざかり、たっぷり5分は待ってから、私はデスクの引き出しを引いた。

そこにはもちろん、先ほど入手した雑誌が入っている。

逸る気持ちを押さえ、ビニールを剥がす。

いや、違う。別に早く読みたい訳じゃない。コレを読むことで、遠野君の誤解が
解けるかも知れない。だから私は仕方なく・・・。

ゴクリと喉が鳴った。

おかしい。あの時は気持ち悪くて仕方なかった。それは間違いない。

だというのに、私は今、あろうことか、ほんの少しだけ興奮している。

私は、一度深呼吸をしてからページを開いた。

「・・・!」

今度のグラビアは熊人だ。

熊人らしく、がっちりした身体に程良く脂肪が乗っている。・・・いや、程良く
というには乗りすぎている。もうちょっとダイエットした方がいいな。

そこで私は思いだした。そういえば、遠野君の家で見た雑誌でも、グラビアモデ
ルはよく太っていた。

私は雑誌を閉じ、表紙を見渡してみる。

そこには、「デブ専」の文字が。

つまり、この雑誌はゲイで、その上デブが好きな人が買う雑誌、というわけだ。

・・・って誰が買うんだ! こんな本!

思わず突っ込んでしまいそうになるが、まあ、本意ではないとはいえ買ってしま
った手前それもできない。そもそも、遠野君という生きた見本がいるではないか


まあいい。気を取り直して私はページを開いた。

太った熊人が出迎える。今回は褌ではなく、トランクスだ。

次のページではそのトランクスの前から大きなチ・・・性器を覗かせ、照れくさ
そうに歯を見せている。

そして、相方の登場。相手は犬人、だろうか。なにせメインが熊人なので見切れ
てしまっている。それもそのハズだ。この犬人はたいして太っていない。この本
のターゲットからは外れるのだろう。しかし、私としてはこの犬人の方が・・・
はっ。いや違う違う! 別に私はホモではない!

ページをめくる。

ドキリとした。

股を広げ、自分の足を抱えた熊人が、肛門にバイブを挿入されて顔を歪めている
。そのバイブを持つ手は犬人のものだ。男であるにも関わらず、男にこんなもの
を挿入されて呻いているのだ。

苦痛によるものか、快楽によるものか、はたまた屈辱によるものかはわからない
が、正直に言ってちょっとだけそそる。

遠野君も、やはりこういうシチュエーションが好きなんだろうか。

格好が格好なので、性器がモロに見える。かなり大きいな、羨ましい。・・・こ
んな立派なモノを持っていながら男色に堕ちるとは、文字通り宝の持ち腐れだ。

そして次のシーンでは、バイブをくわえ込んだまま自らの手で射精していた。ち
ょうど射精の瞬間を捉えた写真で、太いチンポの先から胸元まで一直線に精液が
飛んでいた。

とても恥ずかしい写真だ。こんな恥ずかしい写真を撮られてしまったら、私なら
生きていけない。

見ると、写真の下にプロフィールが。浩太(さすがに偽名だろう)、178cm
、102kg、37歳。・・・37歳! 私と同じ歳だ。

次のモデルはまたしても熊人。それも今度は二人組だ。・・・ふむ、今回は熊人
特集なのかも知れない。

冒頭から全裸で、抱き合ってキス。

二人とも大きく膨らんだ腹の下でチンポを勃起させ、先端を擦り合わせるように
重ねている。先ほどの浩太ほどではないが、まずまずの持ち物だ。・・・羨まし
い。

片方が片方にのしかかり、おそらく挿入しているのだろう。正常位でのセックス


次のページでは立場が入れ替わり、先ほど犯していた熊人が逆に犯されている。
・・・男同士だから、こんなありえないシチュエーションも可能なのか。

そして最後は、互いの大きな腹に精液をかけ合っている。

私はクラクラする頭を押さえて、もう一度最初から読み直した。

・・・遠野君も、今頃この雑誌を見て自慰にふけっているのだろうか。それとも
もしかしたら、私を、その・・・オカズにして。

想像する。

あの部屋で、私を思い、一心不乱にチンポをしごく遠野君。

「・・・・・・」

気が付くと、私は勃起していた。

そっと席を立ち、遠野君のデスクに座る。

雑誌をめくり、何枚かある写真の中に虎人を見つける。相変わらず太っていて、
少し私に似ていた。

きっと遠野君は、この虎人に私を重ねるだろう。

私は我慢できなくなり、スラックスの上からそっと股間を撫でる。シチュエーシ
ョンのせいか、いつもにも増して強い快感が襲う。私は意を決してベルトを解い
た。

ボタンを外し、チャックを降ろし、そっとスラックスを脱ぐ。

ブリーフは盛り上がり、既に先端にシミが浮いていた。

私は腰を浮かせてブリーフまでも脱ぎ去り、愚息を取り出した。

勃起しているにも関わらず、亀頭の先端しか覗かせていない包茎チンポ。長さも
、太さも人並み以下。私の中指とほぼ同じサイズだ。

私は親指と人差し指でその包茎チンポをつまんで、ゆっくり皮を剥く。剥けきっ
たところで、皮を戻し、先端に余った皮をつまんで捏ね、亀頭に刺激を与えてや
る。

「ぁ・・・ぅう・・・」

声が漏れ、私はますます興奮した。

机の上に雑誌を置き、最初の方のページを開く。

そこでは、相変わらず熊人が犬人に苛められていた。この犬人、ちょっと遠野君
に似ている・・・

「は・・・っ・・・と・・・の君・・・」

左手の指をなめ、唾液で湿らせてからシャツの下に忍ばせる。

自分の乳首を擦り、勃起したところでこりこりとつまんで、私は上り詰めた。

「と・・・君・・・!」

もう我慢できない。

チンポをつまんでいた指を輪っかにして、私は包皮をしごいた。

チラリと雑誌を見る。

そこには遠野君にバイブを挿入され、自ら射精する私がいた。

「・・・あっ! ああっ! と、遠野君ッ!」

彼の名を呼び、私はついに果てた。

ビュッ、と放物線を描いて精液が飛ぶ。

それは遠野君のデスクにかかり、引き出しをドロリと伝う。

私はそのままチンポをしごき、射精を続ける。包皮口からドクドクと溢れた精液
が、縮み上がった玉袋を伝い、遠野君の椅子に垂れた。

「うぅっ、と、遠野君・・・! ・・・うッ!」

最後にぶるん、と腹を震わせて、私のオナニーは終わった。

「ハァ・・・ハァ・・・ああ・・・」

荒い息で、私は放心する。

・・・やってしまった。

私は、よりにもよってこんな雑誌で射精してしまったのだ。

雑誌を見る。

熊人の写真は、驚くほど私を興奮させなかった。

射精の直後だからか・・・? いや、違う。

私はこの写真に興奮したのではない。この雑誌を見て、いや、私を想像してオナ
ニーする遠野君を想像して興奮したのだ。

・・・何とも回りくどいオカズである。

自嘲めいて口の端を持ち上げると、私は自らの精液を始末するため、席を立った


萎えて縮こまった包茎チンポの先端から精液が垂れ、ポタリと床に落ちた。

中間管理職の溜息

私の名前は弓塚孝太郎。

当年取って37歳。働き盛りのサラリーマンだ。

株式会社ボヤージで営業販売部長を務めている。肩書きだけ聞けばご立派だが、
その実体は中小企業のしがない中間管理職。上からは押さえつけられ、下からは
突き上げられる、ストレスと戦う悲しい企業戦士である。

そんな私は今、人に言えない悩みを抱えていた。

この歳になっても結婚できないとか、それ以前に彼女が出来ないとか、そんな些
末な悩みではない。

私は、とある事件をきっかけに、自らに隠された性癖があることを知ってしまっ
た。

どうやら私は、女性だけでなく男性にもわずかながら性的興奮を感じるようなの
だ。今まで必死に否定してきたが、どうやらこれは認めねばならない事実のよう
だ。

そして私は、毎夜のように、部下の席で彼を思いながら自慰にふけっている。

「ああっ・・・! 遠野君、イクっ!」

精液が彼のデスクに飛ぶ。

私は大きな腹を上下させながら、深い溜息をついた。

・・・これでは、一歩間違えばホモではないか。


月末。

私は資料室名義で某雑誌を再び購入した。

ゲイ雑誌、それも、デブ専と呼ばれるマイノリティの中のマイノリティが好む雑
誌だ。まさか自分がこんな変態雑誌を購入するような人間になるとは、夢にも思
っていなかった。

残業後、私はいつものようにオフィスに残り、皆が帰宅するのを待つ。

「部長、まだ帰らないんですか?」

部下の乾君(ちなみに獅子人)が声を掛けてくるが、私はパソコンのモニターか
ら目を離さずに答える。

「うむ。この書類をまとめたら帰るよ。気にせず帰りたまえ」

「そうですか。じゃあ先に失礼しますね」

「ああ、お疲れさま」

「お疲れさまです」

乾君は早々に帰っていった。

・・・これで、私一人だ。

私はいつものように遠野君のデスクに座ると、購入したゲイ雑誌を開き、見る。

きっと今頃、遠野君もこの雑誌でオナニーしているに違いない。・・・私を想像
して。

今回のグラビアは猪人だった。雑誌のジャンルがジャンルなだけに、猪人や豚人
、熊人などがグラビアを飾ることが多い。

そして、今回はなんと猪人と虎人のカラミだった。いつか遠野君の家で見た時と
同じ組み合わせだ。

遠野君ではないが、太った虎人に、どうしても自分の影を重ねてしまう。そして
、猪人には社長の影を。

「・・・社長・・・」

社長。株式会社ボヤージ代表取締役、蒼崎平太。

猪人らしく、よく太った男だ。年齢はたしか40後半。綺麗な奥さんと可愛い娘
さんを持ち、職、家庭共に充実した生活を送っている。・・・羨ましい。

そんな社長はイベント好きで、1月には羽根突き大会や餅つき大会、3月には花
見と、ことある事にイベントを企画する。

そういえば、来月には社員旅行があったな。

行き先は毎年恒例で温泉。きっとまた卓球大会が開催されることだろう。豪快な
性格の割に案外マメである。

そんな社長は今、ゲイ雑誌の中で虎人、私のチンポをしゃぶっている。

「あっ・・・社長・・・! い、いけません・・・」

社長にしゃぶられ、私は早くも発射態勢に入った。

まあ、決して早漏ではないと思うが、一般人よりは少し早いかも知れない。以前
風俗のお姉さんに「えっ、もう?」と言われたこともあるくらいだし。

「・・・社長! 駄目・・・! イ、イキますッ!」

宣言し、私は射精した。

「んっ・・・ハァ・・・ぁ・・・社長・・・っ!」

くたりと、遠野君の机に突っ伏して、私は何度も社長の名を呼ぶ。

デスクの下では、射精を終えた包茎チンポがビクビクと痙攣を続けていた。

「・・・弓塚くんか?」

「っ!?」

声のした方に顔を向けると、そこにはなんと蒼崎社長の姿があった!

「えっ! あ、あのっ! 社長!?」

「・・・ん? いや、今呼んだのは君じゃないのかね?」

「いえっ! ち、ちがいます!」

「・・・そうか? 気のせいか・・・?」

ヤバイ!

もしかして、見られた・・・!

私は起きあがりながら腕をずらし、机の上のゲイ雑誌を膝の上に落とす。

「・・・ところで、なぜ君はそんな席にいるのかね?」

社長が一歩踏み出す。

私は恐怖で総毛立った。

これ以上近付かれたら、私が下半身裸なのに気付かれてしまう!

「いえ! その! た、たまには新鮮な気持ちで仕事しようと! あの! べ、
別に深い意味は!」

だからそれ以上近付かないでください!

心の中でそう叫びつつ、私は必死で弁解した。

嫌な汗が溢れて、シャツがべっとりと肌に張り付く。腋が湿って、社長にまで匂
いが届いてしまいそうだった。

「そうか、ふむ」

社長はオフィスを見渡し、

「それも良いアイデアかもしれんな」

そういって背中を向けたので、私は安堵した。

「ではワシは先に帰宅させてもらうよ」

「あ、はい!」

社長は去り際にニヤリと歯を覗かせ、

「・・・お疲れさん」

と言い残して去っていった。

「は、はい! お疲れさまです!」

・・・よかった・・・! 気付かれなかった・・・! た、助かった・・・!

私は脱力した。

どっと汗が噴き出し、腋の匂いが鼻を突いた。

ふと思い出して膝の上のゲイ雑誌を持ち上げると、私の包茎チンポから精液の糸
がのびる。

「・・・あ」

グラビアの社長の顔面に、私の精液がべったりと付いていた。


そして翌日。

私はいつものように部下に指示を飛ばし、バリバリと働いていた。

相変わらずポカをやらかす遠野君を叱り付け、席に戻す。

彼はションボリと尻尾を垂らして椅子に座る。

「・・・ん、なんだこれ」

椅子を引いた遠野君が漏らす。

見ると、何かが手に付いたようで、ハンカチで拭いているではないか。

「どうした?」

「・・・あー、いや、なんか椅子に修正液が・・・」

遠野君は乾君とそんなような会話を交わす。

私は内心ゾッとした。

もしかしてアレは、私の精液ではなかろうか。

昨夜あんな事があって動揺していたため、精液の始末が不十分だったのかも・・
・!

「と、遠野君!」

「はい?」

「あー、アレだ、ホラ。その・・・そう昼食! 昼食付き合いたまえ」

「? はい、わかりました」

なんとか話題を逸らすことに成功し、私は突き出た胸をなで下ろした。

社員食堂。

私は遠野君と盛りそばランチをすすっていた。

「・・・でも、なんで突然ランチ誘ってくれたんですか?」

「そ、それはアレだ、ほら、この間は世話になってしまったからな」

本当は毎晩世話になっているのだが、それはお互い様か。

「・・・?」

遠野君は未だに腑に落ちない様子だったが、とりあえず追求はしてこなかった。

「そういえば、その・・・合コンは、どうだったのかね?」

「ああ、そのことですか」

遠野君はようやく笑った。

きっと、私がそのことを聞きたくて昼食に誘ったとでも勘違いしたのだろう。

「ええ、うまく行きましたよ」

「・・・え?」

私は耳を疑った。

うまく行った・・・?

「なんすか、その不思議そうな顔はー」

「あー、いや・・・」

あれ? だって、遠野君はホモで・・・それで、私のことが・・・

どういうことだ? 見栄を張っているのか?

「じ、じゃあ、その・・・付き合うのかね? その、じょ、女性と?」

もしかしたら男同士の合コンなのかも知れない。

私はちょっとカマを掛けるためにあえて女性という単語を使った。

が、彼はさらりと言ってのけた。

「んー、どうでしょうねー。アドレスはもらったけど・・・たぶん付き合いはし
ませんねー」

「そ、そうなのか・・・」

あれ? おかしいな、どういうことだ?

もしかして彼は・・・ホモじゃない?

「それで、その・・・」

ヤッたのかね?

そう聞こうとして私は慌てて首を振った。聞けるわけが無いではないか!

「?」

「いや、な、なんでもない・・・」

私は震える手でそばをすすると、動揺を悟られないように手を合わせた。

「・・・ごちそうさま」

・・・どういうことだろうか。

私はボンヤリとデスクに座ったまま、煙草を吹かしていた。

遠野君は、ホモではないのだろうか。

ではあの雑誌は何だったのだ? ゲイの、それもデブ専雑誌なんて、普通の人間
(業界用語ではノンケというらしい)は持っていないハズだ。

デブ専だから、てっきり私に気があるのかと思っていたのだが・・・あ、いや、
私はまだデブではないが。ともかく、これはつまり、私の独り相撲だった、とい
うことか? やはりあの雑誌は、友人の悪戯か何かだったのだろうか・・・

あー、わからん・・・!

私はくしゃくしゃと頭を掻き、溜息をついた。

・・・というか、これではまるで恋する乙女のようではないか。37歳の中年男
が、なんと見苦しい。

「部長?」

「んっ?」

「灰が・・・」

乾君の指摘するとおり、長く伸びた煙草の灰が折れ曲がっている。

私は慌てて煙草を灰皿に押しつけ、照れ笑いを浮かべた。

「やっぱりお疲れなんじゃありませんか? 残業のしすぎですよ」

『残業』のしすぎ、か・・・

「ああ、うむ。・・・その通りかもしれんな」

「今日はもう帰られた方がいいと思いますが」

「・・・そうだな・・・」

私は鞄を手にして席を立った。

「すまない。今日は帰るよ」

「はい。そうしてください」

オフィスを出る前にホワイトボードが目にとまる。

来月は社員旅行だ。

部屋割りは大抵くじ引きで決まる。

もしも、遠野君と同じ部屋になったら・・・それとなく聞いてみようか・・・

まあ、くじ引きなんてそう簡単に当たりはしないのだが。

私は溜息をつく。

「お疲れさまでした」

「・・・お疲れ」


そして、社員旅行の日はやってきた。

私たち一行は、バスに揺られ、カラオケなどで盛り上がりながら山奥の温泉街へ


案の定開催された卓球大会で早々に敗退し、私はホールの隅でビールを飲んでい
た。

「なんだ、弓塚君。もう負けたのか」

そう声を掛けてきたのは蒼崎社長だ。

息が上がっている。猪人の大きな鼻から漏れる息が荒い。

「・・・社長もでしょう」

見ていた。

社長はたった今負けた所だ。

「がははは、お互い歳を取ったなあ! だが、ワシがもう5年若ければ優勝は逃
がさんぞ!」

卓球のラケットを振る社長。

浴衣が乱れて、胸元が大きく開いた。汗をかいた社長は、ちょっとだけセクシー
に見えた。

思わず頬が染まる。・・・いや、これはアルコールのせいだ。私はホモではない


「ふぅ・・・よし、一風呂浴びてくるか!」

「お付き合いします」

「おう!」

大会の進行役は幹事に任せ、私たちはホールから退席した。

私たちが向かったのは、室内大浴場。露天風呂にみんな行っているせいか、ガラ
ガラだ。私はホッとして浴衣を脱いだ。

どうも人前で裸になるのは苦手だ。太っているし、それに、短小包茎にもコンプ
レックスがある。

私は浴衣を脱ぐと、しっかりとタオルで隠してからブリーフを脱いだ。

「やっぱり空いているな!」

「ですね」

社長は股間を隠すことなく、タオルを肩に掛けて歩いてきた。

今までは全く気にならなかった彼の股間に目が行ってしまう。社長は、それほど
大きくはないが、包茎ではなかった。

・・・あれが、社長の、チンポ・・・

慌てて頭を振る。待て待て、これじゃ本当にホモみたいではないか。

「どうした?」

「い、いえっ! なんでもありません!」

「そうか」

社長は湯船につかる。

私もかけ湯をして、隣に座った。

・・・さすがに湯船にタオルをつけるのはマナー違反だ。恥ずかしいが、タオル
は浴槽の縁に畳んで置く。

「しかし弓塚君、きみ太ったなあ!」

「い、いきなりなんですか」

確かに太ってはいるが、体重は3桁手前だ。デブではない。

「そういう社長だって」

「そりゃ、ワシは猪人だからな!」

豪快に笑って大きな腹を揺らす。

・・・まったく。

その後も私たちは他愛のない話をして、身体を洗ってもう一度湯船に。

「ふうー・・・」

やっぱり温泉っていいなあ。

「さて、そろそろ決着も付いた頃だろう」

「そうですね」

「ワシは上がって部屋割りのくじを作るが、弓塚君はのんびりしていたまえ」

「はい、そうさせてもらいます」

・・・あれ、あのくじって社長が作っていたのか。

ボンヤリ考える私をよそに、社長はザバッと水音を立てて立ち上がった。

私の目の前に、社長のチンポが垂れ下がる。

「!」

どきっとして、私は慌てて顔を背けた。

「?」

・・・駄目だ、このままでは、私は本当にホモになってしまう。

社長はそんな私の苦悩も知らず、豪快に股間を揺らしながら去っていった。

「・・・・・・」

顔を赤くして湯船に鼻までつかる。

しばらくして、再び脱衣所の扉が開かれた。

「・・・社長?」

忘れ物だろうか。

だが、湯煙の奥からやってきた人物は、社長ではなかった。

「あ、部長」

遠野君だった。

まったく、どうしてこう、次から次へと・・・

私の視線が彼の股間に突き刺さる。遠野君は、社長と同じく股間を隠さない派の
ようだ。こういう場では隠すのがマナーではなかろうか。それとも、私が女々し
いだけなのだろうか。

遠野君のチンポは、それは立派なモノだった。

しっかり剥けているし、太さも長さも申し分ない。勃起していないにもかかわら
ず、私の勃起時よりも大きい。・・・羨ましい。

しかしまあ、こういう人は勃起してもそれほどサイズが変わらないという。とい
うことは、私よりも少し大きいだけだろうな、うん。

「部長?」

はっ。

私は我に返った。

ついまじまじと彼のチンポを観察してしまった。

冗談ではない。私はホモではない。

これ以上彼の裸を見ないように、私は視線を逸らす。

「・・・なんでもない」

「? 失礼します」

かけ湯をして、私の隣に遠野君が座る。

「結局、優勝は乾でしたよ」

「あー、そうか」

彼は運動神経がいいから、妥当といえば妥当な線だ。

「俺もいい所まで行ったんすけどねー」

「はは、残念だったね」

「いいっすよ、賞品のゲーム機はもう持ってますから」

そういう割には悔しそうだ。

私は少し笑って、浴槽に背中を預ける。

大きな窓の外には満月が見えた。風光明媚。良きかな良きかな。

「ふー」

遠野君はしばらく湯船につかると、上がって身体を洗い始めた。

鼻歌交じりに身体を洗う遠野君を何とはなしに見つめながら、私は口を開く。

「君、ゲームとか得意なのかね」

「えー、いやまあ、それなりにっすかねー。とりあえずハードは全機種もってま
すよー」

全機種というのが何台を差すのか、私にはサッパリわからない。が、それなりで
はないであろう事くらいは、いかな私にもわかる。

「すごいな、それは。君はアレか、ゲーマーという奴か」

「ははは、修二にもよく言われます」

・・・修二? 誰だ?

