萌え体験談

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先輩

遠距離の彼女と会いに行く前の晩に巨乳の先輩と

社会人1年目の冬のこと。
就職により、俺は大学時代から付き合っていた彼女と遠距離恋愛になっていた。
俺の誕生日を翌日に控えた金曜日の晩、俺は遠距離の彼女に週末会いにいく準備
をしていた。

と、携帯にメールが。
見ると、会社で少し仲のいい女の先輩からで、『ようやく仕事終わった?』とい
う内容。
すでに深夜で、たぶんもう終電も厳しい時間。
『お疲れ様です?』的な返信をしたら、電話がかかってきた。

仕事大変っすね?とか他愛のない話をしていたら、『私、明日誕生日なのに誰も
祝ってくれないんだよね?』と言ってきた。
『え?俺も明日誕生日っすよ?』と返したら『本当?てか○○君、会社から歩け
る距離に住んでるんだよね?いまから祝いっこしようよ!』
と、深夜にもかかわらずうちの近くのファミレスで会うことになった。
翌日朝から出かける予定があるからと最初は断った(遠距離の彼女に会うためとは
言わなかったが)
のだが、『始発が動きだすまで』と、二人でお互いに祝いあうことになった。

先輩は会社の中でも結構可愛く、なんといっても巨乳で人気も高かった。
俺も少し気にはなっていたが、遠距離の彼女がいたので特に自分からアクション
は起こしていなかった。
ファミレスでケーキを食べた後、話の流れから俺の家にくることに。
正直下心がなかったとは言わないが、始発が動きだすまでと、自分に言い聞かせ
た。

家にきて最初のうちは世間話をしていたが、次第に先輩が眠くなってきた素振り
を見せはじめたので、
布団を床に敷いて雑魚寝態勢になった。
緊張が高まる中、俺の手に先輩の手が触れる。
心臓がバクバクいいだした。

『キスしたい?』
先輩にそう言われ、理性が吹き飛んだ。
俺は返事の代わりに先輩に覆い被さり、夢中で唇を吸った。
ケーキの甘い味がした。
何度もキスを繰り返すうちに、先輩が上になって舌を絡ませてきた。
下から持ち上げる形で豊満な巨乳を揉みしだく。
向こうが上になっているため、ただでさえ大きいおっぱいがずっしりと手のひら
に押し付けられた。

『体起こして』
と言われたので壁によりかかる形で上半身を起こすと、壁に押さえつけられて顔
から首筋、胸、脇腹と舌でなぞられた。
たまらず勃起した俺のチンコを舐め回す先輩。
ハーモニカのように何度もなぞられ、チンコはビンビンに充血。
カリをすっぽりくわえられてジュポジュポされると、我慢の限界がきて口の中に
大量に出してしまった。

『出しすぎ。飲みきれないよ』と笑われたが、遠距離の彼女とヤりまくるつもり
で溜めていたので無理はない。
余韻に浸っている間もなく、『早く入れて』とせがまれて、結局そのまま朝まで
4、5回ヤった。

朝一緒に家を出て、先輩は自分の家に、俺は遠距離の彼女のもとに。
その日、遠距離の彼女とさらに2回ヤった。
正直、気持ちいいより疲れた。

その後、なんだかんだあって遠距離の彼女とは別れ、先輩と付き合うことになっ
た。
ある日、『あの時は遠距離の彼女とも2回ヤって大変だったんだから』と告白し
たら、
『彼女に会いにいくんだろうなあと思って、悔しかったから彼女とエッチしたく
てもできないように全部絞りだしたつもりだったんだけど』
と小悪魔っぽく笑いながら言われた。
先輩とはヤるときはいつも一晩中何回ヤったかわからないぐらいヤりまくってい
る。

ロリコンな幼馴染との奇妙な関係

幼馴染というのが正しいのか
腐れ縁というのが正しいのかで悩むけど
対外的に紹介するときは腐れ縁だけど
一般的には幼馴染の部類だと思う。
私とそいつ(以下、どーもくん)の出会いは小学4年生の秋頃。
親の仕事の都合で引っ越した隣の家にどーも君は住んでたんだ。

どーも君はどこにでも居る普通の男の子だったよ。
イケメンでもないし、背が高いわけでも低いわけでも
痩せているわけでも太っているわけでもない。
取り留めて特徴というのがない男の子で
その頃は活発というよりは大人しくて引っ込み思案な性格で
「男の癖にうじうじすんな」
とか私に言われて竦んでたよーな気がする

私は別に苛めっ子気質ってわけじゃない。
どっちかといえば他人を苛めて喜ぶ性格じゃないと思う。
ただどーも君の「でもでも、だって」とはっきりしない性格には
結構いらいらしてましたねー

取り立てて仲が良かったのかと聞かれると
「普通」「良くも悪くもない」
そういう感じの付き合いしかなかったかな。
実際のところは記憶してないだけかもしれないけど。
気の弱い彼に対して若干でも子分的な扱いがなかったかと言われれば
その辺りはないとは言えない。
だってあいつが断らないんだしいいのかなーって思ってたって発想は
苛めっ子のそれだよなーって反省はしてる

どーも君に対してロリコン疑惑を抱いたのは中学の頃。
家に遊びに行った際に彼の部屋で見つけた
『魔法少女』と書かれたミニスカの女の子のイラストがきっかけ。
見つけたといっても別に隠してあったわけじゃない。
普通に置いてあったのを手に取っただけ。
魔法少女が好き=ロリコンって決め付けには賛否両論あるとは思うけど
とにかく当時の私はどーも君がロリコンだと思ったんですよねー

別にそれで生理的な嫌悪感を特別に抱いたわけじゃなく
「あー、はいはい、ロリコンなのね」
それくらいの感想でした。
胸が大きいのが好きなのか、小さいのが好きなのか
そういう嗜好の違い程度にしかその頃は感じていなかったし、
「大人しい言うことを聞きそうな年下の女の子が好き=ロリコン」
そういう理解をしていました。
どーも君の性格から考えればそういうのも理解できるかな?
本当にそんな程度の感想でした。
別のそのイラストがエッチだったとかでなく
そういうのを一杯集めている=そういうのが好きって理解でした。

ところが本人に
「あんたってロリコンなの?」
位にソフトに尋ねると必死に否定。
なので物証を提示。
「じゃぁあの魔法少女リリカルなんとかって何?」
「あれは……」
詳しくは知らないのですが小さな女の子が戦うアニメだそうです。
どーも君はそれが好きで見ているだけで別にロリコンじゃないと必死に否定してましたね。
「いーよ、別に。そんなにムキにならなくっても」
「ムキになってない!」
「ムキになってるでしょ。誰にも別に言わないから」
「勝手に人の部屋漁んなよ」
「ふーん、見られて困るものなの?それエッチな奴?」
「ち、違うよ」」
「じゃぁ見られても別に良いんじゃないの?」
私は彼がなんでそんなにムキになって否定したり隠したがるのか
その当時はさっぱり理解してませんでした。

私はわりとアニメとかを見るのは否定しない派で
アニメはゲームみたいなもので別に好きで見てるなら堂々と見れば?
そーゆー考えだったので、なんでどーも君が隠すのかわかんなくって
隠す=なんか疚しいとこある=やっぱロリコン?
とかそー思ってました。
そのことでからかったりするのは二人の時だけで学校で
そういう話題を話したりする事はありませんでした。

なんで私が中学時代どーも君の家に頻繁に出入りしてたかといえば
どーも君には歳の離れた妹が居て私がその面倒見という名目のアルバイト
(お小遣い稼ぎ)のためにどーも君の家に赴き
ご飯を作って一緒に食べて妹さんの世話をするという日課があったから。
このことで冷やかされたりすることもあったから
学校では結構冷たい関係ではあったのは事実です。

アルバイトの内容として詳細に書くと
・月額4万円程食費を預かります。
・余った分は私の報酬
シンプルに言えばこういう感じです。
実際はきちんとレシート貼り付けて収支報告メニュー報告もしてました。
でも最初の頃は見事に手抜き料理しか用意できず
あの頃のおかげでそういうスキルは結構上達したんじゃないかなと思います。
私の家族も共働きで仕事が忙しく、
私の中学進学を期に母が夜勤(看護師なので)を増やしたことで、
両家の利害が一致した結果そうなったというわけです

何が奇妙なんだってそろそろ言われそうなのですね。
私としては学校帰りに買い物のためスーパーに行くわけです。
面倒だからって外食なんかもっての他です。
お金がいくらあっても足りません。
理想としては毎日少量、必要な分だけ買い物をして帰ればいいのですが
そうすると節約にならないわけです。
ある程度まとめて買って余剰分は冷凍庫にINする。
それが勝利への方程式だと気がつくと特売日をチェックしてその日に
それなりのまとめ買いをするようになります。
そうすると荷物持ちが必要なわけですよ。

「ちょっと、買い物のに付き合いなさい」
「え…あ、うん」
どーも君は荷物もちとして必要。ただそれだけ
「あんたも食べるんだから文句言わずに手伝いなさい」
「文句言ってないだろ」
……やっぱりお米や牛乳とかをまとめて買うのに男手は頼もしいんですよね。
買い物も重量を気にせずに値段や物で選べるようになると精神的には
余裕が出てくるわけですよ。
「何か食べたいものある?」
「何でもいいよ」
「犬の餌でもいいの?」
「人間の食べれるものにしてくれ」
「ネコの餌?」
「食べれるの?」
「らしいけど?」
こういう会話も普通にしてました。

そういうことを続けてると見られちゃうわけですよ。
同級生やクラスの知り合いに。
逆の立場なら理解できるしそういう邪推をしちゃうのも無理はないと思うのですが
私とどーも君が付き合ってるって噂が流れてたんですよね
その噂が伝播してきて
「ねぇ、どーも君と付き合ってるって本当?」
そういう友達近辺にまで噂が流れてくるともうクラス中で知らない人は居ないって状態でした。

噂と言うのは周囲の希望も含まれているのでしょうね。
中学時代と言えば思春期真っただ中で恋愛話と言えば
みんなが喰い付いた話題でした。
惚れただの腫れただので盛り上がれる時期だったので
直接聞いてきた子に淡々とそれが誤解である事。
確かに買い物に一緒に行った事。家で食事を作ったりしていること。
付き合ったりしている事実はない事をそれとなく話すと
結果的にはその話に尾ひれ羽ひれが付いて広まっていたように思います。

その被害は私だけでなく当然どーも君にも及んでいました。
そんなのは見ればわかるのですが、私たちが事実無根と否定しても
「はい、そうですか」と収まらないのが学校という小規模な社会でした。
やってる当人からすればそれはやっかみや妬みの類ではなく、
単なるからかいや遊び半分のつもりだったとは思います。
最初の内は黒板に相合傘を書かれる程度の小学生の悪戯レベルのからかいや
直接的な冷やかしが多少あった程度でした。

付き合っている=性行為をしているという噂が流れるようになったのは
そんなに遅い時期ではなかったと思います。
「していないことを証明する」
のは悪魔の証明と同じでできるわけがありません。
ですが、周囲は私たちがそういう事をしている前提で話しかけてくるのです。
私がどーも君をロリコンと決めつけたのもそれと同じと言えばそうでした。
本人が否定しても私が一方的に決めつければ
私の中ではどーも君はロリコンだという認識になっていました。
それを集団でされる事は実際問題イジメのそれとなんら変わりがありませんでした。

そう噂されるのが嫌なら一緒に買い物に行かなければいい
家に行かなければいいという事くらい当時の私でも理解していましたが
行こうが行くまいが噂や冷やかしはなくならないのが現実でした。
臨機応変に立ち回ってそういう噂や冷やかしをかわす器用さがなかったからか
頑なに「自分は何も間違っていない」「勝手に噂させておけばいい」
そう思って特に何もしなかったからなのかはわかりませんが
程なくして私がヤリマンであるとか円光してるという噂が流れました。

どーも君に対する中傷や冷やかしがどういったものかはあまり知りません。
ただ自分に対する中傷はそういう性交経験がある事に留まらず
「お金を貰って性処理をしている」
そういう噂が主なものでした。
確かに、付き合っていないことやアルバイトみたいな感覚で
家事手伝いをしているという話をしたのは事実です。
ですがそういう話がいつの間にか円光しているという
噂にまでなっていました。

実際、同級生の男子に本気なのか冗談かわかりませんが頼まれた事があります。
くしゃくしゃの2千円を突き付けられて
「なぁこれで舐めてくれよ」
そういう類の事を言われました。
「はぁ?」
そう無視した私に怒ったのか同級生は
「どーも君にはできて俺にはできないのかよ」
そんな風に絡んできました。
あの時の気分は狂人相手をしているような気分でした。
言葉が通じないという事がこんなに怖いと思ったこともありませんでした。

「そもそもそういう事してない」
「嘘つけ」
そう決め付けられるともう話が通じません。
同級生は私が同級生だから拒絶した。
どーも君にはしているにも関わらず。
私が同級生をどーも君以下として見ている。
そういう先入観念や結論ありきで話しかけてきていたように思います。

その時は見回りの教師が来た事で難を逃れる事が出来ました。
ですが、その頃を境に全体的にそういう風潮。
「私は円光をしている」
という共通認識が広まっていたように思います。
実際に学内にそういうことをしていた人も居たという噂は耳にしました。
ただ自分がその噂の渦中に巻き込まれると否定しても信用されず
結果的に無視するしかありませんでした。
でも無視してもそういう噂は一向に消えず
またそういう陰湿ないじめやからかいは減る様子を見せませんでした。

直接的にお金を突き出されることこそ減りましたが、
男子の陰口や一部の女子から陰でビッチ扱いをされているのは知っていました。
それでも学校に通い続けたのはそれでも親しくしてくれる親友がいたからでした。
「変な噂なんか気にしないの」
そう言ってくれる彼女の存在は私にとって救いでした。
教師に訴える事も考えましたが「変な噂が流されて困っている」
そんなことを教師に訴え出ても何の効果ないと思っていました。

私は気にしないことしか対処法はない
変な噂は時間がたてば消える
みんな飽きる
そう思うしかありませんでした。
学校に行く事が憂鬱になりながらも毎日通っていました。
「男漁りに来てる」だとか「真面目な顔をしてるやう程」
そういう陰口も気にしないようにしていました。

事態が少し変化を見せたのはどーも君ととある男子の喧嘩がきっかけだったと
私は思っています。
休み時間終了間際に教室に戻ると人だかりができていました。

男子の囃したてる声、どなり声、
喧嘩しているらしい事はわかるのですが何も見えません。
「ざっけんな」とどーも君の声が聞こえました。
「俺はあんなブスに興味ねーよ」
「第一俺はロリコンなんだよ!あんなババァじゃ立たねーんだよ!」
「はぁ?」
高らかなどーも君の声の後の後、ようやく教師が怒鳴りながら入ってきて
どーも君とその男子は職員室に連れて行かれました。
私はその時はまだ何が起きてたのかわからずに
「ねぇ、何があったの?」
そうみんなに聞きましたが誰も教えてはくれませんでした。

仲の良い友達に聞くと、
どーも君がちょっかいかけていた男子に切れて手を出したっぽい
というのはわかりました。
その時点で一瞬私の事かとも思いましたが
自分がババァという認識がなく、
てっきり女教師の誰かとの噂なのかと思っていました。、

仕方なく本人に聞いたのですが
「うっせー」
と詳細を教えてくれません。
「ババァって誰の事? Y先生のこと?」
「おまえに関係ないだろ」
「本当に関係ない?」
「関係ねーよ」
「あ、っそ」
それ以上聞けませんでした。

私がどーも君にババぁ呼ばわりされた事を知ったのは別の男子からで
「よっ、ババァwwww」
そう言われてああやっぱり自分の事だったんだと認識しました。
中学生が中学生をババァというなら、
その言った本人もジジィなんじゃないの?
そんな風に思ったものの、からかいのレベルが小学生並みに
なんとなく減退していたような気がしました。
その頃のどーも君のあだ名は「ロリコン」で私は「ババァ」でした。
良い事か悪いことかはわかりませんが少なくとも私に対する
直接的な男子からのちょっかいは確実に減っていたように思います。

だからと言って当時私がどーも君に感謝した事はありませんでした。
どーも君はどういう方法かはわかりませんが、
そういう雑誌や本を入手して学校に持っていき
男の子同士で回すことで男子の中で上手に立ち回っていたように思います。
少なくとも私からはよくわからないけど仲良くやってるなーってそういう印象でした。
私の方は円光の噂とかもなくなり普通に中学生活を送れるようになっていました。
ただ「どーも君に振られた女」という奇妙な同情もあったように思います。

私も何度かどーも君が学校に持っていってる漫画や雑誌を目にした事がありますが
「どうやってこんなの買ってるの?」
「妹ちゃんの目に届くようなところに置いておかないでよね」
「別にみるなとは言わないけど、せめて隠しなさいよ」
「学校に持っていくとか信じらんない」
割とそういうどーも君に批判的でした。

男子がそういうのを読んで自慰に耽ってることは理解していましたし
そういうのに興味があるのも否定はしませんでした。
ただ雑誌の内容に目を通すとあまり良い内容のものでなく
どちらかと言えば犯罪寄りな内容が多い事や
そういうのを妹さんの目の届きそうな場所に安易に置いておくことが理解できませんでした。
あまりガミガミ言ったつもりもないのですが、
ただその度に「うっさいわ」と言っては話を聞いてくれませんでした。
私も「好きにすれば?」と妹ちゃんの目の届く場所に置いておく以外は
そこまで注意をしなくなっていました。

内容が犯罪系だと思ったのはランドセルが書かれている=対象は小学生。
容姿がどう見ても幼い=幼児であり、その内容も
ガムテープで口を塞いだりと、そういう犯罪色の強いものだったから。
それを見て、やっぱりロリコンなんだなと思った程度の感想でした。
「妹ちゃんに手を出したら通報するからね」
そういって釘は刺したりしましたが、
でも漫画は漫画で現実は現実とちゃんと区別はしてるって信用は
一応していました。

ツンデレって言葉が現実にあるのなら、
どーも君がそれかなと思ったのは
何かを頼むと必ず文句は言うのですがちゃんとやってくれるのを見てそう思いました。。
文句を言わずにやってくれるといいのになとその当時は思っていました。
というのは、「買い物に付き合いなさいよ」と言うと
「めんどくせー」と余計なひと言を言うわけです。
最初の内はそれでも男手は必要なので割とこちらも説得する体裁をとっていたのですが
次第にそれが面倒になり「あ、そ」と誘っても来ないなら
自分だけで行けばいいやと割り切るようになりました。
そうするようになってからすっと付いてくるようにはなりました。

ただこの段階で私の方にどーも君に対して恋愛感情というのは
正直ありませんでした。
私はどうもその辺りの情緒の育ちが遅かったのか、
その当時は男女の付き合いに対して興味を持っていませんでした。
どーも君にはなんとなくだけど好かれているのかな?
まぁどーでもいいかな。
その程度の認識でした。
確かに一緒にいる時間が長いのでお互いにお互いの事を
それなりには理解してはいるのですが、
どーも君を男として見るという認識がどうにもできませんでした。
私よりも力は強いし背も高い。それは事実として認識していましたが
中学時代、どーも君を男という目線で見た事はありませんでした。

接している時間が長くなると家族や兄弟のように思えてくるのでしょうね。
多分、その頃はどーも君に対する感情はそういう感じでした。
どーも君の裸を見たところで、
「何を今更恥ずかしがってるの?」
としか思いませんでしたし、
逆にパンツを見られて窘められても
「何を今更」
そういう恥じらう感覚というのがあまりありませんでした。

そういう部分ではどーも君の方が口うるさく
「パンツが見えてるぞ」
「はしたない」
そう言われても
「ロリコンが何言っての?」
その程度の返し方しかしていませんでした。
自分に色気があるとか思っていなかったし、
どーも君はロリコンだしそういうのに興味がない人だし
家族みたいなものだしとそういう配慮には欠けていました

バレンタインの日には何故かどーも君から和菓子を貰ったのを覚えています。
「本場アメリカでは別に女からとか決まってないから」
「いつも世話になってるから」
そういう理由だったと思います。
そう言われて袋を開けるとどら焼きが入っていました。
甘いものは好きなので遠慮なく頂いたのですが
「これってホワイトデー返すの?」
そう聞くと「そんなのは要らない」と言っていました。
私からのバレンタインは毎度の事でチョコ以外。
「俺、甘いものとか苦手だし」
そういうので最初に渡したのはプリッツだったと思います。
それ以降も毎年
「チョコとか苦手」
と言うのでせんべいだったり、おかきをあげるようになりました。

学校で渡したりはしないのは二人の暗黙の約束でした。
私はバレンタインには誰かに上げたりする風習がなかったので
基本的にはどーも君にお菓子(甘くないの)をあげる日という認識でした。
どーも君はそれでも結構色々な女の子からチョコレートとか貰ったりしていましたが
「俺、チョコとか喰えないし、代わりに食べてくれよ」
そう言われてどーも君が貰ったチョコの処分はもっぱら私と妹ちゃんでした。
といっても、2、3個でしたが。
その割には律儀にお返しをちゃんと用意してるのがマメだなと感心はしていました。

お互いの誕生日にはプレゼントを贈りあっていたのですが
「何がいい?」
「なんでも」
と言うので、よくわからないなりにプラモデルをプレゼントしたら
「……どうしてアッガイなんだ?」
「なんとなく可愛かったから」

翌年から「プラモデルの場合は……」と指定が入るようになりました。
フィギュアとかが飾ってあったのでそういうのが欲しいのかと思って
探してみた事もあるのですが、予算的に高すぎてやめたことも覚えています。
その逆に私に対するプレゼントは割と
普通じゃない感じのプレゼントだったように思います。
「嫌がらせをしてやる」
そういって
「貰って困るものを言え」
そういうのでした。

「部屋に入らないものは要らない」
「よーし、大きなぬいぐるみをやろう」
「要らない」
「他には?」
「別になにも」

そういうやり取りを経ると最終的にはみんなで食べれる物に
落ち着くのがどーも君という人物でした。

中学の頃に貰ったものは
福井県の「蟹」や「活きた伊勢海老」「海栗」
だとか地方の名産品等をよく貰いましたが
「誰が調理するの?」
「……お願いします」
結局私が調理する事になるし、結局みんなで食べる事に。
美味しかったのは美味しかったんですけどね。

中学の頃はその程度で、
一番大きかったのが円光してるとか疑いをもたれた事。
それ以外は本当に平凡な中学生だったと思います。
私もどーも君も同じ高校を受験してそつなく合格して同じ高校に進学しました。
高校になると何が変わるかと思えば、
何故か私は二度上級生に告白されました。
告白してきたのはそれぞれ別の人なのですが、
正直に言えば見知らぬ人から
「試しに付き合ってみない?」と言われる事に対して
「どうしてそうなるのか理解できない」
そんな感覚に陥ったのを覚えています。

男女の交際に興味があったわけでもなく、
上級生に呼ばれて行ってみたら、そういう告白と交際の半ば強要でした。
「付き合ってる人居るの?」
「いえ」
「じゃぁさ、試しに俺と付き合ってみない?」
「え?」
普通にそうなると思うのですが
「いいじゃん。な」
何が「な」なのかわからないのですが
同級生に円光を持ちかけられた時以上に嫌な空気でした。

「ごめんなさい」
どうして断る私が謝らなくてはいけないんだろう
そう思いました。
相手がお願いしてきているわけだし、
それって断られることも前提に入れてないとおかしいと思うのに
何故か断っても先輩は喰い下がっていました。
「どうして」
「試しでいいから」
嫌だって言ってるのに喰い下がられて正直怖かったです。
先輩の論調は「先輩がこんなに頭を頼んでいるのにどうして聞けないんだ」
そういう感じでした。

そういう事があって私は精神的にも疲弊していました。
その話をどーも君にすると、
「じゃぁ俺と付き合ってるって事にしないか」
そう言われました。「
どーも君は「あくまでふりだからな」と言うので
正直それは妙案のように思えました。
ただ、中学からの知り合いには「やっぱり付き合ってたんだろ」
そう言われる可能性がありましたが
それでもそういうふりをすることでわずらわしさから
解放されるのは当時の私にはありがたく感じていました。

こうして私とどーも君は付き合ってるふりをする事になりました。

だからといってどーも君との関係が何が変わったというと
そういう事は全くありませんでした。
対外的な冷やかしも思った程なく、上級生からの告白も
「ごめんなさい、付き合ってる人がいるんです」
そういうと確かに角が立ちませんでした。

私自身、高校生にもなって……と言われそうですが
男女交際はせいぜいが手を繋ぐまでだと思っていました。
そういう漫画や雑誌を目にする事はあっても本来それは大人のする行為で
子供や未成年がしちゃいけないと思っていました。
円光とかは犯罪と同列のあり得ない事と思っていました。
冗談のように思われるかも知れませんが、
高校時代の私の恋愛観はそういうものでした。
なので「恋人らしい事をする」というのは
手を繋ぐ事かなと真面目に思っていたし、
どーも君に対してそう提案する事で「付き合ってるふり」が
果たせてたと思っていました。

ですがどーも君の認識は私のそれとは違っていて
事あるごとに私に触れてくるようになりました。
正直それがこそばゆいというか、くすぐったかったのです。
触り方が鳥肌が立つような感じというか、
とにかくくすぐったかったとしかいいようがありませんでした。
「なんでそんなにくすぐったりするの?」
「くすぐってるつもりはないんだけど」
「でも、不快なんだけど…止めてくれる?」
「じゃぁどう触ればいいんだよ」
「触る必要あるの?」
あの頃は本当に何かの嫌がらせだと思っていました

どーも訓は最初の頃は腕や太ももをくすぐるように触ってきたりしていたのですが
普通に後ろから胸なども触ってきていました。
料理を作っているときや、勉強をしているときに
そういうことをしてくるので
「もう、邪魔っ!!」
そういう感想が多かったのですが、
触られる事は基本不快でしたが
「小学生の悪戯みたい」
程度の認識でいやらしいことをされてるという風には
思っていませんでした

私がようやくどーも君がおかしいと気がついたのは
押し倒されて服を乱暴に捲り上げられたときでした。
そっか、付き合ってるんだからそういう事がしたいんだ
なんとなくそういう認識でしたが、だからどうしようという考えはありませんでした。
「良くわからないけど、したいようにすれば?」
そんなことを言ったと思います。
結局どーも君はそれ以上何もせず、
ごめんと謝ってその日はそれだけでした。
ロリコンなのに私のようなのでで性欲を発散したいと思うものなんだと
男子のそういう思春期特有の性欲の暴走なんだと
本当にあんまり気にしてなかったんです。

というのはどーも君が自慰をしていることは知っていましたし、
思春期を迎えた男子がそういう性欲を抱くという話は知っていましたし、
告白してきた先輩たちもそういう感じだったので、どーも君もお年頃なんだ。
そのくらいの認識でした。
自分に対して性欲を向けられたことに対しては「変わってるなー」
本当にそんな感じの認識でした。
勿論妊娠の概念とかは知っていましたが、現実味がないというか
どーも君が私に対して何をしようとしていたのか本当に理解していませんでした。

どーも君も数日の間は借りてきた猫のように大人しかったのですが
数日経てばまたも殿どおり、二人きりのときはべたべたしてくるのでした。
ファーストキスという意味ではその頃にどーも君としたのですが
ロマンチックでもなんでもなく、
「きすっするぞ」
「好きにしたら?」
そんな感じでした。
胸を触られて
「気持ちいい?」と聞かれても
「ううん?別に」と普通に答えていました・

その頃にはロリコンするのは犯罪だから
犯罪じゃない年齢の相手で性欲を発散させたいんだ。
そう考えていました。
どーも君なりに色々考えてるんだろうなと思っていました。
「俺のこと嫌いか?」
こういう聞かれ方は良くされたのですが
「別に?」
そうとしか言えませんでした。
嫌いというほどの嫌悪感というのはどーも君に持った事はなく、
それこそ、先輩たちよりかは良く知っている分信用してるし信頼してる
そんな感じでした。

高校卒業まで数度、どーも君には同じように押し倒されたりしましたが
その都度、どーも君は途中で止めてしまっていました。
おちんちんも何度か見ましたが、それこそ立ってはいませんでした。
私がロリータじゃないから駄目なのかとか
駄目だけど何度も挑戦したくなるものなのかとか
一体何がしたいのかなと正直良くわかっていませんでした。
同じことを繰り返す姿は私にそう思わせるのに十分でした。

私がどーも君に好かれているという考えは基本的にはあったのですが
自分がどーも君に対して「弟みたいなもの」という認識を持っていたのもあって
嫌われてるのはない、好かれてるほうだろうけど、それは
男女の感情じゃなくて単純に身近にいるからって思っていました。
それに相変わらず読んでいるのはロリコンぽい、少し犯罪っぽい
漫画とかばっかりだったから、
やっぱりそういう感じの女の子が好きなんだと思っていました。

高校時代は本当にそれだけ。
たまにスケートに出かけたり映画を見に行ったりはあったけど
本当に平凡で受験のための時間という感じでした。
一応どーも君と付き合ってるという既成事実があったのですが
他の友達がどういう男女の交際をしているのか興味を持っていませんでした。
一番仲のいい友達も彼氏を作ったりはしていなかったので、別に高校生で
彼氏がいないからといっておかしくはないって思っていました。

高校を卒業して私が最初にしたのは運転免許を取ることでした、
特にすることもなく、まとまったお金もあったので教習所に通い免許を取りました。
車を借りてどーも君と二人でドライブに出かけました。
その帰り道、スピードを出しすぎだとどーも君に叱られました。
私はその当時は流れに乗って運転するのが正しいと思っていました。
高速道路で120キロ近く出すのは別におかしくないと思っていました。
左車線をゆっくり走るより、右車線を流れに沿って走るほうが効率がいいと思っていました。
その運転、速度を出しすぎる運転をどーも君に窘められました。
付き合いは長いのですが、どーも君が私に対して本気で怒ったのはそれが初めてでした

「次のパーキングで降ろせ」
「こんな運転する車に乗ってられるか」
ショックでした。どーも君は何があっても、最後には私を肯定してくれる
そんな風に思っていたんですよね。
それがそういう風に強く叱られて、多分始めて私はどーも君に謝りました。
「ごめんなさい」そういって左車線をゆっくり運転して帰りました。
自分が間違ってたと強く思いました。

おかしなことを言うようですが、そのとき初めて
「どーも君って男の子なんだな」って思ったんですよね。
叱られて相手を男性だと認識するのって変ですよね

でもそういう男らしさを見せてくれたのはそのときだけで、
翌日にはまたいつものどーも君に戻っていました。
変わったのは私のほうで、少しどーも君を見直していました。
見る目が変わったというのか、思春期が私にも遅まきながら来たのか
少しどーも君を意識してみるとなんとなく落ち着かない感じがしました。
一緒にいるとなんとなく恥ずかしい気がしたり、
触られると過剰に反応してしまったり
憎まれ口を前よりも叩くようになったりしていました。
「どーも君の癖に生意気」ってそんな感じでした。

その頃から触られてくすぐったい感じも微妙に変化していたように思います。
くすぐったいのはくすぐったいのですが、恥ずかしい感じがなんとなくしていました。
ぞわぞわする感じだけじゃなくて、なんとなく恥ずかしくてイラッとする感じとでも言うのでしょうか。
その頃はそのせいもあって結構キツイ言い方をどーも君にしていたようにも思います。
「臭い」
とかそういう言い方をするようになったのは
どーも君の体臭がそんなに嫌だったわけじゃないけど
その臭いを意識している自分が恥ずかしかったからでした。

どーも君に対してドキドキさせられる事にその頃は戸惑いを感じていました。
結局、色々考えてそれが発情期というものかなと自分なりに考え、
その頃から自分で慰めるようになりました。
慰めることでなんとなくもやもやした気持ちがすっきりするような気がしていたし
疲れるとすっと眠りに着く事ができたので、ある種の眠前の儀式めいた行為という感じでした。
それこそ、性欲が自分にあったのかはわかりませんが殆ど毎日
横になるとそういうことをするようになっていました

慰め方は当初は指でこりこりとクリトリスを弄るやり方でしたが、
友達にローターの存在を教えてもらってからぐっと効率が上がりました。
便利というよりも指よりももどかしさがなくて、振動させて触れさせていれば
簡単に達することが出来たし、なかなか今日はいけないなとかそういう不確定要素が
大幅に削減されて満足していました。
ただ意外にもにローターは壊れやすいのか断線しやすいのか
毎日使っているからか、半年くらいで初代のローターはご臨終されました。
その頃からローターは予備機を含めて2台常備するようになっていました。

私はそれを一台は箱に入ったまま机の中に、
一台はすぐに使えるように不透明なビニ0ル袋に入れた状態でベッドの下に保管し、
使った後は翌朝ウエットティッシュで拭いていました。
私の部屋には母もどーも君も入っては来なかったのでそれが見つかる心配はありませんでした

妹さんが中学生になった頃、
どーも君と妹さんの仲は壊滅的に悪くなっていたように思います。

小学生の頃はけっこう「お兄ちゃん」と慕っていた妹さんが
「兄貴」という単語の前に「糞」という言葉をつけ始めたのが中学入学後くらいだったと思います。
理由はなんとなく想像できるのですが、
「キモ」とか「さわんな」「へー」
そういう返事ががあるときは機嫌がいいときで
大半が沈黙、或いは無視という感じでした。
その反面、私と妹さんは結構話は日頃していたのですが
「あんなののどこがいいんですか?」
とは何度も聞かれました。別にそういうのじゃないというと
「ですよねー」そう笑顔で返されるとなんとなく複雑な気持ちでした

「あんたねー妹ちゃんの目の届くところにこういうの置くなって言ったでしょ!」
そういう文句は四六時中になっていました。
私は私なりに妹ちゃんとどーも君を仲直り…とまでは行かないまでも
下げ止まらない評価を少しでも改善してあげたいと思ってのことでした。
妹ちゃんにロリコン扱いされて気持ち悪がられるというのは
流石に可哀想で多少のフォローは入れたものの
そういうものを読んでいる時点で気持ち悪いと思うのも良くわかるのです。
「そもそもあいつが勝手に部屋に入ってくるのが悪い」
その点はどーも君の意見にも一理あるのですが、
それでも年頃の女の子に対する配慮は必要だって言い続けていましたが
どーも君はあまりそぶりを改めようとはしていませんでした。

実の兄がロリコン趣味だと知った妹ちゃんの心情は察して余りあるのですが、
「所詮漫画だし」とか「流石に実際にそういうことしたら私が警察に突き出すから」
そういう位しかフォローできなくて、
でも妹ちゃんは「糞兄貴以外のいい人を見つければいいのに」
ずっとそう言われていました。
妹ちゃんもその頃には少しは家の手伝いも出来るようになっていましたが
妹ちゃんは部活に忙しく、買い物や料理なんかは相変わらず私とどーも君の仕事でした。

実際、どーも君が私に触れてきている場面を何度か妹ちゃんに見られてはいますが
その度に「警察に通報していいんですからね」と妹ちゃんに言われていました。
私が優しいから拒んでないとか、どーも君の甘いからとか、
そういう風に妹ちゃんには映っていたのかもしれません。
どちらにしても妹ちゃんに見られるような場所で変なことをしないのと
釘をさしてからはどーも君はドアに鍵をかけるようなったのですが、
今度は私のほうがなんとなくですが、
どーも君がそれこそ単なるエッチな人のように思えてきていました。

ロリコンなのに節操がない人とか
触れれば私なんかでもいいんだとか、
というのはその頃はよく胸をもまれていたのでそんなことを良く思っていました。
「おっぱいっていいよな」
「触られてる私の感情は?」
「嫌?」
「どっちかといえば」
そういってもしばらくするとまた隙あらば触ってくるので、
単に触りたいだけなんだなって思ってました。

考え方によっては節操・節度があるから妹ちゃんとかに手を出さずに
私なんかに手を出してると考えればそれはそれで健全な方向なのかとも思うのですが
出される身になると、なんだかなって気分にはなっていました。
それこそメンタルが小学生の頃から成長していないような、そういう心配もしましたし
そんな状態で彼女とか出来るのかなと
自分のことは棚において心配したりしていました。

どーも君を私の部屋に初めてあげたのは
「レポートを手伝って欲しい」そういう理由でした。
どーも君の部屋だとパソコンがなく、効率が悪いので私の部屋で
レポートを作成することになったのですが、どーも君はレポートそっちのけで
私に触れてきていました。
間の悪いことに私も少し発情期気味(生理前にそうなりやすいです)で
まずいなって思ってはいたのですが、それほど強く拒んでいませんでした
どーも君は臭いを嗅ぐように顔を近づけて、耳を舐めてきたり
キスをしたり、首筋を舐めてきたり、胸を揉んだり
「レポートしないの?」
そういっても私の身体を触ることに夢中でした。

苦しいぐらいに抱きしめられて、
抱っこされてベッドに運ばれ、
見上げたどーも君の目は少し怖いくらいでした。
「いいか?」
「好きにすれば」
その後は本当に好きなようにされていたと思います。
上手にブラが外せない様子なので私が自分で外したりはしましたが
乱暴にされてほちけるのが嫌だったというのがその理由でしたが
見方によっては自分から外したと思われたんでしょうね。

どーも君は舐めるのが好きなのか、全身くまなく舐められていました。
耳や首、背中、肩、お尻や、足の指に至るまで舐められていました。
陰部も執拗に舐められましたが、
それは正直に気持ちいいと思っていました。
ただどーも君に「自分のも舐めて欲しい」そういわれたときは
正直、戸惑いを隠せませんでした。
何かをされるのはそこまで抵抗はなかったのですが、
自分からするとなるとなんとも言えないのでけど恥ずかしさが勝って
動くことが出来ませんでした。

「手で触って」
「顔を近づけて」
「唾たらして」
「舌で舐めて」
「口をあけて」
「咥えて」
どーも君に言われるようにそれをしていました。
自分でしてるんじゃない。言われたからしてるんだと思うことで
なんとかすることができていたのだと思います。

ゆっくりと口の中に入って、入って、ゆっくり抜かれるそれの繰り返し。
むせそうな味と臭いと喉の奥に異物が侵入しようとすると
吐き出そうとする反射。
フェラチオという行為を知ってはいましたが、知っているのと
実際にするのでは全く違うものでした。
どーも君はそれを根元まで入れようとしていたみたいですが
その度に私の喉に当たり、むせて、吐き出していました。

飲むように言われたそれは、決して美味しくはなく
寧ろ不味いものだと思いました。
生臭い、生暖かいものでした。
いつまでも口の中や喉に残留しているようでした。

どーも君が「入れていいか?」
そう聞いてきたので「コンドーム持ってるの?」そう尋ねました。
「持ってないけど、駄目かな?」
「子供出来たらどうするの?」
「…責任とる」
そんなどーも君に私はお説教しました。

妊娠して大変なのは私だし、お互い学生だし大学はどうするのとか
妊娠に一体どのくらい費用が掛かるか知っているのと
漫画の影響か知らないけど避妊しないでエッチするなんてありえないと
淡々とどーも君に妊娠することの大変さや、そのことにと伴う
環境の変化について話、別にするのはいいけどするなら最低避妊はしなきゃいけない。
そういう話を言い聞かせると、どーも君はまたいつものどーも君に戻っていました

私はシャワーを浴び、
部屋に戻るとどーも君が土下座していました。
「ごめん。無理にあんなことして」そう謝っていました。
「別に気にしてないから」
私はそういってどーも君と一緒にレポートをしようとしたのですが
「実は…」
そう言い出されたのはレポートは実は終わっていて、
レポートは口実だと聞いて
「はぁ?ふざけないでよ……」
何故かそっちのほうが私は頭にきていました。

どうして自分があんなに怒っていたのか自分でもよくわかりません。
ただ、その時はただただ感情的になっていました。
エッチしたことそのものや、避妊せずにエッチしようとした事よりも
レポートのことが嘘だったという事がなんだかとても許せない事に思えていました。
「嘘をつくなんて信じらんない」
どーも君はエッチがしたくて嘘ついて私を誘った。
そんな程度の嘘があの時の私には何故か許せませんでした。

どーも君は私が何に怒っているのか分かっていないようで
ただただ謝っていました。
「ごめん」と何度も繰り返していました。
それがまた何故か腹が立つのです。

そんな些細なことがきっかけで私はどーも君の家に行かなくなりました。
妹ちゃんももう中学生だし、
別に私が行かなければ家事が回らないわけでもない。
そう思ったのもあったし、
とにかくあの時はなんだかムカムカしてどーも君に会いたくありませんでした。

どーも君と偽装して付き合うことでそうなった
どーも君とそういう事が出来るなら他の人とでもできるんじゃないかな。
その頃の私はそう考えていました。
セックスなんか大したことない。
誰だって遅かれ早かれすることだしと思っていました。
だから、友達に誘われて合コンというのに生まれて初めて参加したときは
なんとなく自分だけ蚊帳の外に居るような気分を味わいました。

私は人と差しさわりなく接する事はそんなに苦手ではないのですが
男子の表面だけ見ても、その良しあしが分かりませんでした。
顔の美醜という観点や身だしなみが整っているかとか
そういうのはなんとなくわかるのですが、
なれなれしい男子はあの先輩を思い出し、
それ以外の他愛のない事で笑ったり叫んだりしている男子が
「可愛い」とか「面白い」と評してる他の女子もよくわかりませんでした。

良くわからない、なら知るために踏み出さなきゃいけない
ただどの相手に踏み出したいのか、どの男性がいいのか
そういう段階で私は迷っていました。
どーも君とこの人たちは何が違うのだろう
そう考えたまま何も答えは出ないままでした。
迷うというよりも立ち止っていたのですが、
勧められるままにアルコールを摂取しただ、ぼんやりと
その周囲の喧騒に身を任せていました。

合意があったかなかったかなんて記憶が曖昧ですが、
二人の男子に私は乱暴されました。
曖昧な記憶の中での出来事で妊娠してもいなかったのは救いでしたが
後で噂が聞こえてきました
「私が誘った」「酔って介抱してくれた二人を私が誘った」
「中学時代から円光してたらしい」
そういう話もが何故か聞こえ、私が今も援助交際をしているかのような
そんな噂まで流れていました。

その頃の私は少し鬱気味でした。
大学の知り合いはそういう目で私を見てるんだと思うと
何故か信用できませんでした。
友達は私の事を気にかけてはくれましたが、
それこそ男性不信気味だったと思います。
「男性が全員そういう連中ばかりじゃない」
そう言われたものの大学の知り合い関係ともう
飲みに行ったりしたいとは思っていませんでした。
その中にはどーも君も含まれていました

そんな私が友達の紹介で大人の男性たちと会う事になりました。
そういうサークル的な場所で色々な人と会ってみたらいいよと
誘われてのことでした。
そこで出会った男性は名前をNさんと言い、既婚者の方でした。
弱っていたときに優しくされたから
というのは言い訳に過ぎないのでしょうね。
ですが私は胸の内に溜まっていた悩みや不満や不安を
そのNさんにぶちまけていました。
聞いてもらっただけなのにすっきりしていましたし
理解してもらえてる気になっていました。

Nさんが既婚者だと知っても私はNさんに依存していました。
求められると断れず、行為がエスカレートしてもそれを拒む事ができませんでした。
飴と鞭という言葉のように、大切にしているからそういう事をするのだと
そういうNさんの言葉を信じていました。
それしか信じるものが何もありませんでした。
ただ、心は段々と疲弊していきました。
身体だけを求められてると分かっていても、
Nさんがいないと
もう他には誰も居ないと思っていました。

自己嫌悪であの頃は毎日が憂鬱でした。
自己責任でそうなったとはいえ、自分でそこから抜け出す気力もありませんでした。
Nさんくらいしかもう私を求めてくれないと思っていました。
Nさんにされている事は酷い事だと理解していても
それでももうそういう目でしか誰にも見てもらえないと思っていました。
なのでどーも君に久しぶりに食事に誘われても断る気力もありませんでした。
どーも君もそういう事したいんだろうなって思っていました。
男性はみんなそういう生き物だと思っていましたし
その事は今でもそんなに間違った認識ではないと思っています。

どーも君は相変わらず私に触れてきました。
抵抗する気力もその頃にはありませんでした。
「好きなようにしていいよ」
そういったのですが、
「何かあったのか?」
服を脱がせておいてそんな事を聞くんですよね。あの馬鹿は。
「抵抗しないから好きに入れて出していいよ」
そういうと「なんでそんな事言うんだよ」
なんで私が怒られなきゃいけないのか分かってませんでした

一通り話しました。
乱暴された事、Nさんの玩具になってる事。
そしたらどーも君泣くんですよね。
「何泣いてんの?」
そう尋ねたら
「うるさい」と取り合ってくれませんでした。
その時に言われたのは「Nと別れて俺と付き合ってくれ」という事でした。
既婚者と関係してると面倒だぞとか、そういう事を言われて、
「別に良いけど」
そう言ってNさんに「好きな人ができたのでもう会えません」
とメールしました。
Nさんは「そっか、残念だね」とメールで了承したものの
「また会えないか?」等のメールを何度もその後送ってきたので
着信拒否にしました。

付き合うようになって最初の頃、どーも君は頑なに
私に触れては来ませんでした。
どうみてもしたいのに我慢しているように思えました。
なので私から誘いました。不安だったのもありました。
汚いから抱いてもらえないのじゃないのかって。
素直にそういうと、
そんなことないとどーも君はあの時の続きのように
私の部屋で私をベッドに押し倒していました。
そしてまた身体を同じように舐めてきました。
でも、どーも君のおちんちんは立ってはいませんでした

「フェラチオは苦手なんだよね」
そう言いながらどーも君のを舐めました。
良い思い出がないから、上手にできないと叩かれたから。
「俺は叩いたりしないから」
そう言ってくれたものの、やっぱり上手にはできませんでした。
「どーも君の大きいね」
素直にそういった頃にはどーも君のは大きくなってました。

セックスには慣れたつもりでしたが、Nと比べるとどーも君のは大きく
奥まで入れられるとかなりの痛みがありました
「大丈夫?」
と気遣われると申し訳ない気分になり
気にしないで動いてとお願いしたのですがどうしても声が出てしまいました。
その度にどーも君に「大丈夫?」と心配させ動きを止めさせてしまうのが
本当に申し訳なく思いました。
仕方なく、体位を変えて私がどーも君に跨って加減を調節する事に
したのですが、それでもどーも君のはやはり根本的に大きく
そんなに動く事も出来ずに時間だけが過ぎて行きました

次第にというか時間が経過したことでかどーも君のそれはしぼんでしまい、
私は申し訳なさで一杯でした。
口で舐めて大きくしようとしたのですが、どーも君には
「苦手ならいいよ」と言われたのですが、
それでも私は舐めなければいけない気がしていました。
そんな私を押し止め、どーも君は「こっちこそごめん」
そんな風に謝っていました。
私も何度もどーも君にごめんねと謝っていました。

どーも君とのセックスでどーも君のに慣れたのは7回目くらいだったと思います。
ちょうど一週間くらいたったころでした。
痛みもマシになり、ローションを使えば普通に動いて貰っても
痛みをそれほど感じなくなったのがそれくらいだったと思います。
どーも君が射精してくれて、うれしかったのを良く覚えています。
ただ、その頃を境に私を行かせようとしてくるのには少し困りました。

私は気持ち良くされるのが少し苦手で、
そういうのは男性が気持ち良くならなきゃ終わらないと思っていましたし
その考えは今もあまり変わっていません。
なのでずっと愛撫されたり責められたりしてると、
少し苛められてるような気分になってしまうんです。
恥ずかしさと、息苦しさと、申し訳なさが綯い交ぜになった感情で
どうしようもなく辛く、苦しく感じてしまうのです。

セックスは求められたらするものだと思って、
どーも君からの誘いは断ったあ事がありません。
生理の時には「血が嫌じゃなければ」そういう説明をすると
「そういう時期にしちゃ駄目なんじゃないのか?」そう聞かれましたが
私は比較的軽い方で、Nの時は何度かさせられていましたので
「できなくはないよ」そう言いましたがどーも君はその時期は
誘って来なくなりました。

とにかく最初のころは
週に5回か6回はどーも君とセックスをしていたように思います。
ちゃんと避妊はしていたのでコンドームの消費が激しかったと思います。
別に嫌じゃなく、求められるなら応じなきゃと思っていました。
「嫌ならちゃんと言えよ?」
そう言われてましたし、嫌じゃなかったからいつも応じていました。
その最中にどーも君がやっぱりロリコンって思ったのは毛を剃りたがった事。
昔の体操服等を着せたがったこと、とかから
「ああ、そういうの好きなんだ」
そんな風に思いました。
また漫画であったようなガムテープで縛ったり口を塞ぐような
セックスもしました。
「こういうのしてみたいんだけどいいかな?」
そう聞かれたので「したいならいいよ」
断る理由が見当たりませんでした

自慰についても聞かれローターを使っている事を話すと
「見てみたい」そういうのでどーも君の前で自慰をしたこともあります。
どーも君がセックスの間にローターを私に使ったりもしました。
大人の玩具を使われたりもしました。
なんとなくですが、Nの時と同じようだなって私はなんとなく思っていました。
でも、男性とはそういうものでどーも君は彼氏で、Nは既婚者
その違いは大きいのだろうなと感じていました。
彼氏が望む事だからちゃんと受け入れないととそう考えていました

どーも君が私の事を気にしだしたのはだいぶ経ってからでした。
「セックス本当は嫌なのか?」
「別に?嫌じゃないよ」
「本当に?」
「うん、本当だよ」
「自分でこういうのしたいとか、そういうのはないのか?」
「そういうのはあんまり」
「やっぱり嫌いなんじゃないのか?」
「ううん?別に嫌いじゃないけど」
「セックスしてて気持ちいいの?」
「うん、気持ちいいよ」
「本当の事言ってくれよ」
「別に嘘ついたり何かしてないけど」
何かどーも君は納得してなかったっていうか
自分の欲しい回答が得られなくてイライラしているように見えました

どーも君は最初の時以外、私から求めてこないので
「実はセックスとか嫌いなのに無理してるんじゃないか」
そんな風に思っていたみたいです。
「無理してないよ」そう言っても、どーも君は納得せずに
私がしたいっていうまでしないって言いました。
なので、「今すぐしよ?」そういうと、「今日はしない」
そう言って帰ってしまいました。

私は不安になって深夜にどーも君の家に忍びこんでいました。
合鍵を持ったままだったので、どーも君の家に侵入するのは
そんなに難しい事ではありませんでした。
そしてどーも君の寝ているベッドに忍んで、服を脱ぎ、
どーも君のズボンをずらしてそれを丁寧に舐めて行きました。
舐めていてもどーも君は寝言を言うだけで起きては来ませんでした。
幸い寝像が良かったのか、フェラはしやすく、
硬くなったそれにゴムを付けて私はゆっくりとそれに跨りました。

どーも君がようやく目を覚ました時には私は自分で腰を動かして
セックスをしていました。
起きたどーも君はとても慌てていたように思います。
今思えば、どーも君の家でセックスするのは初めてで
どーも君のお母さんも妹さんも家に居るのにそういう事をするのは
なんとなくですが、どきどきするような、興奮するような感じでした。

ぎしぎしという音は気になったものの、妹ちゃんが起きてくる様子もなく
程なくしてどーも君は射精していたと思います。
「別にえっち嫌いじゃないんだからね」
事後でしたがシャワーを浴びるわけにもいかず、お掃除だけして
その日は家に帰ってシャワーを浴びて寝ました
翌日ごろ、「家の合鍵欲しいんだけどいいかな」そうどーも君に言われました。
「なんで?」と聞くと「俺も夜這いしたいんだけど、駄目かな」
と言うので「お母さんに見つからないようにね」
そう言って合鍵を渡しました

その日の夜、ふと目を覚ますとどーも君が私のパジャマを脱がして
おちんちんを入れようとしていました。
「ゴムちゃんとつけた?」
それだけ言って目を閉じたのですが、舐められたり
おちんちんを入れられると寝ては居られないので
結局そのまま普通のセックスになってしまいました。
どーも君が言うには「起きたのでびっくりした」らしいですが

セックスの時にフラッシュバックが起きてしまったのはバックからのセックスの時でした。
バックから突かれながらお尻を叩かれていたときに、それは唐突に来ました。
Nとの記憶や暴行された時の記憶、が頭の中でぐるぐる混ざってきて
今自分がどこに居るのか本当に分からなくなっていました。
どーも君との交際は夢で、
現実はまだ暴行されたり性の処理道具として使われてるんじゃ……
そういう混乱だったと思います。
私はずっと泣きながら謝っていたそうです。
「ごめんなさい、ごめんなさい。ちゃんとしますから、ちゃんとしますから叩かないでください」
そんなうわごとのような言葉を何度も繰り返して泣いていたそうです。

ようやく落ち着いた時には私はどーも君に抱きしめられて泣いていました。
自分では大丈夫だと思っていた事が、全然大丈夫じゃなくって
唐突にそういう姿を見られてしまったことでさらに混乱して
でも、もう泣くしかありませんでした。
悲しくて、辛くて、不安でどうしようもなく涙だけが止まらなくて。
「ごめんね、もう大丈夫だから」
そういったのですがどーも君は私と病院に行こうと言ってくれましたが
私は病院に行きたくはありませんでした。

その頃既に通院しており、その事をどーも君に知られたくありませんでした。
友達の勧めでクリニックに通院して薬は常飲していたのですが
その事を知られると、精神的におかしい女なんだと思われる事が不安でしかたありませんでした。
慰めの言葉もその裏に悪意があるのじゃないかと思っていましたし、
それこそ身体を求められてる時も、不安が一杯でした。
興味がなくなれば捨てられてしまう。
一人ぼっちになってしまう。寂しい、怖い。
そういう不安がありました。

どーも君と付き合うようになって薬の量も少し減っていました。
薬を飲まなくてもそこまで落ち込まずに済んでいました。
だから、自分は大丈夫だと思いたかったんですよね。
どーも君に依存している自覚はありました。
でも、それでもどーも君なら大丈夫だよねってどこかで思っていました。
でも、それを最悪の形で見られたと思いました。
嫌われる、嫌がられる、捨てられる、そう思いました

でも、どーも君はそんな私を捨てませんでした。
「いいの?こんな女で」
「こんな女が良いんだよ」
そう言ってくれた時は涙が出ました。でも不安は常に一緒にありました。

その頃からセックスの頻度は大幅に少なくなっていました。
一緒に寝たりはするけど、入れられたりは殆どなく
なんとなくですが抱き枕のように扱われてる?と思うようになりました。
たまに不安になって襲ったり、逆に襲われる時もありましたが
エッチそのものの回数は減っていたように思います。

回数そのものは減ったのですが、どーも君は割と真剣に
「俺、ロリコンなんだ」
……何を今更って告白をされました。
「学校で教師になって生徒(小学生らしいです)とするようなシチュエーションでしたい」
とか
「スクール水着とか買ったら着てくれるかな」
とか
「おしっこ飲ませて欲しい」
とか
「縛ったりしたいけど大丈夫かな?」
そんな事を真顔で言ってくるのでした。

どーも君がしたいと思ってたけど遠慮して言えなかった事だそうです。
どーも君は現在進行形で駄目な人ですが、
私の小学生の頃が理想だったらしく、
その頃からそういう感情を持ってたそうです。
ただ、おしっこを飲ませて欲しいと言われた後に聞いても
あまり感動とかそういうのはありませんでしたね。
どちらかと言えば、……あ、そうなんだ。
そういう感じでした

私はシチュエーションでというのは苦手で、
でも、「先生」、や「お兄ちゃん」とは言わされましたが
「妹ちゃんとしたいの?」
と聞くと「ち、違うよ」と必死に否定していましたが
妹ちゃんの持ってた水着を着るのは駄目かと聞いた時には
流石に、この男は駄目かもしれないって疑いをかけた事もありました。

それがどーも君が私にわざと駄目なところを見せてくれたのか、
それとも本当にそういう性癖だったのか(一応一通りはしましたが)
それは私には何とも言う事ができません。
ただ、その駄目さ加減が私にはちょうど良いのか、
以前のように文句を言ったりできるようになりました。
でも、本当に駄目だなって思う事がよくあって
「早まったかな」と思う事はあるのですが、
それも思えばお互い様なのかもしれません。

私たちはもうじき大学を卒業して結婚する予定ですが、
どーも君は「責任ちゃんと取るから」そういうのですが
そういうのは就職が決まってから、
落ち着いてからで良いと思うのですが、
どーも君は私が社会に出ると心配なようで早めに結婚したいのだそうです。

いまだにそういう漫画【ロリコン】とかを買って読んでるどーも君に
「子供できたら捨てるよね?」
そう説得している最中です。

娘ができたら心配だなと思う今日この頃でした。

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

スレ違いかもしれないけど…。
 
サークルに、芸能人の悪口が大好きな男の先輩(以下、S)が居た。
石原さとみが好きという人が居ると、「はぁ?あんなクチビルババアのどこがいいわけ?タラコじゃんきっしょ?w」
新垣結衣が好きという人には「うわーお前、口デカい女許せるんだ?」「ガッキーっつーかグッキーだよなw」
と、可愛い部類の芸能人でも片っ端から外見をけなしまくる。
 
女子が集まって好きな俳優の話をしている所にも、呼んでもないのに割り込んできて、
「うっわwお前あれで演技上手いとか思ってんのwあのレベルでかよw笑えるw」などと馬鹿にし、
もちろん外見についても、チビとか、前髪が薄いから将来絶対ハゲるとか、鼻が変とか、とにかくアラ探しして叩く。
 
注目されたりチヤホヤされたりしている全ての人が気に入らない様子で、叩かずにいられないみたいだった。
でも当然、みんなから嫌われて少しずつ距離を置かれてた。
 
そんな時、サークル内で一番可愛くて才色兼備な女子の先輩(以下、T子先輩)の話題になった。
Sは、普段はしないのに、なぜか一般人のT子先輩に対してもいつもの調子で思いきり中傷をしはじめた。
「目が左右非対称じゃん?二重と奥二重?あれきめぇわ、遺伝子が良くないんだわ」
「涙袋とかもてはやすけどさぁ?あんなんクマだろクマ。ババアになったら崩れて悲惨だなw」
「まず色黒がありえねーw色黒が可愛いとかセンス終わってるわー」
 
でもT子先輩は、その場にいたY先輩の彼女…。
Y先輩は静かにキレて、「前から思ってたけどお前、人の顔あれこれ言えるような顔してんのかよ」と言った。
そして、「綾瀬はるかがブスで溝端淳平がブサイクならお前の顔は人間のうちに入らねえよ!」と声を荒げた。
(綾瀬はるかと溝端淳平は、S的に気に入らないみたいでよく悪口を言っていた)
Y先輩は普段ニコニコしている、穏やかなタイプなので、とてもそんな暴言を吐くタイプには思えなくてびっくりした。
 
しかも、他の先輩たちもY先輩の暴言に便乗して、次々に言い始めた。
「お前スタバでバイトするとか言ってたけどそんな顔じゃ受からねーよ」「まず接客を諦めろw」
「その顔で接客はお客様に失礼w」「営業も無理な顔してる」「つか昼間外に出ていい顔じゃないw」
「その顔で生まれてきたことを親に謝れよ」「育てさせて申し訳ないとか思わないの」
「お前は失礼な顔面してるから、その場にあらわれるだけで失礼」「全部整形すれば?1000万くらいかかるだろうけど」
「森山未來が芸能人の水準に達してないなら、お前は一般人の水準に達してない」
セリフそのままは覚えてないけど、すごい勢いでみんなSを中傷し始めた。
Sは青ざめた顔で、何も言い返さないで出て行った。そのままサークルに顔出さなくなって、ついには中退してしまった。
 
私たちは学年が下だから知らなかったけど、Sは浪人しており年上だからというのを理由に同学年に対しても偉そうにしていて、
芸能人の中傷以外にも嫌なことがたくさんあって、先輩たちも溜まっていたらしい。
浪人してまで通った大学を中退する結末になってしまって、Sも可哀想だなとは思うけど、
サークルで最も顔を合わせたくない人だったので、正直に言うと居なくなってくれて心からホッとしてる。

暇なので社内恋愛の話でもかく

二人とも法人相手のルート営業。部署は違う。一緒になったこともない。
そんなに大きい会社ではないのでお互いの存在くらいは知っていた。

彼は社内ではイケメンの部類に属していて、上からも可愛がられ下からも慕われるタイプの人間。
チャラいという噂もあった。
一方私は同期からは浮いていたが、
中身が女らしくないので扱いやすいとオッサン共からは可愛がられており、
どうやらそれなりに社内で名は通っていたらしい。

スペック
私25歳入社4年目
顔は水川あさみだのユッキーナだの色々言われる。
化粧後の評価なので文句は受け付けない。

彼30歳入社8年目
櫻井翔に似てるとよく言われるらしいが私が思うに全く似てない。
社内でイケメン扱い(疑問)

当時は私23歳で2年目、彼は28歳で6年目だったよ。

うちの会社は個人業績を競うコンテストが半年毎に開催されていて、
彼は入社以来そのコンテストを落とさず取り続けるトップセールス。
それとは別で開催される海外旅行が報奨のコンテストも入賞常連。
とにかく売れてる人だということは知っていた。
そして私の同期にマンツーでOJTする先輩社員ということしか知らなかった。

自分でいうのもなんだが私もまた売れていた。
新人の頃から業績コンテストも連続入賞し、
報奨旅行も毎回参加していた。

業績コンテストに入賞すると、表彰式と銘打った昼から飲んだくれるパーティーに招待され、
報奨旅行に入賞すると、旅費や宿泊費、食事代を全て会社が持ち、
特別休暇扱いで人が仕事してるのを尻目に海外に行けるご褒美がある。

私と彼はお互いに「あの人もいつもいるな」という印象だった。
2年前のハワイ旅行にも、例のごとく彼はいた。

その頃の旅行コンテストのルールはチーム入賞がメインだが、
成績が顕著な営業は個人入賞で招待されることもあり、
私はチームで入賞し、彼は個人入賞で来ていた。

報奨旅行では必ずウェルカムパーティーがあり、
あのときのハワイ旅行のパーティーはホテルのプールサイドで開催された。
だいたいチーム毎にテーブルについて盛り上がるものなのたが、
若手の女子が少ないので社長のテーブルにつかされ、私はチームのメンバーと離れてしまった。

社長のテーブルには個人入賞枠のメンバーがおり、そこに彼もいた。
そのときは意識もしていないし興味もなかったので、
はっきりいってほとんど覚えていない。
部署も同じになったことはないし、絡んだことも今までなかったから愛想笑いで一言二言交わしたくらいだと思う。
円卓だったのだが、席もちょうど反対側で遠かったし、みんなで盛り上がる話以外で個別で話すことはなかった。

覚えていることといえば、仲のよい先輩も同じテーブルにいたので、
「彼氏とはうまくいってんの?」的な感じで恋愛話を振られたときに、たまたま出国前日に破局していた話をしたこと。
私は当時、学生時代から4年以上付き合っていた人と旅行の直前にマンネリを越えられずに別れていた。
その話をしたときに「彼氏今はいないんだ?」みたいなことを言われたことはなんとなく記憶にある。

旅行から帰国して半月ほどすると、
今度は成績優秀者表彰式で彼と再開した。
表彰式は15時くらいからホテルで3時間ほど立食パーティーを行い、
それが終わると個別で二次会、三次会、四次会‥と終電までひたすら盛り上がる。
何次会だか忘れたが、あの仲いい先輩に誘われて私はカラオケに行った。
そこに彼もいた。部屋には多分15、6人いた。

カラオケでは機材が故障するハプニングがあったが、場が冷めないように彼はバカやって盛り上げていた。
イケメン扱いの男共はEXILEとかコブクロとか歌うのに、彼は矢島美容室をドヤ顔で歌った。しかもでかい声で。
そのとき初めて、「この人こんな人なんだ、面白い。売れてるのに鼻にかける感じはないんだな」と思った。

その日の帰り、ホームで電車待ちしてたら声をかけられた。
どうやら同じ路線だったらしく、私より二駅先に住んでいた。
同じ路線の人も何人かいたので、みんなで話しながら終電を待っていた。

その路線利用の仲いいメンツで度々飲んでいるとかで、今度からそれにおいでよと誘われて、
そのときごく自然にさらっと連絡先を聞かれた。
さすがチャラいだけはあるな、と思ったが、他の人がいる前で堂々と聞いてきたし、
チャラ男に抵抗ある処女とかでもないので別に気にはならなかった。

翌日彼から初めてのメールがきた。
どさくさ紛れに連絡先聞いてごめんね、
今度よかったら遊びにいかない?
とかそんな感じの。
私も適当に社交辞令で返した。
彼氏とは別れたばっかで新しく作る気もさほどなく、
ただいろんな男性を知りたい、遊びたいという気持ちはあったが、
デートが実現するとは思っても見なかったし、一人暮らしでいつも暇なんで誘ってください的な返答をした。
先輩社員だし当たり障りなく返しとくか、ということだけ考えていた。

それから毎日のように1日数件のメールのやり取りをした。
たまに電話もきた。
わかったことは、彼も一人暮らしだということ。彼女とは数ヵ月前に別れたこと。
最近姪が生まれたので、毎週のように土日は車で2時間の距離の実家まで帰っていること。
実家に帰らないときは、家電が好きで電器屋によくいくこと。
噂のチャラ男という印象はあまり感じられなかった。

ある日、「紅葉を見に行きたいんだけど一緒にどう?」と誘われた。
遠足かよ!と思ったけど、それはそれで田舎育ちの彼の良さが滲み出ているような気がした。

OKするとすぐに「じゃあ今週末行こう!」と若干カカリ気味なのも面白かった。やっぱこいつチャラ男なのか?