まさか、恋人か?

「あ、弟ですけどね。俺と違って良くできた奴で。勉強ばっかしてるんです」

「弟か。・・・君も少しは見習いたまえ」

ひどく安心している自分に戸惑いつつ、私は言う。

「ちぇー、部長までそんなこと言うしー」

ざっと水をかぶり、泡を洗い流して彼は再び私の隣に座った。

ドキリとする。

内心の動揺を悟られないよう、私は続けた。

「勤勉な弟か。本当に正反対じゃないか」

「まだ言いますか。・・・まあ、そうっすね、自慢の弟です。しばらく会ってな
いけど」

「仲悪いのか?」

「いえ? いいっすよ。ただまあ、俺一人暮らししてるし、アイツも寮に入って
るし、盆と正月位にしか会いませんね」

「そうか」

やはり遠野君に似ているのだろうか。

・・・ちょっと見てみたい気もするな。

「さて、じゃあそろそろ上がりましょうか」

「もうか? 早すぎだろう」

「だって、早く行かないとくじ引き始まっちまいますよ」

「・・・私はもうしばらく浸かっているよ」

勇気を出して、私は言う。

「そっすか。んじゃ」

だというのに、遠野君は、さっさと上がってしまった。

だが、これでハッキリした。

彼は別に、私のことなど何とも思っていないのだ。

もし気があるのなら、もう少しくらい一緒にいてくれるハズだ。

やはり、彼はホモではなかった。ましてや、私に気があるかもしれないなどと・
・・滑稽な話だ。

「・・・ははは・・・なんだ・・・」

滑稽すぎて、可笑しい。

私は一人笑った。笑いすぎて、涙が滲む。

湯船に映る自分の顔がぐにゃりと歪む前に、私は湯をすくってバシャバシャと顔
を洗った。


「・・・・・・」

のぼせた。

私はフラフラになりながらも何とかホールに戻り、あてがわれた部屋へ上がる。

そこにはすでに布団が3組敷かれていて、私はそこへ倒れ込んだ。

「・・・あー・・・気持ち悪い・・・」

浴衣の胸元を大きく開き、手を団扇代わりにして扇ぐ。

「大丈夫っすか? 部長」

「ああ、うん・・・なんとか」

遠野君が、本物の団扇で扇いでくれた。

風が気持ちいい。

白い毛皮をなびかせて、私は「あー・・・」と声を出す。

「・・・って、遠野君!?」

「うわびっくりした!」

突然跳ね起きる私に驚き、遠野君はのけぞった。

「なんすか、急に」

「あ、いや、君と同室だったのか、と思って・・・」

「えー、俺と同じ部屋なの、そんなにイヤなんすかー?」

不満そうに頬を膨らませる遠野君。

「あ、違う、そんな訳はない。・・・ただ、部屋割よく見てなかったから」

長湯しすぎた私がホールへ戻ると、既にくじ引きは終了していた。

私は自動的に空いた部屋へと放り込まれたのだろう。

見ると、すでに荷物も運び込まれている。

はて、3人部屋らしいが、もう一人は誰だろう?

「社長っすよ」

私の疑問が伝わったのか、聞いてもいないのに遠野君が答えてくれる。

って社長か!

なんでこう、次から次へと・・・

「今はみんなと土産買いに行ってます」

「そ、そうか・・・」

私は布団の上にあぐらをかき、しばし遠野君と向き合っていた。

・・・き、気まずい・・・

テレビを付けてみるも、面白い番組はやっていない。

「・・・なんもやってないっすね」

遠野君はチャンネルを一巡させるとテレビを消して、自分の荷物から本を取りだ
してくる。ゲーム雑誌だった。遠野君らしいな。

私も、こんな時のために持ってきた本でも読むとしよう。

荷物をたぐり寄せ、開く。

「・・・・・・?」

一瞬、何が起きたのか理解できなかった。

そこにある見慣れたものが、なぜそこにあるのかわからない。いやそもそも、先
ほどまではこんなモノは入っていなかったハズだ。

私のバッグの中から、ゲイ雑誌が顔を覗かせていた。

「・・・しまったっ!」

ようやく事態を理解して、私は思わず大声を出す。

なんということだ! 私は、荷造りの最中、自分でも気付かないうちにこれを紛
れ込ませてしまったのだ! も、もしこんなモノを持ってきていることが遠野君
に、いや、彼に限らずとも誰かに知られたら、私の人生はおしまいだ!

ぶわっ、と汗が噴き出す。

ああもう、風呂に入ったばかりだというのに。いや、そんなことはどうでもいい
! 今は、一刻も早くこれをバッグの底に押し込めて、な、何事もなかったよう
に・・・

「・・・部長、なんすか、それ・・・」

「!!」

驚愕の表情で振り返ると、すぐ後ろに遠野君がいた。

「ち、ちが・・・っ!」

手が震えた。

いや、手だけではない。全身が、痙攣したかのようにガクガクと震えていた。

バッグを隠そうと持ち上げた時、指に力が入らずに取り落としてしまう。

ザッ、と中身がブチ開けられ、そして・・・ああ、なんと言うことだ・・・! 
最悪の事態だ!

よりにもよって、そう、よりにもよって、ゲイ雑誌が一番上に! そのうえ、グ
ラビアページが開いた状態で!

「・・・・・・」

遠野君の目がゲイ雑誌を見つめる。

違う、これは、誤解なんだ・・・! 私はホモじゃない!

最悪の事態に、言葉が出ない。

だが、これはまだ最悪の事態ではなかった。

これ以上の最悪があるのだろうかと思っていた私に、さらなる最悪が襲いかかる


「おう、今帰ったぞー!」

ガラリと襖を開けて、蒼崎社長が帰ってきたのだ・・・!


「・・・・・・」

私は指一本動かすことが出来ず、硬直していた。

いや、正確には硬直でない。全身をブルブル震わせて、脂汗を垂れ流していた。

「・・・ち・・・違・・・う・・・こ、これは・・・違・・・」

「・・・部長、これって・・・」

「弓塚君、きみ・・・」

二人の視線が、ゲイ雑誌から私に移る。・・・軽蔑のまなざしだった。

ゲイ雑誌は、ちょうど虎人が猪人に犯されている写真だ。

私が、社長に。

「ちが・・・わ、私は・・・」

ガチガチと歯が鳴った。

おしまいだ。上司と部下に、同時に知られてしまった。

「わ、私は・・・!」

「ホモだったのか」

「!!」

「部長がねー」

「!!」

違う、そうじゃない!

「わた、私は・・・! ホ、ホモじゃ・・・ホモじゃな・・・ち、違う・・・!


歯を鳴らしながら必死に弁明する。

心臓が高鳴り、息苦しい。いっそこのまま心臓麻痺で死んでしまえれば、どれだ
け救われることだろう。

「どうりで見合いも断るワケだな」

「未だに彼女もいませんしねえ」

二人の容赦ない言葉に、私は膝を付いた。

じわりと、ブリーフに尿が滲む。このうえ失禁までしてしまったのか。

「ち、違うんです・・・! 私は、ホモじゃない・・・ホモじゃ、ないんです・
・・!」

「じゃあコレはなんだね?」

「しかもデブ専かー。部長、もしかしてナルシストっすか?」

「ちが・・・」

震えながら、私は手を付いた。

どうすれば・・・どうすれば誤解を解けるんだ・・・!

「こ、これ・・・これは・・・な、何かのま、間違いで・・・」

ろれつが回らない。

「見苦しいぞ、弓塚君」

「そうっすよ、部長」

頭上から二人の残酷な声が降り注ぐ。

ぽたり、と布団に滴が落ちた。

・・・涙だ。私は泣いていた。

「・・・お願い、します・・・!」

私は土下座した。

外回りでもしたことのない、生まれて初めての土下座をして、私は二人に懇願す
る。

「い、言わないで・・・誰にも、い、言わないでください・・・! お願いしま
す・・・お、お願いします・・・!」

泣きながら懇願し、額を布団に擦りつける。何度も、何度も。

「だ、誰にも、言わないで・・・ください・・・っ!」

「んー、どうする? 遠野君?」

「そうっすねえ」

聞き入れてくれないのか!?

私は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。

「遠野君・・・! 社長・・・!」

「部長、こうされるのが好きなんすか?」

遠野君はゲイ雑誌を汚いモノでも触るようにつまみ上げ、私の目の前に突きだし
た。

そこには、後ろから抱きかかえられ、乳首を攻められる虎人。

「・・・・・・!」

何も言えなかった。

ただ歯をガチガチ鳴らしながら、私は首を振り、泣き続けた。

そんな私の背後に社長が回り込み、帯を解く。

「や・・・!」

震える私の上体を無理矢理起こさせて、浴衣をはだき、乳首をつまむ社長。

「ああッ!」

他人に乳首をつままれるなんて初めての経験だ。電流が走ったかのような感覚に
、思わず声が漏れた。

「女のように感じているじゃないか。どこがホモじゃないんだ?」

「ひ・・・、ああっ!」

首筋に猪人の荒い鼻息がかかる。

私はますます嬌声を上げてしまった。

「・・・あれ? 部長、もしかしてションベンちびってません?」

前からは遠野君が私の浴衣をはだき、滲んだブリーフを指差して言う。

「ちが・・・!」

「どれ。・・・ああ、ほんとだ。汚いな、弓塚君は」

「しょうがないから脱がしてあげますね」

「や、いやだ・・・! それは・・・! 駄目・・・!」

私の抵抗も虚しく、遠野君はブリーフに手を掛け、それをズリ降ろした。

いつの間にか勃起していた私の愚息が、ぷるん、と上を向く。

「うわ、小っちぇー!」

「っ!!」

「なんだこれは。きみ、コレでも勃起してるのかね?」

「っ!!」

恥辱に、私は声も出ない。

見られている・・・勃起しても皮の剥けない私の包茎チンポが、遠野君と社長に
、見られている・・・!

「これじゃホモになるしかないっすねえ」

「とても女を喜ばせることはできんなあ」

ひどい。

そんな、あんまりだ。

「う、うぅっ・・・」

「これ、剥けるんすかねえ? もしかして、真性っすか?」

「どうだろうな。・・・遠野君、きみ剥いてみなさい」

「はい」

「だ、だめだ・・・っ!」

私の制止などまるで聞かず、遠野君は私の包茎チンポをつまんだ。ただそれだけ
の刺激で、私の全身を快感が走り抜ける。

「はぁんっ!」

「おいおい、女じゃないんだから」

「痛かったら言ってくださいねー」

そういいながら、遠野君はゆっくりと私の皮を剥く。

「あ・・・あぁ・・・」

湿った亀頭が冷たい外気に晒されるのを感じながら、私は震えた声を出す。

背後からは、相変わらず社長が私の乳首を攻めていた。

「おお、ちゃんと剥けるじゃないか」

社長の言葉に視線を降ろすと、遠野君の指が私のチンポを剥ききっていた。

彼は現れた小さな亀頭に鼻を寄せ、クンクンと匂いを嗅いでくる。

敏感な亀頭に鼻息がかかり、私は身体を震わせた。

「うん、あんま臭くないっすね。ちゃんと洗ってるんだ、偉い偉い」

ご褒美とばかりに、亀頭を撫でてくる遠野君。

「ひっ、ひいいぃぃ!」

強すぎる刺激に、私は悲鳴を上げて身体をくねらせた。

「あ、すんません、痛かったっすか?」

「おいおい、優しくしてやれよ。君も小学生のころは包茎だっただろう?」

「ええまあ。でも5年生になる前に剥けましたけどね」

「そうか、早いな。私は中学まで剥けなかったぞ」

「まあいずれにしろ・・・」

「大人で包茎はないよな」

ううっ!

恥ずかしさと悔しさで泣きながら、私はうつむいた。

「まあ、部長、そんなに落ち込まないでも。包茎でも子供は作れますから」

「いやいや、きみ。男同士じゃ剥けていようが被っていようが、子供はできんぞ
?」

「それもそうすね」

二人は笑って、さらに私を攻め続けた。

社長の手が胸を鷲掴み、揉みしだく。奥さん相手に毎夜使っているテクニックな
のか、乱暴だが痛くはなく、私は吐息を漏らす。

遠野君は亀頭を直接刺激するのはやめてくれて、皮を被せた上から円を描くよう
に捏ねてくる。

私は抗議することもできず、ただただ女性のように喘ぎ声を漏らしていた。

「あーあー、こんなに感じちゃって」

「おい、あんまりいじるとイッてしまうぞ?」

社長の言葉は手遅れだった。

二人の攻めに私は我慢できず、とうとう射精してしまったのだ。

上司に見られながら、部下の手によって。

「あ、あ、あ! い、いくうぅぅっ!」

恥も外聞もなく、AV女優のような声を上げ、私は包茎チンポの先から大量の精
液を溢れさせる。

それは遠野君の浴衣にまで飛んで、腕を汚す。

「うわ、汚えっ」

「うっ、ううっ・・・!」

私は涙と鼻水とヨダレで顔をぐしゃぐしゃに濡らしながら、びくっ、びくっと大
きな腹を震わせ、精液をこぼし続けた。

「ほらみろ、いわんこっちゃない。その包茎チンポを見れば、早漏だって事くら
いわかるだろう」

「いやでもまさかこんなに早いとは。そもそもたいして刺激してないっすよ?」

遠野君がチンポから手を離す。

萎えたチンポは亀頭の先まで包皮に覆われ、それどころか余った皮がしわになっ
て先端に精液の滴を作った。

「なんともひどい短小包茎だな」

「なんか、気の毒っすね。小学生だってコレよりはデカイっすよ?」

く、くやしい・・・。

男としての価値を全否定されたようで、私は声を上げて泣いた。

社長は、そんな私の胸が気に入ったのか、手を変え品を変え、弄んでくれた。

「・・・ふむ。だが胸は良い。毛皮に覆われた男の胸というのも、なかなか悪く
ないな」

「へえ」

精液で汚れた浴衣を脱ぎ、遠野君がトランクス一丁になって私の胸を覗き込んだ


社長の無骨な手で愛撫され、ピンと乳首が立ってしまっている。社長はその乳首
をつまみ、擦った。

「あ、あっ・・・! あっ!」

「感度も良いようだ。・・・ほら、君も揉んでみなさい」

「そうすか。じゃあお言葉に甘えて」

私ではなく、社長の許しを得て、遠野君が私の胸をわしづかむ。最初は快感より
も痛みの方が強かったが、やがて力加減に慣れたのか、快感が上回った。

堪えきれずあえぎ声を上げる私をニヤリと嗤って、社長は浴衣を脱がしてきた。
抵抗などできずに、私はとうとう全裸にされてしまう。

「ゆ、許し・・・もう・・・許して・・・」

私の懇願など聞く耳持たず、両腕を持ち上げて、バンザイをさせる。

その両手首を片手で掴み、あらわになった腋の下に鼻を近づける社長。

「臭いな、ちゃんと洗ったのか?」

そんなこと言われても、私はワキガだ。汗をかけばすぐに臭くなってしまう。

「お願い・・・もう・・・」

これ以上ない屈辱的な格好をさせられ、私のわずかな自尊心がガラガラと崩され
ていく。

追い打ちを掛けるように、かぷり、と遠野君が私の乳首に歯を立てた。

「はあぁっ! ・・・あ・・・ぅんっ!」

だめだ、そんな、これ以上刺激されたら・・・!

私は、再び股間が熱を帯びるのを感じた。

そんな、回復が早すぎる。今イッたばかりだというのに!

いま勃起してしまったら、二人はここぞとばかりに私をなじるだろう。それはイ
ヤだ。勃起しないでくれ、頼む・・・!

私は目を閉じ、歯を食いしばって必死に快感に耐えた。

遠野君は相変わらず私の胸を揉み、赤ん坊のように乳首に吸い付いてくる。

社長は私の腕を掴み上げたまま、喉を撫で、腋の下をくすぐり、腹の肉を撫でた
。臭いと言っておきながらその匂いが気に入ったのか、私の腋の匂いを何度も嗅
ぐ。

「ああっ・・・! い、いい・・・!」

思ってもいない言葉が漏れる。感じてなどいないというのに・・・!

「とんだ変態だな、弓塚君は」

「社長、見てくださいよ」

遠野君が私の股間を指差す。

二人の視線が注がれる中、私の包茎チンポは持ち主の意志に反して体積を増して
いった。

ぴくん、ぴくんと、徐々に上を向いてくる。

なぜだ! こんなに悔しくて、悲しくて、恐ろしいというのに! どうして私は
勃起してしまうのだ!?