「どこか行く宛があるんですか?」と聞くと、
「詳しくないから調べとくね!決まったらまた連絡する!」とのこと。
そうして初デートは紅葉狩りになった。

当日は朝10時に待ち合わせし、彼の車に乗せてもらって出発した。
車に乗るなり彼はなにか紙を手渡してきた。
旅のしおりだった。まじで遠足w
ツボった。小学生以来の旅のしおりに衝撃を受けた。
旅程表と立ち寄り先のWebサイト情報、地図が載った手作り感満載のものだった。
A3に割り付けてプリントアウトし、ご丁寧に製本してあった。

仕事中これ作ってたんですか?と聞くと、バレないかヒヤヒヤだったよ?と笑っていた。

二人きりで過ごすのは初めてで、普段緊張しない私もさすがに少し緊張した。
元彼との付き合いも長かったし、こういう恋愛前の距離詰めのデートは5年近くしていなかったのでちょっとドキドキした。
しかも相手は一緒に仕事したこともないし勤務地も違う他部署の先輩。
私のことをどう思ってるのかもまだわからない。
お互いかなり探り探りだった。

しばらく走って高速のインターにさしかかり、ETCゲート越えた瞬間に彼が急にテンパ出した。
「え!!これ右?左?どっち!?」
用意周到にしおり作ってきたのにわかんねーのかよw
行き先的にどう考えても選択肢一つだろ!と思ったけど、
先輩だしもともと仲良かったわけでもないのでツッコめず、誘導するしかできなかった。
仕事のできるイケメン先輩社員が、重度の方向音痴だと知って萌えた。

車の中では仕事以外の話を色々した。
家族の話、学生時代の話、続けてたスポーツの話。
結婚のけの字もなかった彼の地元の友達が、ここ最近立て続けに結婚しだしたこと。
誰も聞いてないのに、「あっ!でも俺は別に結婚焦ってるとかではないんだけど!取り残されたけど!」といちいちテンパるのも見てて面白かった。

彼は先輩風を吹かせる様子もなく、ドヤ感もなく、これを計算でやってるとすれば相当な強者だが、
社内で言われているチャラ男疑惑がだんだん薄れてきた。

まあ当時の私にとって本当にチャラ男かどうかなんてどうでもよかったんだ。
別にお互いフリーだし。
社内でそういう噂がたつほど目立つ人だったってことだろうな。

デートはというと、彼の方向音痴が炸裂して旅のしおり通りには行かず、
昼飯も昼時に食べられず、予定していた場所は閉まっており、
こう書くとまるで散々なように思えるが、そういうハプニングも含めて結構楽しかった。

夜も更けてきた頃、また彼が急にテンパり出した。
何事かと思ったら、ガス欠しそうだヤバい!!とのこと。
これ泊まりの流れなのか?とも思ったが、知らない地なのでとりあえずコンビニで近くのガソスタを聞くのはどうかと提案し、クソ寒い中エアコン切って走り出した。
私は基本的にどうにでもなるだろうという楽観的な考えの持ち主なので、
本当にガス欠するとは思わなかったし、
彼の車の燃費考えたら、1リッターあれば8キロ走るんだからなんとかなりますよ、と励ました。

結局無事に給油はできたものの、その時点で既に22時近くになっていて、
自宅に帰るには2時間程度はかかるだろうし、
これはもう完全に泊まりがけだなと思っていたのだが、
彼は本当にごめんね、初めて二人で遊ぶのにこんな遅くまで連れ回して、と申し訳なさそうに言って車を出し、
きちんと家まで送ってくれた。

しおりがきちんと役目を果たせないまま初デートは終了したが、
私としては久々のデートで相当楽しかったし、また二人で会いたいと思った。
デート中も「次は◯◯に行きたいね」「あの映画見たいね」「◯◯もしたいよね」とかなり盛り上がった。

次の誘いは鍋パだった。
スーパーで材料を買い込んで、彼の部屋にお邪魔した。
手伝おうとしたが断られ、リビングでテレビを見ながら待っていた。

久々の鍋は相当うまかった。
一人暮らしだと早々鍋することもないし、人と夕御飯食べるとやっぱりなんでも美味しいなと思った。

楽しい時間はすぐに過ぎていって、気がつくと結構遅くなっていた。
その日も彼に迎えに来てもらった私は、送ってもらわないと帰る足がないのに、
なかなか帰りたいと言い出せなかった。

そろそろ帰らないと明日も仕事だしまじやべーなとか思ってるところに、
「ごめん、そろそろ送らないといけねいよね」と切り出してくれて内心ほっとした。

そうはいいながら彼は話を変えた。
「こないだドライブしたときにさ、彼氏はいらないって言ってたけど、今は全然恋愛する気ないの?」
そういえばそんなこと言ったな。
何の気なしに、そんな受け答えをしたことは覚えていた。
確かに元彼と別れたときは、自由を謳歌しようとか、合コン行きたいなとか考えてて、
特定の彼氏を作る気はあまりなかった。
でももしこの人が本気で私を彼女にしたいなら、面白そうだからいいかもしれないと思った。
でも別れたばっかだし、誰でもいいから彼氏ほしいとかいうのとは違うし、
何て答えていいか分からなかった。
完全に彼を意識し出していた。

「いや?どうでしょう、いい人がいれば気が変わるかもしれません」
とかなんかそんな感じで答えた。

少しの沈黙のあと、また彼が喋りだした。
「こないださぁ、次はどこいきたいとか色々話したじゃん。
あの日俺すごく楽しかったし、これからもいろんなとこでかけたり、色々したいんだけど‥」

「彼女でもないのにデートとかすんの悪いしさ!」
と緊張してカミカミで言ってきた。
なんて真面目!付き合ってなくてもデートくらいあるだろ!と思いつつも、
やっぱりチャラ男じゃなかった、と再び萌えた。

それだけ真面目発言しておきながら、
肝心の「付き合ってください」というフレーズは照れ臭かったのかなんなのか、
社内用語でふざけて告ってきた。
「代替していいですか?」的な意味合いの社用略語。
どっちかっつーと新規契約だろと思って
思わず笑ってしまったけど、私はとても嬉しかった。
社内で人気の先輩は、いま私に夢中なんだと思ったらなんだか優越感すら感じた。
彼の言葉によろしくお願いしますと返したら、
「だめだ?我慢できないゴメン!」といいながらキスしてきた。

それが彼との初めてのキス。
ただの会社の先輩から彼氏になった瞬間だった。

彼の家とは偶然にも車で10分ほどの距離だったのもあり、
仕事帰りに毎日のように家に来るようになった。
通勤は電車なので、自宅に帰ってから車で私の家に来て、
二人でご飯食べて寝て、早朝に自宅に戻ってまた電車で出勤。
そんな訳のわからん生活をしばらく続けていた。

休みの日はいろんなデートスポットにでかけた。
地元の友達が都内に遊びに来ているからと紹介されたりもした。
全く知らない友達に彼女として紹介されるのは初めてで、すごく嬉しかった。

彼は競馬が好きらしく、初めて競馬場に連れて行かれて、
生でジャパンカップを見た。ブエナ速かった。降着したけど。
競馬なんて興味なかったし、廃人のいく場所だという先入観があったけど、
府中はとても綺麗で家族連れやカップル、若い子達も多くて意外だった。
私は未だに賭けはしないけど、競馬という私がいままで知らない世界を見せてくれた。

クリスマスは出掛けたりプレゼント交換こそしなかったけど、
美味しいと評判のケーキ屋でピスタチオのムースを頼んでくれていたので、
ちょっといつもより手の込んだ料理を作り、
お酒を飲みながら家で二人で過ごした。

年末年始はお互い地元での恒例行事があるのでそれぞれ実家に帰省し、
付き合ってからほぼ毎日一緒にいたのに初めて一週間以上離れて過ごした。

離れている間と言えば、
私は大学の友達とのオール飲み会やら、小学校からの友達と毎年行ってるボードやら、
はたまた親とも雪山に行ってみるやらで休暇を満喫し、
彼もまた小学校からの同級生で旅行行ったり姪にデレデレしたりなんだりで、
お互い充実した休みを過ごした。

年末年始休暇も終わり、仕事が始まってしばらくすると、
彼に昇進試験のチャンスが舞い込んだ。
うちの会社の昇進試験は、これまでの業績やプロセス面の評価条件を満たし、直属の上司に推薦してもらうことから始まり、
課題に則した論文を事前に用意して、人事に提出後に役員との面接で判断するというもの。

この論文が結構厄介で、みんな過去の先輩たちの論文を参考にして書くのだが、
業務とは関係ないので就業時間中は書いちゃダメ(当たり前だけど)、
セキュリティ厳しいのでPC(うちの営業はみんなノート)持ち帰っちゃダメ、
おまけに一時提出が短納期なので夜中までサー残および金にならない休日出勤せざるを得ない。
苦労して書いても何度も提出前にダメ出しを喰らいまくった挙句、
酷ければ全部書き直しという地獄。

要領のいい人や文章能力の高い人ならば
まあ内容的に楽じゃないとはいってもなんとかなるのだろうが、
残念ながら彼は作文がド下手すぎる。
普段のメールでも、そんなとこに句読点いらねーよ!と思うほど
句読点のオンパレードで、
もし声に出して読んだら肥後が真似る森本レオ並に話が先に進まないレベルで句点を打ちまくる。
その上文章にメリハリがなく、表現も同じものを使いまくるので、
◯◯でした◯◯でした◯◯でしたと、
韻でも踏みたいのかと言わんばかり。
論文の内容の良し悪しについては、私は上司でも人事でも面接官でもないので判断できないが、
年下の私でも国語の誤りは指摘できる。

就業時間中に取りかかるのは原則禁止とは言われていても、
何だかんだみんな多少は手をつけたりしているが、
生真面目な彼は仕事は仕事できちんとこなし、
業務が一段落してから毎晩遅くまで一生懸命論文を書いた。

そしてある程度書き上がるとそれを印刷してこっそり持ち帰り、
なぜか上司より先に私に見せてくるので、
例によって例のごとく怒濤のダメ出し。

もちろん内容には一切触れないが、
「ここ日本語おかしいよ」
「こんなに句点いらない」
「句点打たなきゃ違和感あるなら、こういう表現使えば句点いらないし同じ内容伝えられるよ」
と、それはまるでカテキョのように(カテキョしたことないから知らないけど)
昇進しない私も毎晩手伝った。

私が手直しする前に上長に見せると何だか微妙な反応をされた箇所も、
翌日私のアイディアを取り入れて書き直すと好評をもらえたらしく、
若干不服そうな顔で帰ってきたりしたが、
そんな日でも結局私に添削を頼んできた。

そうして頭を悩ませながら毎晩日を跨ぐまで論文を少しずつ書いていた。
ある日も一生懸命書き足したり手直ししたり、夜中まで明け暮れていたところ
いつのまにか私の誕生日になっていた。
あーでもないこーでもないやってるうちに日付が変わり、
それに気づいたときには彼はテーブルに突っ伏して爆睡。
コイツ忘れてやがる。
しかし私の誕生日よりも、いまは目前に迫った昇進試験の方が彼にとって大事なわけだし、
終わったら祝ってもらえばいいやと思ってその日は寝ることにした。

翌朝早く、いつものように彼は自宅に戻った。
私もいつものように彼を送り出したあとに出勤の支度をし、仕事に出掛けた。
同僚やその日訪問した客にはとりあえず誕生日アピールして、
昼御飯おごってもらったり
缶コーヒーとかコンビニのケーキとかをもらったりして満足していた。

誕生日おめでとうのメールをくれる友達もだんだん減り、
そういえば去年は有休とってTDSにいたな?とか物思いに耽っていたが、
肝心の彼からは一向に電話もメールも来ない。
付き合ってから初めての誕生日なんだけど!と若干ムカついた。

そして仕事を終えてアパートへ帰宅したのだが、
玄関を開けてすぐ暗い部屋に違和感を覚えた。
誰かがいるとかそういう気配ではない。
しかし玄関マットの位置が5?くらい右にずれている。
携帯のディスプレイの明かりでマットを照らした。

マットの上に紙。変な楕円形の紙。
ボール紙を適当に切り抜いたやつ。
なんじゃこれ?と玄関の明かりをつけてみると、
その変な紙に一言。

「こたつの中を見てごらん」

えっw
見覚えのある字に思わず一人言をこぼして吹いてしまった。
いう通りにしてやんよ、とニヤニヤしながら部屋に入ってこたつ布団をめくるとまたも紙。丸い変な紙。

「ウソだよ。ホントはトイレのふたのウラ」

チキショウwww
コートも脱がないまま部屋に仕込まれた変な紙に踊らされて鼻息荒くする私。
よりによってトイレかよ、と思いながらもその変な紙にまたも従う。

ていうかトイレのふたのウラって何?
トイレのドアを開けたが変わった様子はない。
ふたの裏側に小細工された様子もない。

何だよ、と思いながらおもむろに蓋を閉めると、
開いていた蓋とタンクの間に出ましたあの変な紙。

ハサミで適当にきりましたみたいな変な形の丸い紙。

「れいぞうこの中見てごらん」

そして冷蔵庫を開けると、そこにはなんとケーキの箱が入っていた。
私が出掛ける前には当然入ってなかったもの。
こんなサプライズは初めてだったので、驚きと喜びで挙動不審になった。
まだ仕事中であろう彼にすぐお礼のメールをした。
本当は昼間誕生日おめでとうと言ってしまいそうだったらしいが、
忘れてしまっている風を装うために言わないでいたらしい。
もう、なんてかわいいやつ。年上だけど。
めちゃめちゃ嬉しかった。

ちなみにサプライズは本来あまり得意でないらしく、
ケーキ以外のプレゼントに関しては事前に用意してるとかは一切なかった。
彼は気にしいなので、勝手に用意して気に入らなかったら‥とか考えると何も選べなくなるから、
欲しいものを一緒に買いにいこうというタイプの人間だった。

その頃PS3欲しいなとか思ってよく口にしていたので、
(別にねだろうと思って口にしたわけではない)
じゃあそれ買ってあげるとか言われたけど、
彼氏にゲーム買ってもらうのは何となく嫌だったので
後日一緒に出掛けたときにハンドバッグを買ってもらった。

もちろんそのハンドバッグも嬉しかったけれど、
あの変な紙を一生懸命並べてたのかと思うと、
ハンドバッグよりケーキより一番あの紙が嬉しかった。

そんな初めての誕生日も過ぎ、
論文提出を済まし面接も無事に終えて、
いよいよ怒濤の年度末決算のラストスパートに入ろうかという頃、
あの恐ろしい東日本大震災が発生した。

震災発生時は仕事中で、私は一人で15時アポまでの暇潰しをしていたときだった。
あの船酔いのような横揺れは、完全にめまいだと思って(よくめまい起こすタチなので)
地震と気づくのに少し時間がかかったが、
地震だとわかったときは一人きりだったので本当に恐ろしかった。
会社携帯でも個人携帯でも誰にも連絡できない。彼はTwitterもやってない。
何時間も連絡とれず安否も不明。
ワンセグもないからラジオだけでしか情報を得られず、あんなに大惨事になっているとは思いもよらなかった。

一方彼はというと事務所にいたらしく、
会社の判断で即退社命令が出たので営業車乗りあわせで帰宅していた。

私は会社からの指示も伝わらず、
震災直後の混乱で渋滞に巻き込まれなかなか事務所にすら戻れないでいた。

どうにか事務所につくと、すぐに退社しろとのことで、
電車は全て運休してしまったので会社指示で車で帰路についた。
普段なら40分で帰れるところを、3時間かかってようやく帰宅すると、やっと彼と落ち合えた。

停電しているからとどうしようもなく車で暖を取っているときに、
私の母親が新宿で帰宅難民になっていることが判明した。
そのときの私は新宿駅があんな状況になっていたことも知らなかったし、
今日帰れないからといって大したことじゃない、どうにかなると思っていた。

どうにでもなるでしょ、という私に
優しい彼が初めて語気を荒くして怒った。
「お母さんかわいそうだよ!迎え行くぞ今から!どうせ停電して何もできないんだし!」
いやいやまだうちの親に会わせたこともないのに、いきなりこんな形で初対面?
私は全力で断った。本当にあんなにヤバイ状況とは思っても見なかったからね。

地震を大変な事態だと捉えていない私に、彼はガラケーのワンセグでニュースを見せてくれた。
そこで初めて東北にとんでもない津波が来たこと、公共交通機関がダウンして都内で何百万の人が足止めを食らっていることを知った。

彼と行くだ行かないだの言い争いをしている最中、
問い合わせ連打でやっと届く母からのメールでは、
なんとかなるのテンションから、本当に帰れない、泊まるところもないとの泣きの状態に落ちていき、
彼の説得を受け入れて母を迎えに行くことに決まった。

普段なら23区内には車で1時間程度で行けるのだが、あの日は片道5時間近くかかった。
電池切れ寸前のくせにテンパってうろつく母をどうにか探しあて、
(最終的には新宿から浅草まで移動していた)
そこで初めて彼と母が対面した。

会ったこともない彼女の母親を心配して、
自ら車を運転して迎えに行ってくれた彼の優しさに本当に親子共々救われた。
そのとき改めてこの人と付き合えて本当に幸せだと思えた。

震災が起きてから、彼は朝帰って自宅から出勤という生活をいつのまにかやめて、
私の家を生活の拠点にするようになった。

スーツも革靴も私服も少しずつ増えて、彼は自宅に帰ることがほとんどなくなった。

震災から二週間後、私は初めて彼の実家にお邪魔した。
会ったこともないのにいきなり泊まりは図々しすぎるからと、近くの宿泊施設をとってくれと話したのだが、
地元は田舎で泊まれる場所なんてなかった。ビジネスホテルもスーパー銭湯もラブホもない。
生まれて初めて訪れる県。そしていきなりの二泊三日。
彼の実家に泊まって、中日には地元の友達との飲み会につれていかれることになった。

彼の実家は駄菓子屋で、デレデレの対象のクソかわいい姪もいた。
まだ一人で座れない赤ちゃん。子供嫌いなはずの自分も、気がつくとデレデレしていた。
家族の前では私のことを「しっかり者で料理がうまくて仕事もできる子だよ」と紹介してくれた。
そんな風に家族にきちんと紹介してくれた人は初めてだった。
仲間内の飲み会も、正直参加は気が引けたのだが、
まわりのみんなもそれぞれ彼女や奥さんを連れてきていて、嬉しい反面品定めされてしまうのかと内心ビビっていた。

もれなく全員スーパー天然な家族に囲まれ、
周りの友達にも恵まれて、
自然豊かなこの田舎でのびのび育って、この人はこんな風に形成されたんだと知っていろいろ合点がいった。

家族は口を揃えて、
「本当にお兄ちゃんはこんなに天然なのに売れてる営業なの?」と聞いてきた。
どう考えてもあなたたちのほうが天然ですとはもちろん言えなかったが、
確かに付き合う前まで彼に抱いていたイメージは、仲良くなると完全払拭するぐらい一人歩きした噂だということは分かった。
はっきりいって私も彼があんなにも売り上げを叩き出すとはにわかに信じがたくなるほど、
彼はシャイで天然でいろいろなことに対して無知だった。

それからというもの、GWや夏期休暇、たまの3連休など、
ことあるごとに彼の実家に行くようになった。
彼の実家には親戚もよく来るので、親戚にも紹介された。
彼のお母さんは小さい頃の写真や新聞の切り抜きをいつもたくさん見せてくれた。
私は一人っ子で母子家庭で育ったから、大家族の彼がとても羨ましく思えた。

二人でいるときには、彼は私にすごく甘えてきた。
ベタベタゴロゴロ甘えるというよりは、小学生のガキみたいな甘えかただったけど、
それがまた可愛かった。
いたずらを仕掛けて怒る私を面白がって、取っ組み合って大笑いして、本当に楽しかった。
家ではそんな人が、会社ではバリバリの営業マン。
私だけが彼のオフの姿を知っているのは優越感以外の何者でもなかった。

そして彼とは大喧嘩もたくさんした。
お互い頑固でぶつかりあったけど、
喜怒哀楽をここまでさらけ出してぶつかったのは高校の頃の恋愛以来だった。
食べ物や音楽の好みも、洋服の趣味も合うしチャンネル争いもない。
彼が競馬に連れていってくれたように、私も彼に初めての経験をしてもらいたくてライブや野音に連れていった。

付き合って一年半が経って、一緒に過ごす二回目の彼の誕生日が迫ってきた。
今回の誕生日で30歳を迎えるので、ささやかながら記念の一泊旅行を提案した。
旅費と宿泊費は全て私が私が持つよ、と話すと、
「お金が大変だろうからプレゼントはいらないよ、俺もまだあげてないし」と気を遣ってくれた。
実は彼の誕生日の二ヶ月前に、私の25歳の誕生日を迎えていて、
仕事帰りにディナーをごちそうしてくれてはいたが、
自分で考えてプレゼントを用意できないサプライズ苦手な彼は、
「欲しいものは今はなにも思い付かないからいらないよ」という私の言葉を真に受けて、
本当になにも買ってくれなかったからだ。

だから彼も何か欲しいものがあってもねだれないのだと分かっていたし、
自分がもらっていないからといって彼にもあげないなんて嫌だったので、
(欲しいものが思い付いたときにねだればいいやという考え)
私はその旅行のときに彼にプレゼントしようと思っていた。

去年の誕生日は家でケーキを食べて、彼が欲しがった財布をあげたけど、
今年は私が考えたものを贈ろうと決めて、
二人で買い物に出掛けるときの彼の動きを注視していた。

彼へのプレゼントは通勤用の鞄に決めた。
入社当時から使い込んだボロボロのポーターのナイロンバッグを、
さすがに30歳を過ぎてそれでも使い続けるのはどうだろうと思ったし、
なにより彼がいつもセレクトショップやアウトレットで、
鞄を物色していたのを見ていたからだ。

鞄は私の独断と偏見で、私の好きなブランドで選んだ。
持ち帰ると隠す場所もないし、
とりあえず支払いだけ済ませてお店にそのまま置いてもらうことにした。

仕事の合間に旅行の計画を立て、
ホテルの予約をし、目前に迫った誕生日をどれだけ満足してもらえるか、
楽しみではあったけれど正直気が気でなかった。

あくまでサプライズなので、
彼に与える旅行の情報は最低限に抑え、
ご飯はどうしようか、
プレゼントをどのタイミングで渡すのか、
何度も何度も頭のなかで計画を練り直した。
ここまで一生懸命計画したのはこれが初めてだった。

そしていよいよ旅行当日になり、
荷物をボストンバッグにつめて、
出掛ける直前で彼にあるものを差し出した。
「なにこれ?」

私が彼に渡したもの、それは旅のしおりだった。
初デートで彼が寄越してきたあの旅のしおり。
私も彼に用意して、ここぞとばかりに過去最高のドヤ顔で突き出した。

「旅のしおりじゃん!あっ!俺のアイディア真似した?!」
と笑いながらページをめくってすみずみまで眺めている彼を見て、
すごく幸せだなと感じた。

しおりに載せたタイムスケジュールには、
ところどころ「ひみつイベント」と題した空白の時間を設けていたので、
彼はそこに興味を示して、どうにか私からヒントを引き出そうといろいろ質問してきた。

まるで小学生のように
「なになになになに?!
あれ、もしかしてこれって?時間的にメシだよね?
どこいくのなに食べるの?!」
とまくし立てる彼に若干イラつきながら、
「黙ってりゃそのうちその時間来るんだよ!ウルサイ!」
と制して、いよいよ目的地に向かう電車に乗った。

いよいよ目的地に着き、まず最初にホテルに向かった。
チェックインを済ませて、部屋の鍵と一緒に辺りを周遊できるフリーパスを受け取った。
普段は車で行動する私たちだが、今回は電車とバスで回りたかったので、
二日分のフリーパスを事前にホテル側に頼んで用意してもらっていた。

エレベーターで登り、部屋の前に到着した。
受付で受け取った鍵を彼に渡し、
「荷物持っててあげるからドア開けて」
と言い、彼に解錠させた。

ドアを開けるなり、彼は目を丸くして私の方へ振り返った。
「なんか、でかい袋置いてある。なにあれ?」

私はポーカーフェイスを保てなくなり、
ニヤニヤして彼を見つめると、
「あ!!!もしかして?!
‥プレゼント?!用意してたの?」

彼はいつもの少年のような笑顔を見せて、紙袋に飛び付いた。
「開けていい?なにこれ何入ってんの?」
と、私が促すより先に梱包を解き出した。

お店に預けていたあのプレゼント、
どうしてもびっくりさせたくてホテルにお願いして事前に送り、
ルームメイクの際に部屋にセッティングしてもらったのだ。

「今回は交通費と宿泊費と食事代で精一杯になっちゃったから、
プレゼントは何も用意できないけど許してね」
と、さも何も買っていないように装っていたので、
思いもよらない展開に驚きを隠せないようだった。

黄色のリボンをほどいて、
紙袋から出てきたプレゼントを見て大喜びする彼を見て、
また私のドヤ顔が止まらなくなった。

彼はその鞄のブランドこそ知らないようではあったが、
隅々までチェックして、ペンはここに、財布はここに、携帯はここに入れようなどと、
そのデザインと機能性を気に入ってくれたようだった。

そしてプレゼントでのサプライズでジャブをくらわせ、
夕方ホテルを出て辺りを少し散歩しながら、
ディナーを予約したお店に向かった。
行列を尻目に店内に入り席について、
コースの予約はしていなかったので、食べたいものを自由に選んで食べた。

上機嫌な彼はお酒も進み、一通り料理を平らげたあとも、
ワインのみたいからチーズ頼もう、とか自由なことを言い出した。
「いやいや私ワイン苦手だから」
「お腹膨れてるからもう少し待って」
とどうにか彼の要望をかわしたのだが、
それにはポーズの言い訳とは別な理由があった。

ここでも彼には内緒で、
旅行前に席の電話予約をしたときに、
バースデーデザートをオーダーしていたからだ。
ここでワインとチーズを頼んで彼まで満腹になられては堪らないので、
私はハラハラしながら必死で回避した。

コースを頼まなかったのも、
デザートがついてきてしまうからだったので、
最初に料理をオーダーするときから、心の中では
「そんなにいっぱいメインばっかガッツリ頼むなよ!」
「おいデザートのページ見るな!まだ食事すらしてないだろ!」
とヒヤヒヤしていた。

そのお店はバースデーデザートは普段は用意していないと言われたのだが、
あるデザートがとても有名なお店だったのでどうしてもそれを食べたいと言うと、
「ではお皿の縁にメッセージを書きましょうか」と提案してくれていた。

彼がちょうどいいタイミングでお手洗いに離れた瞬間、
店員さんを呼びつけデザートをお願いした。
そして彼が戻ってきて少しすると、
呼んでもないのに急に現れて話しかけてきた店員に、
彼はかなり驚いて挙動不審になっていた。

「お誕生日おめでとうございます!!」
そういって差し出されたデザートの皿には、
彼の名前とhappybirthdayの文字が書かれており、
周りの客に見られて少し照れながらもまた喜んでくれたのがわかった。

「あぶねー追加注文してたら食べきれなかったなこれ!」
「そうだよ、だからといってバラす訳にもいかないから、無理やりこじつけてオーダーさせないように必死だったんだよ!」
そんな会話をしながら、二人でデザートを分けあってたいらげた。

この時点で彼はもうこの日これ以上驚くことは起こらないだろうと踏んでいたようだった。
ディナーを終え店を出ると、ホテルに戻ろうとする彼にしおりを見るように促した。
「まだ帰らないよ」
「ほんとだ!ひみつイベント!まだなんかあんの??」

私が用意したこの日ラストのイベントは、
クルージングバーだった。
貸し切りにすると料金が高いので、時間予約だけしていたのだが、
運のいいことに私たちの他には客が一組いただけで、
ほぼ貸し切りも同然だった。

お酒をのみながら夜景を見て、
これ男女逆だよな普通、
私まるでプロポーズしようとしてる男かというほどの用意周到っぷりだわ、
なんて我ながら思ったりもした。

一時間位の周遊中に、今日あそこを歩いたね、
あっちにも行ってみたかったね、
海上からここの夜景を見たのは初めてだね、と色んな会話をした。
春先とはいえまだ冷たい夜の潮風が吹くなか、
甲板にでて誰もいない隙にこそっとキスをして、
全部自分が段取りしたのに感動して泣きそうになった。

そんな彼との一年半を思い返して、
今この瞬間、彼の節目の誕生日を祝えることにこの上ない幸せを感じた。

翌日は翌日でサプライズは用意していたが、
特筆すべき内容でもないのでここには書かないが、
人のために一から段取りして計画する旅行ははじめてで、
主役はもちろん彼なので、彼に楽しんでもらうことが大名目だけど、
プレゼンターとして私の役目を十分全うしたであろうことに、
私は言いようもないほどの満足感を覚えた。

あの誕生日から半年以上が過ぎ、
来月頭でようやく2年を迎える。
結婚の話はまだ出ていないけれど、
彼の地元にも何度も連れていかれたし、
彼の家族との総勢8名での旅行にも行った。

母子家庭で育った私には、こんな大人数での家族旅行は初めての経験で、
とても楽しいものだった。
いい年こいてみんなでプリクラとって、
旅行先でも家族写真も撮ってもらった。
彼の両親にも、「また来年も一緒に行こうね」と言っていただけて、
旅行の翌月からは彼母の提案で来年分の積み立ても始めた。

その他にも、彼妹と一緒にライブに行ったり、彼姉と姪と遊園地に行ったりもしたし、
彼姉一家は私達が住む方にも遊びに来てくれた。
夏休みには彼の親戚の家で流しそうめんパーティーに誘われたり、
親戚一同での宴会まで参加させてもらった。

ここまで相手の家族とどっぷり仲良くなったのは初めてだし、
母、姉、妹とはメル友だし、
さすがにこれで嫁にもらわれなかったら発狂したくもなるけど、
来月からはいよいよお互いの今の部屋を引き払って、
二人で新生活を始めることも決まったから、
すぐにとはいかなくても将来的にいい方に転べばいいなと思っている。

同棲は結婚が遠退くとかもよく聞くけれど、
いまのワケわからん半同棲生活でお金のこととかその他もろもろの面倒があるなか、
それらがきちんと片付くだけでも、
私たちにとっては大きな進歩だと思う。

もちろん喧嘩もすれ違いも何度も経験した。

でも私は感情を思い切り出してぶつかる恋愛はなかなか出来るほうではないので、
そういうところも全部含めて彼で本当によかったと思っている。

全部が好きとは言えないし、
腹立つところも相容れないところもたくさんある。
それはお互い様だと思うけど、それでもこうして一緒にいて、
嫌いなところも全部引っくるめて、やっぱり彼がいいと自信をもって言える相手がいるのは、
本当に幸せだと思う。

そのぬるま湯に浸って胡座をかいて、
知らぬ間に大事なものを失わないように、ここに書き留めたかったのかもしれない。

同じ社内という、こんなに近い場所にそういう人を見つけられたなんて私は本当にラッキーだと思う。
社内恋愛はもちろん面倒も多い。気も遣う。
うちの会社は社内恋愛禁止じゃないし、社内結婚もかなり多いから理解はあるほうだ。
かといえ噂好きな人も多いし、
私達は何だか社内でも目立つタイプのようなので、
面倒を避けるため大々的にはオープンにはしていない。

社内恋愛だからこそのよさも悩みももちろんたくさんあるけど、
出会いは案外近くに転がっているものかもしれない。

新入薬剤師の巨乳

とある民間の病院で働いています。
この病院での飲み会ですごくおいしい体験をしたので書かせてもらいます。

この病院では年に2回病院全体での大きな飲み会があります。6月と12月にありますが、基本的に全職員が参加します。この病院は規模は大きくはありませんが、毎年10人程度新入職員がはいってきます。昨日はこの飲み会の1回目。飲み会ではこの新入職員の顔みせもかねておこなっています。新入職員といっても大学や専門学校をでたばかりの若い子ばかりではなく、30台や40台の方もいます。
今年病院に勤めだした薬剤師の中にKちゃんという女の子がいます。年は20台後半でしょうか。以前は別の病院で勤めていて今年からこの病院にうつってきたとのことでした。背は小柄で童顔、胸が大変大きく女の看護士さんも噂をしているような色っぽい女の子でした。顔はかわいらしく、誰とでも打ち解けてはなすとてもいい子でした。
飲み会でも少し話せたらいいなと思っていました。一次会は全くからむことなく終わり(この時点で自分はかなり酔いが回っており、まわりもかなりお酒に飲まれている様子でした)二次会では40人くらいはいれる畳の居酒屋でした。偶然にも比較的Kちゃんと近い席(斜め前)になりました。まわりは看護士さん(けっこう年上の人ばかり)でしたが、Kちゃんがいたのでテンションはあがっていました。最初はフツーに会話をしていたのですが、途中である看護士(30台後半Aさん)がKちゃんについていじりだしました。
Aさん:Kちゃん彼氏は?
K:いないですよ?。前の病院の時はいたんですけど、分かれちゃいました。
A:え?そんなにかわいいのに。言い寄ってくる男とかいるでしょ?
K:そんなのいないですよ?。出会いとかないですし(笑)かわいくもないですし?
かわいいといわれKちゃんは恥ずかしそうです。
さらにAさんの質問攻めは続きます。
A:じゃあ最後にエッチしたのは??そんなにスタイルいいのに彼氏いないなんて。
K:もう前すぎて忘れましたよ?。そんなこと聞かないでくださいよ。
A:エッチもしてないのにそんなに胸大きくなるんだ?
K:胸大きくないですよ?Aカップくらいです(笑)
こんな会話が続いていました。誰もがいやいや、Aって、と思ったに違いありません。
A:そんな分けないでしょ。私が判定してあげるわ。
というやいなや、服の上からKちゃんの胸を上下にもみだしました。
Aさんは酔っているため手をとめません。
A:ん?FかGくらいはあるな?Kちゃん、正解は?
K:そんなの言えないですよ。
A:先輩命令!ちゃんと教えないと。
AさんはKちゃんの胸が気に入ったのかちょくちょく胸をもんでいます。Kちゃんはその時黒のチューブトップの上に白いシャツを羽織っていたのですが、チューブトップの上から深い谷間とピンク色のブラジャーが見え隠れします。Kちゃんもみんなの前で女性にとはいえ胸をもまれて恥ずかしいのでしょう。顔がまっかになっていました。
K:じゃあAさんにだけですよ。○○○です。
とAさんに耳打ちしました。
するとAさんは
A:え?そんなに大きいの?想像以上?
といっています。想像ってさっきFかGっていってた気。どれだけ大きいのだろう。と思って興奮していました。
Aさんは隣にいた20台後半の看護士に耳打ちしKちゃんの言葉をさらに伝えたようでした。しかし、その看護士(Tさん)は、あっそうみたいなリアクションであまり関心をしめしません。後々聞いた話なのですが、この看護士はAさんのことをあまりよく思っていなかったようで、後の飲み会では「本当にむかつく」といっていたそうです。
このときはそんなことは微塵も知りませんでした。
T:胸なんて大きくてもあんまりいいことないですって。
とAさんに言っています。しかしAは
A:でもさ?男の人ってやっぱり大きいの好きなんじゃないかな。私も胸ないしうらやましいけど
T:そうですけど、私はあそこまでは必要ないな。男に体目的でせまられそうだし、だから彼氏いないんだよ。
と言い放ちました。これを聞いて酔っ払っているKちゃんはさすがにいらっとしたのか、言い返しました。
K:何ですかその言い方やめてくれます。人が男に遊ばれて捨てられてるみたいに。それとも自分が胸ないからひがんでるんですか。
これに対してTさんは逆上し、立ち上がってKちゃんの反対隣に座りました。そして
T:あんたね
というやいなや、Kちゃんを押したおしました。殴りこそしなかったですが、Kちゃんを上から押さえる形になりました。
そして次の瞬間、
T:そんなに胸でかいのが自慢ならみんなにみせてあげなさいよ。
といって、チューブトップをずるっとしたまで下げました。Kちゃんの胸からはピンクの花柄のブラジャーが丸見えです。
しかしTさんはまだやめません。抵抗するKちゃんを押さえつけ、まわりの抑える看護士さん達をはらいのけ、ブラジャーまで肩のところまであげてしまいました。
Kちゃんの胸は丸見えです。真っ白な胸に色の白い大きな乳輪。乳首は小さくややぴんくがかった茶色でした。僕たち男性陣はなにがおこったのかわからず唖然とKちゃんの胸を見つめていました。Kちゃんは抵抗していますが、全く抵抗できていません。
まわりの看護士さんが方が押さえつけてやっとことは収束しました。
しかしKちゃんはあまりのショックに唖然状態。目には大粒の涙をうかべていました。KちゃんはAさんたち看護士さんにつれられて帰っていきました。
明日からまた仕事がはじまりますが、Kちゃんは仕事にもどってくるのか心配です。
あまりに興奮したので、飲み会から帰ってすぐ書かせてもらいました。

【拝啓小龍先生】職場の先輩

小龍先生!謝らないで下さい!
自信のあるコメントでなければ駄目です。

現在、新しい人を仕込んでいる途中なんです。
信用し易い内容でなければ困ります(できればL目線でお願いしたかった)

今回は、本当に勝負をかけています。今までは練習だったと言っても過言ではありません。
もう何年も思い続けてる人で、先生は、驚くかもしれませんが
私より10も年長で、今年40歳の女性です。
職場の先輩に当たる人で、三流会社のうちでは稀な慶応卒で、仕事が出来、優しく、皆の憧れです。
私が、職場で休憩中、長文メールを書けるのも、優秀な彼女のおかげなんですよ(笑)
彼女を奴隷とすることができるならば、私に思い残すことはありません。
これを最後のディールとすることを誓っても良いです。
彼女のイメージですが、ちょっと同年代に似ている芸能人がいません。
<URL削除>
先生の好みではないですかね。すごい美人というわけではありませんが実物は、もう少し綺麗です。

彼女はFXは私の薦めで始めましたが、昨年、マスコミに釣られて外貨預金を行っていたので、話が早かったです。
今までの経験からなのか、ドル円90円以下は、有り得ないと思っているらしく、
私が先月、小龍先生のブログを紹介すると、絶賛でした。
現在、89円台、88円台で大量にロングを抱えています。昨日、87後半でもお腹一杯買ったようです。
貯金があったので、まだ借金はさせていませんが、彼女のご主人は、一流企業だったようですが、辞めてしまって、無職だそうです。
服装などからも余裕がある家庭ではなさそうです。

先程、87.2を割ったのを知って、彼女曰く、86.7を割り込むと終わるようです。
それを聞いて、興奮してしまいました。86.7を割り込むのが待ち遠しいです。

彼女が、職場の同僚達の前で、40歳を過ぎた体を晒して、
恥ずかしさで震えながら、体の隅から隅までを公開する姿が早くみたいです。

安値更新
まさか87、1もがこんなに早く割れるとは・・・

実はエロ小説坊が最強指標だったりする

これは!小龍先生!今日中に来そうです!
早退して、現金を用意しとこうかな。
奴隷まで落とすには時間が掛かるかもしれませんが、
人間って現金を見せると本当に変わるんです。
本日中に、私独りだけの前だったら、脱がせられるかもしれません。
その後は、貸したお金を更に損させれば・・・

うぎゃあぁぁぁぁ

おつったか。
あとはどこまではしるか・・・

よっしゃ!まだ知らないだろうから、ドル円ネタに昼飯誘ってみよう!

小龍なんぞ、ここ半年役に立ってない。

エロ小説が最強の予想師。

俺も奴隷欲しい。

小龍先生!昼飯行ってきました。
小龍先生・。・゜・(/Д`)・゜・全て先生のおかげです。
もうすぐ、長年の願望が叶います!
先程の彼女の話ですが(似てる人がいないので。イメージ <URL削除>)。
思いかえせば、当社に入社したのもセミナー時に説明をしていた彼女に一目惚れしたからですした。
入社後、結婚していることを知って同期の斉藤と飲み明かしました。
ところが、先日の飲み会で、
遠くの方で彼女が課長と為替の話をしているのを聞いた時の、私の感激は先生にはうまく伝わらないでしょう。

先程、詳しく話を聞いたのですが、私の想像以上に彼女は大胆でした、いや、無謀と言いましょうか・・・
実は、彼女、私に内緒で90円台でも買っていて、先週、強制ロスカットが怖くて、カードローンで入金していたようです。
更に、もっと驚いたのは、なんと、昨夕、既に強制ロスカットされていたようです。
今朝も平然な顔で86.7になると終わる、などと言っていましたが、それは、ロスカット後の残金で買ったポジが切られるという意味だったようです。
既に終わっていたということです。しかも、
愚かにも、旦那さんはデイトレーダーの真似事をしていて、
デイトレなのに、持ち越しばかりで、散々やられてるとのこと。先物1万円台Lをまだ持ってるとか。
驚いたのと同時に呆れましたよ、もっと早くその情報を知っていれば・・・
つまり、私が小細工しなくても、泥沼だったみたいです。
彼女、本当にヤバイらしく、話を聞いてるうちに、泣きそうになっていたので、チャンスと思い、
思い切って、援助しましょうか?と言ってみました。あの驚いた顔が忘れられません。

小龍先生!銀行でお金を下ろしてきました!

とりあえず、借金分だけ貸そうかと思ったのですが、
彼女、借金の額や負けた額などの金額を全く言ってくれないのです。
仕方なく、1000万下ろしておきました。
彼女が、うちに来た時、現金が見えるように、わざと、テーブルの上に置いて会社に戻ってきました。
今日は、仕事が終わった後、彼女と一緒に、うちに帰宅する予定です。
そこで、お金の相談にのることになっています。

うまくいけば、あと数時間後に、彼女がこういう写真を撮らせてくれるかもしれないと思うと、わくわくです。
<URL削除>

おいエロ小説

もっとエロイ写真頼む。

シュチュはエロイのに、写真が大人し過ぎる。

1000万出して40歳の体見たいとかwどんだけブサイク男や

小龍信じて89円のときにロング抱えていたら死んでいたよーー。
今回ほどノーポジで良かったと思った日は無い。
儲けも無いけど。

小龍先生・。・゜・(/Д`)・゜・
今日の結果報告です!お礼の気持ちからの報告です。長いから、面倒なら途中でDelして!

うちに彼女を連れてきて、改めて話を聞いたのですが、やっぱり借金の額や負けた額などを全く教えてくれません。
それでも、テーブルに積まれた現金は気になったようです。
すぐに、500万貸して欲しいと言ってきました、来月から20万づつ返すと・・・
それは無理だろうと思いましたが、とりあえず、貸すことにしました。

私もかなり緊張していたので、彼女の表情から内心が全く読めなくて、非常に悩んだのですが。
彼女がお金をカバンに仕舞ってる時、怒られるのを覚悟で、胸を触ってみました。
後ろから片方だけ、軽く触る感じです。そうしたら、
私の腕を脇できつく挟んできて、少し空気が硬くなるような気配を感じたので、
うわっ、怒られる!と思って、、とっさに、「返すのはいつでもいいですから」と言ったら、
脇で腕を挟む力が少し緩まった感じになり、小声で「ありがとう」と言ってきたので、いける!と思って、
両手で、胸を揉んでみました。後ろから抱くような体勢ですかね。
今度は、予想通り、無言で、抵抗もしてこなかったので、遠慮なく胸を揉みしだかせて頂きました。
長年憧れていた女性の胸を、念願叶って自由にできたので、大変興奮しましたが、
思っていたよりも、というか、かなり貧乳で、ブラのカップも緩い感じでした。なぜだか私が本気で欲しいと思う人は毎回貧乳です。
まあ、今回は予想外だったのですが。
ただ、貧乳という誤算は、職場の男達の前で、胸を晒させる時の恥じらう姿が堪らなく良いので、ラッキーと思うことにしました。

貧乳じゃなくても、知り合いの前で、40過ぎた女性が体を見せるのは、堪らなく恥ずかしいのかな?、とか、
ヌード鑑賞会に誰を誘うかとか、第1回鑑賞会は彼女には内緒にして、
仕事が終わった直後、シャワー浴びさせずにやろうか、などと思いを巡らせながら、
憧れだった美しい唇に吸い付きまくり、口の中を味わいました。

ただ、残念なことに、予想通り、服を脱がそうとしたら、電気を消させられました。
いつもの私なら、従わないのですが、彼女は職場の先輩だからか、どうしても強気に出れず、
真っ暗にして普通に抱きました。それでも、大変、素晴らしかったです。
ただ、もっと素晴らしい出来事が、すぐに起こりました。

Hが終わり、シャーワーを浴びて戻ってきた彼女が言い難そうに、500万では足りなくて、もう少し貸して、と言うのです。
シャーワーを浴びながら、お願いするか、悩みぬいたようです。FX以外に、日経先物が追証らしいです(アホか!)。
旦那だけじゃなく彼女もやっていて、しかも、両方でLらしい。まあ、彼女は9800円台の様ですが。
少し、彼女のことが分からなくなった瞬間でしたが、とにかく、かなり困ってる様で、、、
心の中でガッツポーズをした瞬間です。今日のノルマは、とりあえず、私に頭が上がらなくしてやろうと考えました。

実は、昨日先生へメール書いている間に、ドルのショート利確し忘れてしまったのです。
おかげで、今日まで持ち越して、更に利益が乗っているんです。だから、太っ腹の私は、
200万を手に取り、「賭けをしましょう」、
「今から2時間、私の命令の全てに従うことが出来たら私の負けです。この200万は、無償で差し上げます」と言ってみました。
無茶苦茶な賭けなので、駄目だろうと思いながら、言ってみました。驚いた様子でしたが、
「え?それって、くれるってことなの?」と聞いてきたので、満更ではないなと思い、FXでLとS間違えて偶然儲かったという嘘話をしました。それを聞いて、彼女、すぐに承諾してくれました。(やったー!やったー!心の声)
ただ、もし、1度でも命令に逆らったら、さっき渡した500万のうちの200万を返して下さいと言いました。
そうしたら、それは駄目だと、拒否されました。まあ、ここまでは想定内で、この後が私にとっての賭けです。

私は、残りの300万も彼女の前に出して
「でしたら、この300万も追加します、私が負けた場合、これも差し上げます。その代わり、
1度でも命令に逆らったら、先輩の負けですから、貸した500万を全て返して下さい。」と言いました。
かなり迷っているようでした。既に、Hした後でしたし、2時間で500万、借りるのではなく、貰えるのですから。
しかも、勝負に負けても借りるはずだったお金を返すだけ。かなり美味しいはずです。
それでも、かなり迷ってるのを見て、借りるはずの500万は、どうしても必要なお金なのかな?と思い、
「それじゃ、先輩が負けても、100万だけは貸しますよ」と言ってみました。
すると、彼女、「300万は、絶対に必要だから、負けても300貸して」と言ってきました。
私は、その様子を見て、心の中で、喜びました。こりゃあ、相当まいってるんだ、と。
そもそも、500万は既に貸してあり、それでは足りないと言われ、更に、500万のうち300万は絶対に必要だと。
どうなってるんだ・と。当然、こんな状況で、言いなりになる私ではありません。”あっさり”に見えるように
「分かりました、では、無しにしましょう。
先輩も500万借りれたから、必要な300万は余裕で大丈夫ですよね」と言いました。
すると、彼女、少し慌てた様子で、やっぱり、先程の条件で勝負したいと言い出しました。
これが、彼女の全てを頂くことが決定した瞬間です。
いつもの聡明な彼女でしたら、有り得ない選択でしたが。私は心の中で勝ち鬨をあげました。

その後は、もういつもの通りです。
彼女は、明かりを煌々と付けた中で、さっき着込んだばかりのスーツをもう一度脱ぎ、
シャワー浴びた直後だからか、それとも恥ずかしさからか、体中を真っ赤に染めて、
私の方を見ながら、下着を脱ぎ、全裸になりました。
そして、その数分後・・・
先程、お金が置かれていたテーブルの上では、お金に代わって、彼女が仰向けに寝ていました。
足を開いて、、仰向けなのに、なぜか、お尻の穴を上に向けて・・・
彼女は、顔と下半身の二つの穴を同時に、凝視されて、恥ずかしいのか、
頭の上で組んだ手が力で白くなってました。
不思議なことに、憧れの女性が死ぬほどの恥ずかしい格好に耐えている姿を見ても、
興奮するよりも、少し萎える感じでした。

先程のHの時には、してもらえなかった、
というより、触れてももらえなかったので、今回は、入念にしゃぶってもらいました。
私は、咥えさせた後、キスするのが、なんか気持ち悪くて、嫌なので、普段はしてもらわないで、キスを多くするのですが、
初めて彼女に出会った時のことなど思い浮かべながら、しゃぶらせていると、みるみる立ってきて、すぐに逝っちゃいました。

ただ、いくら夢にまで見た憧れの女性でも40歳ですし、普通の体です。体の隅々までを観察して、だいたい30分間くらい
玩具にしていたら、飽きてきました。
少し、早いかな?と思いましたが、次のフェーズに行くことにしました。

私は、電話を手にとって、彼女に見せるようにして、「これから清水さんに電話をかけますから、代わって下さい。
そして、色っぽくここへ誘って下さい」と言いました。それを聞くと、彼女の顔色が変わりました。
清水さんというのは、違う部署で40歳の独身男です。彼女の同期なんですが、ライバルみたいな関係で
二人は非常に仲が悪いのです。彼女の方が一方的に、嫌ってる感じもしますかね。
結論を言えば、これで彼女は詰みました。
清水さんをここへ呼んで、裸で接待するように命じたら、
彼女は「そんなことが出来るわけない」と言ってしまいました。
死んでも、そんなことは出来ないと。

彼女は悲しげでした。結局100万だけ貸しましたが、ぜんぜん足りないのでしょう。
職場で向かい側に座っている後輩に、体の隅々まで晒して、飽きるまで玩具にさせて、それで、借りられたのは
100万円です。たった100万・・。
会社では、毎日、細身の体に、スーツを着て、細くて長い足で颯爽と歩いている先輩・・・
その先輩が、もしも、その綺麗な足を大きく広げて、そのスレンダーな体を自由に玩具にさせると申し出るなら、
会社には100万くらい払う奴は、いくらでも居ると思います。
ボーナス2回分、45で独身平社員の総務のAさんなど、倍額でも絶対に払うはず。それほどの女性ですよ。

悲しげな彼女に、私は、言いました。
「小龍ブログも売り転換しました、重要なラインを割り込んだのだから、80円くらいまで下がるんじゃないですかね」
「この100万で足りなければ、すぐに作れるカードもありますから、カード何枚か作って300万くらい借りて、
全力ショートすれば、来週には、1000万くらいは、取れるのでは?」と。
彼女が、気の無い感じで「そうよね」、と呟いたので。私は、
「一応、私のアドバイスですし、負けた場合は、負け額の全てを貸しますよ」とダメ押ししておきました。
私には、見えます。ちょうど来週の今頃です。
彼女は、先程あれほど嫌がった清水さんに、貧乳を弄ばれながら、必死に彼の股間に舌を這わせる、そんな姿が見えます。

エロ小説力作過ぎるだろ。

小龍先生を信じて、相当負けたんだな(wwwwwwwww

藤井がまた人民元切り上げを連想させるような発言してるし
まだまだ逝くなこれは…

童貞だけどセフレ作れた話

俺はそれまで彼女がいたことがなかった。
その上リアルでうまい出会いなどあるはずもないけど彼女欲しーなーとか思ってた。

出会い系とか聞いたことはあったが、怖くて手を出していなかった。
出会い系に登録したのは友人の勧めだった。

が、あとから聞くとその友人も出会い系は利用したことがなく、正直俺を実験台にしたかったらしい。
 
 
で、ここの出会い系に登録。

とりあえず、登録手順ぜんぶ済ませて無料ポイントを入手。

スペック

19
大学浪人
身長177cm
細身
顔フツメン
眉毛が綺麗って言われるwww他に褒めようがないのかよwwwww

よく使い方分からんかったからとにかく近所に住んでて良さげな子4人にこんな感じのメール送った。

「良かったら仲良くしませんか?年上の人が好みです」

すると、30分程して一人の子から返信が。

「いいよ、私は20歳だよ。俺君はいくつ?」

俺「19の浪人生です。女(Aにしとく)さんはなに大学生?」プロフに学生って書いてあった。

A「へえ?。そう、私は○○大学(地方の国立大)だよ。俺君は高校どこだったの?」

とかだいたいこんな感じで地元の話を5~6往復メールしてた。

そしてその後。
Aからの返信
「もっと俺君とメールしたいから直アド交換しませんか?」

ちょっと迷った。変なアドレス回収業者かとも疑ったが、ここまできたのだからと直アド交換した。

直アド交換してからAは(あくまでメールだが)饒舌になった。

A「俺君は彼女とかいないの?」

いたことないです。

A「じゃあ、えっちとかしたことないのかな笑」

俺「したことないです。興味はありますけど笑」

A「そうなんだ。じゃあしてみる?」

!?

という流れで会うことに。
ただし、しばらく忙しいから1週間後に会うことになった。

で、その間もメールは続くんだがこのAちゃん、ド淫乱だったwwwww
童貞さんの俺としては女の子が淫乱とか考えただけでムスコが暴れるわけです。

A「Skypeとかやってないの?」

俺はiPhoneだったのでアプリは一応入れてアカウントも持っていた。

俺「します?」

A「どうせなら顔も見たいな。ビデオチャットしよ?」

俺はビデオチャットとかしたことねーしなー、でももう会う約束取り付けたしなぁーとか逡巡したが、

俺「いいですよσ(^_^;)」

SkypeID教えてもらい、すぐに繋がった。

A「始めまして、っていうのもなんか変だね笑」

このとき初めてAの顔を見た。
普通に可愛かった。
いや、嘘じゃない。
ランクは上の中くらい。
完璧じゃないけど、逆にそれが良かった。

で、向こうの格好は結構ピッタリしたTシャツにホットパンツ

スタイルは…良い方だと思う。
ぽっちゃりではないが痩せてもいない。

すると、ここでAちゃんの淫乱トークが始まった。まとめると、
AちゃんH大好きということ、初体験は中2で相手は一つ年上の先輩だったこと、その先輩とは半年前まで付き合ってたこと、オナニーは毎日すること、etc
やっぱごめん、まとめきれんわ。
おっぱいはDカップらしい。

そんなこんなの話をした後に、
A「俺君のアレ見たいな照」

俺「じゃあAちゃんも見せてよ」

こんな具合で俺とAちゃんはお互いに下着姿に。
俺「じゃあ、おっぱい見せて」

A「恥ずかしいな。でも、いいよ」

ブラを外して手ブラの状態。
俺「興奮する?」

A「うん…」

Aはおっぱいを自分で揉み出して、股間にも手を持って行って弄りだした。

つまり、生まれて初めて俺は女性の自慰行為を見ているのである。すると

A「俺君のおちんちん入れて」

は?とか思ったが俺も興奮していて

俺「入れるよ。…入ってる?……動くよ」

とか、そんな感じでお互いにSkypeで相互オナニーしてた。

実は、会う約束取り付けた時に思いつきである薬をネットの輸入代行業者で注文してたんだ。

詳しくは書かんが、バイアグラみたいなやつ。バイアグラのジェネリック版。

別にインポじゃないけど、初めてだし少なくとも2回戦は行きたかったから。

会う当日。俺は宅浪だから基本勉強するか暇するかどっちかなんだ。
あるコンビニの前で待ち合わせ。
顔合わせの時は清潔感が勝負とか聞いたことあったからチノパンにワイシャツ+カーディガンで行った。

いた。20分前に着いたのにもういた。

俺「あの」

A「俺君?」

俺「あ、ええと、そうです」

とにかく昼飯食ってなかったから近くの喫茶店に。俺はピザ食った。Aちゃんはなんかミートドリア食べた。

Skypeで話してたこともあってか結構すんなり打ち解けてた。
時間あるしどこ行く?ってなってカラオケ行った。
これはメールしてた時から予測してたことで、カラオケの練習は一人でちょくちょくやってた。そのおかげか結構うまく歌えてたと思う。

俺が途中でBUMPを入れたらAちゃんもファンらしくてそこからまた盛り上がった。
カラオケは20時までのフリータイムだったんで14時からいて6時間歌ってたことになる。

さあ、出ようかってなったときにトイレにいってバイアグラ服用wwwww

そしていざホテルへ。
俺はラブホとか初めてだからAちゃんが行ったことあって綺麗なところに連れてってくれた。

料金は俺が初めてっていうのと相手が年上だからってだしてくれた。

ついに初ラブホ
綺麗だった。バスルームの鏡デカ過ぎわろたwwww

最初は抱き合ってしゃべってた。

とにかく全てが初体験だったからテンパりそうだった。
でも余裕のない男は嫌われるらしいから、経験が無いなりに落ち着こうと努力した。
が、俺の愚息はすでに覚醒してしまっていた。

キスして、そのままベッドの上に。
おっぱい触った。
パンツの上から弄った。
パンツ脱がして指入れた。

ちなみにその日のAちゃんは下着が上下白だったwwwwwわかっていらっしゃるwwwwwwwwww

フェラしてもらった。
なんかね、後から分かったけどフェラって個人差はあるだろうがまんこより気持ちいい。単にAちゃんのテクがすごかっただけかもしれんが。

とにかくジュッポシュッポいってバキュームやばいんだ。

すると、不意にこみ上げるものが。
俺「あ…で、でる…!!」

Aちゃんお構いなくバキューム。
そのまま口に出してしもうた。
ごっくんしてくれた。

このときすでにAちゃんはかなり濡れていた。フェラしてもらって気持ち良くなってる俺を見て濡れるらしい。女ってわかんねwww

ゴムは自分でつけた。
付け方予習しておいてよかったわwwww

そのまま正常位でインサート。
感想、あったかい。ゆっくり出し入れするだけで女は気持ちいいらしい(演技かもしれんが)

上手く腰振れんかったがピストンの速度はなんかだんだん上がってきた。

A「あんっ、はあ…っ!ん、あ…イク!イ…ク、やば…いくっ!!」

Aちゃんイッタ。
なんか演技かもしらんがイカせられてすげえ嬉しかった。イクときまんこの締めつけが半端なくなる。

いろんな体位をやってみたいというと快く応じてくれた。
まずは騎乗位。
上下におっぱい揺れる。まじ揺れる。M字に開脚させたら奥まで当たるらしい。

次は立ちバック。
繋がったまんま部屋を横切ってバスルームのデカい鏡の前でピストン。
バックはお尻が当たるのが非常によろしいですwwww

俺も限界になってたからバックでイッた。

俺放心状態でなんかAちゃんと抱き合ってシャワー浴びる。が、バイアグラさん効き過ぎwwwwwwぱないっすwwww
シャワー浴びてる途中ですでに再びムスコがバトルモードに

その後もエッチして、さすがに疲れたので終了。帰宅した。
それからAちゃんとはちょくちょくあってセフレのような関係になっている。

寝取られたあげく悪者にされたが、一発逆転した話

大学生の頃、付き合ってた彼女がいた。
付き合い始めの頃のスペック


大学3年生、身長185cm、体重78kg 以下「俺」
体を鍛えるのが好きで、学生の頃キックボクシングを趣味でやってたので体格よし。
K-1ミドル級で出てた佐藤よしひろに似てるらしい。

彼女
高校3年生、身長160cm、体重43kg 
以下「彼女」、会話中では「あやみ」AV女優の神咲詩織(カミシオ)にかなり似てる。

AVコーナーでカミシオのDVDを見たとき、彼女と本気で間違えたくらい。
3サイズは聞いてないが、Fカップって言ってた。

細身だが胸が大きく、またカミシオみたいに肩幅広くなかった。
いわゆる「えろい体型」だったと思う。

当時めちゃくちゃ仲がよく、付き合いたての頃からお互い結婚を意識するようになってた。

もともと俺はぼっち気味な部分もあり、友達付き合いがほとんどなかった。
代わりに、彼女との時間に全てを費やしてたんだ。
だから大学の卒業式も誰とも話さずにさっさと帰ったし、卒業旅行も大学生でもない彼女と2人でディズニーシーに行っただけだった。

在学中に彼女の親とも会ったが、めちゃくちゃ気に入られ、結婚観を語られるようになり、結婚もかなり現実味を帯びてきてた。

当時俺は英語のほかに中国語と韓国語を勉強していた。
彼女父が会社を経営していたのだが、中国・韓国から輸入をはじめることを考えていたらしく、めちゃくちゃ話が合った。
(中国と商売をする上でのリスクとか商慣習、中国人の思考等々)

就職活動も無事に終え、俺は某一流自動車メーカーへの就職が決まった。
うちの親も喜びまくり。苦労して学費ためて、大学まで行かせた甲斐があったって。
母親も泣いて喜んでくれた。
しかし、就職活動をしてる最中、彼女の父親から、「いつかはうちの会社に来てほしい」なんて言われるようになっていた。
まぁ、当時の俺は考えもしなかったんだけどね。

で、就職したわけだが、会社はめちゃくちゃいいとこでさ、給料もいいし休みも多く、ほんと今から思うと天国そのものだったんだよ。
それに俺の語学力も活かせるし、上司も俺のことすごい褒めてくれてさ。
最高に居心地よかったんだ。
仕事をめちゃくちゃがんばろう!って素直に自発的に思える会社だった。
でも・・・秋口のある日、彼女父から電話がきたんだ。

「今、うちには英語が話せるのが一人しかおらん。中国語や韓国語が話せるやつなんかゼロだ。頼む、うちに今すぐ入社してくれ。」
「うちに入ってくれないなら、娘との付き合いももうやめてほしい」
とも言われた。

どうも、娘と結婚した相手に会社を継がせる気でいたらしくてさ。
当時俺は親からは「大人の言うことは絶対聞かなきゃいけない」みたいな教育を施されててさ、そんな無茶なこと言われても一切反論できなかったんだ。
バカだよね。

悩みに悩んだ。彼女のことは死ぬほど好きで、彼女以外との結婚はまじで考えられん。
仮に今後彼女以外の女と付き合うことになったとしても、絶対こんな幸せな、フィーリングぴったり♪なんてことにはならん。
自信があった。
それくらい、彼女しか見えず、ほかの女なんて考えられなかったんだ。

だが、その会社に入ってしまえば、今の会社なんて比べるべくも無い激務薄給、そして実家の親元を離れることになってしまう。
さらに、社員30人程度で負債もやたら多い経営で、明日をも知れない状態だったんだ。

考えた結果、彼女父の会社に入ることにした。
親からは猛反対くらった。

高い学費を払ってやった息子が、一生安泰な会社をやめて、いつ潰れるかわからん中小の会社に行くとか言ってる。
当然だわな。
反対を押し切ってその会社に入社した。
実家から通える距離じゃないので、アパートを借りて一人暮らしすることになった。

入社した。
聞いてもいないのに、社長が社員の学歴の話とかをしてきた。
中卒が2割、高卒が7割、あと、ごくわずかだが大学卒が数人とため息まじりに話す。

「お前が入ってワシの後を継いでくれれば、この会社にも知性が生まれるな、はっはっは」

かなり期待されてた。

今にして思えば、この社長は学歴コンプがかなり強かったんだ。
彼女は俺の前に別の男と付き合っていたんだが、いわゆるFラン大学の学生でさ、それを聞いただけで付き合いを断固反対、それでも別れないんなら絶縁みたいなことも、軽くにおわせる発言をしたらしい。

会社の社員からの視線はかなりきつかった。

どうやら、社長の娘と結婚前提で付き合っており、いずれ社長の後を継ぐという話も聞いていたようだった。
「いい大学出てるからって調子乗ってんなよ」って目で見られたし、実際俺のいない場所(と彼らは思ってたようだが、たまたま隣の部屋にいて聞こえてしまった)でそんなことを話し合ってたんだ。

ことわっておくが、俺は断じて学歴を鼻にかけたことは無いし、むしろ社会人経験の長い先輩方を尊敬すらしてた。
しかし、そうした態度すらも「しらじらしい、俺らを見下してんだろが」みたいな風に捉えられてた。

仕事自体は海外とのやり取りもあって楽しかったが、とにかく人間関係がきつかった。
「針のむしろ」って言葉の意味を理解した。

その会社では、どれだけ働こうとも、どれだけ中国や韓国の工場との交渉を有利に運ぼうとも、褒められたことは一度もない。
むしろ上司のミスが全部俺のせいになってて、ほかの社員の前でさらし者的に怒られ続けてた。

初の給与明細を見たとき、腰を抜かした。

就業規則上の「定時」では朝8時半から17時半までの勤務、昼休憩1時間のところ、俺は上司の命令で朝6時半には出社し、休憩など5分でメシをかきこんですぐ仕事、そして夜11時過ぎに退社という毎日だったんだ。
土日も平日と変わらず仕事。

当然残業代がつくんだろうと思ってたら、1円たりともついてなかった。
前の会社で同じくらい働いてたら(まぁそんな無茶な残業させてもらえる会社じゃなかったんだけど)、残業代だけで日本のリーマンの平均収入上回るくらいもらえてたと思う。

基本給も比べるまでもなく、手取りで13万円くらい。
24時間営業のマックスバリュがあったから、退社が遅くとも食材調達はどうにかなった。
ボーナス?休日出勤手当?代休?何それ?

つらいつらい毎日の唯一の癒しが彼女の存在だった。
だが、入社2ヶ月ほどした頃から、彼女の態度に変化がで始めた。

彼女は当時医療系の短大に通ってたんだ。
彼女が毎日忙しいのはよくわかってた。

前の会社勤務時は、忙しい毎日なのに、向こうから欠かさず俺にメールや電話をくれ、1日1回は「好きだよ」なんて言ってくれてた。

それが、向こうから連絡をしてくることがなくなった。
俺から「好きだよ」とかメールをして、かなり長く待ってから、そっけなく「あぁ私も」みたいな感じの返事しか来なくなった。

世間知らずで女性経験も乏しい俺は、勝手に「メールいっぱいすると俺がしんどくなると思って、気遣ってくれてるんだ」とか「彼女は忙しいからな、連絡どころじゃないんだろう」なんて思ってた。
すでにこの時点で手遅れになってたことにも気づかずにね。

入社して3ヶ月経つかって頃に、上司から「ちょっと今度の金曜から日曜まで一人で中国行ってこい」って言われたんだ。
航空券とか現地のホテルとか全部自分で手配するように言われてさ。
「いや、今度の金曜て、それあさってですやん」て思って、急いでチケット手配してさ。
2日後の飛行機だから、中国航空会社の格安(3万円弱)のは当然全部売り切れてて、JALの高めのやつ(8万円強)しかなかったんだ。
そしたら上司にめちゃくちゃ怒られた。
「お前は航空券の手配もできんのか」って。

で、まぁ行くことになって、彼女にも伝えたんだ。
そしたら、なぜか喜んでた。
いつまで行ってくるの?って聞いてきたから、「日曜」って言わず、ウソついて「水曜」て言ったんだ。
で、帰国したその日の夜に彼女の家に行って、サプライズみたいなしてやろうって。
彼女は実家暮らし、つまり社長と同じ家にいるが、2人は活動時間が微妙にずれてて、顔を合わせて話すことがほとんどない。
まぁバレないだろうって思ってたんだ。

「そっか、じゃあその間は家に誰もいないんだね?」って彼女にやけにしつこく確認された。
何でこのとき、この不自然な問いかけに疑問を持たなかったんだろうな。

出張前夜。彼女にメールした。
「行ってくるよ、会えなくなってさみしい」って感じのことをね。返事は来なかった。

出張当日朝。
「行ってくるよ、向こうからも連絡するね」ってメール送った。
やはり返事は来なかった。
胸に穴が空いたような、むなしい気分になりながら日本を出たんだ。

現地到着して最初は散々だった。

上司が「話をつけておいたから、お前は仕入れ先に行ってくるだけでいい」って言ってたんだが、先方は何も話を聞いていない状態。
俺が一から説明し、それでも理解できなかったようで、その場で持ってたノートPCで資料つくって、説明した。

納期とかかなり無理な要求もあったので、自腹切って事前に用意していたおみやげを渡して気分よくなってもらい、あとは読みかじりの中国の故事成語とか三国志の武将の話を今回の件に絡みつけ、何とか相手が了承してくれた。

上司に報告したら、また怒られた。
「なんで前もって相手に説明しておかないんだ!」って。
いやいや、あんた、自分で言っておいたって言ってたじゃないですか。

目上に反論できない俺は、ただ謝るだけだった。
その夜枕を濡らしまくった。

なんで俺が悪者になってんだよって悔しくて枕濡らしまくった。
落ち着いてから、自室でシャワー浴びようとしたら、蛇口から変な茶色い液体がぬらーって出てきた。
7月で暑い時期、汗もいっぱいかいていたが体を洗うのはやめといた。

その日、そして次の日の土曜日とも、夜ホテルから彼女に国際電話をかけたんだ。
出てくれた。声が微妙に響いてて、どうも部屋の中にいるっぽい。
だが、後ろの方で、何か声が聞こえてたんだ。
それも、トーンは高めだが、どうも女ではない声。
誰かいるの?って聞くと、急にあわて出して「ちょっ!ちょっ!」とか何か言ってたんだ。
あ、いまテレビ切ってんだな、とか致命的な勘違いをしてた。
彼女の部屋にテレビねーよ。

で、俺が「今日こんなことがあってさー」とか言おうとしたら、「ごめん今学校の宿題やってるから、また明日話そう」て言われたんだ。
そっか、忙しいときに悪かったなって思って、でも明日なら話できるんだって胸をはずませて、翌日夜電話したんだ。
でも、出てくれなかった。

仕事でも彼女でも何やらごちゃごちゃあったが、帰国の日になり、チェックアウトするためにホテルフロントに行くと、なぜか仕入先工場の社長が来てた。
俺の上司のことをまるで信用してない中国仕入先は、若くて、ごはんもりもり食べて、お酒いっぱい飲める俺をやたら気に入ってくれた。

お前の言うことならある程度は聞いてやる、上司を通さず直接言ってこい、なんなら遊びに来い、またうまいザリガニをたらふく食わしてやるって笑顔で言われたんだ。
そんで空港まで送ってくれてさ。

中国人って大阪人みたいでさ、最初は冷たい感じだけど、仲良くなるとめちゃくちゃ世話焼いてくれるんだ。
まぁ・・・日本人と感覚がずれた部分はいろいろあるんだけどさ。

帰国、そして俺のアパートに着いた。
日曜の17時頃だったな。
「とりあえず赤味噌の味噌汁が飲みたいなぁ」とか思って俺の部屋の鍵を開けようとしたんだ。
すると、なにやら中から声が聞こえる。
「テレビをつけっぱなしにしてたか?」そう思ったが、耳をすませてみると、聞き覚えのある声なんだ。

えっちをしてる時の、彼女のあえぎ声だ。

「あっ!あっ!すごっ・・・いいっ!」

そんな声が聞こえた。
隣の部屋にも部屋の壁越しに聞こえるだろう音量だ。

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

後ろから突くときの、女の尻に男の下腹部が当たるときの音だ。
バック大好きな俺にはすぐ分かった。

あと、何かコブクロの音楽が聞こえた。
行為の声や音を消すためなのだろうが、声も音も、その音楽より大きい音量なので、ぜんぜんカモフラージュになってなかった。

状況がまるで飲み込めない。だが、事実を確かめたい。
逃げ出したくなったが、それ以上にその状況の真相をつきとめたくなった。
すごくそっと、鍵を開けた。
こそりこそり、とドアを開け、スーツケースも音が出ないようにドアの中へ。
ドアを開けたら、よりいっそう声も音も大きくなった。