「ホラ。・・・部長、もう勃起させてますよ?」

「なに? いまイッたばかりじゃないか。なんて節操のないヤツだ・・・」

「い、いや・・・見ないで・・・いや・・・」

二人の視線から少しでも逃れるべく、私は腰を引いた。

しかし、この二人がそれを許してくれるはずもない。

「今更なにを言っとるんだ」

ぐい、と後ろから腰を押され、私はチンポを突き出すように背筋を伸ばした。

同時に、勃起しきった包茎チンポの先から、精液混じりの先走りがとろりと垂れ
る。

お願いだ、もう許してくれ・・・!

これ以上されたら、私の心は壊れてしまう・・・!

「ゆ、許して・・・ください・・・なんでも・・・な、なんでもします、から・
・・」

「ほう」

「なんでも、っすか」

遠野君がゲイ雑誌を拾い上げ、パラパラとめくった。

「んじゃあ、こういうのはどうっすか?」

差し出したグラビアでは、虎人が嬉しそうにチンポをくわえていた。

「!?」

「なんか俺、興奮してきちゃって。・・・部長、こういうの好きっしょ?」

遠野君はそういってトランクスを脱いだ。

そこには、私のモノなど比べものにならないほど立派な雄の象徴が。

反則だ。普段から大きい人は、勃起してもそれほどサイズが変わらないハズ。そ
のハズなのに、彼のチンポはさっき浴場で見た時よりも、さらに太く、長いでは
ないか! 十分に成長し、膨れあがった亀頭の輝きは、恐怖心さえ呼び起こすほ
どだった。

「あ・・・ぅあ・・・」

「遠野君、きみでかいなあ! ホモにくれてやるのは勿体ないくらいだ」

「へへへ。ちょっと自慢っす」

遠野君はその自慢の巨根の根元を握って、私の眼前に突きだした。

脈打つ血管が浮いている。

私は、思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった。

「・・・ほう」

それを耳ざとく聞きつけた社長が嗤う。

「なんだ、その物欲しそうな顔は?」

「! ちが・・・! 私は・・・ホモじゃ・・・!」

首を振って否定する。

そう、私はホモじゃない! チンポなんて、しゃぶりたくない!

「まだ認めないのか? 男に射精させられて、こんな格好をさせられて、遠野君
のちんぼを見て勃起しているというのにか?」

「う・・・いや・・・」

認めない。認められるわけがない。

二人は誤解しているだけなんだ。私はノンケだ。ホモじゃない!

「部長、はい。あーん」

鼻先にチンポをあてがう遠野君が、酷薄に言う。

「・・・い・・・いや・・・!」

「はやくしたまえ。なんでもすると言ったじゃないか」

「ホラ部長。あーん」

「うぅっ」

私は、泣く泣く口を開けた。

よだれが糸を引く。

遠野君は、そんな私の口に無遠慮に侵入してきた。

「ぅぐっ・・・!」

「おお! ほんとにくわえおったぞ!」

「へへへ。・・・部長、俺のチンポ、美味いっすか?」

そんなわけがない。

遠野君の巨根はぬるりとしていて気持ち悪い。血管の脈動が舌に伝わる。喉が塞
がれて息苦しい。吐き気がした。

私は悔しさに震えながら、おえっ、とえづいた。しかし、吐き出す訳にはいかな
い。これ以上彼らの機嫌を損ねたら、私は取り返しの付かないことをされてしま
うだろう。

この苦境から逃れる方法は、一刻も早く彼らを満足させるか、飽きて私に興味を
無くすのを待つしかない。他の選択肢など無いのだ。

「ぅえっ・・・ぐ・・・ぅ・・・っ」

私は舌を動かし、遠野君に刺激を与える。

「おぉっ・・・」

遠野君が呻いた。

感じて、くれているのだろうか。

私は泣きながら必死に彼の巨根をしゃぶり続ける。

「コレ・・・思ったよりイイっすよ、社長」

「ほう」

気が付くと社長は私の腕を放し、浴衣を脱いでいた。

裸になった社長までもが、遠野君の横に並ぶ。

「弓塚君、ワシのちんぼも欲しいか?」

そういって、なんと彼までトランクスを脱ぐではないか。

ずるん、と現れた社長のチンポはすでに半勃ちで、黒ずんだ亀頭を見せつけてく
る。

「へえ、社長のもなかなかデカイっすね。・・・っつーか、使い込まれてるなあ


「毎晩かーさん相手に使っているからな。しかしきみほど立派ではないよ」

「いやいや、立派っすよ。ほら、この包茎チンポに比べたら」

「きみ、それはいくらなんでも失礼だろう。・・・こんな短小包茎と比べないで
くれたまえ」

・・・ううっ。

理不尽だ。・・・そりゃ、私のチンポは確かに短小包茎で情けない。それは自分
でも重々承知している。

だが、チンポが小さいだけで、ここまで馬鹿にされていいのだろうか。

「そんなことより、ホラ。弓塚君」

「あ、どうぞどうぞ」

遠野君が私の口からチンポを抜き、社長に席を譲った。

口を解放してもらえた私は、おえぇっ、と吐いた。幸い胃液は逆流しなかったが
、よだれと先走りの混じった粘液が布団を濡らす。

「汚いなあ、部長」

「・・・ひっく・・・もう・・・ぅっく・・・いや・・・許して・・・っく・・
・」

嗚咽を漏らしながら、私は無駄な懇願をした。

そう、無駄だ。二人は絶対に許してなどくれない。

「はやくしたまえ。・・・それとも、遠野君のちんぼはしゃぶれても、ワシのち
んぼはイヤだと言うのか?」

「・・・ぅっく・・・い、いいえ・・・ひっく・・・」

私は涙に濡れた顔を上げると、震える口をそっと開いた。

社長はそんな私の上顎を乱暴に掴んで大きく開き、無遠慮にチンポをねじ込んで
くる。

「・・・おぶ・・・・うぇっ・・・!」

イヤだ・・・気持ち悪い・・・汚い・・・

だが、続けなければ二人を怒らせてしまう。

私はぐちゃぐちゃと音を立てて、必死に社長を愛撫した。

「ほう! なるほど、これは・・・いいな」

「でしょ? ・・・よかったっすね、部長。社長に気に入ってもらえましたよ?


私は一刻も早く解放されたくて、吐き気を堪えて怒張した社長のチンポに舌を這
わせる。

「おおっ」

嬉しそうに、社長は腰を振った。

ああ、そうなんだ。

私は今、レイプされている。男に口を犯されているのだ。

そのことにようやく気付き、私の包茎チンポが嬉しそうに震えた。

「・・・ふーん・・・なるほど」

遠野君が、私のゲイ雑誌を読んで頷いている。

ぱたん、とゲイ雑誌を閉じると、彼は私の背後に回り込んだ。そのまま私の身体
を抱き、そっと仰向けに横たえてくれた。

正直ずっと立ち膝で疲れていたので、ありがたかった。

そんな私の口を逃すまいと、顔の上に跨ってくる社長。抵抗はするだけ無駄だ。
私は自ら社長をくわえ込んだ。

「ワシのちんぼはそんなに美味いか? ん?」

「・・・う・・・はい・・・」

そう答えるしかない。

嬉しそうにニヤリと笑って、社長は四つん這いになり、腰を振った。

汗ばんだ社長の腹が顔面に押しつけられ、息苦しい。それに、暑い。

遠野君が私の包茎チンポを握り、玉をもみしだいた。

「んんっ・・・!」

気持ちよくて、私は呻いてしまう。

私は大量に汗をかいていた。・・・きっとこの部屋はワキガ臭いんだろうな・・
・。現実逃避でどうでも良いことを考える。

「どれどれ?」

私の足が持ち上げられた。社長の腹と私自身の腹で見えないが、遠野君だ。

・・・そんな格好をさせられたら、私の肛門が丸見えになってしまう。きっと今
頃、遠野君の目の前に晒されているだろう。

「・・・!?」

私はようやく理解した。

ゾッとしてさらに脂汗が出る。

遠野君は、私の尻を犯そうとしている!

「・・・だっ! だめだっ! そこは・・・そこだけはっ!」

社長を吐き出し、私は悲鳴を上げた。

社長は一瞬ムッとしたようだが、遠野君がしようとしていることに興味を持った
のか、私の胸に腰を下ろした。おかげで私は身動きが取れない。

「ひっ! だめだ! お願いだ! 許してくれ! そっ、それだけはだめだっ!


暴れる私に手を焼いて、社長は背後に回り込んで羽交い締めにした。

遠野君は私の股を広げて、ニヤリと歯を見せる。彼の背中越しに尻尾が振られて
いるのがわかった。

恐怖で、私の全身が総毛立つ。

「やめて、お願い・・・ッ!」

「えー、ダメっすか? 写真じゃ気持ちよさそうにしてるっすよ?」

それはゲイ雑誌の話だ。私にはとても真似できない!

「面白そうだ。続けたまえ」

「そんな! 社長・・・っ!」

遠野君の指が、私の肛門にあてがわれる。

今までの二人の仕打ちに容赦はない。

「そこ」はデリケートな場所だし、もともとそういう目的である穴ではないのだ
。乱暴にされたら、壊れてしまう! ましてや遠野君のような巨根を受け入れら
れるワケがない! 内臓まで壊されてしまう!

私は必死で叫んだ。

「だめだ! は、初めてなんだ! 私は、そこは初めてなんだ!」

「え? 部長、バージンっすか? その歳で?」

「なんだ、きみ。女だけじゃなくて男にもモテないのか?」

「そうじゃない! わ、私は最近までホモじゃなかった! つ、つい最近なんだ
! ホモに目覚めたのは!」

私はとうとう認めてしまった。

自分がホモであると。

「そうか、初めてか。・・・では遠野君、優しくしてやりたまえ」

「はい」

「いや! 嫌なんだ! 本当に! 許してくれ!」

「そんなんじゃ部長、いつまで経ってもバージンっすよ? いいかげん観念して
ください」

「許してくれ・・・! 許してくれ・・・! 他のことなら何だってする・・・
! だ、だから、尻だけは・・・! 頼む、後生だからッ!」

私の必死の嘆願も、やはり二人は聞き入れてくれない。

おもちゃを与えてもらった子供のように、残酷に私の尻に指を突っ込む遠野君。

「ぅああっ!」

「弓塚君、あんまり叫ぶと、人が来てしまうぞ?」

「そうっすよ。こんな格好、俺達以外には見られたくないでしょう?」

指を抜き差ししながら、遠野君。

「あっ! 痛っ! だめだ、痛いッ!」

激痛と異物感に、私は泣き叫んで暴れた。

社長は私を羽交い締めにしながら、面白そうにそれを眺めている。

このままでは私の尻は、本当に壊されてしまう。

「お願い、です・・・っ! あぁっ! どうか、せめて・・・せめて、優しくし
てください・・・ッ!」

「わかってますって」

私が暴れるのを諦めると、社長は投げ出されたゲイ雑誌を拾い上げ、読む。

「ふむ。・・・最初はよくほぐしてやるそうだ。・・・前戯を充分にしろ、って
所は女と同じだな」

「了解っす」

「あ、ああっ! ・・・ひ、い、痛い・・・っ!」

痛みに泣く私の頭をそっと撫で、社長はなんと私にキスをしてくれた。

嬉しくて、私は社長の舌を吸った。

「ああ、社長! 社長ッ!」

「うむ、大丈夫だ。ホラ、力を抜きたまえ」

「はい・・・あの・・・」

「ん?」

もっと、キスして欲しい・・・

社長は珍しく私の願いを聞き入れてくれて、キスしてくれた。

猪人の大きな鼻から漏れる社長の吐息が嬉しい。

私が社長とのキスに夢中になっている間も、遠野君は私の尻を開発していた。

いつの間にか取り出したローションを指に塗りたくり、出し入れする。指はいつ
の間にか二本になっていたが、ローションによる潤滑のおかげか、痛みはあまり
なかった。

・・・後から考えたら、用意が良すぎる。普通、なぜそんなローションを持って
いたのか不思議に思うところだが、その時の私には余裕が無くて、とてもそこま
で疑問を抱くことができなかったのだ。それに何より、ローションの存在はとて
もありがたかった。

「はぁっ・・・! ん・・・っ! うぅん・・・っ!」

「気持ちいいっすか?」

「は、はい・・・あっ、あっ・・・あぁっ!」

「ほらみろ。案ずるよりも産むが易しだ」

「はい・・・あああっ! い、いい・・・っ!」

完全に女になって喘ぐ私を抱きしめ、社長は何度もキスしてくれた。

それどころか、遠野君も顔を上げ、私にキスしてくれる。

「よし、じゃあそろそろ本番行きますか」

「え、いやあの、まだ・・・」

「弓塚君、これ以上若者を焦らすんじゃない」

「で、でも・・・!」

「もう充分に優しくしてやったじゃないですか。・・・んじゃ挿れますよー」

ま、待ってくれ! まだ、心の準備が・・・!

しかし二人は待ってくれない。

迂闊だった。少し優しくされただけで、私はすっかりこの二人に気を許してしま
った。なんたる失態・・・!

「い、いやだっ・・・! そんな・・・! 生で・・・っ!」

遠野君の巨根が、コンドームも付けずに私の尻にあてがわれる。

ローションでぬるぬるになった私の尻は、やすやすと彼の先端を受け入れてしま
う。

しかし、痛みが無いわけではない。

彼の巨大なチンポを受け入れるには、指で慣らされた程度ではとても追いつけな
いのだ。

「い、痛いっ! 痛いっ! 許して!」

泣きながら許しを請う。

そんなことをしても、この二人には逆効果だと知りつつも、そうせずにはいられ
なかった。

「へへへ・・・どうっすか? 初めての男の味は?」

ずぶずぶと、遠野君が私に侵入してくる。

「ひいっ! い、ひいいぃぃっ!」

「よかったなあ、弓塚君」

痛い!

肛門が張り裂けてしまいそうだ。

排便感が高まって、漏らしそうになる。

「痛い! やめて、お願い! 痛い! や、やめてえっ!」

社長は泣き叫ぶ私の腋の下に鼻を当てて、ワキガの匂いを嗅ぐ。

「くう・・・臭くてたまらんな」

その匂いで興奮したのか、社長は再び私の顔に跨り、ギンギンに勃起したチンポ
で口を犯す。

痛いと叫ぶこともできなくなってしまい、私はもう、うーうー唸る事しかできな
い。

「ふう・・・やっぱり弓塚くんの口はいいな・・・」

嬉しそうに腰を振る社長。

その言葉を裏付けるように、私の口の中で、社長は蜜を溢れさせる。

「・・・ハッ、ハッ・・・ケツの穴も、気持ちいいっすよ・・・!」

下では、遠野君が腰を振っている。

私は上の口と下の口を同時に犯され、声にならない叫び声を上げ続けていた。

やがて、最初に達したのは、社長だった。

「はっ・・・ああ・・・! ゆ、弓塚君・・・っ」

私の頭を抱え込み、社長が吠える。

その腰使いに容赦はなく、彼は私の喉奥深くまで何度もチンポを突き刺した。

「い、いいか! 弓塚君! だ、出すぞッ!」

ああ、早くイッて・・・!

私は一刻も早く楽になりたくて、舌を使って社長を愛した。

「う、があああぁぁぁッ!」

雄々しい雄叫びを上げ、社長は果てた。

太いチンポの先から、ビュルッ、ビュルッ! と精液が噴き出す。

「・・・!」

ものすごい量だった。

口の中いっぱいに社長が広がる。

「ごぶっ! げはっ!」

注がれる社長の精液を口の端から吐き出す。

「うッ! ・・・うッ! っ!」

だというのに、社長の射精は止まるところを知らず、まるで小便のように次から
次へと私の口に精液を流し込む。

ゴクリ、と喉を揺らし、私はとうとう社長の精液を飲み込んでしまった。

気持ちの悪い体液が、喉にからみつきながら胃へ落ちていく。

「ううっ!」

ようやく射精の終わった社長のチンポが、口の中でびくっ、びくっと痙攣する。

私は一刻も早く吐きたいのに、彼はまだ口から出てくれない。

「ああ・・・部長・・・! ハッ、ハッ・・・! お、俺も・・・!」

遠野君も絶頂が近く、一心不乱に腰を振り続けている。

私の肛門はすっかり麻痺してしまい、ただ熱い感覚だけが伝わってくる。

パン、パンと肉と肉のぶつかる音がいやらしく響いて、私たちを興奮させた。

「イ、イク・・・ッ!」

私の太った身体を抱き、社長の尻に顔を埋めて、遠野君は一際深く私を貫いた。

同時に、彼の巨根がさらに太く膨れあがる。

ビュッ、ビュッ、と彼が射精したのがわかった。

「ひ・・・あ・・・!」

上と下から雄汁を注ぎ込まれ、私は泣いた。

おそらく錯覚だろうが、腹がふくれる。まるで、そう、孕んでしまったかのよう
に。

「は・・・ぁあ・・・っ」

二人のチンポがズルリと抜き取られた後も、私は放心してしまって動くことがで
きなかった。

それもそのはずである。

「ハァ・・・ハァ・・・ん? 社長、これ・・・」

「・・・はぁ・・・はぁ・・・どうした・・・?」

二人は私の包茎チンポを見つめていた。

「部長、イッちゃってますよ」

「おお、本当だ」

私はいつの間にか果てていたのだ。

「よっぽど気持ちよかったんすね」

「よかったな、弓塚君」

私は何も言い返すことができず、ただ泣き続けた。


そして、陵辱の日々が始まった。

残業の終わったオフィスで、私は毎晩のように彼らの相手をさせられている。

「・・・っ・・・出すぞ、弓塚君っ! ・・・全部飲みたまえよ・・・っ!」

社長は私の口が気に入ったようで、必ず口の中で射精する。

私が彼の精液を飲み下すと、ようやく満足できるのか、それまでは決して許して
もらえない。

「ハッ・・・ハッ・・・部長・・・! イク・・・ッ!」

遠野君のお気に入りは私の尻で、おかげでそこはすっかり開発されてしまった。

どれだけコンドームを付けてくれと懇願しても、二人は聞き入れてくれない。

今日も腹がふくれるほどに種付けしてくれた。

「あぁ・・・は・・・うッ!」

そして私は、二人に犯されながら射精する。

情けない包茎チンポから精液をこぼし、私は大きな腹を震わせる。

私の名前は弓塚孝太郎。

当年取って37歳。働き盛りのサラリーマンだ。

株式会社ボヤージで営業販売部長を務めている。肩書きだけ聞けばご立派だが、
その実体は中小企業のしがない中間管理職。上からは押さえつけられ、下からは
突き上げられる、快楽と戦う悲しい企業戦士である。

『非常階段を登る裸女』

 夏の日の昼下がり、1組の男女が5階建てくらいのビルの裏手で会話している。
 女はデニムのノースリーブワンピース。
 男はハーフパンツにポロシャツ。
 男が女にささやく。
「さぁ、脱いで」
 女がためらいがちにワンピースの前のボタンを外していく。
 全開になったワンピースの下には下着を着けていない。
 その代わりに、赤い麻縄が亀甲に締め上げられ、股間にも股縄が食い込んでいる。
 男は脱がせたワンピースを自分の腕に掛けると、ポケットから取り出した銀色の手錠を女の手首に掛けた。
 鎖を腰の後ろに回してもう片方の手首にも冷たい鉄の輪を掛ける。
 女は身体の後ろに固定された腕を動かそうとしたが、ガチャガチャと鎖が鳴るばかり。
 朱縄で絞り出された乳房も、股縄が食い込んだ黒いデルタも、全く隠すことができない。

 男はさらにポケットからボールギャグを取り出した。
 穴が空いたピンポン球のようなそれを女の口に押し込むと、ベルトを首の後ろで結ぶ。
「うつむいてるとよだれまみれになるから、胸を張って背筋を伸ばして歩くんだよ」
 男が言う。
 女はもううなずくこともできない。

 最後に男が取り出したのは小さなプラスチック製の箱だった。
 箱にはダイヤルがついている。
 男がダイヤルを回すと、女の股間から身体を伝って電動音が響き始めた。
 同時に湿った柔肌の内側で残酷な機械が荒々しい蠕動を始めていた。
 女は身体をくの字に曲げて苦し気なうめき声を上げ、太ももの内側を擦り合わせた。
 ボールギャグからよだれが垂れ落ちるが、女にはどうしようもなかった。
 男がダイヤルを戻して言った。
「弱めにしておくよ。歩けないとどうしようもないからね。
 じゃ、俺はエレベーターで屋上に行って待ってるから。
 早く来ないとバイブのスイッチは入りっぱなしだよ」
 亀甲に縄掛けされ、股縄を締め込まれ、後ろ手に手錠を掛けられてボールギャグまで噛まされて、股間にリモコンバイブまで仕込まれた女を尻目に、男は歩み去った。
 女の前には、屋上に続く外から丸見えの非常階段が冷徹な姿をさらしていた。

 いつまでもこんな格好で突っ立ってもいられない。
 女は意を決して非常階段を上り始めた。

 後ろ手に縛られている上に、男の命令でピンヒールのミュールを履かされているので、足下がおぼつかない。
 一歩一歩慎重に上っていく。
 階段の手すりの下は10センチほどの間隔で鉄の棒が並んでいるだけだった。
 偶然こちらの方向を見上げている通行人がいたら、彼女の恥ずかしい緊縛姿を余すところなく見られてしまうだろう。
 恥ずかしさのあまり、顔が火照るのを感じる。

 股間に締め込まれた股縄には、淫核と膣口に当たるように結び玉が作られていた。
 ヴァギナの中に押し込まれたリモコンバイブの微妙な蠕動とはまた別に、その結び玉は、歩を進めるたびに敏感な柔肌をねっとりと擦り上げていた。
 3階まで達した頃には、股縄は女の垂れ流す液体でじっとりと湿っていた。
 たまらなくなって、女は踊り場で腰を折り、手すりの柱に尻を押し付けて腰を動かした。
 顔をうつむけてしまったので、ボールギャグの穴からよだれが糸を引いて垂れる。
 だがそんなことでは、厚着した上から痒いところを掻くようなもどかしさが募るばかり。

 女は再び階段を上り始める。
 汗が肌に浮かび、前髪が額に貼り付く。
 必死に顎を突き出して顔を上向けるのだが、一度出だしたよだれは、顎から胸へと無惨に垂れている。
 全身汗まみれになりながら5階をすぎた。
 フロアの中間のところの踊り場に達したとき、彼女の体内の電動音が急に高くなった。
 同時に、ヴァギナに押し込まれたリモコンバイブが、猛然と暴れ始めた。
 女は踊り場に棒立ちになり、次の瞬間、その場に崩れ折れて横座りに座り込んだ。
 ピンヒールのミュールが脱げて転がる。
 女はよだれを垂らすまいと必死に顔を上げた。
 その目に、屋上に立つ男の姿が映った。
 男が女に向かって呼びかける。
「屋上の向こうの端で待ってるからね。あっちからだとリモコンが効かないから」
 そう言い捨てて男の姿は向こうに消えた。

 30分後、男が戻ってくるまでの間に、女は数えられないほど達してしまい、踊り場に汗とよだれと愛液で水たまりを作ってしまっていた。
 だが、それだけではもちろん許してもらえなかった。
 屋上の隅の小屋で中世の女囚のごとく責め立てられ続けた女が、ようやく解放されたのは翌日の日が高くなる頃だった。
 もちろん、再び亀甲に縄掛けされて股縄を食い込まされた上に、ワンピースだけ着せられて家まで帰らされたのであった。

妹「は、はじめまして……これからよろしく……」

幼馴染(以下:幼)「なぁ」
男「ん?どうしたんだ?ここ2年の階だけど」
幼「いいんだよ、お前に用があるんだから」
男「そか、で、一体何?」
幼「ここじゃ話しにくいんだ、今日帰りヒマか?」
男「その予定だけど」
幼「じゃあ、久しぶりに一緒に帰ろうぜ。その時に話すよ」
男「わかった………なんだよ一体……」

男「で、話ってなんだよ」
幼「せっかちだな、そんなに急ぐなって」
男「そりゃお前がいきなり改まって話があるとか言うからだろ」
幼「そりゃあそうなんだけどさ」
男「話にくいことなのか?」
幼「うん、かなり」
男「ふーん……じゃあ無理に急いで話しなくていいんじゃねーの?」
幼「そういうわけにもいかないんだよ。タイムリミットがある」
男「いつ?」
幼「ひと月ってところかな」
男「よくわかんねぇけど、じゃあ話したくなったら言えよな」
幼「うん……」

幼「もし、だぜ?妹ができたら……なんてこと、考えたことあるか?」
男「はぁ?ねぇよそんなの。大体お前だって知ってるだろ、もうお袋いねーの」
幼「だから!仮定の話だよ!」
男「妹、ねぇ……別に欲しいと思ったことねーからな」
幼「そうなのか?」
男「でもまぁ、今から妹ができるってなら可愛い子なんだろうな。赤ん坊の世話とか好きだぜ」
幼「そ、そうじゃなくって、もっとこう、同い年とか、いっこしたとか」
男「はぁ……?(プッ)くっくっく……そんなことあるわけねーだろ」
幼「……何にも聞いてないのか」
男「は?なんだって?」
幼「そんなこと、あるかもしれないぜ?」
男「……どういうこと?」
幼「うちの母親が、お前の親父と再婚するって話」
男「………はぁっ!!!?」
幼「やっぱ聞いてなかったみたいだな」
男「き、聞いてねーよ!?なんだそれ!!初耳だぞ!っていうかふざけんな!!」
幼「ふざけてなんかいねーよ……オレだって聞いたときは冗談じゃねーと思った」
男「ぎゃ、ギャグじゃないのか………?」
幼「ねーよ。帰ってお前の親父に確認してみろ」
男「………マジで?」
幼「うん」
男「お前が…?俺の、妹……?」
幼「……まぁ、そうなることになるな」
男「………」
幼「はじめまして、これからよろしくな、アニキ」

        翌日

妹「よう、おはよ」
兄「あ、あぁ……お前か」
妹「お前ってなんだお前って、妹だぞ妹」
兄「その話、マジだったんだな」
妹「あぁ、だから言っただろ?」
兄「あんなのすぐに信じられるわけねぇだろ」
妹「でも今は?」
兄「……信じるしかねぇけどさ」
妹「だろ?」
兄「でも何でタイムリミットが1ヶ月なんだ?」
妹「それまでお互いの家族で相談しようってことなんじゃねぇの?そこまでは知るかよ」
兄「なんだかなぁ……」
妹「まぁ、別にお前がオレのアニキになっても楽しそうだけどな……」
兄「お前みたいな可愛げのねぇ妹なんかいらねぇよ」
妹「な、なんだとっ!!?」

妹「そういやさ、最近全然会話してなかったよな」
兄「そうだなぁ。高校はいってからは結構忙しかったしな」
妹「去年はオレも受験で忙しかったからな。ここ結構偏差値たけーし」
兄「無理して私学の進学校なんかにどうして来たんだ?」
妹「来たかったから」
兄「来たかったのか」
妹「あぁ」
兄「もしかして、俺がいるから来たかったとかか?…なんてな」
妹「(バーカ……//////)んなわけねぇだろ」
兄「まぁ、久しぶりだし、しばらく話さなきゃならないな、いろいろと」
妹「オレと話すのイヤなのかよ」
兄「そういうわけじゃねーけどさ」
妹(ホッ……)

妹「んでさ」
兄「ん?」
妹「今日あたりお前の家行っていいか?久しぶりだし」
兄「いいけど、何も変わってねぇぞ?」
妹「んや、なんかウチの家引き払って、しばらく一緒に住むんだってさ」
兄「はぁっ!!!???だから唐突なんだよ何もかも!!!」
妹「オレだって今朝いきなり聞いたんだよ。オレに文句言うなよな」
兄「なんか……」
妹「ん?」
兄「二人揃って親のやることに振り回されてるよな」
妹「あはは、そうかもな」
兄「楽しそうに言うなよな」
妹「だってこんなこと一生あるかないかだぜ?」
兄「全然楽しくねーよ……」
妹「なぁ……」
兄「ん?」
妹「一つ、お願いがあるんだけど……」
兄「なんだよ改まって。また驚愕の事実が増えるわけじゃねーだろうな」
妹「……『お兄ちゃん』って呼んでいいか……?」
兄「………//////」
妹「ダメ、かな、勿論、人がいるときは言わないからさ」
兄「べ、別にいいけど」
妹「ホントか!!」
兄「あぁ、ただし」
妹「ん?」
兄「『オレ』もついでにやめろよな」
妹「えぇ!?なんだよそれ!!」
兄「どうせ妹なら可愛いほうがいいからな」
妹「………わ、…わかった……//////」

妹「おに、お兄ちゃん」
兄「//////」
妹「何で返事しねーんだよ!」
兄「やっぱ無理!なんか気恥ずかしいからやめようぜそれ!」
妹「でも、オレ…私、ずっとそう呼びたいって思ってた…」
兄「……//////」
妹「やっぱダメ?」
兄「…いいけど、とにかくその乱暴な口調も一緒に直せ」
妹「んなこといったって、すぐにうまくできるわけねー…ないじゃん…」
兄「お前見た目は可愛いのに性格と口調で損してるって言ってんだよ」
妹「……え?何?」
兄「なんでもねぇ!!もう行くぞ!!」
妹「なんだよ、さっきのはっきり言えって!!」
兄「だから口調を直せ!!」

妹「お邪魔しまーす」
兄「これから住むんなら、ただいま、だろ」
妹「だからすぐには無理だって……」
兄「どっちにしたって直したほうがいいぞ、口調もな」
妹「なんでそんなに口調に拘るんだよ。オレはオレのほうが性に合ってるんだって」
兄「ハァ……ったく!もう二度と言わないからよく聞けよ!」
妹「な、なんだよ……」
兄「お前その口調さえ直せば今よりずっと可愛いんだって、だから直せ」
妹「かわっ………!!!!??//////」
兄「分かったか」
妹「……ホントに、そう、思うのか?」
兄「あぁ」
妹「じゃ、じゃあ、お前…お兄ちゃんが、そういうなら、そうする……」
兄「//////」
妹「なぁ、口調口調って言うけどさ」
兄「まずその、『なぁ』とかの時点でおかしい」
妹「ぐっ……(口のへらねぇヤツ…)」
兄「やり直し」
妹「ね、ねぇ、口調口調って、言うけどさ」
兄「うん?」
妹「オ…私だけじゃ、不公平だ…よ、だからその……」
兄「言えてない言えてない」
妹「……えっと、私だけじゃ不公平だよ、…お兄ちゃんも、ちゃんと妹に接するみたいにさ」
兄「みたいに…?」
妹「もうちょっと、昔みたいに優しくしてくれてもいいじゃん……」
兄「っっ!!//////」
妹「な…ねぇ、お願いだから」
兄「わ、分かった分かったっ!!」
妹「ほ、ホント?」
兄「あぁ、じゃあこれからは俺も気をつけるよ」
妹「おっしゃ!!!!」
兄「今の、やりなおし」
妹「あっ……」
兄「い、妹……」
妹「……(あっ、オ、オレか!)うん?な、何?」
兄「なんだか、変なことになったけど……」
妹「けど?」
兄「…えーっと、これから、よろしくな」
妹「……//////」
兄「な、なんとか言えって」
妹「う、うる……さいな、これでも頑張ってるん…だよ、えっと……だからその…」
兄「うん」
妹「は、はじめまして……これからよろしく……」
兄「……」
妹「……」
兄妹「///////」

妹「この部屋?」
兄「あぁ、昔は子供部屋に使ってたんだけどな」
妹「カビくっせぇ……」
兄「やり直し」
妹「うっ……す、すごい匂い……」
兄「まぁな、ちょっと換気しないと(ガラッ)ダメだな」
妹「なんかオ…私だけ、すごく話しづらい…」
兄「もう弱音吐くのか?らしくねぇ」
妹「そ、そんなんじゃね……ないけど……」
兄「………(プッ)」
妹「なっ何?」
兄「いや、なんかちゃんとしてるとちゃんと可愛く見えるなって思ってさ」(ナデナデ)
妹「なっ!?なんだよ!!それ!!」
兄「優しくしろって言ったの妹だろー?」(ナデナデ)
妹「うぐっ……」
兄(なんか面白いなコイツ)
兄「そっちは俺の部屋だぞ、知ってるだろ」
妹「いいじゃん、久しぶりに部屋見せてよ」
兄「まぁいいけどさ」
妹「お邪魔しまーっす!」
兄「どんだけ勢いよく入るんだよ…」
妹「なぁんか、全然変わってねぇなー」
兄「そりゃそうだろ。っていうか今のやり直し」
妹「くっ………な、なんか、あんまり変わってないね」
兄「よろしい。で?もうそろそろ日も暮れちまうぜ?」
妹「あ、そのことなんだけどさ」
兄「うん」
妹「私今日この家に泊まる」
兄「はぁ!!!???」

妹「あ、そうだ食べるものなんかあん……何かあるの?」
兄「…まぁ及第点…あるけど」
妹「じゃ、じゃあ、私夕飯作るよ」
兄「え、お前作れるのかよ」
妹「 や り な お し 」
兄「くっ……妹料理できるのか?」
妹「バカにすんなよな、ちゃんと…あっ……バカにしないでよね、ちゃんといつも作ってるんだから」
兄「へぇ?、じゃあお手並み拝見だな」
妹「まかせと…いてよ、驚かしてあげるから」
兄「…しゃべりづらいな」
妹「…うん…」
兄「まぁ、なんとか慣れるよう頑張るしかないな」
妹「や、やめたりはしないの…?」
兄「予想以上にお前が可愛いからやめない」
妹「///////」

妹「じゃんっ!できたよ」
兄「おぉ……残り物だけでよくこれだけ……」
妹「少しは見直した?」
兄「見直した見直した!うまそうだな?」
妹「あ、待てよ、オレも食うんだから!」
兄「やり直し」
妹「ま、待ってよ、私も食べるんだから!」
兄「……」
妹「な、何?じっと見て……」
兄「妹って実は、意外といいお嫁さんになれるんじゃないか?」
妹「褒めてるの?」
兄「モチ」
妹「し、知らないよそんなの!//////」
兄(分かりやすい奴…)
妹「どう?」
兄「うん、うまい。見直した」
妹「ホントか、やった♪」
兄「意外と順応早いのな、お前」
妹「おm……お兄ちゃんこそ、『お前』はやめてよね」
兄「だってずっと『お前』だったしなぁ」
妹「だから私だって頑張ってるじゃん……」
兄「わーったわーった、俺も頑張ればいいんだろ頑張れば」
妹「あ、そのエビフライ!オレんだぞ!!!」
兄「やり直し」
妹「あっ………」
兄(モグモグ……ゴクン)
妹「ず、ずるい!!」
妹「一ヶ月かぁ……」
兄「なんだよ、タイムリミットか?」
妹「うん……短そうで、長そうで、微妙だよね」
兄「そうかぁ?一ヶ月なんてきっとあっという間だぜ?」
妹「だと、ちょっと困る」
兄「何が?」
妹「いや、なんでもない、こっちの話」
兄「?変な奴…」
妹「ねぇ、私これから、できるだけここに泊まるようにしていい?」
兄「…いや、そりゃいいけど、どうせ親は了承済みなんだろ?」
妹「うん………」
兄「なんだよ、お前が何か隠してるのはすぐ分かるぞ」
妹「……今、お母さんと、えっと…お兄ちゃんのお父さん、旅行中だから…」
兄「それが?」
妹「一人は、寂しいから、嫌い………」
兄(ニヤニヤ)
妹「な、何だよその笑い方は……」
兄「いや、俺の知ってる以外にも可愛いところあるんだなと思ってさ」
妹「ま、またそれかよ!なんなんだよ、もう!!」
兄「口調戻ってるぞー」
妹「もうめんどくせぇ!明日から始める!!」
兄「じゃあ今は元通りでいいのか?」
妹「勝手にしろよ」
兄「一応断っておくけど、俺前からお前のこと本当に可愛い奴だと思ってたんだぜ」
妹「……えっ……?」
兄「口調は乱暴だけど、ちゃんといろいろ気遣いのできる奴だってことも知ってるし
  ずっと勿体無いと思ってたんだぜ、顔も可愛いし」
妹「//////バーカ…いきなり何語ってんだ…」
兄「おっぱいも結構あるしな」
妹「っっ!!!!??し、死ね変態クソアニキ!!!!!!」

妹「もういい、これ以上からかわれたらどうにかなりそーだ」
兄「ん?どうした」
妹「うっせー、風呂借りるぞ。覗くなよ!!覗いたら殺すからな!!」
兄「物騒な妹だこと……」
妹「ふんっ……」(ピシャンッ)
兄「さてと、”アイツの部屋”の片付けでもするかな………」

妹「……今までずっと、話さなかったくせに………
  あーーーーー!!もうっ!!クソ!!ちょっとときめいてんじゃねーよオレ!!!
  くそっくそっ!!忘れろ忘れろ!!!!!
  アイツは、アニキになるんだ、これから……だから……ダメなんだこんなの……」

妹「あああああああああああああああああああ!!!!!」
兄「うぇ!?な、なんだぁ?(ドタドタドタ)
  お、おい、妹?どうした?」
妹「ちょっっまっっっ!!!(ガラッ)ひっっっ//////」
兄「あっ………//////」
妹「キャアアアアアアーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
兄「ご、ごご、ごめん!!!」
妹「い、いきなり入ってくる奴があるかよ!?//////」
兄「そ、それはお前が悲鳴なんかあげるからだろ!!」
妹「だからって、だからってお前、お前なぁ!!!!」
兄「わ、悪かったよ…」
妹「わ、待った!!い、行くな!!」
兄「えぇ?なんなんだよだから?」
妹「き、着替え……」
兄「………忘れた、のか」
妹「だ、だって、今朝急に聞かされて…その…」
兄「わ、分かった、とりあえずここにシャツ置いておくから、ちょっと待ってろ」
妹「あ、うん………」