「大好きっ!あぁっほんとに好きなのっ!」
「俺も・・・俺も大好きだよっ!あやみ(彼女の名前)!」

パンッパンッパンッ
声と音とコブクロの音楽が交錯する。

俺のアパートの部屋の構造だが、1DKの6畳間だ。
そして、キッチンとメイン部屋の間はドアで仕切られているのだが、このときドアは全開になってた。
ベッドから俺のいた通路のかげは死角になってて、見えにくい。
態度がおかしくなる前の彼女も、よくそこに隠れては急に現れ、おどかしっことかして無邪気に遊んでた。
そのかげを利用して、声の聞こえるベッドの方を静かに目を凝らして見る。

カーテンが閉められて薄暗い室内だったが、西日もあり、状況を視認できた。

全裸で四つんばいになった彼女が、Fカップの大きな胸をぷるぷる揺らしながらあんあん言ってる。
後ろから、顔はよく見えないが茶髪アフロの細身の男が、後ろから四つんばいの彼女の腰を持ったり、ときどき胸をもんだりして、「はぁっ、気持ちいい!俺あやみのこと一生大事にするから!」とか叫んでる。
叫ぶたびにアフロがわっさわっさ揺れてた。

目の前が真っ暗になった。
頭にキンッキンッって変な金切り音みたいなのが響いた。
脚が震えて、気持ち悪くなった。
立っていられなくなった。
腰が抜けたってやつなのかな。

がんばって音が出ないよう静かに静かに、その場に座り込みつつ、しかしかげから体が出ないように、引き続き様子を見ながらじっと耐えた。
「俺とするときは、あんなに声出してくれないのに・・・あぁ、そもそもこの会社に入ってから2ヶ月、一回もさせてもらってなかったわ」
くらくらしながらも、そんなことを考えてたのを覚えてる。

「あやみ、最後あやみの顔見てキスしながら一緒に・・・」
男が小声で、たぶんこんなことを言ってたんだと思うが、彼女に言った。
彼女も「えへへ・・・うれしい・・・たっくん、いっぱいギュッてしてね」言い返してた。
すごい吐き気に襲われたが、がまんし、音も出ないように引き続き見守った。

正常位になった。
向きも変わり、男の背中しか見えなくなった。
しかもそのまま男が彼女に抱きつくようになり、彼女の見える部分は開いた脚と、男の背中を抱きしめる腕だけになった。
「俺、こんな幸せなの初めてだ!俺あやみのためなら何でもできるよ!」
叫びながらブリュッブリュッて音をたて、腰を動かしてる。
「たっく・・・がっ一緒にいっ、いてっくれっればっっ、ああっ」
彼女も返してる。二人ともすごく幸せそうだ。

「うああああっ!!!」

男が叫び、腰の動きが止まった。精液を搾り出すように、腰が微妙に動いてた。

「ふぅっ、んんっ・・・」

切ない声をあげながら、男の背中を、彼女がさらにギュッと力を込めて抱きしめたのがよく見えた。
まだ混乱してる俺を、さらにどん底に落とす一言が聞こえた。

「はぁ・・・はぁ・・・ねぇ、ほんとに中に出しちゃって大丈夫だったの?」
「大丈夫だよ、私ちゃんと勉強して、生でも大丈夫な日とか知ってるから。今日は絶対大丈夫な日だから。」
「うん・・・まぁでも、もし出来ちゃっても、それはそ れで嬉しいかな。ずっとあやみと一緒にいられるじゃん。へへっ」
「そんなん言ったら、うれしくなっちゃうじゃん・・・」

言いながら、男の背中にまわしてる手にまた力が入ってるのが見えた。
俺はゴム無しでしたことはありません。

「生かぁ・・・気持ちいいんだろうなぁ・・・」

そんなことを考えてました。現実逃避してたのかな。

耐え切れなくて、えづいてしまい、声を漏らしながらその場で泣いてしまった。
その声が聞こえてしまったようで、

男「何の音?」 
彼女「え・・・なになに?」
そんな声が聞こえた。

やばい!この場を去らないと!
思うも、腰が動かない。体が言うことをきかなかった。
男がベッドを離れ、こっちに来た。姿を見られた。覗き見してたのがバレてしまった。

俺はくしゃくしゃになった顔で男を見た。
涙でよく見えなかったが、男はやばいって顔をしてた。
声にならない声をあげてた。
そりゃそうだ。だってその男、俺が知ってる人だもん。

会社の、別部署の先輩だったんだ。
なんで特徴的な髪型で気づかないんだろうな。

先輩「お、おう・・・帰ったんだ。お帰り」
そんなことを言ってた。

彼女が「なに、どうしたの?」
って怪訝そうな顔をのぞかせたが、俺と目が合って、すごい勢いで顔色が変わってた。少しずつ感覚が戻ってきて、立ち上がった。

俺「ここ・・・僕の家ですよね?なんでいるんですか?」
先輩「いや、こいつ(彼女)が合鍵持ってるから入れるじゃん」
俺「あ、そっか・・・すみません散らかってて」
先輩「え、あぁ、いやいい部屋じゃん、いいとこ見つけたね」

どうも状況にそぐわない会話をしてた。俺は何を話せばいいか分からなかったんだ。

彼女が、途中で話に割って入ってきた。

「なんでいるの?水曜日まで帰ってこないんじゃなかったの!?ねえ、どういうことなの!?」

フルテンションでキレてた。
胸ぐらつかまれるような勢いでまくしたてられ、俺はおびえながら

「ごめん、悪気は無かったんだけど・・・いるはずの無い俺が、急にあやちゃん(彼女)の前に姿を現して、やーんうれしい、みたいな反応を期待してたんだ」
と、がんばって声を出して言ったんだ。

彼女「はぁ!?バカじゃないの!うそついて、許されると思ってんの!?あんた何様のつもり!?」

ほかにもいろいろ言われた。お願いだから胸を隠して何か着てくれ。そう思った。

先輩「わり、ちょっと俺用事思い出した、帰らないと・・・」
急に帰ろうとする先輩。

だんだんと気持ちも元に戻ってきた。状況を理解し、俺がキレていい場面なんだと理解した。

俺「いや、それは無いですよね、このままで終われるわけないですよね!?」

服を着てる先輩の腕をつかんだ。だが、いかんせん感覚が戻りきってない。
俺の腕がなんか震えてて、力がいまいち入らなかった。

急に先輩が牙をむきだした。

先輩「うるせぇーー!いい大学出てるくらいで何やってもいいと思ってんのか!あぁん!?」

冷静に思い返すと、先輩も彼女も、どう考えても発言が状況を理解してないんだよね。

「たっくん、もういいからやっちゃってよ!」

なんと彼女が先輩をけしかけてる。
先輩は近くにあった、封の開いたじゃがりこを俺にぶちまけてきた。
だが、その攻撃は、冷静を取り戻した俺には効果はいまひとつだった。

「あぁ、もうこれは完全に俺がキレていい状況だ。」

思うが早いか、先輩を両手で突き飛ばした。
腰の入った、いい双掌打だ。

たまらず先輩はのけぞる。
キックでの試合の感じで、「ここから右前蹴り、部屋の壁まで吹っ飛ばしたら、距離をつめて首つかんで膝蹴り地獄だ」と思ったが、なんと彼女が俺に抱きついてきた。

「たっくん逃げて!こいつ頭おかしくなってるから!逃げて!!」

先輩は部屋を回りこむようにして逃げていった。
捕まえようとしても、無理に彼女の手を引き剥がしたら、彼女がケガしてしまう。
そんなことを考えたら、何もできなかった。
今思えば、あんなクソビッチ、顔に一生残る傷でもつけてやればよかったんだがな。

先輩に逃げられた。俺と彼女が残された。
ひとつひとつ確認していく。

俺「ねぇ、俺らって付き合ってるよね?」
彼女は一転、しおらしく
「だってしょうが無いじゃん!私だって忙しくて大変でさみしくていろいろふじこ」

俺「うん、ごめん俺がいい彼氏じゃなかったんだよね。本当にごめん。でもさ、でもさ、ここ、俺の部屋でしょ?なんで俺の部屋でするの?」

彼女「だってしょうがないじゃん!私の家で出来ないしラブホなんかお金もったいないし、たっくんだって私と将来本気で考えてくふじこ」

俺「ねぇ、先輩とはいつからそういう関係だったの?」

彼女「いつとか関係ない!あんたみたいな男につかまって、私ほんとにかわいそうだよ!」

俺「俺がこの会社入って少ししてから、メールとかくれなくなったよね。やっぱり、その時にはそういうことだったの?」

彼女「うるさい!うるさい!全部あんたが悪い!うあーーん!」

ダメだ、泣き出してまったく話にならない。

疲れたし、部屋もいか臭いし、一人になりたくなったから、もう服を着せて帰すことにした。
そしたら、彼女がホームラン級の発言。

「あんたとはもう結婚できない。これって婚約破棄だよね。慰謝料、絶対もらうから!」

ポカーンとしてる俺を置いて彼女は帰った。

その後、彼女から彼女フィルターがかかりまくった説明を受けて、俺を完全な悪者と思ってた社長に事実を説明したり、何もかもいやになって首を吊ろうと思ったりした。

俺の親の反対を押し切って大企業から零細に入ってきて、その際に親からは絶縁めいたことまで言われてる。
俺に帰る場所なんて無かった。
世間知らずな俺は、

「すでに2社目だ、この会社を辞めたらもうどこの会社にも転職できない、イヤでも仕事を続けるしかない」

そう思って、婚約破棄の慰謝料請求も、先輩の告訴も、全部やめた。

しかも、社長から
「俺が自信持って引っ張ってきた男が、彼女を寝取られるような腑抜けなんてバレたら、俺の威厳に傷がつく。お前、このことは黙っておけよ」
とまで言われた。
辛くても、言うとおりにした。

すでに寝取られてるのに、「いやあ、毎日ラブラブですよ」とほかの社員にウソまでつき続けた。辛かった。
だが、実は意味がなかった。
寝取り先輩が「あいつの彼女寝取ったったwwww」と言いふらしまくってたんだ。

「仕事できんくせに学歴を鼻にかけて調子にのった罰だ。」
という見方が大勢だったらしい。社員の人たちは、さぞかしメシウマだったことだろう。
彼女も社長も先輩も、誰一人キズはつかなかった。
俺が自殺を考えるレベルのキズを負った程度で事件は収束しんだ。

その後、中国、韓国、台湾あたりを出張で行きまくった。
赤字経営の会社だから、時には自腹で航空券を買った。
給料は上がらず、仕事にかかる支出と生活費がかさみ、貯金を切り崩し続けた。
そんな時、台湾で一人の女性と知り合い、韓国嫌い同士意見が合い、付き合うようになった。

その後会社を辞め、今は飲食店と翻訳のバイトをしながら糊口をしのいできた。

今は彼女との結婚まで考えてる。
台湾では親は偉大であり、そんな親から絶縁されてる俺は、結婚には不適格と見られるらしい。
だから、まずは親の説得、復縁が急務だ。

あとは・・・今の彼女に少しは贅沢させてあげられるように収入を増やしたいな。
台湾の女性は金に汚いとか2ちゃんでスレが立ってるが、俺の彼女は俺の収入状況も生活水準もよく理解したうえで結婚の話をさせてくれてる。
一生大事にしていくつもりだ。

蛇足だけど、その会社のその後…

俺が辞めた後、ある社員が労基にたれこみ、劣悪な労働環境が発覚したらしい。
未払い残業代の支払いなんかも命じられ、また監督署に提出する資料(つじつま合わせとかね)の準備で追われ、仕事にならんかったみたい。

大幅な減収減益、そしてこれだけはするまい、と言ってたリストラを実行したんだと。
寝取り先輩もその対象だった。
社長の娘とは付き合いかけたが、やはり社長の学歴コンプのふるいにかけられ、

「会社を辞めるか娘から手を引くか、好きな方を選べ」とか言われたんだと。

娘と別れ、会社もクビに。まぁ結局どちらも失ったわけだ。
娘は、短大を卒業して無事とある病院に勤務したが、院内淫行が発覚してクビになった。今は無職らしい。
まぁ、今となってはどうでもいい。

台湾の彼女だけを見続け、こんな情けない甲斐性のない俺を一生支えるって言ってくれた彼女を、俺は一生かけて幸せにする。

復讐と言えば復讐になるかな。

俺がやめたら、中国と台湾の仕入先はいっせいに会社から手を引いたんだって。
俺が担当だったから、よくしてくれたしわがままも聞いてくれた。

上司は人間として信用できないらしく(中国人にそこまで言われるのはよっぽど)また、別口でおいしい客を見つけたんだと。
今も、その工場長とはチャットとかしてるんだ。
会社は薄給でよく働く奴隷と、割のいい仕入先を失い、また残業代なんて特別支出。
先輩はまぁ当時で30台後半だし、スキルもないので、今後は絶望的だろうね。

どうも彼女は前の会社の収入、将来性を俺に期待してたらしく、この会社に入ってそれは望めなくなったことを実感した、そんな時に先輩が「あいつは仕事ができない、あやみも大変だよな」とか、ことあるごとに連絡し、寝取るに至ったんだそうだ。
別の社員からの又聞きなんだけどね。
俺がこの会社に入るのを強く推したのも彼女なんだけどね。

社長は自分とこの会社が相当にやばいと実感してた。
だから、娘を使って一発逆転を図れる人材を確保したんだ。

でも、自分に不都合な人間だと悟った瞬間、「次期社長」から「都合のいい奴隷」に扱いを変えられたよ。
俺の弱さ、情けなさにいらついてるみんなには、ほんとに申し訳ない。

俺はこれがあったから今の彼女に会えたんだって本気で思ってる。
つらかったとは思うし、前の会社にいれば今頃は・・・なんて思うこともあるが、今は今でしっかり前を向いて歩けてるんだ。

男女間の修羅場を経験した話を書きますよ

スペックです。
ボクは、山下ユーサク(仮名)当時は公立高校の一年。

成績は普通、運動神経も普通、外見も普通、つまり特徴がないことが特徴で他人からは「何度会っても顔と名前が一致しない奴」とか言われてました。
当然、先生にも名前を覚えてもらえないわけで、授業中に指名される回数が明らかにボクだけ少なかったような記憶があります。
基本的にヘタレです。

彼女の名前は、山本ミドリ(仮名)同級生です。

長身で活発な子。
ルックスは美しいスポーツ少女系。
今の流行でいうとヤングなでしこといった感じでしょうか。

中学二年の時に彼女が転校してきてから、ずっと同じクラス。
しかも名簿も近いことから席はいつもボクが前、彼女が後ろでした。
だから彼女はボクのことを名前で呼んでくれる数少ない(というか唯一の)女友達でした。

転校初日の第一印象は「大きな子だなぁ」でしたね(笑)
たぶん、当時は彼女の方が背が高かったと思います。
そして次に「カワイイかも」になるわけです。
気のせいか、ちょっと影のある感じはありましたけどね。

理由は覚えてませんが、ちょうどボクの後ろの席が空いていたので彼女の席がそこに決まり、ボクは内心「ラッキー!」とか思ってました。

十分に地の利を活かして、ボクは彼女と親しくなりましたね。

運よく気も合ったので、ボクは彼女とは同性の友達と接するように自然に接することができました。
それは彼女も同じだったと思います。たぶん。

半年もすると幼馴染みたいになり、そのうち彼女からは、普通に恋の相談のようなものも受けるくらいにまでなってましたよ。
この辺は想定外でした。仲良くなり過ぎましたね。友達として。

そんな彼女に「男性の意見が聞きたい」と言われる時は、たいてい恋愛系のハナシでした。

ボクの彼女評は“恋多きわりには臆病で詰めが甘く成就しない乙女”とでもいうのでしょうかね、次々と「あの子がステキ!」とか言うくせに結局は、誰とも付き合ったりできなかったようです。

この話は、高校に入って初めて彼女から「男性の意見が聞きたい」と言われたことから始まる騒動を、思い出しながら書いていきます。

―― 第一部 修羅場 ――

いつものように慌しい朝のホームルーム前でした。

ボクは友人達と昨日のサッカーについて、あーだこーだと批評家よろしくやってました。
ボクは、一応サッカー部所属です。ベンチ外ですけど。

いつもは、そんな話に混じってくるミドリが珍しくひとりで席に座ってました。

様子がおかしいかも?とは思ったんですが、女の子ですからね。
下手に構うと真剣にウザがられたりするんで放置してました。

でも、その日は一日中そんな感じだったんで、終礼後に声をかけてみたんです。

「熱でもある?」
「ない……と思う……かも」

なんとも珍妙な回答をするミドリ。
(なんなんだ、それ?)

彼女の虚ろな視線が、ちょっと気になったものですから数ヶ月ぶりに彼女を誘ってみました。

「今日、部活だろ? 終わったらなんか食べに行こうか」

別に下心があったわけではないですよ。
家が近所で方向が一緒なので、中学の頃は部活終了の時間さえ合えば一緒に帰ることが結構あったんですよ。
高校に入学してからは、初めてでしたけど。

「……わかった。じゃ校門で待ってる」

力なく答える彼女でした。

彼女はバレー部所属です。
身長があるんで中学の頃はエースアタッカーだったし。

自校で試合がある時に何度か応援に行ったけど、体が大きいせいもありなかなか迫力がありました。
スポーツ少女に見合わない綺麗な長い髪も目立ってましたし、それになんというか…… 揺れるんですよね(笑)

彼女も同じように、ボクの試合を応援してくれたこともありました。
ロスタイムにゴールを決めた時には、汗と泥まみれのボクと抱き合って喜んでくれたし。

そんなこんなで周囲からは、完全に二人は付き合ってると思われてたようです。
残念ながら違うんですけど。

だから、彼女は非常に目立つ存在にもかかわらず、寄ってくる男は少なかったようです。
詳しくは知りませんがね。
もしそれがボクのせいだったなら今さらですが謝っておきます。すいません。

ちなみにボクに寄ってくる女性は皆無でしたよ。
それは決して彼女のせいではなかったと思います。ドンマイ!

さて夕暮れの迫った校門。
彼女が壁にもたれかかり、ボクを待ってました。
アンニュイな雰囲気で可憐さが一層引き立ち、なんかこうゾクゾクっとしたことを覚えてます。

「ごめんごめん。顧問の説教が長くてさ」

さっきのゾクゾク感を誤魔化すように言うボク。

「いい……さっき来たとこだから」

もし、これが初対面だったなら、即落ちで一目惚れしてたかもしれません。
どうやらボクは憂いを含む女性の表情に弱いようです(笑)

でも、数年間の彼女との時間がボクと彼女の関係を「友達」に固定してしまっていましたね。

ボクは自転車を押しながら坂を下ります。
彼女はボクの斜め後ろを黙ってついて来ます。

これは誰か好きな男ができたんだろうなと思いましたね。
過去にも似たようなことが何度かありましたから。
嫉妬心とかそういうものは、まったく感じなかったですよ。
同性の友達が誰かに惚れたとか聞いても何も思わないのと同じです。
ボクの中での彼女はそんな感じだったんです。

ファーストフード店に着くと端の方の席を陣取り、ポテトと飲み物だけでじっくり話を聞くことにしました。
ボクはもう答えはわかっていたんですが、とりあえず通過儀礼として尋ねることにします。

「で、どうしたんだ?」

ストローの袋をコネコネしながら、ちょっと拗ねたように俯き加減で視線を合わさず、とんがった口で呟きます。

「……男性の意見が聞きたい……」

(ほらきた)見覚えのある光景です。
毎度のことですが同じ仕草で同じ内容を言うんですよ。コイツは。

とりあえずボクは、いつも同じ反応をするしかありません。
ここで、何か違った反応(どんなだ?)でもすれば、ボク達の関係が変わったりしたんでしょうかね?
その時はそんなことは、考えもしませんでしたけど。

「それで、今度の相手は誰なんよ?」
「……サッカー部のキャプテン」
「え――っ! 早川先輩(仮名)かよ」

まあ驚きましたよ。身近な3年の先輩ですからね。
いや、驚いた理由はそれだけじゃないんですよ。
その先輩には彼女がいたからです。
ありがちなんですが、3年のマネージャーさんがそれです。
ちょっと派手目ですけど、かなり綺麗な人です。モデルみたいです。

ボクは迷いました。その事実を今ここで伝えるべきかどうか……

数秒間の熟考の結果、今日のところは先輩に彼女がいることは伝えないことにしました。
今日はミドリを元気づけるために来たわけですからね。
明日でいいや、とか思ったんですよ。
それに、話を聞いてやれば少しは落ち着くだろうし、それからでも遅くはないと考えたからです。

案の定、先輩のどこがカッコいいかを力説しながらミドリは、どんどん元気になってきました。
ボクとしては他の男のカッコよさなんて聞かされてもあんまり面白くなかったんですけどね。

まあ、先輩は普通にカッコいい人ですし、サッカーもボクなんかよりも随分上手いです。

ただねぇ……女性とのアレコレを自慢げに話すタイプなところがねぇ?
聞く方は楽しいんですよ。ソノ手の話は、こっちも興味津々ですから。
でも、その話を聞いた後では、気まずくなるんですわ。

マネージャーさんを見るともう妄想全開になっちゃって……あんな綺麗な人がそんなコトをするなんて……
ついパンツを押さえてしまいますよ(笑)
ボクは、ひょっとしてこの先いつかミドリと先輩のアレコレを聞くことになるのか?とか考えてちょっと困ったような気になったことを覚えてます。

結局、ミドリには小一時間ほど話につきあいましたね。
もう飲み物の氷が溶けるだけじゃなく、紙コップまでユルユルになった頃にやっと解散となりました。

それからのボクは、結構苦しかったですよ。
ミドリからは先輩のアドレスを教えろとか、今後の試合スケジュールを教えろとか、弁当を作りたいから食べ物の好き嫌いを教えろとか色々と言われましたから。
なんだかスゴーく盛り上がってるんで、つい彼女がいることを言えずにいたんです。
つーか、先輩とマネージャーさんのやり取りを注意して見てりゃふつーは気づくハズなんですけど、コイツは気づかないんだよなぁ。

ひょっとして相当ニブイのか?

そのうち、一度でいいから直接話がしてみたいとか言い出してさ。
仕方がないから段取りをしてやりましたよ。
部活が終わった頃にボクに声をかければ、できるだけ自然に先輩と話ができるようにしてやると。
まあ、やってみたんですけど全然自然じゃないのね、これが。
なんかマネージャーさんに睨まれましたけど、ボク。

その日の帰り、ミドリはテンションが上がってました。
「一歩前進ナリ!」とか言ってましたね。
そういえば、ボクは最近ミドリと一緒に帰ることが多くなりました。

なぜかミドリが校門で待っているせいで流れ的に、そうなってしまうんです。
で、ひとしきり先輩のカッコいいところを聞かされるというわけでして。

あー面白ないぞー(笑)

とかいいつつ、ボクは楽しかったようです。

ところが……

ミドリを先輩に近づけたことが、ボク達をとんでもない方向に進めるきっかけとなってしまったんです。
一週間後くらいだったかな、早川先輩がボクに話しかけてきたんです。

「よう山下! あの子、そう、ミドリちゃんってカワイイよな」
「へ? なんすか急に?」
「昨日の帰りにファーストフード店で偶然会ったんだけどカワイイなとか思ってさ。で、あの子はおまえの彼女なのか?」

先輩からミドリの名前がでるだけでも、ドキッとするのに彼女かどうかなんて聞かれたものですから、相当慌ててしまいました。
傍から見ると滑稽だったと思いますよ。
ひとりで赤くなってバタバタしてたわけですからね。

「ちがっ、違いますよ」

ボクが否定するのを見ながら腕を組んで何かを考える先輩。
そして、呟くようにさりげなく爆弾発言をしてくれます。

「そうか……じゃあアタックしようかな?」
「え?! 先輩……マネージャーさんが……」
「マネージャー? 気にしない、気にしない」

ボクは内心(これはマズイことになったかも)と思いましたね。
ひょっとして先輩は手当たり次第とか、そういう系の人だったのか?となるとミドリが可愛そうだし、なんとかしないとマズイ非常にマズイ。

ボクの心配を他所に、それからミドリは先輩と急接近するわけです。
帰りは相変わらずボクと一緒なんですけど、彼女は途中から先輩との待ち合わせ場所へ向かうことがあったりしました。
休日デートもしたみたいです。
まあ、会話の内容やデートの様子はこっちから聞かなくても嬉しそうに逐一話しますから、まだ深い関係にはなってないらしくボクは少し安心してたんです。

って、いったい何を心配してるのやら……
まあ、ミドリはマネージャーさんと違ってそこまで踏み込めないだろうとは思ってましたけど。
というか、なんでコイツはここまで詳細をボクに語る必要があるのか理解できませんでしたね。
ボクが聞き出してるわけじゃないですよ。

そんなことよりも、早く彼女がいることを伝えなければ……
焦る気持ちとは逆に、いざミドリを前にすると言えなくなるんですよね。
彼女が悲しむ顔を見たくないというのもそうなんですが、言ってしまうともうミドリとこうして一緒に帰る理由がなくなってしまう……

という複雑な心境だったのも理由だったような気がします。
今、思うとこれがいけなかったわけです。

そんなある日……
ボクは珍しくマネージャーさんから声を掛けられるわけです。

「えーっと……山下君……だっけ?」

ちょっと驚きでした。
話をしたことがない女性がボクの名前を覚えててくれるとか新しいです。
初めてです。嬉しいかも(笑)

「今日部活が終わったら、ちょっと付き合って欲しいんだけど」

なんだか非常に嫌な予感がするんですけど、先輩の彼女ですし無視してもいいことは何も起こりそうにないどころか、悪いことが起こる気がして気の進まない状態で、待ち合わせ場所へ向かったわけです。

そうしてボクとマネージャーさんは、夕暮れの中、公園のベンチに二人座ることになりました。
雰囲気は抜群なんですが、そんな悠長なことは言ってられません。
絶対に先輩とミドリのことだろうな、と思ってましたから。

「ごめんね。急に呼び出したりして」
「いや、全然オッケーですよ。どうせヒマですから」
「実は……早川君のことなんだけど……」

ここまで聞いて、やっぱりそうだろうなと納得しましたよ。
別に変な期待をしていたわけじゃないですが、やっぱり心の底では何かを期待していたんでしょうね。
なんといっても、正常な男子高校生ですから(笑)

「なんだか最近、私の知らない女の子と仲がいいみたいで…… で、その子って山下君の友達じゃないのかなと思って」

いきなり、話がヤバくなってきたじゃないですか。
彼女の静かな口調がボクの緊張感を高めてくれます。
心臓の鼓動が高くなって、喉まで乾いてきましたよ。

「で、どんな子なの?」

若干怒りの感情を含んだ声にボクは戦慄を覚えましたよ。
女性というのは浮気をした男性よりも、相手の女性に対して怒りを感じると聞いたことがありますが、まさにソレです。

それに彼女は全ての裏を取ってるんでしょうね。
先輩に最初にミドリを引き合わせたのがボクだということも分かっての今日なんだと思いました。
こうなるともう逃げられません。

ボク観念して正直に話をしました。

ミドリはボクとは中学から一緒だったこと。
長身でバレー部に所属していること。
外見はそこそこ美少女で、男子にはそれなりに人気があるというか目立つ存在であること。

そして彼女が、先輩に憧れていたこと。

一度でいいから直接話がしたいと言い出し、ボクがそれを段取りしたこと。
あとは……先輩に付き合ってる人がいることは、知らないということ。
でも、学校の帰りにどこかで先輩と待ち合わせをしてるらしいとか休日デートのようなコトをしてるとかは言いませんでした。
だって怖いし。

マネージャーさんは(……ったく余計なことを)というような怒りを含んだ目でボクを見てましたが、最後まで話を聞くと

「正直に話してくれて、ありがとう」

それだけ言って、さっさと帰っていきました。

ボクは自分の無事を喜ぶ余裕もなく、ベンチにへたりこんでしまいましたよ。
それより、自分がきっかけを作ったせいで、なんだか人間関係が面倒な方向へ動いていることが恐ろしくてね。
そして、今日のことをミドリにどう説明したらいいのか分からず一人で頭を抱えてたんです。

が……事態はボクの想像を超えて、斜め上の展開を始めるわけです。
なんと、ボクとマネージャーさんが怪しいとの噂が立ち始めるという。
なんで?!

どうやら、公園のベンチに二人が真剣な表情で座っていたところを誰かが目撃したようで、話に尾ひれがついて広まっていったようです。

二人が公園で真剣に見詰め合っていたとか……これはある意味本当か……いい雰囲気で肩を寄せ合っていたとか……近い状況ではあったけど……抱き合ってキスしてたとか……これはナイわ。
絶対にナイ。断じてナイ。

映像としての雰囲気は、確かに誤解を生む内容だったわけですよ。
それは否定しませんが……
だからといって、先輩の彼女と恋愛とかキスとかするわけないでしょーが。
そんな無謀なチャレンジャーではナイですし。

そういう週刊誌の表紙に掲載されるような状況ですから部内でもニヤニヤと微妙な空気が漂うわけです。
みんな腫れ物にでも触るような感じでボクに接するんです。
否定すれば否定するほど、いっそう酷くなるから困ります。

奴らの頭の中では「略奪愛」という物騒な文字が、小躍りしながら走り回っていたことでしょう。
そのうち、早川先輩の耳にも届くことになり、練習後のクラブボックスに呼ばれることになってしまいました。

簡易ベンチに腰掛けた先輩が、スパイクの紐を解きながら尋ねます。

「山下、おまえアノ噂は本当か?」

直立不動で尋問状態のボクは、緊張と不安で汗ぐっしょりです。
別にマネージャーさんとは、やましいことは何もないんですが、人間関係が面倒なことになっているのは、多分に自分のせいという認識がありましたから。

「噂って、ボクとマネージャーさんとのことですか?」

脱いだスパイクの泥を「コンコン」と払いながらチラッとボクの顔色を覗き込む先輩。
その目には怒りの感情を感じることはありません。
うまく言えないんですが、マネージャーさんとの温度差は感じましたね。

「そうだよ。まあ、オレは気にしてないんだけどね」

ここは全身全霊をかけて弁解させてもらいます。
たとえ男らしくないと言われても、言い訳だってします。
武士じゃないんで、二言だって言いますよ。

確かに健康な男子高校生的期待感ゼロで待ち合わせ場所に向かったということはないですが、実際に何かアクションは、起こしてはいません。
神に誓って。

「いや、あれはデマですよ。デマ。ただ……マネージャーさんから相談を受けたことは事実です。先輩の件で……」
「そうか……そんなことだろうとは思ったんだけどな……」

ですよねー
わかってくれますよねー
なんてホッとした自分がありました。
この際、先輩の気持ちを確かめた上で、マネージャーさんと仲直り?というかしっかりと元の鞘に収まってもらおうとか考えたわけです。

そうすれば、ミドリのことも余計な心配をせずに済みますか
らね。
だから先輩と、もっと話そうと思ったです。

「先ぱ――」

そこで急に扉が開いたかと思うとマネージャーさんの乱入です。いや突入か?
そして次の瞬間、ボクは信じられない状況に陥ることになります。

なんとマネージャーは先輩の前を通り過ぎて、ボクに抱きついてきたんです。
まさか相手を間違ったんじゃないのか?とか一瞬考えたんですが次の言葉で、そうじゃないことが分かります。

「山下君! 誤魔化さないで!あの時、あなたは私に告白したじゃない!」
「え?!」

この人、何を言い始めるんだ!?
これから先輩とサシで話して、この件をクロージングに持っていこうと考えていたのに、何と言う無謀かつ玉砕の特攻発言……台無しじゃん……

こんなこと言われたら先輩だって黙ってはいないでしょう。

裸火を持ってガソリンタンクに突っ込んでくるようなものですよ。
しかし、彼女の勢いは留まるところを知りません。
こっちまで飛び火どころか、もう火達磨じゃないですか。

「そして私たちは付き合うことになったじゃない!こんな奴(先輩を指差す)に気を使うことはないのよ!」

いやいやいや、ナイナイナイ、絶対ナイし?
そんな夫婦喧嘩みたいなことは、二人だけの時に違う場所でやってくれー

と、あまりにトンデモな展開に、苦笑いさえ漏れてしまいそうだったんですが先輩の次の言葉で再びボクは奈落の底へ落とされるわけです。

「山下……そういうことだったのか」
(え? ひょっとして信じてる。あんたバカですか?)