兄(びっくりした……アイツの裸なんてはじめて見た…はじめてだけど、
  昔よりずっと……い、いかんいかん、何考えてるんだ俺は!!
  アイツはこれから妹になるんだぞ!?欲情なんかしたらまずいだろ……!!)
妹「お、おい……服は……?」
兄「うわぁ!!!!シャ、シャツ一枚でうろつくなっ!!」
妹「だ、だってお前がいつまでたっても服持ってこねぇんじゃねぇか!!」
兄「そ、それはそうだけどっ!!!頼むからちょっと待ってくれ!!」
妹「その前に服だって!!っておい、どうしたんだよ!」
兄「いや、ちょっと、下がってくれ…今はその……」
妹「よく聞こえねぇぞ?おいってば!…あっ………//////」
兄「っ……//////」
妹「ご、ごめん……」
妹「ぷっ……はは、ははははは」
兄「わ、笑うなよな!!笑うトコじゃねーぞ!!」
妹「ごめ、でも、あははははは」
兄「くっそ………」
妹「悪い悪い、そりゃ、そうだよなぁ、………ふぅっ」
兄「いきなり昨日の今日で、”妹です”なんて言われたってだな……」
妹「……そうだな、オレもそう思う」
兄「だからこれは、生理現象というか、仕方ないことというか……」
妹「………ぷっ」
兄「だから笑うなってのに!!」
妹「だぁってさ!」
兄「くそ、あんまりからかうとホントに怒るぞ!?」
妹「え………あっ!!」(ドサッ)

妹「…ちょ、ま、おま、ちょっと落ち着けって!」
兄「……(ゴクッ)」
妹「……ほ、本気、なの、か?」
兄「俺はな、いきなり近くでハダカ見せられて、冷静でいられるようなできた人間じゃねぇんだ」
妹「ちょい、タンマ、ストップストップ!笑ったのは、謝るから!お、おいって!!」
兄「………(ちゅっ)」
妹「んんっ!?」
兄「冗談じゃねぇよ……」
妹「……顔、マジだぜ?」
兄「マジだもん」
妹「そっか……ちょっと安心した……」
兄「安心……?」
妹「ホント言うとさ、少し心配だったんだぜ」
兄「何が?」
妹「お前、いつもオレのことガキ扱いするんだもん…
  女として、異性として見てくれてないんじゃないかって心配だった」
兄「そ、そうだっけ…」
妹「そうだよっ!ずっと前から!」
兄「そ、そんなことねぇよ……」
妹「うそつけ!オレがチョコ渡した時だって、中学ん時一緒にプール行ったときだって!」
兄「あ、あれは…その…」
妹「なんだよ」
兄「て、照れくさかったんだよ……今更、お前のこと意識してるなんて……」
妹「…え?……」

兄「ほんっと、冗談じゃねぇよな……いきなり親の都合で兄妹なんてよ……」
妹「おい、ちょっ、さっきなんてった?もう一回!」
兄「いやだね」
妹「んだよ!卑怯だぞお前!!」
兄「卑怯で結構」
妹「っっ!!今の!!!!」
兄「あ?」
妹「今の……ファーストキスだったんだぞ!!!!責任とれよ!!!」
兄「せ、責任ってお前……」
妹「責任もってちゃんと言えよ!わっかんねぇだろ!!」
兄「………(スッ)……服、着ろよ。そのままじゃ風邪引くぞ」
妹「ズル!インチキ!卑怯者!!」
兄「なんと言われようと結構だ」
妹「ずるいよそんなの…………いっつもいっつも…(ぐすっ)」
兄「お、おい……?」
妹「ずるいよ、オレはずっと、お前のこと好きだったのに、
  い、今更になって、言うのおせぇよ………ぐすっ……なんで、もっと早く…言ってくれなかったんだよ
  ずっと、ずっとずっと待ってたんだぞ!!」
兄「お前………」
妹「好きなんだよ!!お前のことが!!」
兄「……お、俺だって………」
妹「…ぐすっ」
兄「も、もう泣くなって……」
妹「……つづき、しろよ」
兄「は?」
妹「さっきのキスの、つづきしろよ」
兄「続きって、何言って…」
妹「まだ!!!」
兄「っっ!!」
妹「まだオレはお前の妹じゃねぇし、お前はオレのアニキじゃねぇだろ!!
  だったら!つづき、しろよ……オレ決めてたんだ、最初なら、お前だって……」
兄「そ、そんなこと…」
妹「このぐらいのワガママ、認めてよ……自分はずっと、ズルしてたくせに……
  このままお前の妹になるなんて、ヤダよ、お願いだから……」
兄「………(ドキドキ)………」

兄「バーカ」
妹「は?」
兄「なぁに必死になってんだよ。このままなんて、するわけねーだろ」
妹「そ、そんなのっ!!」
兄「焦る必要なんかないだろ、タイムリミットは1ヶ月、お前がそういったんじゃねーか
  だったら今日、今ここでじゃなくたって、チャンスは幾らでもあるだろ」
妹「ぇ………え………?」
兄「だからな、服着ろよ。今日はもう、そんな気分にはなれないんだ」
妹「………ぐすっ…」
兄「俺は、このまま勢いに任せてお前を抱きたくない。ちゃんと段階を踏んで、だな……」
妹「じゃ、じゃあっ!!」
兄「ん?」
妹「一ヶ月でいい!!オレと、恋人として付き合ってくれ!!!」
兄「あぁ、いいよ。俺も、お前のこと好きだから…」
妹「………うん//////」
妹「なぁ」
兄「なんだ?まだ何かあるのか?」
妹「オレ、あきらめねーからな」
兄「あぁ?だから今日は…」
妹「今日じゃなくてもいい!!ずっとお前のこと好きだったのに、このままなんてイヤなんだ
  一度だけでもいい。それで納得して見せるから」
兄「まぁ、このまま兄妹だなんて、俺も冗談じゃねぇけどな」
妹「だろ!」
兄「でもさー」
妹「ん?なんだよ」
兄「あのさ、口調はホント直して欲しい。そのほうが、俺もっとお前のこと可愛く思うから」
妹「う、うん!!うん!!!約束する!!すぐじゃなくても、必ず直す!!」

兄「風邪引かないようにしろよ、ただでさえさっきまでシャツ一枚だったんだから」
妹「分かってるよ。だからいつまでもガキ扱いすんなよな!」
兄「っと、そうだったな……じゃ、おやすみ」
妹「兄」
兄「ん?」
妹「ごめん、さっきオレ、わけが分からなくなって、ものすごいかっとなっちゃって…」
兄「気にしてねぇよ。お前が怒鳴ってるのはいつものことじゃん」
妹「そ、そうだっけ//////」
兄「もう、今日は寝ろ。明日も明後日も、会えるんだから」
妹「うん………」
兄「あんまりしおらしいとお前らしくなくて気持ち悪いしな」
妹「な、なんだよそれぇ!?」
兄「ハハ、じゃ、おやすみ」
妹「お、おやすみ……」

兄「おはよう」
妹「お、おはよう…」
兄「よく寝れたか?」
妹「………」
兄「?」
妹「枕が違うと眠れない…」
兄「ははは、それですごいくまになってるのか」
妹「わ、笑うなっ!」
兄「あれ?口調は?」
妹「お、お前だって…」
兄「優しくしてるだろ?口調は、な」
妹「会話の中身がいじわるじゃんか//////」

妹「なんか変なの」
兄「何が?」
妹「人の家からガッコー行くの…今までそんなことなかったからさ
  まぁ、いずれはここがオレん家になるっちゃそうなんだけど……」
兄「朝メシどうする?」
妹「任せ…てよ、ちゃんと作るからさ」
兄「じゃあ期待してる」
妹「うん、任せろ!」
兄(扱いやすい奴…)
兄「まだかよー」
妹「ちょ、ちょっと待てよっ!すぐだからっ!!」
兄「あれ、リボンどうしたんだ?」
妹「あ、あれ?制服と一緒にしといたんだけどな」
兄「なんだ、今日はポニーテールは拝めないのか」
妹「んなこといったって、今から探してたら遅刻しちゃうぜ?」
兄「………」
妹「な、なんだよ……じろじろと……//////」
兄「いや、髪おろしてるのも、これはこれでアリだな」
妹「そ、そうやってすぐからかう!!その悪い癖なんとかしろよ!?」
兄「本当に思ってんのに…」
妹「っ……//////」

妹「あぁ?、憂鬱」
兄「随分浮かない顔してんな」
妹「だって1限から英語なんだもん……」
兄「中学の時からお前英語苦手だよなぁ、テストの点数も……」
妹「うるせぇっ!苦手なものは苦手なんだからしょうがねぇだろ!!
  大体日本人なんだから日本語ができりゃいいんだよ!」
兄「…じゃあ、今日から少し勉強見てやろうか。お前他にも苦手な教科あったろ」
妹「……え?マジで?」
兄「ま、俺成績いいからな、お前と違って」
妹「感じ悪っ!!優しくねぇよそれ、やり直せ!!」
兄「妹の分からないこと、全部教えてやるよ…俺成績いいから」
妹「喋り方だけ優しくしてどうすんだよ!?」

兄「じゃ、また後でな」
妹「あ、おい」
兄「ん?なんだよ」
妹「……コレ」(ずいっ)
兄「…何?プラスチック爆弾か何か?」
妹「弁当だよ、べ・ん・と・う。どこをどう見りゃ爆弾に見えるんだ?」
兄「作ってくれたのか?」
妹「わ、悪いかよ…//////一応妹だし、彼女なんだからな…コレくらいはしたってバチはあたらねーだろ」
兄「……ぷっ……ありがとな、い・も・う・と」(ナデナデ)
妹「っ………//////」
兄「あれ、怒らないの?子供扱いしたのに」
妹「うるっせぇ!!あ、頭、なでるな!!恥ずかしんだよ!!//////」
兄「喜んでるように見えるけどなぁ」

妹「ったく…なんでアイツはいつも…」(ぶつぶつ)
友「妹、おはよー。昔みたいに兄君と仲良くなったんだ?」
妹「み、見てたのっ!?」
友「そりゃぁだってあんた駅からずっとイチャついてたじゃん。邪魔するのも悪いと思って」
妹「あ、いや、それは、えっと、邪魔というかなんというか」
友「あんたいつも分かりやすいよねぇ」
妹「友まで私をからかうっ!!」
友「は?」
妹「へ?」
友「あんた今なんて言った?」
妹「友まで私をからかう…」
友「…あんたが自分のこと『私』って…熱でもあんの……?」
妹「どういう意味だぁっ!!!!!」

妹「なぁ、友」
友「ん?」
妹「どうしたら女らしい喋り方になんのかな」
友「あんたやっぱり熱あるんでしょ?保健室行く?」
妹「だぁーから違うってのにぃ」
友「とはいえ、マジレスするとあんたが自分を『オレ』って言わなくなった時点で
  ものすごい進歩だと思うわけよ」
妹「マジレスってなんだよ」
友「真面目に答えるとってことよ」
妹「それだけじゃなんかさぁ?……」
友「……そんなこと悩まなくても十分だと思うけどなぁ」
妹「そうかぁ?」
友「女らしくなくたって兄君はあんたのこと好きだと思うよ」
妹「そっ!!!?そんなこと誰も言ってない!!!!!」
友「あんたはわかりやすすぎるんだって」
友「じゃあ妹が女らしい口調を自然にできるようになるまで協力してあげるよ」
妹「ホントか!助かるよ」
友「減点1」
妹「へ?」
友「だから、今のは減点」
妹「ちょっ」
友「『ホントか!』はやめて『ホント?』とかにしなさい」
妹(アイツより厳しい教師を選んでしまったような気がする…)
友「黙ってると習得する気がないと判断してさらに減点1」
妹「ちょっ!!減ってく一方なんだけど!!」
友「プラス100点になるまで続くからね」
妹「なんだそれぇ!?」
友「減点1」
兄「あれ、妹、なんでそんな凹んでるんだ?」
妹「な、なんでもない…」
兄「(凹んでるというよりはげっそり、か)なんかあったんか?悩み事?」
妹「なんでもねーってば、ほっとけ」
友「減点1」
妹「うわぁ!?いたぁっ!!!」
友「さらに減点1」
妹「もう助けてーーーー!!!!」(ダッ)
友「ふっふっふっふっふっふっふ逃がさないわよ?」(タッタッタッタ)
兄「……なんだあの遊び……」

妹「い、今何点…?」
友「マイナス61点」
妹「そんなに??もう喋りづらいよ……」
友「しっかりしなさい、自分のためよ」
妹「でもさぁ、ホントに私に女らしい口調なんて、似合うかなぁ…?」
友「それはうん、あんた見た目は綺麗だしちんまり可愛いもの、大丈夫だと思うよ」
妹「だと良いんだけど……道のりは険しい……」
友「こういうのはまず、減点されないような喋り方を考えるといいのよ」
妹「そんなこと言ったって…普段喋りなれた話し方ができないのは辛いよ」
友「当たり前でしょ今日始めたんだから。そんなにすぐにできるようにはならないわよ」
妹「で、でも、1ヶ月以内にマスターしたいの!」
友「大体なんでそんなに急に必死なのよ?」
妹「そ、それは…言いたくない……」
友「ははぁん?」(ニヤニヤ)
妹「その笑い方やめてよね//////」
友「妹、しょげてないでお昼だよ」
妹「そんなの言われなくても分かってるけど…それがどうしたの?」
友「あんたバカねぇ」
妹「バ、バカってなんだよ!?」
友「もうめんどくさいから点数だけ言うね、?85点」
妹「ぐっっ………」
友「『ぐっ…』も減点ね、-86点」
妹「もういいから、それでお昼がなんなの?」
友「お昼ご飯は好きな人と一緒に食事するチャンスなのですよ、おバカな妹君」
妹「……………あっ!!そ、それだ!!」
友「本当に気づいてないとかよっぽどの天然かバカじゃないの?」
妹「ご、ごめんね友、私ちょっと行ってくる!!」
友「乙女らしいのでプラス1点」
妹「ハァ、ハァ、まだ、教室にいるかな……」
兄「もういないんじゃねぇの?」
妹「ひぁっ!?い、いきなり背後に現れないでよ!!」
兄「…………」
妹「な、何?」
兄「なんで今日半日でやたら口調が矯正されてるんだ……?」
妹「え?そ、そう?」
兄「う、うん……妹随分頑張ってるんだな…?」
妹「そ、それはもう、スパルタ教師がつきましたから…」
兄「??」
妹「と、とにかく、まだお昼食べてないんなら、あの、一緒にどうですかっ!」
兄「何故に敬語」
妹「敬語だと減点されにくいから」
兄「?????」
兄「へぇー減点方式ねぇ。そりゃあ随分精神的に堪えたろ?」
妹「堪えた、なんてレベルじゃないよ、もう拷問だね拷問」
兄「でもまぁ、その友達には感謝したほうがいいんじゃないか?だって結果でてるし」
妹「そう思う?今の口調のほうがいいかな?」
兄「うん」
妹(素直に頷かれるとそれはそれで恥ずかしいんだけどな//////)
兄「それよりメシ食べないのか?うまいぞ、妹の弁当」
妹「…………」
兄「な、なんだよじろじろ見て…自分で作った弁当だろ」
妹「なんか…(キョロキョロ)…お兄ちゃんといるほうが話すの随分楽」
兄「ここは誰も来ないぞ、俺一人で食べるからな、いつもここで」
妹「そうなの?じゃあ今度から私も来ていい?」
兄「//////」
妹「ちょっと?」
兄「あ、あぁ、モチロン全然構わないよ」
妹「♪」
妹「お昼の後っていつも何してるの?」
兄「そうだなぁ、大抵の場合は友達と体育館でバスケとか、使えない日は教室だな」
妹「ふーん……」
兄「そういう妹はどうしてるんだよ」
妹「うん、いつもは委員会の皆と一緒に食べるから、その後もそのまま委員会の部屋にいるかな」
兄「どうりで見かけないわけだ」
妹「あ、実は私のこと探したりとかしてたんだ?」
兄「してねーよ」
妹「なぁんだ…ちょっと期待したのにな」
兄「お前さ」
妹「ん?」
兄「短期間で随分可愛くなったな?」(ナデナデ)
妹「あ、頭なでんなっての!!!//////」
兄「素になると元に戻るのな」
妹「じゃあ、私も教室戻るね」
兄「おう、弁当美味しかった、ありがとな」
妹「………//////」
兄「頭もっとなでてやろうか?」
妹「は、恥ずかしいからいい…」
兄「そうか、じゃあな」
妹「あ、うん………」
友「ダメダメー、今のはもっと押してかなきゃ」
妹「うわっ!!い、いたの!?」
友「-88点」
妹「い、一点余計に減ってない………?」
友「さっき『頭なでんなっての』で減点」
妹「盗み聞きしないでよ!!!!??」

妹「うー……もうどうしたいのか自分でもよく分からなくなってきた…」
友「なんで?結構好評だったみたいじゃん、あんたの弁当も口調も」
妹「それはそうなんだけど……」
友「点数のこと?確かに既に-91点は結構なペースだけど」
妹「それは忘れさせてください……」
友「じゃあ何が不満なのよ?」
妹「優しくなってくれたのはさ、そりゃ、嬉しいんだけどね」
友「……つまりその程度では満足できないと」
妹「わざわざ口に出して言わないでよ恥ずかしいなもう……」
友「だってそうなんでしょ?」
妹「うん……昔みたいに優しい、じゃぁ、昔に戻っただけじゃん……そうじゃなくって……」
友「だからもっと押してけって言ったのにぃ、帰り一緒に帰ろうって誘ってみれば?」
妹「………そ、それだ!!」
友「…あんたってホント面白いよね」

妹「あ、兄」
兄「ん?…なんだよこんなところで待ってたのか?」
妹「あー、うん、いや!?」
兄「どっちだよ」
妹「こ、こんなところで会うなんて偶然だね!?」
兄「2年のゲタ箱じゃん」
妹「ちょうどいいし一緒に帰らない?」
兄「変な奴」
妹「………友のウソツキ…」
兄「待ってるならメールでもすりゃいいのに、そしたらこんなに余計に待たなくて済んだんだぜ」
妹「あっ…えっ?………//////」
兄「おい、何ぼーっと突っ立てるんだ?帰るのか帰らないのか、はっきりしろよ」
妹「か、かえるっ!!」
兄「早くしないと置いてくぞ?」
妹「ば、バカちょっと待てよ!!今行くってば!!」

兄「昔はよくこうやって頭撫でてたよな、そういえば」(なでなで)
妹「うん」
兄「今は撫でても怒らないのか?」
妹「恥ずかしいだけで、撫でられるのは嫌いじゃない//////」
兄「なるほどね」
妹「だから、二人のときは平気」
兄「それじゃあ逆におもしろくねぇな」
妹「面白がって撫でてるのかよ!?」
兄「だって妹撫でるとすぐ照れて赤くなるだろ、見てて面白いんだよ」
妹「お前な、人をおもちゃみたいに扱うなよな!」
兄「はは、友人の採点から開放されたら途端に口調戻ったな?」
妹「あ………」
兄「そのほうがいつもの妹らしいけどな」
妹「ヤダ、ちゃんと気をつける」
兄「そんなにムキになんなくてもいいだろ?」
妹「だって、………その方が頭撫でる回数多かったもん……」
妹「そうだ、兄…一度私の家に行って着替えとか荷物とりに行かないと」
兄「あぁ、そうだな、また”あの格好”されても目のやり場に困るからな」
妹「ついでに夕飯も考えておかないとなぁ…」
兄「なんか忙しいな」
妹「親の都合でね」
兄「…まぁでも、なんだろうな…」
妹「…?なんだよ」
兄「うん」(きゅっ)
妹「っ//////」
兄「妹とこんな風に手を繋いで歩けるようになったのは、少し感謝かな」
妹「……まぁ、ね」