オイオイオイ、なにを血迷っているんですか。
冷静に考えればそんなことあるわけないとか考えないんですかね。この人たちは。
とりあえず、ここは落ち着いてもらって……話せば分かるハズ……

「先輩、違いま――」

と言いかけたボクのでしたが、その言葉を最後まで言うことができなかったんです。
なぜなら、マネージャーさんがボクの口を塞いでしまったから……

唇で――

さて、どうでもいい話ですが、これがボクのファーストキスってやつです。
ロマンチックでもなんでもなく、いきなり修羅場でソレですからね。
非常に残念です。悔やまれます。トラウマになりそうです。

その光景を見た先輩は、ボクの肩をぐっと掴むと「大切にしてやれ」と言ってボックスを後にしました。 
って、オイ待てー

表ではメンバーがザワついています。
「やっぱり、そーだったんだ!」とか「修羅場やね?」とかワイドショーを観てるおばちゃんみたいな会話が聞こえてきます。
おまえらも傍観せずに、先輩を止めろってば。

「誤解でーす」「待ってくださーい」と動こうと思うのですがマネージャーさんが、ボクに絡みついていて身動きできません。
一瞬、殴ってでも引き剥がそうかと思ったんですが、マネージャーさんの悲しそうな目に断念した次第です。

そして、先輩が十分遠くに行ってしまった頃、マネージャーさんはその場に崩れ落ちるわけです……

ボクは(どーすんだ? コレ?)と思いながらも、どうしていいか分からずとりあえずマネージャーさんの気持ちが落ち着くまでは、傍にいた方がいいかと思い、黙って横に座ってました。
自○とか放火とかされたらヤバイとか思ったんですよ。マジで。

そのうち泣き疲れたのか、ボクにもたれかかり腕にしがみついた状態で眠ってしまいました。
この時のボクは困ってました。正直、困ってました。本当に困ってました。何度でも言いますよ。困ってましたと。

どう考えても彼女がボクを好きなハズがありません。
単なる「あてつけ」であんなことをしたことは明白です。
それが問題の解決に結びつくのかどうか知りませんがね。
とりあえず彼女の選んだ手段はそれだったということです。

対するボクの状況は外堀を埋められて、自分の気持ちとは違う既成事実で追い込まれている感じ。

マネージャーさんと公園で密会し
元カレの先輩と直接対決を経て
キスでめでたくカップル誕生……

鬱だし……

このままだと、明日には『新カップル誕生!』と祝福されてしまうでしょう。

マネージャーさんは、ボクには不釣合いなくらい美しい女性であることには違いないんですよ。
でも、なんというか……
昨日まで先輩と、あんなことや、こんなことをしてたんでしょ……ムリですわ?それ。

再婚だって離婚後は、6ヶ月のクーリング期間が必要なんですよね。
そんなホヤホヤで相手の体温が残っているような女性とか、絶対ムリですって。

非常に失礼を承知で言います。
全力でお断りですわ。

さて、30分くらい経った頃、やっと目を覚ましたマネージャーさんは

「あっ、山下君。ずっとこうしてくれてたの?」

なんと呑気な声でのお目覚めです。
ボクは(あなたのせいで修羅場じゃないですか。これからどーするんですか)と言いたい気持ちをぐっと抑えて

「あっ、はい……動けなかったですから……」
「ごめんね……もう遅いから帰ろっか」

美しいお顔で力なく微笑むわけです。
えーっと、ボクはさっきの勢いが急速に萎えていくのを感じます。
実は、こういう表情に弱いんですよね。

ボクを11人集めて、こんな表情のお面をつけた女子チームと対戦したらきっとボロ負けするに違いないでしょうね。
0-15くらいで。
そんなわけで、彼女を放っておけない気分になってしまい、すっかり暗くなった道を二人で帰ります。

どうやら自分の家とは方向が違うようなんですが、なんとなく家まで送った方がいいかと思ってマネージャーさんの足が向かう方向に歩きます。
そのうち家に着いたらしく、玄関の前で足が止まりました。
これでボクの自分の仕事は、全て終わったと思いましたよ。
とっとと帰って明日以降の対策を練らないと、とか思いました。

「じゃ、ボクはこれで帰ります」

そして自転車に跨ろうとした、その時。

「お腹空かない? 私、泣いたらお腹が空いちゃって。何か食べていかない?」

妙なタイミングで妙な誘いです。普通なら断りますよね。
あんな目に遭った後ですから、家なんかに入ったら次はどうなるか分かったもんじゃないですし。

ところが、ちょっと憂いを含んだ笑みが、なんとも妖艶で美しかったのでボクは脊髄反射で「はい」と答えてしまったんですよ。
言ってしまってから気づいたんですがこの時、無意識でしたが1000分の1秒単位で不安と期待を天秤にかけてたわけです。

ファーストキスを奪っていただいたのですから、展開によっては筆おろ……なんとも男の悲しい性です。
いや、男子高校生です。

というわけで、ボクはマネージャーさん宅のダイニングテーブルに座ってました。
彼女はキッチンで手際よく何かを炒めているようです。

そのうち、テーブルには二人分の焼きソバが並びます。
なぜに焼きソバ?

「ごめんね。こんなものしかできなかったけど」
「いや、すいません。わざわざ作っていただいて」

それを食べ終わると、彼女はいかにもお揃いの片割れっぽいマグカップを手にポツリポツリと先輩との話を始めました。
別に聞いてないんですけど……

高校に入学して初めて会った時のこと……
合宿の夜に告白された時のこと……
学園祭の模擬店のこと……
二人で行った旅行のこと……
(えー、その話は先輩から何度も聞きました。深夜編だけですが)

そして、最近すれ違いが多くなってきたことまで話すと、目に涙をいっぱいに浮かべるわけですよ。
なんか可憐で弱々しくって、思わずぎゅーっと抱きしめたくなる衝動にかられるんですがそんなことをしたら、ボクがこの先修羅場の中心人物に進化してしまいます。
いや、もうほぼ中心か?

「今日はね、父も母も遅いの……」

思いがけない言葉に緊張が走ります。
おいおい、マジでこの先があるのか?
どうする? ボクよ?
この際、成り行きに任せてみるのも……

「そっちに行ってもいい?」

緊張して声が出せないボクの無言を肯定と、とったのか隣というか、もう膝の上近くに座るわけですよ。
そして、ねろねろと絡んでくるんですわ。

もうね。ダメですよ、この人。
完全に人格崩壊してます。絶対おかしいです。

(先輩からアッチの方は嫌いじゃないらしく激しいとは聞いてましたが……)

このままいけば、マジでボクの筆……

ボクの脳内では各部位の担当がホットラインで状況報告をし
始めます。まずは隊長の“精神”です。

「各部位、状況を報告せよ!」

左半身:
「左前腕部拘束されており制御不能!続いて上腕部が敵の侵略を受けています!」

右半身:
「こちらは各部異常ありません!回避行動可能です!指示を!」

胸部:
「呼吸が苦しいですっ! 
心拍数も増大してますっ! 警戒レベルです!」

頭部:
「視界良好、聴覚問題ありません!上下唇および声帯正常作動します!指示を!あっ嗅覚がやられました!」
(そういえばマネージャーさんの髪からいい匂いがしてます)

頭脳:
「……」

精神隊長:
「精神から頭脳へ、応答せよ!」

頭脳:
「●△※÷……」

精神隊長:
「ダメだ……完全に混乱してる。コイツが作動しないと行動の指示が出せん……」

その時、ボクの精神は緊張でカチカチになってる担当者を発見する……下半身だ。
直立不動で空を見上げている。

精神隊長:
「今日はお前の出番はないから安心しろ」

下半身は応答しない。

彼にとっては、これが初陣になるかもしれない状況とあり緊張と我慢で大汗をかいている。
相当気合いが入ってる様子だ……

各担当との数十秒のやりとりの後、精神が発動した緊急脱出プログラムにより左右大腿部と下腿部に現在地点からの緊急離脱命令が下された。
もう既に左前腕部、上腕部から背部と腰部、そして胸部まで侵略されておりあと数秒判断が遅れたら、その場に押し倒されてフォール負けだったでしょう。

ボクは命からがらマネージャーさん宅から生還したのです。
自分としては頭脳が結局、何の役にも立たなかったことが情けない……

家に帰ったボクは、明日からどうしようかと真剣に悩みましたよ。
先輩とマネージャーさんは、本当に破局なのだろうか?

でも、今日のマネージャーさんを見てると、まだ先輩のことが諦めきれない様子。
先輩の本当の気持ちが見えないけど……

この際、ミドリに手を引いてもらうことが一番丸く収まるような気がするが。
となると、最初から分かってて進めたボクはどうなる?なんか面白がってたみたいで最低な奴になるんじゃねーの?

まあ、ミドリには明日の帰りにでも正直に話そう。
彼女なら分かってくれるさ、きっと。と考えたんだけど……
甘かった。

翌日ミドリは学校に来なかった。その翌日も。

さすがにこれはマズイことになってるだろうと、帰りに家に寄ろうと思ってたんですが、昼休みに女子数人に囲まれる事態となるんです。

女子A「あんた、ミドリになんてことしたの!」
女子B「最初から分かってて面白がってたんでしょ!」
女子C「ホント最低っ!」
女子D「あんたのせいで、あの子、学校に来たくないって……」

なんでも、ボクがマネージャーさんの家から脱出後、ミドリは彼女に呼び出されて全てをブチまけられたらしい。
しかも、マネージャーさんはボクが最初から全てを知っててミドリの恋愛ごっこを生暖かい目で楽しんでた、と言ったようです。

ミドリとしては、憧れていた先輩に二股をかけられていたこともショックだったらしいが、それよりも、信頼して全てを話してたボク、自分の味方で応援してくれてると思ってたボクがそんな悪趣味なことをしていたことが相当ショックだったとのこと。

それで「もう誰も信じられない!」となり、塞ぎこんでいるらしい。

ボクは、すぐに携帯でミドリに連絡しようとしたが……
着信拒否だし……
メールで「すぐに会って話がしたい」と送信したが返ってきたのはデーモンだ。アドレス変更してやがる。

その日は、午後の授業も部活もパスしてミドリの家へ向かいました。

でも、インターホンを押そうが、玄関で叫ぼうが誰も出てこない。
ボクは、とりあえずノートの切れ端に「会って話がしたい」と走り書きしたモノを郵便受けに放り込んでおきました。

翌日からミドリは、ようやく学校に来るようになったんだけどボクのことはガン無視。

ボクは、なんとか話をしようとチャレンジしたんですが、まったく反応ナシ。
一週間くらいはボクも頑張ったんです。聞いてくれなくても謝りもしました。

状況を一方的に説明してみたりもしましたが……
もう、お手上げですわ。
ここまで無視されると、さすがに面倒になってしまいましてね。
もう、どーにでもなーれ状態です。

ボクって、やっぱり最低男みたいですわ。
というわけで、ミドリとはここから疎遠になるわけです。
夏休み前くらいだったと思います。

さて、部活の方はと言うと、こっちはこっちで面倒な状況でした。
当然のことながら、先輩とマネージャーさんは別れることになってしまいました。

なんだか自分のせいみたいで非常に申し訳なかったんですが、先輩によると遅かれ早かれ別れていただろうとのことです。
先輩がミドリに走りかけたのも、マネージャーさんと色んな意味でのすれ違いが増えてきたかららしいです。
って、そんなものなんですかね……

そして何よりボクを困らせたのが、マネージャーさんの存在でした。
やたら絡んでくるんですよ。
別に嫌がらせをされるわけじゃないんですが他の部員と比べて特別扱い、というか妙に甲斐甲斐しくってね。

ボクは1年のサブでしたから、飲み物とかタオルとかはマネージャーさんから渡してもらえる身分じゃなかったんですが、なぜか主力並みの扱いを受けてました。
どうやらメンバーの中では、ボクの「略奪愛」しかもキャプテンの彼女を奪うというなんとも刺激的なストーリーが完成していたらしく、もう二人の一挙手一投足に注目が集まる状態。

おまけに、部活終了後はボクがどんなに急いで帰ろうとしてもマネージャーさんが自転車置場の前で待っているわけで、ボクは仕方なく一緒に帰ることになるんです。
方向が違うのに。
マネージャーさんは、一生懸命話題を作って話しかけてくれますがボクは失礼のない程度に相槌を打つくらいで、決して楽しい会話じゃないのに。

でも、そんな状態が、しばらく続いた頃、ボクの心境に変化が出てきたんです。
マネージャーさんのことが「なんだかカワイイかも?」とか思えてきて。
そのせいで会話が少し続くようになってくると、彼女がスゴく楽しそうにしてくれるわけです。

だから思い切って、というか調子に乗って聞いたみたんですよ。

「あの……何でボクに優しくしてくれるんですか?ボクは先輩の件で恨まれてるハズじゃ……」
「そのことは、もういいの。彼とは終わるべくして終わったからそれより、気になる男の子に優しくしちゃダメなのかな?」
「いや、その……さすがにマズイかなと……先輩の手前もあるし……」
「だったら、3年生が引退してからだったら、いいのかな?」

なんだか、妙に畳み掛けられてる感じがします。ああ言えばこう言う感じで。
どんどんコーナーへ追い詰められるボクサーのような雰囲気です。
そして、とうとう何も言えなくなってしまいました。

「じゃあ、秋の大会が終わったらキミに告白するから その時は真剣に考えてね」

彼女はそう言うとボクの前から、さっと消えてしまいました。
ボクは、今の言葉を脳内でリピート再生します。
今「告白」って単語を使ったよな??
それって、そういうことなのか??

いやいやいや、山下ユーサク16才、自慢じゃないですが色恋沙汰には縁のない人生でした。
それが美しい上級生から「告白」ですか??
ついにモテキが到来したんでしょうか?
いや襲来か?

ところが、それ以降マネージャーさんは、ボクに絡んでくることはなくなり何かが起こるかも?と期待して勝負パンツまで持参した夏の合宿も普通に終了してしまいました。
あれ?

きっとからかわれただけだったんでしょうね。
ひょっとすると彼女なりの復習劇だったのかもしれません。
一瞬でも喜んだ自分が恥ずかしくなりましたよ。

そしてボク達のチームは秋の大会であっけなく敗退し、3年生部員は引退するわけです。
もちろんマネージャーさんも。

ボクとしては、ミドリの件もマネージャーさんの件も、封印したい過去という扱いで意識的に二人を避けてました。
ミドリは相変わらず後ろの席ですから、否応なく毎日視界の端には入ってくるわけですが、もうボクは彼女を視界の中心に捕らえることはなくなりました。

無視するわけじゃないんですが、視界の端に入ってきたらこっちが先に移動する感じです。
そう、明らかに避けてましたです。今度はボクの方が。
その時、彼女がどんな表情をしていたかなんて知りませんでしたよ。見てないわけですから。

校内は学園祭の準備が慌しくなる頃で、サッカー部は毎年「焼きソバ屋台」を出展することになってるようです。
んっ?焼きソバ……なんとなくイヤな予感がしますよね。
それ、当たりです。

部の伝統として、引退した3年を含むマネージャーの指導の下に1年メンバーが調理することが決まりになっていると、その時に初めて聞かされたんですよ。
う?ん、これは……ボクは、例のマネージャーさんとペアになるわけです。
気まずいです。みんな明らかに面白がってます……

そして、とうとうその時が訪れます。

マネージャーさんと二人で食材の買出しに出かけた時です。
買い込んだ大量の食材のせいで両手が塞がり、動きに自由度が減ったボクに彼女が接近してきます。
これはヤバイ雰囲気です。

「3年生は引退したね……」
「そうですね」

動きにくいといっても相手は女性。
全力で走れば振り切れると思ってました。
いざとなればショルダータックルで……とか無謀なことも考えてます。

「山下君、いつかの話を覚えてる?」
「何の話でしたっけ?」

しっかり覚えてますが、全然覚えてませーん。
もう逃走準備完了です。何か適当な理由をつけてダッシュでその場を去ろうとするボク。
ところが彼女はボクの進路を巧みに塞ぎ、距離50cmの真剣な表情で見つめます。
近いってば。

しかも袖を摘まれた状態ですから、逃げるに逃げられません。
そして、結構ヘビーな話をしてくれるわけです。
先輩とは真剣に付き合っていたこと。
別れてしまったのは残念だけど後悔はしてないこと。

確かにボクのことは最初は先輩への「あてつけ」だったこと。
でも、毎日一緒に帰るようになってなんとなく気持ちが落ち着いたこと。
それが恋なのかどうかは自分でも分からなかったこと。

だから自分の気持ちを確かめるために「3年生の引退まで」と期間をおいたこと。
そして、今日結論が出たらしいです。

「だからね、山下君。私と付き合ってくれないかな?年上は嫌い?」
「年上だから嫌いとか、そんなことはないです……」
「だったらオーケーということで、いいかな?」

ここまで聞いて、ボクは初めてマネージャーさんの目を見ました。
見慣れたというか、よく知った女性なのに初めて見たような気がしました。
少し年上の美しい女性が、なんとも不安げな表情で自分を凝視している姿に抗う術は、男子高校生にはありませんでした……

というわけで、ボクはマネージャーさんと付き合うことになったわけです。
ただ、彼女はあと数ヶ月で卒業ですし、なんといっても、受験の追い込み時期ですから、休日にデートとかはできないんですよ。
それでも毎日一緒に帰るのは、楽しかったです。

そして意外にも?彼女は純真というかカワイイところがあるんでドキドキしました。
先輩から「あんな話/深夜編」を聞かなければよかったなとかはちょっと思いましたけどね。

―― 第二部 復讐 ――

冬休みに入ると、彼女は冬期講習で受験の最終の仕上げに入るわけです。
だからボクは彼女がいるにもかかわらず、クリスマスも正月も独りなわけでした。
仕方がないんで、バイトしてましたよ。
レンタルビデオ屋で。ほぼ毎日。ずーっとね。

そういえば、ミドリがクリスマス前に店に来たことがありました。
ホラーとか純愛モノのビデオを大量に借りていきましたね。
あれだけの量を観るんですから、クリスマスの予定はないんだろうなあとか思いましたよ。
言いませんけど。

その頃になると、彼女はボクを見ても反応も示さなくなってましたね。
なんだか怒ってるというよりは、困ってるような雰囲気はありましたけど。
でも、もうどーでもいいですわ。赤の他人ってことです。

ボクは誤解されたままというのが、気に入らなかったですけど今さら誤解を解いたところで、何が変わるわけでもないですし。
滑走路を走る飛行機に例えるなら、既にV1速度(離陸決心速度)を超えてますからね。もう元には戻れないんですよ。
ボクとミドリは。

そういえば、いつまでも「マネージャーさん」では彼女がかわいそうなので、以降は名前で呼ぶことにします。
ユウコ(仮名)さんです。
ユウコさんと会えない冬休みは、ほぼ毎日メールしてました。

ボクのバイト終了時間と、彼女の講習の終わる時間が合えばちょっとだけ会ったりもしました。
そして一緒に帰るだけ。
先輩の頃とは、180度趣の違う清い交際です。
彼女のエネルギーは、全力で目の前の受験に向かってましたからね。
ボクへ向ける分は残ってなかったんでしょう。

そして、1月のセンター試験から始まり、私立、国公立と怒涛の試験が続いたようです。
バレンタインの時期も会えませんでした。ちょうど私立の試験と発表の間の時期で、とてもそんな気分ではなかったようですからね。
さすがに、その時期はメールすらできなかったですし……

1年生のボクは部活とバイトという気楽な状態でしたけど、ユウコさんはこの時期、辛かったことでしょう。
そして、試験の出来に一喜一憂しながらも、志望校のひとつに合格したようで無事卒業式を迎えました。

彼女は地方の(いや、こっちが地方だから都会のだな)四大に決まったようです。
だから、今以上に会えなくなるのは確実でした。
そういえば、合格発表があってからもデートとかするヒマがなかったです。
バレンタインのなかったボクにも、ホワイトデーはあるかと思ったんですが彼女は下宿先探し、引越し、オリエンテーション、おまけに合宿免許とイベントづくしで、超忙しかったみたいでしたから。

会えないことが続くと心は募るわけです。
なんというか、彼女って上手いんですよ。
残念ながら、先輩とのようなコトは、何ひとつお世話にはなれませんでしたがちょっとした仕草とか、メールの文章とかにスゴく惹きつけられるんです。
もうね、純真な男子高校生の心を、ガッツリ鷲掴み状態です。

そして4月を迎えます。

ユウコさんは都会の大学、ボクは地方の高校での遠距離恋愛のスタートです。
さすがに、これはもうダメかなと思いましたね。
都会のイケメン大学生になんて太刀打ちできませんから。

ボクとしては、せっかくですからお付き合いさせていただいてる間に甘いキスのひとつくらいは、させてもらってもエエんじゃないんすか?
くらいは考えてました。若干、諦めモードに入ってましたね。
そうそう、あのクラブボックスでのやつはナシですよ。
あんなのは回数のうちには入らんです。キッパリ。

そんなことを考えている頃に、ユウコさんからメールが届きます。
「週末にデートしよう!」でした。
そこには運転免許を取得したこと、家の車を借りてくることが書いてあり、ドライブデートに行くことになりました。

それまでの厭戦ムードも忘れて有頂天でしたよ。
付き合い始めて約半年、念願の初デートです。
しかもドライブですからね、初っ端から二人きりですし!!!
もうね、期待で胸が膨らむだけじゃなく、余計なところも全力で膨らんじゃいましたよ。

ついでに全バイト代を総動員して財布も膨らませておきました。
車ですからね、国道沿いの建物に突入しやすそうじゃないですか――
いや、突入なんてしなくても、車の中でもある程度は……妄想ニヤニヤ

昼前に待ち合わせて、途中でご飯を食べると雰囲気のいいドライブコースを走ります。
春の日差しは気持ちよく、ちょうど咲き始めた桜が風に揺れる公園の駐車場に車を停めると、まったりとした気分が二人を包みます。
なんとも甘い空気感が二人の間に流れて――

彼女はボクにゆっくりと語りかけます。

「山下くんって、私のことどう思ってる?」
「好きですよ。スゴく。会えないことが続いたけど、その分これから二人で頑張ればいいかと」

この言葉を聞くと彼女は満足そうに笑い、独り言のように呟きました。

「二人で頑張れば……か」

ボクはそれが何を意味するのか分からず、黙ってました。
しばらく二人は沈黙……そして……

突然彼女がクスクス笑い出したかと思うと、鋭い視線でボクを睨むわけです。
甘い展開を期待していたボクですが、これは何か違うんじゃないのか?とか思ったです。

そして、すぐにヤバイ状態だと悟りました。
彼女があの夕暮れの公園の時と同じ表情をしていたからです。
鋭い両眼から怒りのオーラが放たれてました。

「二人で頑張ればですって? は? なめてんの?」

その言葉を皮切りに、恨みの言葉がボクに刺さります。
罵詈雑言ではありませんが、いたいけな男子高校生を傷つけるには必要十分だったです。
途中からは自己防衛本能が働いて、何も聞こえなくなりましたから。

そうです。彼女は先輩と別れなければならなかったことをまだ怒っていたんです。
そして、復讐としてボクを同じ目に遭わせてやると決心していたようです。
半年間の長期に渡る、執念の復讐劇でした。

だからボクに接近し、彼女(もどき)になって十分に気持ちを惹きつけた上で別れてやると。
そんなわけだから、デートもしないし、何もしない。
ただただ、ボクを焚き付けることに専念したとのこと。

そんな中で、一つだけボクに感謝したいのは、怒りの感情を受験にぶつけることができたことらしいです。
おかげで、自分の偏差値よりもランクの高い大学に受かったと高笑いされてしまいました。

で、自分の新生活も軌道に乗り始めた今日が過去への決別を告げるXデーと……
ボクは、とても悲しかったです……

彼女に振られたこともそうですが、それよりも辛かったのは彼女の深く傷ついた心に、まったく気づけなかった自分が悲しかったです。
彼女はボクに復讐することで、傷ついた心を必死で癒そうとしていたということを、つい今さっき知ったという事実でした。

彼女は相当辛かったことでしょう。
それが証拠に彼女は復讐を果たしたハズなのに泣いています……

怒りの感情は既に消え去り、ただただ泣いています……

ボクは罪悪感でいっぱいです……彼女の本当の気持ちも知らずに恋人気分で一人盛り上がったりして……ラブホ突入妄想とか……
なんという最低男……

本当の彼なら、そんな彼女の気持ちに気づいて当然ですよね。
そうすれば、こんな展開にならずに済んだかもしれなかったのに。

そして最後は、二人で号泣という悲しい最後……

しばらくして、彼女は落ち着いたのかボクに話しかけます。
これが、ボクの聞いた最後の言葉でした。

「山下君、悪いけど私を一人にして欲しいの……」

ボクは黙って車を降ります……彼女の車は静かに去っていきました。

ボクは、しばらくは感傷に浸っていたんですが徐々に、今の自分の状況が不安になってきたんですよ。
(いったいここはどこだ?)

その頃のボクの携帯には、GPSなんて素晴らしい機能は装備されてませんし
なんとかマップみたいな便利機能もない時代でしたから、帰宅は困難を極めました。
太陽の方向から東西南北を考えるとか、何のサバイバルよ?

夕暮れの中、ひと気のない田舎道を一人、とぼとぼと歩きながら心に湧き上がってくる後悔と悲しさと不安の入り混じった感情でシクシクと泣いていたのを覚えてます。
情けない男です。

そのうち一軒のガソリンスタンドを見つけて、恥ずかしながら事情を話して
(確か、彼女と喧嘩して車から降ろされた、とか言ったと思います)
帰宅方向へのバス停まで送ってもらいました。

1時間くらい待ってバスが来ると、そこから最寄駅へ、そして電車を乗り継ぎ帰宅したのは終電近い時刻でした。
なんだかスゴーく疲れて、晩御飯も食べず、風呂にも入らずに泥のように眠りました。

おかげで体調悪いアピールが十分にできたのか、翌日曜日は朝から叩き起こされることもなく、グダグダしてます。
一日中ベッドの中で、去年からの自分の行動を振り返ってました。
いったい何が悪かったのかなぁーとか
嫌がらせをしたわけでもないのに、みんなに嫌われるとか辛いよなぁーとか

そんな思考の中で、ミドリが浮かんでは消えていきます。

彼女のことは意識的に心の底に沈めてましたから、いつの頃からか名前すら浮かんでこなかったんですが、その日は頻繁に登場します。
遂に彼女は、今頃どーしてるのかな?
とか考えるように、なってしまいました。

そういえば、ミドリとは二年でも同じクラスでした。
が、ボクの後ろには“山本コージ”とかいうメガネ属性で少しおとなしめの奴が緩衝材として座っていたせいで、直接彼女に接することなく過ごしていたんです。

一人で色々と考えたところで答えが出るハズもなく、結局は惰眠を貪るだけの一日に、なってしまいました。
翌日、なぜか部活のメンバー全員が、ボクの破局を知っていましたね。
大方、ユウコさんが現在のマネージャー経由で暴露したんでしょう。

ボクの気持ちは、悲しさ8割、ホッとした感2割、といったところです。
なんでホッとしたかというと、もうこれで「略奪愛の主人公」というセンセーショナルな肩書きが、なくなるからですかね。

メンバーは、メシウマ7割、同情1割、無関心2割かな。
マネージャー群は…… 全員が「氏ねよお前」です。
きっと、あることないこと吹き込まれてるんでしょう。
もうエエですわ。弁解する気力もないっす……

それからしばらくは、マネージャー連中の刺すような視線に耐えながらの部活と、いまだに和解できていないミドリと同じクラスでの授業、という針のムシロのような日々が続きます。

―― 第三部 事件 ――

そんなある日、後ろの席の山本コージが担任と、何やら話をしているのを見かけました。
そしてボクは担任から呼ばれると思いがけない提案を受けることになります。

「山本コージが、目が悪い上に、お前が大きくて前が見えないから席を替わって欲しいと言ってるんだがどうだ?」

ボクは席なんて最前列の教卓前、いわゆる「残念な子」席以外ならどこでもいいと思ってたんで、即答で「いいですよ」と答えてしまってから気づいた。

「げっ、ミドリの前になっちまうぞ!」

彼女と話さなくなってから、もうすぐ1年にもなりそうでした。
以前のよう仲良くなくても、せめて普通に挨拶くらいはできるようになればいいかなと考えて、思い切って声をかけてみました。

「よっ、また前に座らせてもらうぞ」

どうせ反応がないだろうと思って、非常に軽く言ったんですよ。
ところが、想像以上の反応がありましてね。
いや、別に大歓迎で感激してくれたとかじゃないですよ。

「どーぞ」

彼女は、かなり驚いた様子でした。
たぶん、ボクが何か言うとは思ってなかったんでしょう。びくっとしてましたから。
そして、視線を90度横に向けたまま、非常に無愛想ながらもハッキリと言ったのが、さっきの言葉でした。

声を聞いたのが、ほぼ1年ぶりだったので懐かしくてホッとしたのを覚えてます。
それからボクは毎朝席に着く時は、彼女に「おはよう」だけは言うことにしました。
そして、彼女も「おはよう」だけは返してくれることになります。
ボクは、もうそれだけで十分満足だったし、実際にそれ以上はない日が続いたわけです。

そして事件です。

6月になると「校内球技大会」という催しが開催されます。
去年は確かソフトボールだったと思いますが、今年はサッカーらしいです。
これはヒーローになって、女子からキャーキャー言われるチャンスとか考えるんですが、残念ながらサッカー部員は各クラス2名までの登録。
残りは、審判をさせられるらしいです。なんという不幸。

ウチのクラスには、3名のサッカー部員がおりましてね、そりゃ誰だって出場したいでしょう。
せっかくのアピールの場ですからね(笑)
ここで頑張れば、ひょっとすると楽しい青春の夏休みとかに繋がるかもしれません。

ボクだって第4種(小学生)の頃はエースストライカーとして昔は女子高生だったママ連の「茶色い声援」を浴びていたんですから。
やっぱりここは、現役女子高生の「黄色い声援」の中でプレーしたいじゃないですか。

ところが……例の一件以来、潜在的に女子から不人気なボクは選に漏れるわけです。
審判確定ー!
もう、こうなれば第4審として、ずーっと椅子に座っててやる。絶対に動かんぞ。

という固い決意も虚しく、当日は主審として笛を吹くボクでした……
腹いせに、サッカー部員に対してはファウルもオフサイドも超辛口で判定します。
こんなイベントでもカードを出す気満々ですからね。

笛の度に胸ポケットを触ってビビらせてやりましたよ。
たとえイベント戦でも笛の後に胸のあたりを触る審判に呼ばれると反射的にイヤ?な気分になるんですよ。
ざまーみろ。ニヤニヤと、嫌がらせモード全開でしたが……

パキーンッ!

その時です。
何か分からない硬いものが、ボクの右顎辺りを直撃します。
ノーガードで強烈な左フックを食らったのと同じ効果で、ボクは一瞬で意識が飛んでしまいました……

嫌味な笑みを浮かべながら笛を吹くボクを襲ったのは、時間待ちに草野球を楽しんでいた連中が打ち放った軟球でした。
ライナー性の打球でしたからね、もしこれが硬球なら、顎が砕けてしばらくは流動食だったでしょう。
打ちどころが悪ければ、戒名をもらっていたかもしれません。
幸運なことに軟球でしたので、脳震盪だけで済んだようです。
日常から、部活がひしめきあっているグランドなので、サッカーをやってる横でバットを振り回す奴がいても、おかしくない環境なんですよ。

その後、ボクの意識は救急車が到着した辺りから、ぼんやりと戻ってくることになります。
でもまだボーっとしてるし目を開けると、めまいで気分が悪くなりそうだったしおまけに顎がジンジンと痺れて、しっかり話すどころではなかったです。

だから救急隊員に名前を呼ばれた時は、なんとか返事をしようと呻くのが精一杯でした。それでも、意識があるアピールには、十分だったようで隊員は

「怪我は大丈夫ですよー」
「今から病院に向かいますからねー」

落ち着いたというか、どこか呑気な口調で呼びかけ続けてくれました。
そのうち意識がハッキリとしてきて、視覚以外はしっかりと働くようになってきました。

隊員が担任か誰かに状況を聞いている様子
無線で本部か病院と連絡している様子

そして……
ボクの手を強く握り締めたままの誰かが、震えて泣いている様子――

手の感触から、それが女性であろうことは分かりました。
柔らかかったですからね。
もし、男がボクの手を握りながら震えて泣いていたら、きっとトラウマになっていたと思います。
想像しただけで寒いわ。

ボクはハッキリしてくる頭で、その手の主を考えます……誰なんだ?恐る恐る目を開けると……
そこにいたのはミドリでした。

グランドに崩れ落ちるボクに、最初に駆け寄ってきたのも彼女だと聞きました。
顔面蒼白でボクの名を呼び続け、誰にも触らせなかったとのこと。
クラスでは、その狼狽ぶりからボクが死んだと思った奴もいたらしいです。
そして、救急車には担任を押しのけて自分が乗り込んだようです。

救急車がサイレンを鳴らして動き出す頃には、意識はかなりハッキリとしていました。
その代わりに顎の痛みが襲ってきて、非常に苦しかったことを覚えてます。
ただ、ミドリが同乗してくれてるのは嬉しかったですね。

呻くボクの右手をしっかりと握って、なぜか自分が泣きながら

「大丈夫だから、大丈夫だから」

と、ずっと励ましてくれましたし。

検査が終わり、病室のベッドで横になっていると制服に着替えたミドリと担任が入ってきました。
ミドリはボクの顔を見るなり、みるみる泣き顔になってしまいました。

「ユーサクのバカぁ?!」

泣き顔の彼女が、ボクに抱きついてきます。

正直なところ悪い気はしません。
誰かが自分を心配してくれると実感できるというのはなんだか、こそばゆいものです。
相手がカワイイ女性なら尚更です。
思わずニヤニヤしそうになるんですが、顔の表情を変えようとすると激痛が走るので、そうもいかないのが苦しいところです。

話すことができない上、表情を変えることができないという状況下でのコミュニケーションは困難を極めます。
せっかく仲直りのチャンスなのに、ひたすら無表情でいなければならないのですから。

そんな様子をみた担任がニヤニヤしながら、あるモノを取り出します。
磁石と砂鉄を使って絵を描く子供用のおもちゃです。

一度は使ったことがあるでしょう?
半透明の白い板の上に磁石で線を引いて絵を描き、レバーを左右にザーっと動かすと、それが消えるというアレです。
どうやら病院の備品のようでした。

それを使ってボク達は、かなり長い時間、静かな「会話」をしました。
会話文の始めはボクからです。

「心配かけてゴメン、もう大丈夫だよ」

ミドリはその道具をボクから取り上げると

「ホント心配したんだから、バカ」

そこまで書くと、それをボクに突き返します。
話ができないボクは仕方がないとして、なんでミドリまでその道具を使ったのかは謎です。

それからボクは1年前の件を謝りました。本当は色々と言い訳を書きたかったんですが、なにしろ子供用のおもちゃですから細かい字は書けませんし、画面も小さい。
だから……

「1年前の件は、ごめんなさい」

きわめてシンプルな謝罪文です。
こんなんじゃ許してもらえないかと思いましたが、それ以外に思いつかなかったんですよ。

「元気になったら許してあげる」

この文字を見たときは、涙が出るくらい嬉しかったですよ。
そして、彼女はそのおもちゃをボクに渡すことなく、続けて何かを書き始めました。
静かな部屋に、ペンの音が響きます……
そういえば、いつの間にか担任が消えてます。

「1年間、本当に辛かったよ……」

それからは、彼女の文字による1年間の心情の吐露が続きます……本当に怒ってたのは最初だけで、そのうち事情が分かってきたらしい。
だから仲直りをしようと思ったのに、その頃にはボクが彼女を避けるようになってしまっていたとのこと。
何度か声を掛けようとしたけど、無視されるのが怖くてできなかったこと。
そして、そのままの状態で夏休みに突入したと。

そのうち、ボクがマネージャーさんと付き合い始めたこと聞いた時には後悔とショックで、何日か学校を休んだこと……
ボクはマネージャーさんとの件は、やはりミドリには伝えておこうと思いました。
だから、おもちゃを受け取り、こう書きました。

「彼女には、結局許してもらえなかったよ」
「知ってる……」

彼女は、次にボクが何を書くのか待っています。
ボクはマネージャーさんにフラれたせいで、ミドリと再接近してるとか思われたくなかったから、どうしても次の言葉が書けません。
本当は……

「ずっとミドリが好きだったことに、やっと気づいた……」
と書きたかったのに……

ちょうどその時、ボクの母親が、わさわさと病室に到着です。

「あんた大丈夫なの?? もう、ほんっとに鈍くさいんだから?」

愚痴モード全開で近づいてきてから、ミドリの存在に気づきます。
もうね、なんというタイミングの悪さ。わざとなのか?