兄「お前の部屋随分女らしく…は、なった、かな?うん…」
妹「勝手に部屋まで入ってくるなよな!?大体なんだよその曖昧な反応は!!」
兄「いやぁ、だって、女の子の部屋って言うとなんかこう目の前の景色とは違う気がして」
妹「悪かったな女らしくなくて!!」
兄「口調口調」
妹「っっ!!」
兄「あ、このぬいぐるみ、懐かしいな」
妹「あ?あぁ、もらったのもう5年も前だっけ」
兄「昔の俺じゃこんなものくらいしか、手に入らなかったしな」
妹「あんまり触るなよな…大事なオレの宝物なんだから……」
兄「………」
妹「………なんだよ」
兄「また可愛いところ見つけたと思って」
妹「もう出てけ!!今日はもうからかいすぎ!!」

兄「荷物多いな…大丈夫か?持つぜ?」
妹「そうしてくれると大分助かる…さすがに重い」
兄「一旦帰って原チャ持ってきたほうがよかったかもな…よいしょっ」
妹「原チャなんか乗ってるの?」
兄「あぁ、高1ん時に免許とって…バイトの時とか足があると楽だからな」
妹「そういえばバイトしてるんだっけ」
兄「まぁそんなにいっぱい入ってるわけじゃないけど、自分の自由にできる金が欲しくてな」
妹「なんだかさ」
兄「ん?」
妹「知ってるようで、結構知らないことのほうが多いんだね…幼馴染って…」
兄「そりゃあ、家族しか知らないことだって、本人しか知らないことだっていろいろあんだろ」
妹「うん…………ちょっと思い知ったかも……」
兄「………これから知ってけばいいじゃん、そんなの」
妹「だな」
妹「ただいま」
兄「ただいまー、お、重かった……」
妹「ごめんね、きつかった?」
兄「この程度なんともない!!」
妹「いや、今間違いなく『重かった』って言ってたけど…」
兄「あぁ重かった!!何が入ってるんだ!!」
妹「へ、変なもんなんか入ってねーぞ!服と身の回りのものと勉強道具しか入れてねーもん!」
兄「勉強道具とか入れるなよクソ重たいだろうが!!」
妹「入れるだろ普通!?」
兄「とにかくくたびれた…汗が気持ちわりぃ…」
妹「もう私一人で運べるし、シャワーでも浴びれば?」
兄「そうする……」
妹「あ、そうだ、夕飯はどうする?何か食べたいものとか」
兄「あー……妹の作るものだったらなんでも美味しく食べれる自信があるぞ。何せ空腹疲労はピークだ」
妹「それ、美味しくないって遠まわしに言ってるよね…」

兄「で、今日の夕飯は?」
妹(ムスッ…)
兄「なんで機嫌損ねてるんだよ?」
妹「別に」
兄「お、今日はまた随分家庭的だな、肉じゃがまで作れるのか」
妹「肉じゃがなんて普通に作れるよ……」
兄「………」
妹「………」
兄(もぐもぐ)「うん、うまい」
妹「………」
兄「気のせいか少し表情が和らいだな?」
妹「ひ、人の顔をじっくり観察するなっ!!//////」
兄「………美味しい夕飯作ってくれてありがとうな?」(なでなで)
妹「うっ……ひ、卑怯だ……」
兄(可愛い奴)

兄「夕飯終わったら勉強見てやるよ」
妹「ほ、ホント?」
兄「朝言っただろ」
妹「うんっ!あ………で、でも、その前にお風呂はいりたい」
兄「じゃあ俺は少しくつろいでるかな」
妹「今度は着替えもあるから悲鳴なんてあげないよ」
兄「毎日あげられても困る」
妹「そりゃそうだ」
兄「………」
妹「………?」
兄「しかし俺が覗かないとも言い切れない」
妹「覗いたら殺す」
兄「物騒な妹だこと…」

妹「お待たせ」
兄「おう…先にちょっと見てたけど」
妹「勉強教えてもらうなんていつ以来だろ…?」
兄「さぁな。中学校のとき何度かあったと思うけど」
妹「よろしくね、お兄ちゃん」
兄「//////何にもでねーぞ」
妹「鼻血が出てるよ」

兄「だからここは、Thatで切るんじゃなくてここから…ここまでが一つの文ってこと」
妹「うん//////」
兄「つまりここの文の意味は、こうじゃなくって」
妹「うん//////」
兄「おい」
妹「な、なに?」
兄「嬉しい気持ちは十分すぎるほど伝わったから勉強に集中しろよ、教えてる意味ねぇだろ」
妹「だって嬉しいんだもん…」
兄「隣に座られると集中できないのか!じゃあこうか!?」
妹「うぁっ!!ちょっ!?」
兄「それともこうか!?」
妹「ど、どれでも、いいよ?//////」
兄「興奮しすぎだろ!!!??」
妹「解けた」
兄「見せてみろ…」
妹「どれぐらい?」
兄「12問中5問正解」
妹「………」
兄「凹みすぎだろ…」
妹「もー英語なんて嫌いだ……」
兄「単語の意味はちゃんとできてたじゃん、あとは文法とか読み方さえ分かれば大丈夫だろ」
妹「長文読解なんて滅んでしまえばいい……」
兄「意味がわからんぞ意味が」
妹「だって文の意味とか解釈の仕方でいっぱいあるじゃん!数式なんかよりよっぽど分かりづらいよ」
兄「じゃあこの文の意味は?」
妹「わ、私は、兄のことが好きです」
兄「不正解」

兄「お前典型的な瞬発力型なんだな」
妹「瞬発力型?なにそれ」
兄「集中力が持続しないってことだよ」
妹「そんなことないもん、自分の興味あることならちゃんと集中できるよ」
兄「興味あることって例えば何だよ…」
妹「お兄ちゃんのこととか…」
兄「勉強の話だ勉強の」
妹「……ほ、ほけんたいいく?」
兄「恥ずかしがるくらいならそういういらんボケはやめなさい」
妹「いてっ」
妹「………」(きゅっ)
兄「…手なんか握っても問題は解けないぞ。自分で解けるまで答え教えないからな」
妹「………」(ぎゅーー)
兄「おい……」
妹「もうむり」
兄「それ以上傾けると、(ドサッ)転ぶわけだが」
妹「………兄………」(のしっ)
兄「…昨日の続き、か?」
妹「うん……」
兄「まだ全然勉強進んでないじゃんかよ」
妹「兄のせいだもん……胸がドキドキして止まらなくて、勉強なんて、してられない」
兄「…ったく……そういう殺し文句だけはどこからか学んで来るのな」
妹「正直に言っただけ」
兄「まさかお前に襲われるとはな…」
妹「自分からこんなことするなんて自分でも思ってなかったよ」
兄「そのワリには手際がいいけどな」
妹「またそうやってズルする」
兄「ズル?なんのこと?」
妹「分かっててずっと知らんぷりしてたくせに…」
兄「さぁ、どうだろうな」
妹「兄みたいなのを、確信犯って言うんだよね…」
兄「そうかもね」
妹「まだ逃げるの?」
兄「逃げる?」
妹「私の気持ちを受け止めきれる自信がないから?だから逃げるの?
  それとも失敗しても後で逃げ道を用意しておくため?」
兄「……さぁてね」
妹「こんだけ迫っても、顔色一つ変えないんだね…ホントにずるいよ……」

兄「いくつか勘違いしてるみたいだな?」
妹「何が」
兄「別に俺だって、いつまでも、よっ」
妹「ふわっ!?」(ドサッ)
兄「逃げてるわけじゃないんだ」
妹「うそつき。私の気持ちから逃げたくせに!」
兄「それからもう一つ、俺は感情が表に出ないだけで…」
妹「っっ!!!!」
兄「今はこれ以上ないくらいに、興奮してるんだよ」
妹「……おにぃちゃっ……」
兄「あと最後に一つ」
妹「………//////」
兄「俺はどちらかというと襲われるより襲うほうが、好きなんだ。特にお前の場合はな」
妹「……ホントにずるい……」(ちゅっ)
兄「さて、どうしてやろうかな」
妹「え……な、なに?何が?」
兄「自分からお兄ちゃんを襲っちゃうようないけない子には、お仕置きが必要だろ?」
妹「……お仕置きって……」
兄「少し恥ずかしい思いさせようか?」
妹「はずか……?……っっっ!!!//////」
兄「どうした?」
妹「や、だ、そんなに、見ないで……//////」
兄「見ないで?さっき自分から襲い掛かってきた奴のセリフか?」
妹「だって、それは、兄が、」
兄「じゃあやめておくか?怖くなったろ?」
妹「………ハァ………っ………」
兄「…………」
妹「怖くなんか、ない、もん……」
兄「やれやれ……」
妹「兄は、こんな妹、けいべつする…?」
兄「いいや、軽蔑だとか、キライだとか、そんなチャチなもんじゃないよ」
妹「………?………」
兄「俺はお前のこと大好きだ、大好きで、大好きすぎて、だからついいじめたくなるんだよ……
  ほら、もう隠しても見えてるぜ。お前の胸………」
妹「やぁ、い、言わないでいい、そんなの……」
兄「手、邪魔だぜ。どかせよ」
妹「っっ……………////////」
兄「(くすっ)………綺麗だな、妹のおっぱい……誰の手も触れてない」
妹「らって、はじめて、だもん……」
兄「自分で触っていじったことも?」
妹「そんなの、ない、よぉ……」
兄「じゃあ、これ触ったらどうなるのかも、知らないんだな」
妹「………さわる、の……?」
兄「触るよ。それ以上のこともする」
妹「……うん……」

妹「はぅっ……ん……なに、なんかへん……」
兄「どうした?まだ少し触っただけだぞ」
妹「……わ、かんないよぉ……」
兄「分かるまでもっとやってやろうか」
妹「んっ………おにぃ、ちゃんっ………」
兄「顔を隠すな。お前の可愛い顔が見れないだろ」
妹「いやぁ、恥ずかしいから、これ以上、みな…いで…」
兄「イヤだね」(ぐいっ)
妹「っっ//////」
兄「肌、すごく白いんだな、それにすべすべしてる」
妹「うぅ……てつき、やらしぃ……」
兄「でも俺に、こういうことされたかったんだろ?」
妹「わかんない、もぅわかんない//////」
兄「まぁ、イヤって言っても、もうやめないけどな」
兄「腰浮かせよ、下も脱がすぞ」
妹「……うん……」
兄「急に素直になったな?胸触られて感じたのか?」
妹「もう、あたまのなか、ぐちゃぐちゃで、なにも、わかんない」
兄「じゃあ俺が好きなようにいじって遊んでやるよ。こことか」
妹「ひぁっ!!」
兄「こことか…」
妹「んんっ……」
兄「何も喋れなくなっちゃったか?」
妹「ハァッ……ハァッ……」
兄「…これで、お前は、もう丸裸だ」
妹「……み、みらいでぇ……」
兄「隠すな。俺に全部見せろ。でないと、ここでやめるぞ」
妹「やら、やらぁ……」
兄「じゃあどうすればいいか、分かるな?」
妹「………//////」

兄「……ここも、自分で弄ったりしてないのか?」
妹「それ…はぁ……うあっっ!?」
兄「正直に言えよ。怒ったりキライになったりしないから」
妹「………」
兄「言えないのか?オナニーしたことくらいあるんだろ?」
妹「そんなの、いえるわけない…//////」
兄「やれやれ……」(ちゅぷっ)
妹「――――!!!!!」
兄「分かるか?指が、先っぽだけ入ってるの」
妹「……ひぐっ………」
兄「もっと深く入る」
妹「…っったい、いたいっ!!」
兄「そりゃそうだろ、処女だもんな…」
妹「いひゃぁ、こんなの、」
兄「でも、指なんかより、もっと痛いぜ……コレはな」

妹「これ…これ……が……」
兄「あぁ、これが男のモノだ。見たことなくても知ってはいるだろ?」
妹「う、うん………」
兄「さっきの何倍も痛いぜ?」
妹「う…ん………」
兄「ほら、股開けよ…」
妹「も、もう挿れるの……?」
兄「いいや」
妹「??」
兄「コレを、お前のここに」
妹「ふぁっ!!!!!」
兄「こすりつけていじめる」
妹「うあぁ、ああああああ、あぁああああぁ、」
兄「どうだ?気持ちよくなってきたか?」
妹「らめ、これ、らめ、おかひく、なるっっ!!」
兄「なっちゃえよ。見ててやるから」
妹「いひゃぁ、みらいれ、みらいれぇぇ、ふぁあっ、はぁ、ああああああああああああああ」
兄「クリトリスにこすり付けられてイっちゃったのか?本当にオナニーもしたことなかったのか」
妹「みちゃらめって、いったのにぃぃ……」
兄「見ろよお前のえっちな汁で汚れちまった」
妹「そんなの、わらしのせいじゃ、ないもん//////」
兄「どうする?もうやめておくか?幸いお前はイけたみたいだからな、
  ここでやめてもいいぜ。お前次第だ」
妹「え?」
兄「どうしたいのか、自分で言ってみな」
妹「また、そうやって、ズルする…」
兄「そうか?でも俺は本当にやめたって構わないんだぜ?
  男の俺には処女を失うってのがどんな痛みなのか、全く分からないしな」
妹「でも、お兄ちゃんは、全然まだ、か、感じてないんでしょ…」
兄「まぁな」
妹「だったら、最後までして!私のことはいいから、お願い!」
兄「…わかった…」
兄「まずお前ので汚れたコレを、舐めて綺麗にしてくれよ」
妹「な、めて…?」
兄「あぁ、口で、舌で舐めて綺麗にするんだ。できるよな?」
妹「う、うん……やったことないけど、頑張る」
兄「いい子だ……」
妹「こ、こう?……んっ……ちゅるっ……んむっっ……」
兄「そうだ、口に咥えるだけじゃない、舌を使って裏のほうまで綺麗に舐めとるんだ」
妹「うん……」
兄「よし、上手だな……綺麗に舐めとったら、今度はコレをつけるんだ」
妹「これ……な、なに?」
兄「避妊具、ゴム、まぁコンドームだな」
妹「えっと、つ、つけ方なんか知らないよ……」
兄「教えてやる。まず袋から出して」
妹「……風船みたい……それで…?」
兄「そしたらそのちっちゃく出っ張ってるトコに、空気が入らないように気をつけて、コレに当てるんだ」
妹「え、えっと、うん、はい」
兄「そしたら下まで一気に」
妹「できたっ!……かな?これでいいの?」
兄「よし、いい子だ…じゃあ御褒美やるからな」

妹(ドキドキ)
兄「あんまり緊張して体硬くするなよ、余計痛いぞ」
妹「そんなこと言ったって、怖いものは怖い……」
兄「とにかく力抜きな、痛がらせたいわけじゃないからな」
妹「……変なときだけ、優しくなる…」
兄「こういうときぐらいはな、行くぞ」
妹「う、うん……」
兄「っっ!!」
妹「いっっっっ!!!!あっっっっ!!!!―――!!!」
兄「……全部お前の中に、入ったぞ……大丈夫か?」
妹「だいじょうぶに、みえる?」
兄「全然見えない」
妹「こんなに痛いなんて、聞いてないよ……」
兄「だから、どんだけ痛いか俺は知らないって言ったろうが……」
妹「ぐすっ……うぇっ……」
兄「泣くなよ…」

兄「バカだな…だから止めようって言ったのに…」(なでなで)
妹「だって……だって……」
兄「しばらくは、動かないでいてやるから…」
妹「うん………でも、いいの」
兄「あぁ?」
妹「気にしなくて、いいから……このまま、続けていいよ……」
兄「痛いんだろ?」
妹「私だけ気持ちよくなっちゃ、ズルいもん…お兄ちゃんも気持ちよくなって欲しい…
  私の中で、気持ちよくなってくれるなら、それだけで、嬉しいから……」
兄「………ほんと、バカだなお前は」
妹「なんでさぁ……」
兄「これじゃ俺が悪者じゃねぇかよ…ったく…本当に、いいんだな?」
妹「いいよ…最後まで……」
兄「…動くぞ……」
兄「はぁ、はぁっ…はぁっ……」
妹「ひぐっ……んっ……んんっ……」
兄「おい、大丈夫か?」
妹「きにしなくていいってば、いたいの、がまんしてるから、はや、くっ…」
兄「うん……」
妹「きもちいいの?おにいちゃん…」
兄「あぁ、いいよ。お前の中、すごく気持ちいい」
妹「うん、…うん、…嬉しい……」
兄「くっ………」
妹「なんか、もう、あたまがしびれて、だめだ……」
兄「妹……?少しずつ、感じてきてるのか?」
妹「わかんらい……もう、しゃべれない……」
兄「お、俺、もう、そろそろっっ」
妹「うんっ…このまま、さい、ご、までっ」
兄「うぁああああっ!!!!」

妹「………」
兄「………」
妹「………熱した棒を無理やり出し入れされたみたい」
兄「わざわざ言うなそんなこと」
妹「まだ中に入ってるみたいで、なんか気持ち悪いっていうか……」
兄「俺のせいじゃないからな。お前が襲ってきて、お前がしたいって言ったんだぞ」
妹「別に責めてなんかないよ。ただ思ったこと言っただけ」
兄「……痛かったろ、ごめんな」
妹「いいよそんなの……ちょっと嬉しかったもん……」
兄「してるのが?」
妹「そうじゃなくって、あのときだけは、兄の頭の中は、私だけだっただろ」
兄「//////何変なこと言ってんだバーカ」
妹「照れてる」
兄「照れてない」
妹「顔赤いの可愛いんだな、兄」
兄「うるせ」

兄「……うわっ」
妹「なにそれ、朝から人の顔見るなり『うわっ』はないんじゃない?」
兄「い、いや、ゴメン…しかし妹」
妹「何?」
兄「昨日も思ったけど、随分女らしくなったよな……」
妹「いきなり何言ってるんだか…//////もう朝ごはんできてるよ、何度も呼んだのに起きないお兄ちゃんが悪いんだからね」
兄「かわしかたも上手になったもんだ」
妹「そりゃ、あれだけからかわれてたらね……」
兄「…逆につまらねーな……」
妹「だからっ!私で遊ぶの禁止!!」
兄「つまんねーの」
兄「喋るの、辛くなくなったのか?」
妹「うん、なんだかいつの間にかね…自分でも不思議だけど、なんだか慣れちゃったみたい」
兄「随分頑張ってたもんな」
妹「…、で?」
兄「で?って何だよ」
妹「前の私と比べてどう?ってこと」
兄「あぁ……うん、なんだか今になってみると前の喋り方も結構よかったかもな」
妹「今更そんなこと言われても、もう戻せって言ったってそう簡単に戻らないからね」
兄「戻さなくっていいけどさ、似合ってるし」
妹「似合ってると言われればそりゃ、悪い気はしないけど……」
兄「でもなー」
妹「ん?」
兄「ポニーテールをやめることはなかったんじゃないか?」
妹「ぇ」
兄「…俺ポニー好きなのに」
妹「ちょ、ちょっとリボン買って来る」
兄「冗談だよ」

友「妹ーおはよー」
妹「うん、おはよ」
友「随分自然になったねぇ、もうマイナスつけられなくて悲しいわ」
妹「たまに思うんだけど友って兄と属性同じだよね…」
友「属性って?」
妹「S属性が…」
友「あらあら、この子ったらいつの間にそんな高等言語を学んだのかしら…」
妹「バカにしてるでしょ…」
友「でも違うよ、そうじゃなくってあんたがMなだけ」
妹「なんでそうなるのよ!?」

妹「ふぇー……」
友「なんなのよその緊張感のないだらけた表情は」
妹「い、いや、別に何でもないけど」
友「さては兄君と何かあったね」
妹「ギクッ」
友「何があったのか言ってみたまえ」
妹「こ、コレばっかりは拒否権を」
友「まぁ、大体分かるけど」
妹「う、嘘でしょ?嘘だよね!!?ねぇ!!」
友「さぞ幸せだったでしょうに……」
妹「わぁ????!!い、言わないでよ!!ぜっっったい言わないでよ!!!!」
友「言わないけどいじるのはやめない」
妹「やっぱりS属性だ…」
兄「妹?」
友「お、愛しの彼の登場ですな」
妹「や、やめてよ、もう」
友「幸せ者?羨ましいなぁ」
妹「もうあっち行ってて//////」
兄「妹」
妹「あっう、うん……何?」
兄「今日の帰りにちょっと寄りたいところあるんだけど、大丈夫か?」
妹「あ、うん、大丈夫だよ」
兄「じゃあ、また帰りにな」
妹「うん……ってそんなことメールで言えばいいのに」
友「顔を見て話したいという男心を理解できないとは…まだまだね」
妹「またすぐそうやって背後に現れるっ!!」
友「人を幽霊みたいに言わないでよね失敬な」

兄「んー…っと……」
妹「また参考書?もう凄い量になってない?」
兄「必要なら貸してやろうか?もう使わなくなったのもあるし」
妹「(ペラペラ…)い、いい…やめとく…」
兄「お前も漫画ばっかり読んでないで勉強したら?」
妹「そ、それは関係ないでしょ…」
兄「成績のことで親に怒られても責任もたないからな」
妹「そのときは、またお兄ちゃんに教えてもらうからいいもん」
兄「えぇ、だってお前まともに勉強しようともしなかったじゃん…」
妹「あ、あれはこの前だけだってば!!//////」

妹「……ねぇ、そういえばずっと聞きたかったんだけど」
兄「なんだ?また英語?」
妹「そうじゃなくってさ」
兄「じゃあ何」
妹「お兄ちゃん童貞じゃなかったんだね」
兄「ぶっ!!」
妹「前に誰かとしたこと、あったんだ?」
兄「……黙秘します」
妹「なんかすっごい悔しいんだけど……」
兄「なんでだよ!?どうでもいいだろそんなこと!」
妹「よくないっ!!相手は誰!?私の知ってる人!?」
兄「わーわー!!聞こえないっ!!」
妹「また逃げる!!卑怯者!!」
兄「わーわー!!」
兄「いてて…本気で怒るなよな」
妹「じゃあなんで隠すの?やましいことがないなら言えばいいじゃん!」
兄「うるっさいな……言いたくないことの一つや二つお前だってあるだろが」
妹「ぐっ……(口の減らない奴…)」
兄「じゃあ、俺がわざわざ教えてやった英語の期末試験の点数は?」
妹「そ、それは………」
兄「ほーら、どうした、いえないのか」
妹「だって………あんな点数申し訳なくて言えないよ……」
兄「と、いうことなので俺も教えない」
妹「じゃ、じゃあ点数言うから教えて!!」
兄「もう締め切りましたー」
妹「結局教えてくれないんじゃん!!」
兄「………」
妹「………(じーーーーっ)」
兄「まぁだ拗ねてやがる……」
妹「教えてくれるまで機嫌直さないもん……」
兄「教えたらもっと機嫌悪くなるかも知れないのに言うかバカ」
妹「………(じーーーーっ)」
兄「ったく、大体俺だって男だぞ、元カノの一人二人いたって別に罪にはならないだろ!!」
妹「…それは、まぁ……」
兄「納得してないって顔してるぞぉ」
妹「でもやっぱり気になる……」
兄「しつこい奴は嫌いだ」
妹「うぇぇ!?そ、そんなっ」
兄「ふんっ」
妹「ま、待ってよ!ごめん!謝るからっ!!」

妹「結局なんだかうまくまるめこまれた気分」
兄「いいからもう詮索はなしだ」
妹「ちぇーっ……私だけじゃないのか……」
兄「不可抗力だ、大体その頃俺もお前も仲そんなよくなかったし」
妹「私は昔から兄一筋だったっ!!」
兄「お、大声で言うことか恥ずかしい奴だな!!」
妹「私は兄のことがだいだいだいだいだいす―――もがっ!!」
兄「恥ずかしいから言うんじゃねぇっての!!//////」
妹「………」
兄「おい、何『この手は使えるかも』って顔してる」
妹「わかっちゃった?」
兄妹「ただいまー」
兄「ふぃー、今日も暑かった」
妹「わぁっ!!ワイシャツ乱暴に脱ぎ捨てるの禁止!!洗濯するの私なんだから!!」
兄「…なんか前よりどんどん説教じみてきたなお前…」
妹「文句あるなら自分で洗濯してよ!子供じゃないんだから!」
兄「……」
妹「何」
兄「いつの間にか妹っぷりが板についてきたなと思って」
妹「う、嬉しくない!嬉しくないからね!!//////」
兄「嬉しいのか」
妹「ないってば//////」
兄「どう見ても嬉しそうだ」

兄「おはよう」
妹「おはよ♪今日もいい天気だよ、朝ごはん冷める前に食べちゃってね」
兄「お、おう…」
妹「な、何よ人の顔じろじろ見て……恥ずかしいなもぅ…」
兄「いや、はなし方が…」
妹「ぇ?何か変?」
兄「いや、口調は完全に女らしく可愛くなったと思っただけ」
妹「ほ、褒めても何にも出ないからね//////」
兄「嬉しいくせに」
妹「って…ちょっと待って」
兄「ん?」
妹「口調”は”?」
兄「あっ……いや、そういう意味でなく…」
妹「…どうせ性格は生意気なはねっかえりですよ…えぇ、えぇ、そうでしょうそうでしょう…」
兄「す、拗ねるなよ…」

兄「なんかワガママ言うみたいだけど、こうなってみると昔の喋り方の妹がちょっと懐かしいな」
妹「今考えるとこの歳になってよく自分を『オレ』で通せてたなーって思う」
兄「ものすごい男らしい口調だったよな、はは」
妹「だよねぇ……力技だけど矯正されてよかったと思うし」
兄「自分でよかったって思うのか?」
妹「ふふん♪こないだも『可愛くなったね』ってクラスの男子に告られたよ」
兄「…はっ!?」
妹「御心配なく、きちんと丁重にお断りしました」
兄「……ホッ…」
妹「ちょっとは嫉妬とかしてくれるんだ?」
兄「うるせぇ//////」
妹「照れない照れない、嬉しいよお兄ちゃん♪」
兄「うるせー!!!!」
兄「前から不思議だったけど妹って料理いつの間に上手になったんだ?」
妹「えぇ?何よ今更……中学校の頃からだよ…」
兄「そうなのか?」
妹「うわ……完全に忘れてるんだ?自分が原因のくせに…」
兄「え?お、俺が原因なのかよ」
妹「ひどー……めちゃめちゃ傷ついたんだよ」
兄「ちょ、ちょっと待て、何の話だいったい…」
妹「調理実習の授業で作った炒め物」
兄「…を、俺が食べたの?」
妹「『ひでぇなコレ一体何の料理だよ、コゲと調味料の味しかしないじゃん、こんなの食べるのイヤだよ』」
兄「お、俺が言ったの?それ」
妹「家に帰ってから大声で泣いた」
兄「………ご、ごめん」
妹「それからね、死に物狂いで上手になって見返してやろうと思ったから」
兄「御見それしました!!ていうかごめんホントごめん」
妹「もういいって(くすっ)」

妹「口調も料理も、お兄ちゃんが思ってる以上に私は”お兄ちゃん”で構成されてるのよね」
兄「他にもなんかあったりするのか?」
妹「あるよ、他にもいっぱい」
兄「なんか責任重大じゃん俺……」
妹「まぁまぁ、料理も口調もよくなって逆に感謝してるんだよ?」
兄「……それはそれで照れる//////」
妹「あはは、顔可愛い」
兄「ほっとけ…」
妹「この腕時計も、”お兄ちゃん”でできてます」
兄「………あ、誕生日プレゼントにあげたやつだな?」
妹「せいか?い。ずっと大事にしてるんだ♪」
兄「なんかホント今日は照れくさい話ばっかだ//////」
妹「それだけ好きってこと」
兄「恥ずかしげもなく言うなよなそんなこと」

妹「なんでよ?、好きなのがいけないっていうの?」
兄「いけなくないけど恥ずかしいからおおっぴらに言わないでくれ」
妹「も?…お兄ちゃんってホントあれだよね」
兄「あれって?」
妹「なんていうんだっけ…ツンデレ?」
兄「だあああ!!うるせぇ!!やめろ!!」
妹「ほらほら、またツンツンしてきた♪」
兄「やーめーろーとー言ってるだろー」
妹「あは、でもまぁデレデレしてる時のほうが優しいから好きだよ」
兄「っっ//////」
妹「あれ?おにぃちゃ?ん?」
兄「うるせぇ!!もう一人で学校行く!!別の電車乗れよな!!」
妹「あっ、ちょっ……ヤダヤダ一緒に行く!!」
兄「ついてくんな!」
妹「…もー…すぐ怒る」
妹「ん」
兄「なんだよその手は…」
妹「手繋いでくれたらやめてあげる」
兄「知るか、バーカ」
妹「……私はーーーー!!お兄ちゃんのことがあーーーー!!」
兄「ぎゃあああああああああああ!!わかった、わかったから!!」
妹「えへへ♪」
兄「お前いつからそんな弄り好きになったんだ……」
妹「お兄ちゃんに似たんじゃないの?」
兄「ぐっ……(口の減らない奴…)」
妹「お兄ちゃん顔まっかだよ?」
兄「誰のせいだ!!」

兄「あっという間だな」
妹「実際そうだったね」
兄「あと一週間か」
妹「……うん……夢みたいだった」
兄「夢?」
妹「一ヶ月なんて、すぐ終わっちゃう…夢なら覚めないでいたほうが幸せなのかも…」(ぎゅっ)
兄「夢なんかじゃねぇよ」
妹「それは、分かってるんだけどさ…」
兄「忘れない。絶対に…」
妹「…私も、忘れない……大好きだよ…お兄ちゃん……」
兄「もし、これが夢なら…」
妹「夢なら…?」
兄「夢を終わらせない魔法を知ってる」
妹「……すごいね、お兄ちゃん魔法使いか…」
兄「……妹」
妹「うん?」
兄「好きだ」
妹「私も…」
兄「親父、大切な話がある」
父「……改まってどうしたんだ一体…今でないと駄目な話なのか」
兄「あぁ」
父「………お前の『大切な話』という言葉を聞くのも2度目か。一度目は進路の話だったかな」
兄「今はそんなことはどうでもいいんだ。話してもいいか?」
父「わかった、聞かせてもらおう」
母「じゃあ、私達は席を外しましょうか、妹」
妹「え?う、うん……お兄ちゃん?」
兄「いや、母さんも妹も一緒に聞いてくれて構わない」
母「……それは……」
兄「まず結論から言うけど…俺は二人の再婚に反対だ」
父「………どういうことだ?」
兄「俺は親父のこともよく知ってるし、母さんも素晴らしい人だってのは分かってるつもりだ、
  それに二人がどんな思いで新しい家族として歩もうとしてるのか、理解はしてるつもりだ
  それを拒んでるんじゃないんだ……」
父「では一体どうしたというんだ…お前は私達の旅行のときも、認めてくれていたじゃないか…」
兄「俺は………」

兄「俺、今まで親父に本気で反抗したことなんかなかったよな……
  ワガママだって言わなかった…
  でもな、これだけは譲れないってものが俺にだってあるんだ」
父「……それが、私達の再婚だというのか…」
兄「俺は、俺は!妹のことが好きなんだ!!兄妹としてじゃなく、一人の女性として好きなんだ!
  ずっと一緒でいたいと思ってる、それは家族としてじゃなく、恋人としてなんだ!
  俺、将来は大学行って、一生懸命勉強して、いつか親父みたいな立派な人間になりたい、
  でもな、そのとき隣で一緒に歩いてるのは、妹じゃなきゃだめなんだ!!」
妹「おにぃ…ちゃ……」
父「お前……」
母「兄君……」
兄「今二人に結婚されたら、俺は一生妹と結婚できない。
  こうして一緒に暮らすことにはなんの抵抗もない、むしろ嬉しいことだと思ってる
  だけど、俺は妹と結婚したい。
  妹と幸せな家庭を築きたい………
  若造の俺がどんなに生意気で恥知らずで、親不孝なこと言ってるかは…わかってるつもりだ…
  でも、これが生涯一度きりのワガママでもいいんだ!!頼む!!親父!!」

父「……お前の気持ちは、よく分かった…だがな……
  すぐに今結論を出すのは無理だ。少し考えさせてくれないか?」
兄「親父………」
父「ふふ、初めてだな、お前にここまで反抗されたのは……」
兄「………」
父「もう部屋に戻りなさい」
兄「わかった………」
妹「お兄ちゃん……」

父「騒がせてしまって済まないね」
母「いいんですよ、男の子はあれくらいでないと」
父「あいつは今までが、大人し過ぎたのかもしれんな…」
母「真剣な顔、すこしあなたに似ていましたよ」
父「まさか、あいつにあそこまで反対されるとは思ってもみなかった」
母「そうですか?私は旅行から帰ってきたとき、あの子達を見たときから、薄々は感じていましたが」
父「……君には適わないな……」
母「だって……妹の兄君を見る目、昔の私みたいでしたもの……ふふっ」
父「それが女性の勘、というやつかい?」
母「いいえ、母親の勘、です」
父「………すまない、私からも君にお願いしてもいいだろうか…再婚の話を、なかったことにしたい」
母「あなたはそれでいいのですか?」
父「こう見えても、親としての心は失っていないつもりだ。
  あいつが生まれて初めて私に反抗し、ワガママを言った
  だったら私は親として、そのワガママを聞いてやるべきなのかもしれないと
  …それが再婚のことだったのは、ショックだがね……」
母「もっと渋るかと思っていました…
  でも、私も、娘が幸せになってくれることを望みます…」

妹「バカ!!!!!!」
兄「いって!!」
妹「なんでいきなりあんなこと話し出したの!?信じらんない、サイテーだよ!!」
兄「妹……」
妹「お母さんがやっと幸せになれると思ったのに!!ずっとずっと辛い思いしてきたお母さんが!!」
兄「……それでも、俺は……」
妹「お母さんが幸せになれるなら、私は少しくらいガマンしなくちゃって!!覚悟できてたのに!!
  ひどいよ!!知らん顔していつもいつも人の心を引っ掻き回して!!こんなのないよ!!」
兄「ごめん…謝る」
妹「ハァ……ハァ……」
兄「でも、再婚に反対なのは譲れない
  あんな形の告白になったのは悪かった。だけど全部事実だ
  俺、お前のことが好きだ。結婚したい」
妹「バカ…いつだって………言うの遅いんだから………ぐすっ……」
兄「今日は、もう、寝よう」
妹「うん………」

母「あら、おはよう……すごいくまね?」
妹「あんな話してぐっすり眠れるわけないよ……パパは?」
母「朝から書斎で」
妹「………どう、なるんだろう……」
母「さぁ、どうなるかしらね……でも、私はどんな結果になったとしても、誰も恨まないわ」
妹「ママ………」
母「兄君は生まれて初めて親に反抗したんでしょ、それってきっとすごい覚悟が必要だったと思うの
  それはあの人にも伝わってる。だから、後は二人を信じなさい」
妹「信じることで、何かが変わるの?」
母「いいえ、でも信じるとね、自然と、どんな結果になっても覚悟ができて、後悔しないものなのよ」
妹「じゃあ私、お兄ちゃんを信じる……」
母「そうしなさい、あなたの好きな人なんだから」
妹「うん!お兄ちゃん起こしてくる!!」

兄「おはよう」
父「おはよう」
兄「………」
父「………」
兄「………親父」
父「結論を急くのは変わっていないな」
兄「ぐっ…………」
父「そんなことだからお前はすぐに大切なことを見落とす、
  それで人一人幸せにできると本気で思っているのか?」
兄「今はそうでも、変わってみせる!」
父「………気持ちは変わらんか」
兄「変わるもんか」
父「一つだけ、言っておく、お前のしたことは、人の人生を変える行為だ。
  お前のせいで、ここにいる全員の人生が狂うことだってあり得た。自覚はしているか」
兄「……うん……」
父「私と母は真剣にお互いを認め合い、再婚の誓いをした」
兄「うん……」
父「息子のせいで破談になることが、どれだけ私を惨めにさせるか、
  どれだけ母を傷つけるか、よく考えることだ」
兄「うん………」
父「だが……」
兄「っ!!」
父「お前の生まれてはじめてのワガママだ。聞いてやるのが、親というものだ」
兄「親父……!!」

父「夕べ母とも話し合った。二人とも納得の上で、再婚の話はなしになった」
兄「……じゃあっ!!!」
母「兄君、娘をよろしくね?」
妹「お母さん……」
父「お前は一人の人間として、私のように妻を不幸にさせることは断じて許さん。わかったな」
兄「…ありがとうございます!!」
父「その代わり」
兄「え?」
父「このまま皆で家族として暮らすのは、許してもらう」
兄「……あぁ、…あぁ!!ありがとう!!親父!!」
母「ふふふ……」
妹「……ドキドキしすぎて腰が抜けた………」

妹「ごめんねママ…ごめんねパパ……じゃなかった兄のお父さん」
父「……今までどおり、家族として暮らすことは何の問題もないわけだから、パパのままで構わんよ」
妹「うんっパパありがとうっ!!」
父「何も出ないけれどね…」
兄「……(鼻血出したいだけなんじゃねぇのか)」

兄「今更ながらめちゃめちゃ眠くなってきた」
妹「結局全然寝てないもんね」
兄「今日の学校はきついな…」
妹「昨夜よりはマシだと思うけどね」
兄「だから悪かったって。うまくいったんだしよかったじゃん」
妹「結果論禁止!」
兄「ちぇっ」
友「おはよー妹!今朝もらぶらぶしてるねぇ!!」
妹「ぃっっいきなり何よ!!??」
友「今日も未来のダンナと何を話していたのだー?」
妹「へ、変なこと言わないでよね!そんなんじゃないから!!」
兄「まぁ付き合ってるのは事実だけどな」
妹「お、お兄ちゃん!?//////」
友「…うわぉ……カマかけたら直撃ですか……」
妹「もぅ、余計なこと言って!!」
兄「だって事実だし」
友「何コレ、私すっごい邪魔者な上にすっごい空気痛いんですけど」
妹「い、今のなし!お兄ちゃんの嘘だから!!気にしないで!!」
友「『お兄ちゃん』て…そういうプレイまで」
妹「あっ………」
兄「やぶヘビ」