「あっ、ミドリちゃん来てくれてたんだ。ありがとうね?、ほんとコイツはダメよね?」

母とミドリは知り合いというか、家も近所なのでお互い知ってるんですよ。
というか、帰れよ。頼むからさー

母は例のオモチャを見つけると

「何コレ? 懐かしいおもちゃじゃないの。ひょっとしてあんたたちコレで会話してた?へー、それでなんか進展があったわけ?」

場の空気を読まない爆弾発言を、かましてくれます。
ほんっとに帰って欲しいですわ。担任だって空気を読んだのに。

ミドリは顔を真っ赤にすると

「じ、じゃあ、今日はこれで失礼します!」

バタバタと慌てて病室を出て行きました。

「あれぇ?? 母さん邪魔しちゃったかなぁ?ゴメンね?」

ぜんぜん悪いと思ってない口調で、聞きもしないコトをさらに続けます。

「母さんはね、ミドリちゃんの方が好きだよ。えーっと、ユウコさんだっけ?あの子はイマイチね、あれは本気じゃないかもよ」

ズバリ核心を突いてきます。
うっ、と言葉に詰まるボク……って、今はしゃべれませんけど。

「まあ、決めるのはアンタだけどさ」

なんでコイツは、こんなに細かい状況を把握してるんだ?
ボクは不思議に思いましたよ。
ひょっとして、ボクの携帯とパソコンを毎日チェックしてるんじゃないだろうな?
確かに、母にはユウコさんと一緒に居るところを何度か目撃されたことはありましたけど。
それだけで、この情報量とは……女の勘か?

結局ボクは観察入院で1泊だけすると、翌朝には帰宅となりました。
学校には午後から登校となったんですが、意外にみんな冷静でしたね。
仲の良い友達以外からは、特に歓迎されるでもなく、心配されるでもなかったですから。
存在感が薄いと、こんなもんなんでしょう。

ミドリは歓迎してくれましたけどね。それで十分かな。
「今日もお見舞いに行ってあげようと思ってたのに退院したんだ?ざんね?ん」

ボクも気の利いた冗談でも言えればよかったんですが、如何せん顎が痛い。
顎が痛くなくても、気の利いた冗談なんて言えたことはないんですけど。

こうして無事に和解したボクとミドリは、以前の関係に戻りました。
教室では笑い合い、部活の終わる時間が近ければ一緒に帰る日々です。
そしてボクの顎が完治した頃、彼女からメール着信。
メールにはカワイイ絵文字付きで、こう書かれてありました。

「お祝いにデートしてあげる(はぁと)」

そりゃ嬉しかったですよ。叫びたいくらい。
震える手で返信しました。

「よろしくお願いします」

恥ずかしながら、人生初のデートです。
いや、2回目か。でもあれは……やめておこう、胃が痛くなるし。

そういえば、外出用の服がない。前回は、慌てて春服を買いに行きましたが今回は夏服です。
デートは楽しみですけど、いちいち服が面倒だなと。

部活と塾以外で外出なんてしませんからね。
学校は制服ですし。
サッカー用のジャージ系以外では、ヨレヨレのTシャツとボロボロのジーンズそして汚れたスニーカーが、ボクの持ってる夏服オールキャスト。

さすがに、これではマズイ。清潔感が皆無。これじゃ並んで歩く相手が可愛そうだし。
そして、妙なプリントや柄はハズレが怖いので、とりあえず地味な単色、無地そして普通の形を購入。
カモフラージュとか国防色なんて絶対買いませんよ。

スニーカーについては諦めました。
当日にピカピカ新品ってのは超気合が入ってるのが丸わかりで、さすがに恥ずかしいですからね。
とりあえず、これで準備完了です。

で、待ちに待った当日。もう、緊張して暗いうちから目覚めましたよ。子供かってくらい。新聞すら届いていなかったです。
なぜか母は起きてましたよ。怪しいやつめ。尾行するつもりじゃねーだろーな。

待ち合わせは最寄り駅。ボクは、ひょっとして誰かに見られたら面白いというか嬉しいというか、そういう妙な下心? 
みたいなものがありました。
他力本願的に噂になって既成事実化したら――
その先の展開が――
とか思ってたんです。厨二病ですね。高二でしたけど。

さて、行き先はシネコンです。ロードショーです。
アニメではありません。
ですが、映画の内容は全く覚えてません。

なぜならボクの頭の中は、勢いで買った巨大ポップコーンと、巨大コーラのコンボを如何にして物語の終了までに、やっつけるかに集中していましたので。

そうして、ボクはミッションを無事完遂できたことに満足しながらシネコンを後にしたわけです。
彼女は、映画の感動したシーンを楽しそうに話しているんですけど、ボクは胸やけが酷くてそれどころではなかったのを覚えてます。
映画の内容は覚えてないのに。

で、ショッピングモールをウロウロしてると、彼女が小さなアクセサリーショップを見つけて、そこに入りたいとか、なったわけです。
カワイイモノがイッパイの店で、お客さんも女子ばかりでしたから非常に入りづらかったんですが、覚悟を決めて一緒に入ることにしました。
一大決心です。過呼吸になりそうでした。

そういう系の店は初めてだったんですが、印象としてはその光景よりもとりあえず匂いでしょうか(笑)
なんたって女子がいっぱいですし、コスメっていうんですか、そういうモノも売ってますし……それらの混じった香りにクラクラしたのを強烈に覚えてます。

実はボク、女性の香りにも弱いんですよ。

家族にも親類縁者にも年配の女性しかいないもんで、若い女性のシャンプーとか化粧品系の匂いがすると、なんだか興奮してしまって(笑)
立派な変態ですね。

彼女は「これカワイイ!」「これもカワイイ!」と結構楽しんでたようでした。
ボクはドキドキしかしてませんでしたが。
そのうち、ショーケースに入ったモノを見て立ち止まりちょっと、はにかむように言うんです……

「これ買って!」

彼女が指をさしている先に何があるのか覗くと……
うぉっ指輪だ。

その瞬間、アドレナリンが大量に放出されました。
だから体の痛みどころか、財布の痛みも感じません。完全無痛です。

彼女がどんなつもりだったのかは知りませんが、こうなったら買うしかないでしょう。
もう全力で貢いじゃいますよ。
たとえ財布が空になって徒歩で帰るハメになってもね。
いや、もう徒歩はイヤだな……

というわけで、ボクは細くて上品な感じの捻り模様のシルバーリングを買うことになりました。
いくらだったかな?その場で払えたから、せいぜい数千円じゃなかったかと思います。
バイト代は、こういう時に使ってこそですよ。

彼女はスゴく喜んでくれて、店員さんに
「今からつけていきますっ!」
と言うと、スッと自分の左手の薬指にそれをはめたんです。
そして一言。

「ありがとう!ずっと大切にするねっ!」

ボクは舞い上がりました……
もう鼻血が出そうなくらい、顔が熱くなるのを感じましたです。
その後は、二人で色んな店を廻ったり、いわゆるスイーツを食べたりして楽しい時間を過ごしました。
楽しかったなぁ?

さてこうなると、ボクとミドリが付き合うようになるかと思いますよね?
それがならなかったんですよ。
いい雰囲気まではいくんですが、最後の一歩が踏み出せない。
一言が言えない……

仲のいい友達であった期間が長ければ長いほど、そうなんじゃないかと思います。
告白した瞬間にそれまでの関係が、いい方向、悪い方向にかかわらず変わるのが怖いんですよ。

だから、ずっとこのままの関係が続けばいいなとか思ってしまうわけでして……逃げですね。
それにブランクの一年間が、ボク(彼女も?)を必要以上に臆病にしてたのかもしれません。

結局、二人には何の進展もないまま、高校二度目の夏休みへと突入します。

―― 第四部 豹変 ――

夏休みの間、ボクは部活と塾の夏期講習、そしてバイトで滅茶苦茶忙しかったです。
午前中は部活、昼飯もそこそこに塾へ、そして夜はバイト。
課題も信じられないくらいの量が出されるので、それを片付けるだけでも毎日日付が変わるくらい机にへばりついてました。
もうヘトヘトでした。

彼女のことは凄く気になるし、メールだけでもしたかったんですが忙しいからと自分に言い訳をして、結局一度もメールしなかったです。
我ながら情けないくらいヘタレ。

そう言えば、ミドリからもメールも電話もなかったです。
彼女も忙しいんだろうなと、思ってたんですがね。

ところが……

新学期が始まって、ボクは愕然とすることになります。
もうね、本当に驚きましたよ。
顎が外れるくらいポカーンとしたです。

なぜなら彼女の髪が、みごとな金髪に変わっていたから。

しかも服装は、ビッチそのもの。
制服のシャツのリボンは無くギリギリまで開襟状態、加えて膝上何センチよ?みたいな超ミニ、そして化粧はケバく、若づくりしたAV女優みたいでした。

驚きのあまり声の出ないボクの後ろにドスンと座ると、不機嫌そうに終始無言。
ボクとは目を合わさない。ボクは何か言おうとするんですが、全く言葉が出ない。
池の鯉のように、ひたすら口をパクパクするばかりです。
周囲が、ヒソヒソと騒がしくなったところに教師が慌ててやってきて彼女は職員室へ連行されていったです。

ボクの部活以外の数少ない友達が、慌てて寄ってきました。
コイツらには1年前の件も、病院でのことも、映画デートの話もしてあって休み中に何度も「今日、告れ!」「明日、告れ!」と突かれていましたから。

「何があったんだ?」

まず寄ってきたのが、二次ヲタ。
三次には興味がない、と常々豪語している悲しいピザ。
中学の頃からの数少ない友達の一人。
去年のマネージャーさんの件もちょくちょくと相談していた奴。
筋金入りのヲタだがイイ奴だ。

ゲーム(特にギャルゲー)とパソコン一般に詳しい。
エロゲーとギャルゲーの違いを語りだしたら止まらない。
それって違うのか?悪いが今後、虹ヲタと呼ばせてもらう。

「なんかスゲーものを見た気がするぞ。おまえ何も知らないのか?」

こいつはメカフェチ。
生き物には興味がないと宣言している。
機械モノをこよなく愛する変態。
虹ヲタとの部活繋がりで親しくなった奴。
成績優秀。イケメン。

好みのタイプは「美少女型アンドロイド」らしい。
よく知らんが名前もついているみたいだ。
バカだし……
僻地から通学してるせいで、正式にバイク通学が認められている羨ましい奴。
今後、メカ夫と呼ぶ。

ボクは驚きで言葉を失っていて、もう気絶しそうなくらいでした。
そりゃそうでしょう、人生初の楽しいデート相手であった美少女が一瞬にして見事なビッチに変身したわけですから。

だから、落ち着いてからゆっくり話そう、ということになり昼休みに奴らの所属するパソコン部の部室に集合することにしました。
部室と言っても授業で使うパソコンが並ぶ、ただのPCルームです。専用の部室じゃありません。
このPCルームでは、虹ヲタのせいで何度冷や汗をかかされたか分からない。
壁紙がエログロ画像とかは当たり前で、エラー音が『お兄ちゃん、やめて!』だったり
いつの間にか全端末にチャットソフトがインストールされて、授業がチャット大会になったこともあった。

そんなバカ話は、さておきミドリの件。
二人ともボクに気を使っているのか、非常に言いにくそうに話を進めるけど要は「男ができたから諦めろ」と言いたいらしい。

ボクだけは希望的観測を含めて、ちょっと違う気がしてました。
もし彼ができたのなら、不機嫌な理由が分からない。
少なくとも夏休み中にできた彼なら、今はラブラブの真っ最中だと思うわけで。
ボクの知ってる彼女は、そんな子だったハズだから。

そういうと、三人とも考え込んでしまった。

男三人で話していても埒があかないということでとりあえずメールしてみようとなったわけです。
……返ってきたのはデーモンでした。またかよ。

それじゃあ電話してみようとなった。
……着拒否。こっちもか。

それならと虹ヲタの携帯を借りて掛けてみた
……出ないし。

結論としては、理由は不明だけど完全に嫌われたんだろうということで落ち着きました……(合掌)

生徒指導の成果なのか、その後の彼女の髪は金髪から汚い茶髪に変わってました。
ギリギリ通学可能な範囲の色に落ち着かせたんでしょうね。
短期間に染めを繰り返したせいか、なんだかバサバサで纏まりがなくとても残念な感じ。

相変わらず不機嫌な黒いオーラを360度、全方向に発散していて近寄り難かったし。
それでもボクは勇気を振り絞って、毎朝というか彼女が登校してくればたとえそれが昼でも「おはよう」だけは言ってましたよ。
当然、何の反応もないんですが。

そのうちに、次の変化が現れることになるんです。

彼女が、校内でも面倒なグループと言われる男と次々と付き合っていくことになるわけです。
これは悲しい。非常に悲しい。
元がカワイイ子ですからね。
狙ってた輩は多かったんですよ。
弱っているところを狙うとか許せんですが……

しかも、どれも長続きせず、次から次へと手当たり次第といった状態……
「食い散らかす」という表現がピッタリなわけでして。

こうなるとクラスだけじゃなく、校内でも有名になり始めて、皆が彼女のことを「糞ビッチ」とか「サセ子」とか言うようになってましたね。
まあ、実際見た目も行動もその通りだし……

そのうち「兄弟にはなりたくねー」とか「病気とか、もらったら堪らん」とか「メンヘラとか怖いじゃん」と校内で彼女を相手にする男はいなくなりました。
当然ながら女子も怖がって近寄らない。
そして彼女は、孤立していくんです……

噂はさらに加速し、高校生では物足りなくなりカネを持ったオッサンと遊んでるとか、AVに出演したらしいとか、薬漬けでヤクザのオンナになったなんて話もあるくらいなりました。
さすがにこうなると、ボクの友達も「アレは黒歴史だ。忘れろ」と直接的に彼女を諦めるように言ってくるように、なっていきましたね。
コイツらが彼女の悪評を知りつつも、その内容を言わないでいてくれるのはこんな状態でも、ボクに気を使ってくれているからでした。

そして遂に、彼女は学校にすら来なくなるわけです。
たまに来ているような気配はあっても、クラスには顔を出さないし授業も出ない。

だからボクも、さすがにもうダメだなとか思い始めたんです。
ところがある時、珍しくクラスに顔を出してボクの後ろに座る彼女の左手に気づいたんですよ。

なぜかその日までは分からなかったんですが、確かにあの指輪があることに。
しかもあの時のまま、薬指に……
だからボクは……やっぱり彼女には何か辛い事情があるんだ!
とか考えるようになったんです。

それでまた虹ヲタと、メカ夫に相談したわけです。
指輪のことも話して……

「おまえなあ、頭大丈夫か?」 
虹ヲタが心配そうに言います。

「悪いことは言わん。やめとけ」 
メカ夫が諭すように言います。

「今さらあのビッ……いや、彼女に近づいてどうするよ?」
虹ヲタはさすがにイラっときたのか、暗黙の禁止用語をうっかりと言いそうになってました。

「おまえが仲の良かった頃とは違いすぎるぞ。
 もう幻想を捨てて現実を見ろよ」

メカ夫も呆れたように続けます。もう全否定モード。

「でも、見てられねーじゃん。いっつも一人で……なんかあるんだよきっと。カワイそーじゃん」

ボクも必死でした。コイツらには分かって欲しかったんです。
たとえ協力してもらえなくても、コイツらには理解して欲しかったんです。
彼女を……

「おいおい、マジですかぁ??」

肩をすぼめながら両手を天に向けて「やれやれ」という仕草を揃ってしながら、生暖かい目でボクを見つめる二人。
とか言いつつ、二人とも真剣に考えてくれることになりました。
やっぱり友達はありがたい。

さて、考えるとは言ったものの何も浮かばない。

すると虹ヲタが、何だか怪しげな推理を展開し始めました。
手詰まりのボク達は、今は怪しさ満載の彼の推理に耳を傾けるしかありません。

「きっと、どこかでフラグが立ったということだよね」
「フラグ?」

ボクとメカ夫が怪訝そうに繰り返します。

「映画を観に行って、指輪を買わされたところまでは問題なかったんだよね?」

虹ヲタは構わず持論を展開していきます。

「なら、その周辺になにか選択肢があったハズ。おまえは“BadEndルート”を辿ったんだよ」
「選択肢……? ないなぁ。彼女に言われた通り、動いただけだし」

ボクは、正確性に自信のない記憶を辿りながら答えます。

「じゃあ、環境変数だ。彼女の心境に変化を与える何かがあったハズだ」

コイツ……完全にギャルゲーとして考えてやがる。
でも、今はコイツしか頭を働かせてないから仕方ない。

「そういえば……気のせいかもしれないけど」

ボクは映画の一件よりも、更に古い記憶を辿ります。

「なになに?」 
二人が食いついてくる。

「彼女の家の前に、変な色のスクーターが停まってたことがあって……」
「それで」 

話を聞く前からこれが原因、と決めて掛かりつつある様子の二人。

「そのスクーターを見た彼女が、急に黙り込んだことがあったんだ」

それは夏休み前のことでした。
いつものように彼女を家まで送っていくといかにも柄の悪そうな目立つスクーターが停まっていたんです。
オーナーらしき人影は見えなかったんですが、彼女の顔がみるみる曇り黙り込んでしまったわけです。

その時は「おや?何だろ?」くらいにしか考えなかったんですけど。

「……むぅ、そのスクーターってカナブン色みたいなやつ?」

機械モノの記憶についてはコイツの右に出る者はないメカ夫が言います。

「そうそう、ラメ入りグリーンみたいな色」

ボクの記憶はいつも曖昧ですが、さすがにカナブン色のスクーターはしっかりと記憶に残ってました。

「それなら、オレも学校の周りで何度か見かけたな。結構弄ってるヤツだったから覚えてる」

さすがメカ夫だ。ノーマルではないところまで覚えてるらしい。
というか、あのカラーリングで、ドノーマルってことはないわな。

「……それだな」 

虹ヲタが満足そうに頷きます。
虹ヲタの推理では、そのスクーターのオーナーと彼女には何らかの接点があり、彼女はそれを好ましく思っていなかったんだろうとのこと。
その件は、きっと学校では知られたくないレベルの話ではないかとの推理。

というわけで、メカ夫が知り合いのショップ経由でカナブン色のスクーターを追いかけてくれることになった。
なんでも、あれだけ弄ってるならどこかのショップに頻繁に通ってるハズだ、という読みでした。

何日かして、メカ夫がニヤニヤしながらやってきた。
カナブン号は読み通り、簡単に見つかったとのこと。
なんでもオーナーは、○○中学の卒業生で現在は高校を中退して何か日雇いのような仕事をしているらしいとの情報だった。
面倒な輩が出てきたなぁ?、というのが正直な感想でした。

メカ夫がカナブン号を追いかけてる間、虹ヲタはミドリの過去を洗っていた。
彼女と同じ中学出身の同級生から、知り合いの元教師、果ては親同士のネットワークにまで食い込んで調査してくれたらしい。
お前、卒業したら探偵事務所でも開設したらどうだ?
そこで分かったことは、噂を含めて次の通り。

まず、彼女は中学の一時期、転校してくる前に荒れていたことがあったこと。
次に、父は再婚しており、義母の連れ子の義姉がいること。
そして、義母とは折り合いが悪いらしく、現在は義姉と二人で暮らしていること。
最後に、義姉とは非常に仲が良く、二人で外出しているところをよく目撃されていること。

ここまでの調査で、カナブンと彼女の接点が分かりました。
転校前の中学が同じでした。
ボクは、さすがに彼女の転校前の状況は知らなかったです。
それどころか、お義姉さんと住んでる、なんてことも初めて知りました。
彼女とは4年くらい近くに居たわけですが、そんなことは全く知らなかったですよ。
うぅぅ……

そこで、ボク達三人が想像したストーリーは次のようなもの。ありきたりですが。

親の再婚
 ↓
義母と折り合い悪し
 ↓
娘荒れる
 ↓
不良グループへ
 ↓
更正して転校
 ↓
高校入学
 ↓
昔の仲間登場
 ↓
再び荒れ始める←今ココ

となると、昔の仲間とやらを何とかすればよいのでは? 
なんですけど。
ここで三人は悩むわけです。
サッカー小僧とピザとメカヲタのトリオでカチコミとか、ありえんわけですよ。
ヘタすりゃ命だって危ない気がするじゃないですか。

ボクはさておき、あとの二人は縁もゆかりもナイ女子のために命は張れませんですよ。
いや、ボクだってそこまでの覚悟はないかもです。すいません。

そこで、とりあえずカナブンは置いといて義姉に接触をして事情を聞こうとなったわけです。
もし、どんな形であれ、今はカナブンと、よろしくやってるのだとしたらボクの出る幕ではありません。
まったく余計なお世話でしょうし。
馬に蹴られて死ねるレベルです。

それに、趣味の悪いスクーターのオーナーとかって、なんか物騒な感じがするじゃないですか……すいません。ヘタレで。
とは言うものの、義姉の歳がいったいいくつなのかも知らないし。
学生なのか仕事をしてるのかも分からない、そういえば、ボクはミドリの家の場所は知ってても、電話番号は知らないんです。

というわけで、彼女の自宅を急襲、いやノンアポで訪問することにしました。

時間は彼女が家にいない時間の方がいいかと思って、まず金曜の午後授業はサボりました。一度目は空振りです。
次は月曜日の午前。二度訪問の訪問です

ボク達三人は、制服のシャツをパンツにピッタリと入れて全ボタンを締めて、ネクタイを首まで上げたサラリーマンスタイルで彼女の家の玄関前に立つわけです。

「ピンポーン」 緊張の一瞬です。
「はぁ?い」
インターホン越しに若い女性の声。

ボク達三人は「居たっ!」と喜びと緊張の混じった感覚で小さくガッツポーズです。
この瞬間に「もう戻れないぞ!」と思ったのを覚えてます。
いわゆる「賽は投げられた」状態です。

「こんにちは。○○高校二年○組の山下と申します。妹さんの件でお話したいことがあります」

事前に何度も練習した言葉を噛まないように、マイクに向かって一気に話します。
ここで怪しまれては先に進むことができません。

「……今、開けますね……」

玄関に現れたのは、心配そうな表情の女性でした。
ボク達は、さっきインターホンに向かって言ったことと同じ内容のことを言いました。
大事なことなので2回言ったわけではありません。

すると女性は、ここでは話がしにくいので近所のファミレスで待っていて欲しいと言うと、家の奥へと消えていきました。
指定されたファミレスで待つこと約30分、先程の女性が現れました。
ボク達三人は直立してから90度の礼でお迎えします。百貨店の店員並だし。

不安げな表情の女性が自己紹介をしてくれました。

「はじめまして、ミドリの姉の○○です」

普段はダラダラしてる3人ですが、この時はできるだけ好印象を与えようといつもの3割増くらいの気合で話します。
面接の要領です。

「ミドリさんと同じクラスの山下、虹ヲタ、メカ夫です」
「妹のことでは、ご心配をお掛けしてすいません」

本当に申し訳なさそうに、お詫びをする女性。
そんなに謝られたら困ってしまいます。別に彼女がボク達に迷惑をかけたわけじゃないですし、今の状況だってボク達、いやボクが勝手にやってて、残りの二人は渋々つき合ってくれてるだけなんですから。

虹ヲタとメカ夫は、黙ってこっちを見る、どうやら、ここから先はボクのターンらしいです。
ボクは相当テンパっていたので、何をどう説明したのか覚えていないです。
それよりも、まず自分がいったい何をしたいのかが自分でもよく分かっていなかったから。
でも、内容は伝わらなかったかもしれないけど、必死さは伝わったんじゃないかと思います。

「あなたが山下さんだったんですね。妹からよく話を聞いてましたよ。中学の頃からね。そういえば夏休み前かな、あの子、その頃すごく楽しそうだったんだけど……」

非常に辛いところから話は始まりました。
そこを突かれると、ちょっと心が痛いです。
なんだか気まずい雰囲気が漂い始めたんですが、ボクは三人で事前に打ち合わせたシナリオ通りに進めます。

「彼女に何があったのか、ご存じないですか?」

直球勝負です。

お義姉さんからは一瞬の間を置いて、一見関係のないような
言葉が出てきました。

「実は私、来年結婚するんです」
「はい……?」

話の流れが掴めず戸惑い、顔を見合わせる三人。

「私、あの子と二人で住んでるから、あの子一人になっちゃうのよ」

その言葉で事情が分かりました。
そうでした、この姉妹は二人で住んでいたのでした。

「それが悲しいと(ああなるのか?)」

ボクは言葉の後半部分を飲み込んだ。

「それを伝えたのが、ちょうど夏休みだったかな。あの子ショックだったみたいで……それと……」

お義姉さんは、言っていいのかどうか躊躇う様子。

「彼女の昔の仲間のことですか?」

ボクは思い切って言ってみた。この辺が核心になりそうだったので。

「……そう、知ってるんだ……」

お義姉さんは、ポツリポツリと噛み締めるように説明してくれました。

妹、つまりミドリは、父の再婚をきっかけに荒れていた時期があったこと。
(荒れていたといっても、派手な格好で、似たような子が集まったグループに居ただけとの説明です)
義母との折り合いが悪いせいで、今は両親とは別居状態であること。
妹の前に現れたのは、たぶん荒れていた時期の仲間だと思うけど転校後、昔の仲間とは全く付き合いがなくなっていること。

だから、そいつにしてもストーカーみたいに付きまとっているだけで妹も困っているハズだと。
ボク達三人は、まだ釈然としない表情だった。
今の説明を聞いても、彼女が華麗な変身を遂げた合理的な説明がつかなかったから。
そして、お義姉さんは続けます。

「あの子、ひとりでスゴく不安なんだと思う……中学の頃も……お父さんの再婚からあんなふうになっちゃったし……たぶんだけど……あの子、一人になりたくないんだと思う。 だから、誰かに助けて欲しかったんじゃないかと思うの。夏休みの間もずっと山下さんからの連絡を待ってたみたいだったし」

この言葉を聞いて、三人がビクッと固まります。
ボクは頭を抱えます。

虹ヲタとメカ夫の目が痛い。どうやらボクは彼女に期待させるだけ期待させて肝心な時に逃げてしまったことになっているようです。
しかも、絶望まで与えてしまった様子。

激しく落ち込むボクと、それを責める視線の二人を見てお義姉さんは慌てて言葉を続けます。

「違う違う、山下さんを責めてるわけじゃないのよ。私がいけないんだから……今回は、私が居なくなることが凄く不安なんだと思うの。そこに、現れて欲しくない昔の仲間が現れたりしたから、あの子はもうどうしていいのか分からなくなって……」

それで、転校前の頃みたいになってしまったと。

その時は結果として、お義姉さんが自分を救ってくれたという一種の成功体験みたいなモノが、彼女の深層心理にあるのかもしれない。
ということは、今回も誰かが彼女の前に現れて彼女を絶望の淵から救ってあげないといけない。それがボクでいいのか……?

重い空気が4人を包んでいる。虹ヲタとメカ夫の目がボクに鋭く刺さっている。痛い。
彼らの目は「お前が悪い」という非難の眼差し。

そうだろうな、彼女が一番助けを必要としていた時期にその期待を裏切って逃げ回ってた奴が、誰あろうボクなんですから。
でも、言い訳をさせてもらえるなら、ボクはその辺りの事情を全く知らなかったわけで……

知ってたら、絶対に彼女を助けに行きましたよ。
逃げたりなんてしません。たぶん……
沈黙に耐えられなくなった虹ヲタが、口を開きます。

「お義姉さん、大丈夫ですよ。妹さんのことはコイツに任せてください」

って、えっ? ボク? ですか?
メカ夫が続きます。

「そうですよコイツなら絶対に妹さんを元気な姿に戻せますから。もちろん、ボク達も手伝います」

やっぱり、ボクなんですよね?
自信満々で無駄に力強い言葉を聞いて、お義姉さんは安心したような不安なような複雑な表情をしてました。
あと一押し、ボクの決意表明があれば、その表情が少しだけ安心側に振れそうな雰囲気なんですが……

基本的にヘタレなボクは、なかなか言葉が出ないわけです……

もう友達二人は怒りの目になってます。爪でテーブルをカチカチと叩き始めています。
テーブルの下で足も踏んづけてきました。

『いい加減、覚悟を決めろ!』という声が聞こえてきそうな目と態度だったです。
お義姉さんはというと、期待と不安に満ちた目でボクを見つめてます。
三人の視線に後押しされて、ついにボクはその決意を口にすることになります。

「ボク、彼女を助けたいんですっ!余計なお世話かもしれないけど……」
「山下さん……」

お義姉さんの顔が一瞬、輝いたように見えました。
決意表明、所信表明演説、なんでもいいから更に続けます。

「今日は、お義姉さんにそれを伝えたくて会いに来たんです。だから……彼女にもう一度笑って欲しいから……精一杯やってみますっ!」

虹ヲタとメカ夫が大きくうなずき、テーブルの下で拍手したように見えました。

お義姉さんは、号泣状態でボク達三人の手を取って喜んでくれました。
あの子をよろしくお願いしますと、深々と頭を下げて帰っていきました。

言っちゃったよな……こりゃ責任重大だぞ……
他人の人生背負っちゃった感じだし。

ボクと二人の友達は自分達の発言の重さに、かなりビビッてました……

それからボク達三人は、ファミレスに残って今後の作戦会議。
やっぱりカナブンとの対決は、避けれそうにないことが分かったけどどうすればいいのか具体策はなかった。
それに彼女の本当の気持ちが分からない以上、万一、カナブンを退治できたとしても、その後に「余計なことをしてっ!」恨まれる可能性もゼロじゃない。

というわけで、やっぱり彼女本人と話をしなきゃ始まらないという結論になりました。
なんというか……あまりにも当然の結論です。

って、最初に気づけよ。
いや最初に、やったけどダメだったんだってば。

そして、カナブン退治に彼女が同意すれば、もう直接対決しかないとなった。
う?ん、正直なところ気が重い。鬱だし。
ボク達は、さっき聞いたお姉さんの携帯に連絡して彼女にボク達が話をしたがってることを伝えてもらうことにした。

翌日、彼女は遅刻せずに登校してきました。
ボク達を探すように、クラスを見渡しながら入ってくると静かに自席に着く。
クラスの視線が、彼女に集中している。ちょっと可愛そう。

ボクは、これまでと同じように「おはよう」と言い、続けて「昼休みにPCルームで」と告げました。
反応はなかったけど、とりあえず伝わったと思う。

それからの時間、ボクの緊張はどんどん高まることになります。
背中に彼女の視線が刺さっている気がします。気のせいかもしれないけど。
休み時間には後ろを振り返り、適当に話をしているフリを続けます。

そうしないと、彼女は一人になってしまいますからね。
それは辛いでしょう。彼女は返事はしませんが俯きながらも、上目遣いに視線を送ってくれます。
それは、きっと期待している証拠。

お義姉さんから大方のことは、聞いているに違いないし。
ボクは彼女に期待されているという嬉しさの反面、これから自分に起こるであろうことへの不安でいっぱいでした。

緊張の昼休み。

ボク達三人はPCルームでパンをかじりながら待っていました。
すると、扉が少しだけ開いて誰かが中を伺っている気配。
ボク達はできるだけ明るい声で彼女を迎えます。

「ミドリかな? 待ってたよ」

その声に促されて不安げに、そしておずおずと入ってくる彼女。
しかし、姿と表情がこれだけギャップのある子もないよなぁ。
ビッチスタイルなのに不安気って、やっぱり相当無理してるんだな。

ボク達三人は彼女を刺激しないように、できるだけゆっくりと話しました。
そして……ボクの気持ちは夏休み前のままだし、今でも彼女のことを放っておくことはできないと思っていることを、精一杯伝えました。

もちろん、夏休みに連絡できなかったお詫びもしましたよ。
たくさんの言い訳を添えて。
そして、カナブンのことはボク達でなんとかするし、何の心配も要らないと伝えました。
本当は、こっちが心配だらけだったんですけど。

調子に乗って、お義姉さんが結婚で家を出た後はボクが……
と言いたかったのですが、それは問題が解決してから別の形で伝えることにしました。

彼女は黙って話を聞きながら、静かに泣いていました。
こちらの話が終わると、彼女は消え入りそうな声で呟きます。

「ありがとう……」

早速、その日の帰りから作戦実行。

といってもボクと彼女が一緒に帰るだけ。
部活は当面休むことに。
そうすれば、そのうちカナブンが出てくるだろうという読み。

万一、なにかの気まぐれで奴が出てこなければ、超ラッキー。
ボクと彼女の、ハッピーエンドが待っているハズ……
って、そんな都合のよい話はナイだろうけど。

ボクと彼女は、できるだけ自然に二人並んで歩き、その後ろを虹ヲタとメカ夫が、バイクで尾行する。
最初の一週間は、何も起こらなかったです。

1日目は、彼女と少し距離が開いた状態で帰りました。ずっと無言
2日目は、並んでみた。やっぱり無言
3日目は、ピッタリ寄り添う形になった。でも無言。
4日目は、彼女から腕にしがみついてきた。震えてる。少しだけ話した。
5日目は、お互いの手を絡めてみた。昨日よりも話ができた。

う?ん、正直疲れた。汗だく。ヘトヘト。

週末は会うことはなかったけど、時間を見つけては電話もメールもしましたよ。
もう、夏休みのような失敗を繰り返すわけにはいかないですからね。
もし彼女の様子に変わったことがあったら、すぐにでも飛び出すつもりで。

彼女は、どちらかというと電話よりもメールの方が話しやすい?
というか、字面が落ち着いた雰囲気でしたね。
メールの行間には、沈黙が表現されませんから。

二週間目。

先週と同じく彼女はボクの腕にしがみついている。正直なところ歩き辛い。
でも、悲壮感が少し減ったように見えたのは良かったかも。

時折だけど、ボクの顔を見て微笑んでくれるようになったし。
週末の会話で、少しほぐれたのかな。
そして、天気のこと、学校のこと、みたいな会話がポツポツとできるようになりました。
このまま何も起こらなければ、いいのになぁとか考えるようになった頃……

やっぱり現れた。カナブンだ。

彼女がボクの背中に隠れて、ぎゅっとしがみついてくる。
後方からメカ夫のバイクのエンジン音が高くなり、近づいてくるのが分かる。
カナブン号から男が降りて、こちらを見る……

打ち合わせ通りにメカ夫にミドリを託して、虹ヲタとボクの二人でカナブンと対峙する。

相手は無言……
こちらも無言……

こちらとしては、戦闘開始まで時間があればあるほど有利。
なぜなら、ミドリを自宅に避難させたメカ夫が合流すれば3対1になるから。
相手よりも、人数が多いに越したことはない。

どのくらい時間が経ったかな、カナブンが何か話しそうな雰囲気。
沈黙で交渉が進まなくなった時は、先に話し始めた方が譲歩する場合が多いと聞いたことがある。
でもそれは、交渉の場合。武力衝突には適用されない法則だと思います。

虹ヲタはさておき、ボクは元々が口数が多い方じゃないから沈黙は怖くない。何時間でも黙っててやりますぜ。
こちらの作戦を知ってか知らずか、カナブンが遂に口を開く。

「あんたら何者?」

すぐにでも詳細を説明したい気持ちを、ぐっと堪えてボクは……

「何者だと思う?」

質問返しとは、我ながらひねくれたもんです。
とりあえず相手に、頭を使ってもらいましょう。
その分、こちらには考える時間も情報も増えますから。

少しイラついた表情を見せながらカナブンが続けます。

「その制服は○○高校だろ。ミドリの知り合いかなんかだろ?」
「だったらどうする?」

あくまでも、とぼけて交渉のテーブルに乗らないボク。

というか、何をどう交渉したらいいのかまったく分からないし、こうやって言葉遊びをしてる中で何か突破口が見つかれば……とか思ってたのが本音。
すると……

「どっちが、彼女と付き合ってるんだ?」

意外なことを意外なトーンで言い出すカナブン。
コイツの言葉に怒気はない。
ボクは、ひょっとしてコイツは悪人じゃないのかも? 
という考えが頭をよぎる。
だから、ちょっと話をしてみようかという気になったですよ。

「今のところ付き合ってるとかはないけどね。ただね、彼女がアンタを怖がってるみたいだからボディーガードみたいなもんだ、と言えばいいかな」
「そうか……」

この一言からカナブンが語り始める……えっ?語り始める?!