兄「そういえばさ」
妹「うん?」
兄「もう兄妹じゃないんだな」
妹「あぁ、そういえばそうだね」
兄「まぁ、なんでもいいか」
妹「なんでもいいの?」
兄「もういろいろ振り回されるのには疲れた」
妹「それってまだ『お兄ちゃん』って呼んでいいってこと?」
兄「さっきみたいに人前では言うなよな恥ずかしいから」
妹「あ、あれは不可抗力というか……//////」
兄「この後お前からかわれるんだな、あの友達に」
妹「う、うぁ……そうだぁ…絶対そうだぁ……」
兄「そう考えたら」
妹「?」
兄「俺も参加したくなった」
妹「バカ!!」

兄「そういえば、これ」
妹「あっなくしてたリボン」
兄「風呂場で見つけた」
妹「えぇ?いつ?」
兄「ついこの前」
妹「いつ落としたんだろ……見つかってよかった」
兄「大事なもんなの?」
妹「うっわ…」
兄「…なんだよその顔……まさか……」
妹「これも、”お兄ちゃん”でできてるんだけど」
兄「もう覚えてないよそんなの…」
妹「まぁ、いいけどさ」
兄「……」
妹「ん?」
兄「やっぱお前には、ポニーテールが似合うな」
妹「……//////」
兄「本当だぜ?」
妹「これくれたときと、同じこと言ってるよ//////」

友「おぉ、今日もまた愛しの彼とお昼を食べに行くのね!?行くのね!?」
妹「とーもぉ?……もうそれは勘弁してよ……//////」
友「じゃあ行かないの?」
妹「い、行くけどさ」
友「あってるんじゃん」
妹「……友なんか怒ってない……?」
友「別に全然全くこれっぽっちも怒ってないよ♪」
妹「……」
友「私より先に彼氏つくったのなんか根に持ってないよ♪
妹「やっぱり怒ってるんじゃない!」
友「怒ってるから腹いせに心いくまでいじらせてね♪」
妹「もう勘弁してぇ…」
兄「相変わらずうまいな、弁当。今日のはいつもよりうまくできてるじゃん」
妹「………あのさ」
兄「ん?何?」
妹「今日のお弁当作ったの、ママなんだ」
兄「………」
妹「………」
兄「いや、これはだな」
妹「ふふ、ふふふ、心なしかいつもより食べるの早いねお兄ちゃん…ふふふふ」
兄「な、何で怒るんだよ!!美味しいんだからいいじゃん」
妹「いつか絶対ママより料理上手になってやるっ!!」

兄「なぁ、もう機嫌直せよ」
妹「ふんだ…」
兄「お前ポニーテールになってから少し性格昔にもどったんじゃねぇの?」
妹「そんなことないもん」
兄「………」(しゅるっ)
妹「あっ何するの?リボン返してよ!」
兄「ちょっと期待したけどやっぱり駄目か」
妹「当たり前でしょ!!何を期待してるかな!!」
兄「まぁ妹はいつもこんなもんか…」
妹「失望した目をこっちに向けないでよね!!」
兄「いや、これはこれでいいんだがなぁ」
妹「//////だが、何?」
兄「いつもおしとやかでいてくれたらどれだけ楽か…」
妹「そんなのヤダ」
兄「なんでだよ」
妹「お兄ちゃんツンデレだから、私くらい押しが強いほうがちょうどいいの」
兄「んなっっ!!?//////知るかそんなの!!」
妹「必殺赤面返し…」

妹「お兄ちゃん」
兄「ん、待った?」
妹「うぅん、今来たとこ」
兄「…帰るか」
妹「うん♪」
兄「くっそー…身体中がゴキゴキ言ってる」
妹「寝不足はつらいよねぇ……」
兄「…今日は勉強やすみな、帰ったらベッドに倒れそうだ」
妹「あ、ワイシャツのままやらないでよ?シワになるんだから」
兄「いいよそんくらい…」
妹「じゃあ寝てる間に勝手に脱がすからいい」
兄「襲うなよ」
妹「……てへっ」
兄「返事は!!返事は!?」
妹「……なかなか楽しそうだなぁ……」
兄「駄目だコイツ…はやくなんとかしないと……」

兄妹「ただいまー」
兄「しんどー…今日ほど疲れた一日もなかった……」
妹「自業自得でしょ」
兄「朝から一日分の体力使い切ったようなもんだったからな…」
妹「…だね…」
兄「……でも、うまく言ってよかった……」
妹「あんなの魔法じゃないからね、認めないよ」
兄「そりゃそうだ。ただの破れかぶれの行き当たりばったりの分の悪い賭けみたいなもんだ」
妹「心臓が破裂しそうだった」
兄「あぁ、俺もな」
妹「うまくいって本当によかった…」
兄「夢、終わんなかっただろ?」
妹「………お兄ちゃん、大好き……」
兄「……あぁ、俺もな」

      おしまい

さて、じゃあそろそろお別れですね

読んでくれてありがとうね
またおれのスレ探してね

私の勝負水着

(よし!これに決まり!
大胆過ぎるカットだけど、これで勝負よ!)
この夏、着る水着を買いに来ていた私は、
思い切って、一着のビキニを手にレジへ向かう。
来週、クラスの仲良しグループで、
海水浴に行くことになったんだけど、
私が密かに憧れている※※君も一緒なの。
この悩殺水着で、ノックアウトさせちゃうつもり。

水着を手にし、家に帰って来た私だが、
ふと不安になってきた。
本当にこの水着で勝負になるのかしら?
自分では、充分だと思ったんだけど、
実際のとこ、どうなんだろう。
今、私は気分がかなり高揚しているから、
客観的に見ることができない。
居間に入ると、弟がテレビを見ていた。
あっ、そうだ!いいこと、思いついた。
弟に、私の水着姿、見てもらって判断してもらおう。

「ただいま、○○。何してんの?」
「あ、お帰り。姉ちゃん。
”相棒”の再放送やってたから見てたんだ。
今、始まったばかりだから、姉ちゃんも見る?」
「そんなの見てないでさ。
5分後に、お姉ちゃんの部屋に来て。
いいモノ見せてあげるから!」
「ちっ、何だよ。
せっかく、テレビ見てんのに。」
「それ、もう前に見たことあるでしょう?
ね。じゃ、5分後にね。ばいばい。」
「ま、待てよ、俺、まだOKなんて、言って・・・。」
弟のことを無視して、私は居間を後にする。

部屋へ戻って、急いでビキニに着替える。
姿見に映った自分を見つめる。
やっぱり、結構スゴイよね、これ。
後ろ向きになると、大胆さも際立つ。
すっごい!こんなに食い込んじゃってる。
それに、ヤダッ。ヘアもはみ出しちゃってるし!
ま、今日のところはいいか。どうせ弟なんだし。
当日は気を付けなくっちゃね。
「姉ちゃん。そろそろ5分経ったけど。
いい?入るよ。」
ドアの向こうで、弟の声がした。
「いいわよ。入ってきて。」
私は、モデル立ちして、弟を待ち受ける。
部屋に入って来た弟が、ビックリしている。
「あ、え?・・・ね、姉ちゃん!?」
弟は目を白黒させ、うろたえている。
「どう?
これ、今年の最新水着よ。
来週、海に行くから、着るつもりなの。
ねえ、○○。感想聞かせてよ。」
「か、感想って・・・。
そ、その・・・。」
弟の目が食い入る様に、私の身体に突き刺さる。
何よ!弟のクセに、その血走った目は!

「実はさ、クラスに好きな男の子が居るんだけど、
その子にアピールしたいんだよね、この水着で。
どう?魅力的かしら?
アタシのこの格好?」
弟が唾を飲み込むのが分かった。
「す、すげえよ、姉ちゃん。
でも、やばすぎくない?
少ししか隠れてないよ。胸のとことか、
その、下の方も・・・。」
弟の声はカラカラに乾ききっている。
「でしょっ。
かなり勇気出して買ったのよ、これ。」
「で、でも姉ちゃん。
何かはみ出てるみたいなんだけど。それマズイんじゃない?」
「バカッ!どこ見てんのよ!
これは、ちゃんとお手入れするわよ!
このまま行くワケないじゃん!」

「そ、それもそうだよね。
でもそんなセクシーな水着だったら、バッチシだよ!
どんな奴だって、イチコロだと思うけど。」
「ウフフッ!
本当にそう思ってるの?○○・・・。」
「もちろんだってば・・・。
その証拠に、ほら、俺、何っていうか、
ヤバイんだけど。」
「何よ?何がヤバイのよ?」
「それが、その・・・。」
弟はモジモジして、前屈みぎみだ。
こいつ、もしかして・・・。
「あ、わかった!
アンタ、ボッキしちゃったんでしょう?
どうなのよ?○○?」
「そ、そうだよ!
だって、姉ちゃんが、そんなにセクシーな水着姿、
見せるからだぜ。しょーがないだろ。」
「フフッ!
じゃあ、この水着で、充分イケてるってコトね!
よしっ!自信ついたわっ!
それじゃ、○○、アリガト。
テレビの続き、見ていいから、居間へ戻って。」

が、弟は、じとーっとした目で私を見て、
そのまま動かない。
「何よ?
もう、いいから、さっさと出て行って!
さ、早く。」
私は、弟の背中を押し、部屋の外へ押し出そうとする。
が、弟は微動だにしない。
「何?何なの!
早く、私の部屋から、出て行ってよ!」
「姉ちゃんこそ、すぐに部屋に来いとか、出てけとか言ったり、
勝手なことばかり言ってんじゃねーよ。
どうしてくれるんだよ、これ。
もう、ガチガチなんだぜ。」
そう言うと、弟は両手を腰に当て、ズンっと突き出した。
Gパンの上からでも、はっきり分かる位、勃起してる。
「止めて!
何すんの?頭おかしくなったんじゃない?」
「よく言うよ!
姉ちゃんこそ、弟の前で、そんなはしたない格好して、
どういうつもりなんだよ!」
「ア、アタシは、ただ、水着姿を見てもらっただけじゃない。」
「そんな、エロい水着、見せられたら、
たまったもんじゃないよ!
なあ、頼むよ。どうにかしてくれよ!」

確かに、水着姿を見てくれ、と頼んだのは私だ。
そのせいで、弟のアソコがボッキしちゃったって、
言うなら、その責任は私にあることになる。
それにしても、弟は一体、どうしたいのか?
どうして欲しいのか?
「わかったわよ。
確かに、アタシも悪かったわ。
で、どうしろって言うのよ。そんなにしちゃって。」
「お、俺、今ここでオナニーしていいかな?」
「はぁっ?」
てっきり、もっと無茶な要求をしてくるに違いない、
と思っていた私は、すっかり拍子抜けした。
「な、いいだろ、姉ちゃん。」
「まぁ、いいわよ。
それくらいだったら。」
「じゃ、姉ちゃん。
そこで、ポーズとっててよ。
ちょっと姉ちゃんのベッド借りるよ。」
弟は私のベッドに腰掛け、Gパンを脱ぎ始めた。
トランクスを突き上げている弟のオチンチン。

「へへっ。何だか、照れるな。
姉ちゃんの前でこんなことするなんて。」
「アンタがしたいって言ったんでしょ。
さっさとやって、終わらせてよね。」
弟はトランクスも脱ぎ、ついに肉棒の全てがさらけ出された。
やだっ!
弟のって、こんなに大きかったっけ?
それにあんなに反り返っちゃってるしっ!
幼いころ見た、弟のかわいいオチンチンの面影はどこにもない。
凶暴で、グロテスクな肉塊と変貌してしまっている。
しかも先っちょからは、何かおツユみたいのが漏れてるじゃないっ!

「ね、姉ちゃん。お、俺もう我慢の限界だ。
すっ、するよッ!オナニー!」
私のベッドに横になり、体をこちら側に向け、
もの凄い勢いで肉棒をこすり始めた弟。
弟の血走った目が、私の体中に突き刺さる。
なんてヤラしい目で見るのかしら。
「姉ちゃん、もうちょっとこっち来てくれないかな?」
「いいけど、触ったりしたら、承知しないからね。」
ベッドに近づき、前屈みになる私。
両腕で、バストを挟み込んでみる。
「どう?これ。興奮しちゃうでしょ?」
「すっ、すっげえよっ!
姉ちゃんのオッパイ、結構あるんだな。」
弟の鼻息が荒くなる。
亀頭の先からは、さらに液体が溢れ出ている。
「はっ、はぁっ。」
弟の手の動きが速くなる。

「っくぁはぁっ!
ね、姉ちゃんっ!
お、俺え、あぁぁあっ!」
「何よ!アンタ、もうイキそうなの?」
「だって!だってぇえ!」
さっさと終わらせてよね、と言ってはいたものの、
あまりにも速すぎる、弟の高まりにちょっと驚いた。
弟は、ピストン運動の速度を更に上げた。
口はだらしなく半開きで、目は白目を剥きつつある。
まさに恍惚状態。
こいつ、イクんだわ。
弟の射精の瞬間を見逃さないよう、私は顔を近づける。

テラテラと赤黒く光っている、弟の亀頭が私の目の前にある。
今にも、噴火しそうな勢いだ。
せっかく、目の前にこんな素敵な身体があるってのに、
私には一指も触れようもせずに、一人、自爆しようとしている。
ただ、自分の肉棒を擦り続けるだけ。
私が触っちゃダメよ、と言ったのをけなげにも守っているのだ。
姉の私の言うことなら、なんでも素直に聞く弟は、昔のままだ。
そんな弟が、いじらしくも思えてきた。
しょーがない。
ちょっとだけ、サービスしてあげようかな?

「ね、○○?
もうイキそう?」
「っくはあっ!
う、うん。俺、もうダメだあ。
気持ちくて、イッちゃいそうだよっ!」
「もうちょっと、ガマンできるんだったら、
お姉ちゃんが、イイコトしてあげるよ。」
「っっぇえ?いいこと?
でも、でも、俺ぇ・・・」
「ほらっ。
いつまでも、自分でこすってないで、
ちょっと、お姉ちゃんに貸してごらん。」
私は、弟の手を振り払って、亀頭をたぐり寄せると、
躊躇無く、弟の肉棒を咥え込んだ。
弟のオチンチンが私のお口の中にあるっ!
何か、ぬらぬらしてるわ。
そして、熱いッッ!
何の前触れも無く、開始された私のフェラチオに、
弟は、何が起こったか分からないかのようだった。
「ッッえぇぇえっ!?
何っ?何・・・何これぇえっ?」
足先をピンと伸ばして、私のフェラ攻撃に耐える弟。
私は、構わずディープスロートを続ける。
思い切り吸い込み、顔を激しく上下させる。

「そ、そんなぁあっ!
俺、駄目だよぉおっ、姉ちゃんッッ!」
弟の肉棒がヒクついてきた。
いよいよ、イクのね。
私は、上目遣いに弟を見やり、軽く頷く。
(○○、イッていいのよ、お姉ちゃんのお口の中で・・・。)
弟は我慢の限界なのか、さらに足をピンっと張り詰め、
エビ反りするかのように腰を浮かばせてきた。
私は弟の腰に手を回し、たぐり寄せる。
それと同時に、ここぞとばかりのバキュームフェラッ!
「む、むがぁあっ!」
弟は動物のような声を上げる。
私の口の中で、ドピュッと弟の精液がほとばしる。
「んぐっ!んぐっ!」
射精と同時に吸引をする私。
間髪おかず、脈動を続ける、弟の肉棒。
私の口腔奥深く、注ぎ込まれる、弟のザーメン。
何て、濃いィのかしらッ!
それに、なんか青臭い感じっ!
ドクンッ、ドクンッ、というリズムに併せて、
私は弟の亀頭を吸い上げる。
ようやく、精液の放出は終わったようだ。
尿道に残った残滓を全て、吸い取ってあげた。

「んん??っ、ちゅばぁっっ!」
私の口の中では、弟の粘っこいザーメンが残っている。
口を広げ、弟に見せてやる。
そのまま吐き出そうとしたところ、
弟は、私の口に手をあて、塞ぎこんでしまった。
「姉ちゃんっ!
俺の、俺のザーメン、飲んでくれえぇえっ!」
私は、必死に抵抗する。
「んんっ!ンンンッッ!」
弟は、私の鼻の穴も塞いでしまい、私は息ができなくなってしまう。
もう、ダメ・・・。
飲むしか、ないわ。弟のザーメン・・・。
あきらめた私は、思い切って、飲みこむ。
だが、やたらと粘っている弟のザーメンは、
なかなか、喉の奥に進まない。
私は、涙を流しながら、何とかそれを飲み干す。
「んくっ、んぐ。けほっ、けほっ!」
弟のザーメンで、すっかりむせ返ってしまった私。

「ね、姉ちゃんっ。飲んでくれたんだねっ!
俺のザーメンッ!何か、すっごく嬉しいっ!」
「もうっ!無理やり飲ませといて、なんて言い草よ。
アンタの、とっても濃くって、大変だったんだから。」
「へへっ。
姉ちゃんのフェラ、すっげえ、良かったぜ!
姉ちゃん、この技も使えば、絶対、彼氏ゲットできるぜ!」
「そのつもりよ!」
私は、自信満々に答える。
だが、どうなんだろう?
本当に私のこのフェラテクで大丈夫なのかな?
弟が感じてたからって、※※君に通用するかどうかは分からない。
「ねえ。○○って、女の子にこんなことされたことないんでしょ?
どうなの?」
「えっ?そ、そりゃあ、初めてだよ。こんなことされたの。」
「ふーん。やっぱり、そうなんだ。
それじゃぁ、さ、ワカンナイよね。
私のが、本当に良かったのか、なんて。」
「それは、そうだけど、とにかく、最高に気持ちよかったんだぜ!
それは、本当だよ。」
「うーーん。
まぁ、○○にそう言ってもらえるのは嬉しいんだけどさ、
今、問題になるのは、※※君とのことなの。
あと、一週間しかないのに・・・。」

「ね、姉ちゃん。
俺でよかったら、協力するぜ。」
「はぁ?何よ、協力って?」
「姉ちゃんのフェラチオ特訓だよっ!
俺が、実験台になってあげるからさ、
これから、一週間、毎日特訓しようぜ?」
「えっ?何言ってるのよ、○○。
第一、アンタなんか、すぐにイッちゃいそうになるから、
実験台にも、なんないんじゃない?」
「俺も精一杯、頑張るからさ。
それに、俺って、持続力にはちょっと自信ないけど、
回復力だけは、抜群なんだぜ!」
「本当に、信用できるのかしら?」
「証拠、見せてやろうか?
ほらっ!」

そう言うと、弟は、腰を突き出してきた。
(えぇえっ?)
さっきイッたばっかりのクセに、もう弟の肉棒は、
パンパンに膨れ上がっている。
「何?何よっ、それッ!
もう、大きくなってんじゃないっ!」
「だから、言ったろ。
回復力だけは、自信あるって。」
「あっきれたわ、本当に・・・。
こうなったら、やるっきゃないわね。
覚悟はイイ?○○ッ!」
「もちろんだよ、姉ちゃんっ!
俺も頑張るぜっ!」
これから、一週間・・・。
憧れの※※君を、絶対ゲットするために、
私のフェラテクに磨きをかけることを誓った私。
弟の肉棒がどこまで耐えられるか、
それとも、私が音を上げるか?
○○、今からすぐに特訓よっっっ!!!

おしまい

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