オラオラ言いそうな輩っぽい外見とは違い、彼は武力衝突ではなく外交での解決を望んでいるようなのです。
これは渡りに船、地獄に仏、鴨がネギ、いや違うか、とりあえず、こちらには好都合でした。
 ・
 ・
 ・
本当は、涙が出るくらいホッとしたんですよ……

結論から言うと、彼は中学の頃からミドリが好きだったらしい。
彼女と直接話をしたことはなかったものの、例のメンバーの中でちょっと異質な彼女が、ずっと気になっていたとのこと。

ところが、彼女が中二で急に引越しをしてしまったせいで行方が分からなくなり、ずっと気にしていたと。
そして、この夏休み頃に、偶然ボクと一緒に帰る彼女を見つけてつい彼女の後をつけた上で、待ち伏せをして声をかけてしまったらしい。

彼も不器用な男のようで、結果的に自分の存在が彼女を追い込んだらしいことには、とても困惑してましたね。
彼は彼なりに彼女が変わっていく様を心配し、何とかしたいと考えていたようですから……

ところが、その頃を境に彼女が急変していったから、彼も驚いてその原因の一端が、自分にあるのかと思ってしまったと。
だから、引くに引けない状態になっていたらしいです。
おまけに、次々と連れて歩く男が変わっていくものだから心配で……

途中からはメカ夫も合流し、ボク達4人は公園で話をしました。
30分くらい話しましたかね。
彼女の状況は、ある程度までカナブンさんにも話しました。
彼は、自分の行動が彼女を怖がらせたことについて素直に謝罪をしそれを彼女に伝えて欲しいとのことでした。

そして、もう二度と彼女の前には姿を見せないだろうことも。
帰り際に、彼はボクの目をしっかりと見つめてこう言います。

「彼女のことはアンタに任せた。俺はアンタを信じる」
「わかった」

ボクは短く答えましたが、頭の中では何だか言葉にしにくい感情が渦巻いていました。

妹をお願いします、と号泣しながら頭を下げたお義姉さん……
自分の気持ちを殺して、ボクに彼女を託したカナブン……
自らの危険も顧みず、イヤな顔ひとつせずにここに居てくれる友達……

みんな、いい人です。何かこう……暖かいものというのか……
ボクとミドリに向いている、みんなの気持ちが嬉しくてひとりで、ジーンとしてました。

実はその時、泣いていたかもしれません。

というわけで、カナブンさんについては、一件落着となりました。
事務的に「一件落着」と言うには、ちょっと切なかったですが……

ボク達三人が、ミドリの家で状況を説明しているところにお義姉さんが帰ってきました。
昔の仲間の件については、片が付いたことを報告するととても喜んでくれて、その日は夕食をご馳走になることに。

メニューはカレーだっと思います。急に量を作ることになりましたから豪華なディナーとはいかないでしょう。
それでも5人で囲む食卓は楽しいものでした。
ミドリの笑顔をみるのは数ヶ月ぶりでしたし。

ボクはその時の話の流れで、それから毎朝夕にミドリを送迎することになりました。名目上はボディーガードです。
本当は、もう不要なんですけどね。

翌朝。

ボクはミドリの家へ向かいました。お迎え初日です。
そこでまた驚くわけです。いや、今度はいい意味で。

ボサボサだったロングの茶髪が、見事にショートになってました。
しかも、天使の輪を装備した綺麗な黒髪。もちろん制服も普通に。
そして、照れながらボクを見るとモジモジしながら……

「似合ってるかな……」

もうね、キュン死です。ボク。

奥からお義姉さんが出てきて、笑いながら種明かしをしてく
れます。

「山下さん達が帰った後で急に美容院に行きたいって言い出してもう大変だったんだから」
「スゲー似合ってます。超カワイイです!」

ミドリは顔を真っ赤にして、相変わらずモジモジしてる。
なんだかキャラが変わってるし。

お姉さんに急かされて登校することになったのですがなんだか恥ずかしくて話ができません。
そのうち、ミドリから話を始めます。
去年の夏休みのことです。

彼女が劇的に変わったのは、カナブンの存在から過去の自分が知れ渡りみんなが、自分から離れていくのが怖かったから。
しかも夏休みに入って、仲直りしたハズのボクからメールの1本すら来なくなっていたので、自分はもう嫌われてしまったのかもしれないと落ち込んでいたのにと。
(この件は、つくづく面目ない……自分がヘタレだったばかりに……)

おまけにお義姉さんまで、自分から離れていくことが分かりもう、どうしようもなくなったせいで、あんな風になってしまったとのこと。
彼女にしてみれば、中学の頃にそんな風になった時には、お義姉さんが必死になって自分を庇い、支えてくれたことがあったから、今度も誰かが……と無意識に思ったのかもしれない。

それに……あの荒れた自分も確かに自分であり、それを隠し続けることはできないと。
だから、自分が誰かを好きになった時には、いつかは伝えなければならないことだと、ずっと思っていたと。
彼女は、それを受け入れてくれる人としか付き合うことはできないと考えていたとのこと。

そして、校内のできるだけ目立つ男と次々に付き合ったのはカナブン対策。
やっぱり怖かったから。

とにかく誰かに傍に居て欲しかったから、言い寄ってくる奴を全てオーケーしたらしい。
でも、すぐに手を出そうとする失礼な奴とは、二度と会わなかったと。
だから、結果として手当たり次第になったとも。

そういう事情だから彼らとは、噂になっているようなことは絶対になかったということを、ボクにだけは信じて欲しいと言われました。
そんなに必死な目で見ないでも、そこは全力で信じますよ。はい。

「もし、そんなことがあったとしても それは過去のことだから気にしないよ」

なんてカッコつけて言ったらスゲー怒られた。というか泣かれた。

「だから信じてって言ったのに……」

目にいっぱいの涙を溜めて言われてしまいました。反省。

そこで疑問。
なぜ最初からボクにカナブン対策をお願いしなかったのか、と尋ねてみると。
彼女は、ボクがきちんと告白してくれていたなら、何も問題はなかったのにと拗ねた目で軽く睨まれましたね。
そうでした。告白どころか夏休みは、一度も連絡してませんでした……すいません。

そんなわけで、彼女は学校にも毎日来るようになったのですが勉強のキャッチアップは、少々辛いものがありました。
でも、一生懸命がんばると言うんで、昼休みのPCルームを使って一緒に勉強しました。

ボクの苦手な科目は、虹ヲタとメカ夫が担当。
というか、ほとんどメカ夫におまかせ(笑)
コイツは、女性耐性がまったくなかったせいで、至近距離で女子に見つめられると、それがミドリでもまともに話ができなかったんですが
しばらくすると普通に話せるくらいまで成長しました。

そして、教え上手だということが判明し、噂を聞いた何名かの女子から志願があり、一緒に勉強するようになったんです。
ボクとミドリは部活があったんで、昼休みだけでしたが、彼らは放課後もPCルームで集まっていたようです。

実は、メカ夫は隠れた人気モノだったようです。
相手は、どちらかというと地味子さん系でしたがね。
でも本当にいい奴だし、イザとなるとヲタとは思えないくらい頼もしいですから。
虹ヲタですか?まあ、それなりです(笑)

そして、校内は学園祭シーズンに突入し、活気づいていくわけです。
最近はボクとミドリ、虹ヲタ、メカ夫、そして地味子さん数名がひとつのグループになってましたからね。
今年の学園祭は、楽しくなりそうだなとか思ってました。

そして、ボクには計画があったのです。学園祭の時にミドリに告白しようとね。
やっぱり、色んなことがあって彼女が弱ってる時につけこむとかフェアじゃないと思ってたんですよ。
だから、しばらく時間を置いて、彼女が元通り元気になったら決めてやるぞと。

ところが、これがいけなかった……
ある日、彼女からメールが到着するわけです。

「話がある。5時に校門で待つ」

愛想のないメールでした。なにか深刻な雰囲気が漂っています。

部活が終わり、校門へと急ぐとミドリが待ってました。
例の雰囲気です。
これは、誰か好きな男ができた様子だなと思ったです。
なんだか自分の肩がドヨーンと落ち込んだ気がします。

「いい……さっき来たとこだから」

彼女が力なく答えます。
非常に気が重かったですが、約束した以上トンズラするわけにはいかないので諦めます。

「遅くなって悪いな」

まだ約束の時間まで10分以上あるんですが、とりあえず到着通知の第一声です。

これって、正に1年半ほど前と同じ光景じゃないですか?!

ボクはもう逃げ出したくなりましたね。
これから二人でファーストフード店へ行って、ポテトと飲み物で小一時間話すんですよね。他の男のハナシを。
あーもう勘弁してくれ……

二人並んで夕暮れの中、学校からの坂を下ります。
赤い夕陽の風景にもかかわらずボクはブルーでした。
文字通りトボトボと歩き、ファーストフード店へ到着。

端の席を陣取りポテトと飲み物で準備完了。

「男性の意見が聞きたい……」

ミドリの第一声。そして……

「私、好きな男の子がいるの……でも、どうしていいかわからなくて……」

ボクとしては、一番聞きたくなかった言葉でした
目の前が真っ暗になって、気が遠くなっていくのを感じました。
終わったです。すべてが……

彼女は、はにかむようにストローの袋をコネコネしながら、小さな声でポツリポツリと話しています。
デジャヴどころではないですよね。ループですよループ。
全く同じ光景を体験したことがありまよ、ボク。

その場から逃げ出したい気持ちを抑え、気を取り直して挑むことにしました。
なぜなら、きっとこれが彼女からの最後の相談になると思ったからです。
視界の中で彼女が小さくなっていきます。なぜが歪んで見えてきました。

息が苦しい。でも、ボクは気力で真っ直ぐと座っていました。
彼女を直視することはできなかったですけど。
前回の相談はグダグダになりましたが、最後の相談くらいはきちんとしようと……うぅぅ……目から水が……

彼女の話によりますと……
好きな子というのは、昔から友達として仲のいい男の子のこと。
自分は彼のことが好きだという気持ちに、つい最近ハッキリと気がついたと。

最近は彼と、なんとなくいい雰囲気まではいくんだけど、もう一歩を踏み出す勇気がない。
「好き」という肝心な一言が言えない。
だから今のままの関係を続けようと決めたんだけど、もう耐えられないと。

でも、もしダメだったら、友達ですら居られなくなるのかと思うと苦しくて苦しくてどうしようもないとのこと。
実際、一言も話すことができない期間があって、その時はとても辛かったと。

似たような境遇の奴がいたもんだと思いましたね。
その気持ちは痛いほど分かりますよ。
だからボクも真剣に答えます。

「その気持ちはよくわかるよ……でも結局はケリをつけないと先には進めないから」

ボクは他人事とは思えない内容を自分に重ねて話します。
まるで自分自身に語りかけるように。
友達として居心地がいいと思うなら、そのままの関係を続ければいい。

でも、いつかはどちらかに恋人と呼ばれる人物が現れることになる。
その時に心から祝福できるなら、その気持ちは本物。
もし、そうでないなら……友達であり続けたことを、きっと後悔することになると。

「言わずに後悔するくらいなら、言って後悔した方がいいかもしれないよ……」

どこかの博士の受け売りです。
ここまで言ってボクは我に返ったんです。
そうだっ! ボクも同じだと――

ボクは背筋を正してミドリを見つめる。
もう彼女の相談なんてどうでもいい。

今、ここでボクが想いを伝えなければ彼女は相談内容の仲のいい子のところへ行ってしまう。
そうなってしまったら、ボクはヘタレな自分を一生後悔することになる。

「ミドリ……ボクの話を聞いてくれないか」

彼女は、急に改まったボクを見て驚いた表情ながら、コクリと頷く。

「今の話を聞いてさ……自分に重なったんだよね。だからさ、相談途中で悪いんだけど、先にボクの話を聞いて欲しい。その後で、そっちの相談内容の結論を決めてもらってもいいかな」

ここまで聞いて、ミドリは俯いて黙ってしまった。
ボクは構わず続けます。

「実はボクにも、同じように仲のいい子がいてさ。もうしばらくは、友達でいようと思ってた。でも……その子に好きな子がいるらしいと聞いて……今、ここで伝えないと、一生後悔すると思ったんだ」
「……うん」

ミドリの目に涙が浮かんでいる。なぜだ?

「ミドリ……ボクはキミが好きな自分に気がついた。いや、これまで何年も気づかないふりをしていたんだ……友達じゃなく、ボクの彼女になって欲しい」

額が汗でびっしょりだ。目の前の紙コップと同じ状態。
不思議なもので、告白というものは言い終えてしまうと非常にスッキリするもんだなと。

人生初の告白経験……

これまでのモヤモヤとした気持ちがウソのように心の中が透き通って自分の心の底まで見通せる感じ。
もちろん回答が「ごめんなさい」だったら、それはそれで落ち込むだろうけどこのスッキリした感覚は、残ってくれると思ったし。
いや、そう願っただけかも。

ミドリは黙って俯いている。
肩が細かく震えているのが分かった。
泣いているのか?
まさか笑っているんではないと思うが?

「△●※□■???」

言葉にならない声を上げ、涙と鼻水でグシャグシャの彼女がボクの胸に飛び込んできた。
泣きながら何か言っている。
(ユーサクのバカ?)と言っているように聞こえた。
違うかもしれんが。

しばらくは何を言ってるのか分からない。
怒っているのか、悲しんでいるのかすら判断できない。
店中の注目が集まっているのを感じたけど、そんなことに構ってられる余裕はない。

「ユーサクはズルい……バカ……」

やっぱり怒っているのか?
ダメなら、ひと思いに殺ってくれと思いましたね。

「相談……ユーサクのことだったのに……」

「え?」

そういえば、あまりにも似通った状況だなとは思ってたですが、そんなの冷静に分析できる状態じゃなかったですから……しまった。早まったか。

「でも、嬉しい」

ミドリが笑顔に変わります。そして……

「返事はもちろん、イエスだよ」

まだ睫毛が涙で濡れてましたけど、それが余計に可愛かったです。

ボクとミドリは、これで正式に? 
付き合うことになりました。
でもその後、彼女にはしょっちゅう、からかわれることになります。

「告白したのは、ユーサクなんだからねーどーしても私と付き合いたいって言ったから付き合ってあげたんだからねー(笑)」

何かある度にコレを言われるわけですよ。そう、ずっとね。

―― 第五部 進展 ――

告白から3ヶ月くらい経った頃の話です。
ちゃんと付き合うようになった二人ですが、友達期間が長かったせいで、どうにも進展がなかったんです。

なぜなら、彼女は普通にボクの家に来て、ボクの母の作った夕食を一緒に食べて、深夜までボクの部屋で試験勉強とかしてましたからね。
さすがに母の「ミドリちゃん、お風呂に入っていく?」には慌ててましたけど。
家が近所で、お互いの家族が公認というのも、なかなか関係が進みにくかった一因かもしれません。

さて、そうこうしているうちに学園祭の「やきそば」イベントも終了し年に一度の大イベント、クリスマスがやってくるわけです。
別にクリスチャンでもなんでもないんですけど。

実は、学園祭も一緒に廻ってたんですが、何も起きなかったわけでして。
だから、クリスマスこそは関係を進展させるぞ、と心に誓うボクでした。
主よ、不順な心の我を許したまえ。

「ねー、ユーサク。今年のクリスマスはバイト?」

いつものように並んで帰るミドリが聞いてきます。

「いや、去年はガッツリとシフトに入ったから今年は勘弁してもらうつもりだし」
「えっ? 去年はシフトって?」

彼女が不思議そうな顔をして聞くので、ボクは状況を説明しました。
実はクリスマスも、バレンタインも、ホワイトデーもなかったことを。
というか、去年のクリスマスにコイツのDVDの貸し出し手続きをしたのはボクなんですけどね。
あんなに大量に借りたのに覚えてねーのか?

ボクの説明を、ひと通り聞くと

「そういうことかー、ハハハ」

なんだか嬉しそうに笑います。

「おまえ……人の不幸を笑ってないか?」
「ごめんごめん。そうじゃなくって――」

彼女は慌てて説明します。

これまで家族以外とクリスマスを過ごしたことがなかったこと。
そして今年は初めて家族以外、それも好きな人と一緒に過ごせることが嬉しいこと。

でも、去年のボクとマネージャーさんの二人のクリスマスを想像するとちょっと複雑な気持ちになっていたこと……
ボクは、ミドリでも元カノの存在とか気にするんだなあとか思いましたね。
元カノといってもマネージャーさんとは、あの事故のようなキス以外は手すら握ってないんですが……いや、あれはノーコンテストだ。

というわけで、クリスマスはテーマパークに行くことになりました。

昼過ぎに待ち合わせをして遅い昼食。
クリスマス用の飾りつけや音楽の鳴る街中を色々と回って、夕方からテーマパークという元気な10代らしい実にハードな設定。
今なら途中で集中力が切れてしまいますね。確実に。

明るいうちは、いつもと同じ雰囲気でわーわー楽しみます。
街中が浮かれた雰囲気なので、こちらも何だか盛り上がります。
陽が落ちる頃からテーマパークです。
寒い冬の日没後にもかかわらず、人でいっぱいです。

どこへ行っても結構な時間並ぶことになるんですが、二人なら気にならないわけですよ。
これが真夏だと苦しいかもしれませんが、寒い冬ならではの効果というモノがありましてね。

そう、寒いという大義名分で物理的に近くなるわけです。
30分も並べばもう抱き合うような感じになりますよ。
その方が暖かいですし、周りがそうですから、ごく自然に。
お勧めです(笑)

体は密着状態で、お互いの腕は相手の背中に腰に、しっかり絡まってます。
ボクも身長が低い方ではないんですが、彼女の背が高いせいでお互いの顔がスゴク近くなるわけです。
その距離は、もう10cmくらいでしょうか。

言葉が途切れると雰囲気はMAXになりますよ。
周りもそうですから……しつこいって(笑)

そして少しづつ列が動いて薄暗い建物に入ると……遂にやってしまいました。
これぞファーストキスですよ。正真正銘の。
さすがにガッツリとはいきませんが、軽くでも十分でしょう。
破壊力抜群です。

もうなんか色んなことが、どーでもよくなって、わーぃわーぃという感じです。
表現力が乏しくバカっぽいですけど、これが正直な感想です。

テーマパークのアトラクションなんて、なーんも覚えてません。
その後も長い列に並ぶ度にボクの頭の中は「キスだ、キスだ」しかないわけですからね。
実際その日は、調子に乗って何回キスしたか分からないくらいしましたよ。

テーマパークを後にして、ボクは非常に満足度高く家路につくわけです。

でも、彼女はなぜかずっと黙ってました。
ボクの腕に顔を埋めながら……
そして家が見えてきた頃、やっと口を開くわけです。

「今日は楽しかったよ……ユーサク……でも……」
「でも、なに?」
「私達って……今日のことで変わってしまうのかな……」

彼女の不安そうな顔がスゴク可愛かったことを鮮明に覚えています。
あの表情は一生忘れることができないでしょう。
脳内アルバムには今でもしっかりと残っていますからね。

「変わらないよ。ボクはボク、ミドリはミドリ。ボクはミドリが大好き、何か変わった?」
「……そーだよね。でも私は少し変わったよ……ユーサクのことが、もっと好きになった!」

というが早いか、ボクの首に両手を絡めて本日最後のキス……
ちょっと、いや、かなり激しい。
途中で何度も息継ぎが必要なくらい長かったです。
ボクは、なんだか燃え上がってしまって、力任せにギューっと抱きしめてしまいました。

「んもっ……ぃたぃ……」

そう言われてハッと我に返り、力を緩めたくらいです。
ミドリは力の抜けたボクの腕からスルリと抜け出して走っていきます。

「ユーサク、今日はありがとう!それから……大好きっ!!」

と大きく手を振ると玄関の中に消えていきました。
その姿を見つめながら、なんとも言えない幸福感でいっぱいなボクでした。

これでボクとミドリが、めでたく一人前のカップルになった次第です。

―― 最終章 エピローグ ――

クリスマスイベントから3ヶ月後。
彼女のお義姉さんの結婚式の前週のこと。
ボクは彼女の両親宅に居ました。お義姉さんに呼ばれたんです。

その時初めて、ボクはミドリの両親に挨拶しました。
お父さんも、お義母さんも喜んでくれて大歓迎モードでした。
たぶん、色々あったことを聞いているんだと思います。

普通に食事をして、普通にくつろいでいたところ……
お義姉さんの核弾頭並みに破壊力のある発言で、ある意味でのボクの人生が決定されることになります。

「今日は、山下さんにお願いがあります」

なんだか悪戯っぽい目が、非常に気になるというか怖いわけですが彼女はさらに続けます。

「私が結婚してあの家を出た後、妹と一緒に住んであげて欲しいんです」

これにはさすがに驚きましたね。まだ高校生なのに同棲ですか?!
というか、ミドリとは……
いや、まだそういう関係には進めていないわけですし……

ボクは期待と妄想に胸を膨らませながら、必死で気の利いた言葉を探します。
あまりに直球なことは言えませんからね。

「えっ?! 一緒に住む? へっ?」
「ちょっとお姉ちゃんっ!何言ってるのっ!」

ミドリは顔を真っ赤にして両手をバタバタさせながら、あたふたと暴れてます。

「妹は友達も少ないし、何かあるとスグに荒れるし(笑)」

お義姉さんの主張では、ミドリは常に誰かが傍で支えていないと真っ直ぐに育たないとのこと。
今までは自分がその役目だったけど、そろそろ交代の時期だろうとも。

「本当は、父さん達と一緒に住めればいいんだけどな……」

お父さんは、お義母さんをチラリと見ながら呟くように言いました。
家族のことは分からないけど、それが叶うなら彼女もお義姉さんも最初から苦労はなかったんでしょう。

ボクの頭の中は複雑でした。
嬉しいんですが、なんというかまだ心の準備ができていない感じです。あまりに急でしたからね。
正直言うと、まだそこまで考えていなかったんですよ。
同棲なんてね。

でも、いつも自分がヘタレで、根性がないせいで失敗ばかりしてましたから今回は覚悟を決めました。
珍しく即決即断です。英断でもあります。
いや、覚悟はあのファミレスで、既に決まっていたようにも思います。

「ボっ、ボっ、ボクは彼女と結婚しますっ!だから一緒に住みますっ!」

ボクの決意表明に一同「おぉ?」となり、ミドリは大粒の涙をポロポロと流しながら完全に固まってます。
数秒間動かなかったと思うと、突然号泣しながらボクの胸に飛び込んできました。

「ユーサク……ありがとう……大好き……」

結論としては、お姉さんとミドリが住んでいた家では一緒には住まなかったんです。
せっかく決断したんですがね。

ウチの両親が反対したんですよ。
二人で生活するのは、さすがにまだ早いって。
大学はどうするんだと。それに高校生で、子どもができたらどうするんだと。
一緒に生活すれば、できちゃうでしょうね。
若いですから。確実に。すいません。

その代わりに、ボクの家で一緒に住みましょうということになったんです。
「高校生で下宿して、生活している子だって普通にいるから」
これがウチの両親の意見でした。正論です。

加えてボクの母の言葉
「あんたが選んだ子なんでしょ?だったら悪い子なわけがない。一緒に住めばいいじゃない」
この一言で決まりでした。

引越しするにあたっての「大人の事情」は、お互いの両親で話し合ってくれました。
金銭面とかあったんでしょうね。詳しくは知りませんけど。
そして、彼女とはボクの家で一緒に生活することになったんです。

でも、皆さんが想像するような甘いイチャイチャは、なかったですよ。
少なくとも家の中ではね。ボクの母との約束があったからなんです。
それは『普通の兄妹がしないことは、この家の中ではしない』でした。絶妙な言い回しですよね。
虹ヲタが聞いたら、それだけでオカズになりそうです。

約束を破ったら、二人とも追い出すと宣言されていましたから。
ボクの母はミドリを本当の娘として育てるから、大学に行きたいなら学費はなんとかするし、そのために塾が必要なら、それも何とかするとまで言ってくれました。
なんかスゴく嬉しかったです。

母がこんなに懐が深いとか思わなかったですから。
そこまで言ってくれる母を二人は裏切ることができませんでした。
とか言いつつ、実はボクは何度かチャレンジはしたんですよ(笑)
すいません。健康な男子高校生ですから。

でも、ミドリにガツンと怒られてシュンとなったり「ここじゃダメっ」と色っぽい声で言われたりで、かわされ続けました。
まあ、この家の中でさえなければ彼女も積極的だったりするわけですが……

結局、ミドリは大学にも塾にも行かず、専門学校から看護士へと進みました。
そして就職を機に、ボクの家から出ていくことになります。
彼女としては、一日も早く独立したかったのかもしれません。
引越しの日は、なんか悲しくてね。泣いちゃいましたよ。
情けないですけど。

それから……

何年か遅れて、ボクも就職を機に実家を出ることになります。
実家からでも通勤できたんですけど……
だって、彼女と二人で生活したいじゃないですか。

彼女というのは、もちろんミドリです。

そうそう、虹ヲタとメカ夫とは、
今でもちょくちょく飲んでますよ。
結婚式にも出席してくれましたし。
奴らはまだ独身です。結構モテるクセに(笑)

さて、ボク達にはもうすぐ子供が生まれるんですよ。
彼女は実家です。
だからボクは今、部屋で独りなんですよ。

で、どっちの実家かって? 
もちろんボクの母のところです。

―― 完 ――

ちなみに、コテハンは「バース=誕生」をかけてました。
くだらなかったですね。すいません。

川向こうの姉妹の話

俺が中2の時に家の前を流れる川の向こうにどうやら引っ越してくる物好きがいるらしいってのが噂になった
ど田舎だからそういう話がすぐひろまる
あっちではべっぴんさんだとか、こっちじゃイケメンだとか
とにかく根拠もない噂が2週間ぐらい出回った

その日は学校があったから一家が引っ越してきたのを知ったのは家に帰ってきてからだったな

母ちゃんに手紙を出すとさっそく挨拶してこいと言われた
俺はばっちゃんの漬け物とか持ってすんごい期待して行ったんだ

結論からいうよ
半分は期待通りだったんだ
普通のおばちゃんと超スタイルの良いお姉ちゃん(このとき中3)と矯正に眼鏡、おかっぱの妹が俺を迎えてくれた

何でこいつが同じ家にいるんだってくらい差が激しかった
俺はずっと姉ちゃんの方をむいてしゃべってたな
で、おばちゃんに良いこいいこされて帰った
正直、お姉ちゃんのが良かった

すぐに俺は絶望したね
学校にいったら妹の方が転入生として紹介されてるんだからな
で、妹の挨拶
「妹です。わからないことがあると思うけど頑張るのでお願いします。でも、俺君とクラスが一緒で安心しました」

最後のがいらなかった
中学何て男女が近くにいたら囃し立てるのがつねで
それが転入生なんだからちっちゃい校舎に噂が広まり切るまで1日もかからなかった

その日からことあるごとに囃し立てられた
消ゴムを拾うたびに
「いやぁ、優しい旦那ですなぁ」
給食で席を合わせると
「いやぁ、お邪魔なようなので我々は離れて食べますのでどうぞごゆっくり」
帰りの方向が一緒だから放課後になると
「いやぁ、奥さんの手料理が待ってるんでしょ?羨ましいですなぁ」

嫌になったね
そして極めつけは妹の態度だ
おっとりしててそのくせ言われたことにたいしていちいち恥ずかしがってやがる
頭にきたね

1ヶ月もそのネタが続く
でも、飽きがくるんだな
まだガキだし
でも俺はまだイライラしていたね
理由は妹

いつのまにやら毎日迎えに来るんだ
流石にお弁当は作ってこなかったが
やたらと親切でベトベトではないんだが常にくっついてくるんだな
俺は姉ちゃんだったら良いのになぁとか思いながら一学期を終えた

クラスの連中も飽きもあるだろうがもうほんとに出来てるんだろうと思ってそっとしておいたという奴もいたんだろうな
俺も学校では妹をそんなに邪険にはできないし、世にツンデレという言葉が出始めの時期だ
下手に無下にするとそのネタでからかわれたりもした

夏休み
当然のように毎日遊びに来る妹
ついにはお昼を作るまで俺の家での妹の地位が気づかれていた
困ったもんで母ちゃんもいい気になって料理なんか教えるから妹も一生懸命になって何となく迷惑だなんて言えなかった

ある日、妹一家と海に行くことになった
俺はすごく微妙な気持ちにならざるを得なかった
姉ちゃんの水着を見ることができるが同時にそれは妹とさらに親睦を深めることになる、そう思った

結局姉ちゃんの水着を拝める誘惑には勝てず俺は海水浴に行くことにした

当日
俺は姉ちゃんと一緒に海原を泳いだ
楽しかった、本当に楽しかった
俺は水泳部に入ったことを神に感謝した
日々の苦しい練習もこのためにあったんだとか思いながら泳いでた
妹は泳げないため砂浜でなんかしたり、浮き輪で浮かんでた
とにかく、夢中で姉ちゃんのわがままボディを堪能し、さりげなくパイタッチしたりして
十二分に海水浴を堪能した
まさに一夏の思いでになる……はずだった

3時ぐらいだったかな
風が吹き出したんだ
おばちゃんが一旦上がりなーって言ったんで姉ちゃんと一緒に浜に上がろうとしたんだよ
そんなとき
視界のはしっこで水しぶきが上がってんだよ
正直、見ないふりもできるレベルだった
でも、向いちゃったんだな
で、見ちゃった
妹が水上で犬神家やってんのを

姉ちゃんはもうそのときクロールで大分先に行ってて俺が一番近かった
怖かった
何やってんだよ
何でお前は頭から海に突っ込んでんだよと
思いながら気づいたら助けてた

おばちゃんから泣いて感謝された
妹もスッゴいキョドってたけどありがとうって言われた
俺も悪い気はしなかったさ
でも、妹は今まで以上にくっついてくるようになった
ちょっとしたヤンデレのレベルにまで進化した
俺の神経は日に日に擦りきれていった

夏休みが終わり2学期

クラスの連中も流石に妹がおかしいことに気づいたらしく俺のことを心配してくれた
ありがたかった
だが、女子が近づくと機嫌が悪くなってあとで不安定になって突然切れられたりするのが怖かった

で、中間テストが終わった日の放課後
ついに下駄箱にベタなハートマークのシールで封のしてある手紙が入っているのを俺は見つけた

俺はどう転んでも悲惨な目に合うのを覚悟し、妹の待つ音楽室へ向かった

いたよ、ど真ん中に
入った瞬間に目があったね

「来てくれた……」
っていって近づいて来る
「私ね?……俺君のことがね?!」

意味の分からん所で語気が強まる

そしてほぼゼロ距離耳元で
「………だーいすき」

背筋がブルッた
このとき以上に怖い思いをしたのはないし、この先も無いと思う

俺が
『ウワァヤベェコエェミミヤバァ』
とか思ってると俺の口が勝手にな?
「鏡見てから出直してきな」
って言ったんだよ

おかしいだろ?
目の前のヤンデレでネジ一本吹っ飛んだ女の告白をこれで断る
俺もネジが5~6本飛んでるな
俺は歯食いしばって目を閉じて
衝撃が何時でも来て良いように身構えた

でも、思ったようなダメージは無かった

思ってたのと違うってのは
俺が思ってたのは打撃系統だと思ってたのに実際はボールペンによる突き刺し系の攻撃だったことで攻撃されなかった訳じゃない
この攻撃によって俺は右手にあーこれは消えないなって傷をおったよ
今じゃ大分薄くなったけど

流石に近くの男子便所に逃げ込んだよ
怖かったね

六時近くだったから学校にいる生徒も少なかったし、もう暗くなってたからね
幸いにも男子便所の前で待ち伏せはされてなかったから無事に家に変えれたけど
次の日は流石に具合が悪いっていって休ませてもらった

ラノベとかだったら寝込むと家に来るんだろうがそれはなかった

次の日は流石に学校にいって普通に生活した
そう、普通にである
妹が俺にくっついてくる事もなく
いたって平和に過ごすことが出来た

それから一週間
何事もなく、平和に暮らすことができて俺はやっと諦めてくれたかと思ってた

しかし、事は土曜日に起きる

朝起きると母ちゃんがいない
下に降りると出掛けてきますと置き手紙
妹ちゃんにお昼つくってもらう約束したから安心してねとも書いてあった
やべぇよ、やべぇよ……

で、10時
インターホンが鳴り響く
妹がやって来た

ちょっと早くないか?と聞くと
「話したいことがあるの、部屋でいいよね」
っていって部屋へ
怖いけど二階へついていく可愛そうな俺

部屋に入ると座るように命じられ、俺は正座で頭を垂れる
俺はまた
『ヤベェコワィチビルアシフテェヨ』
とか思ってた

何て思っていると
「この間はごめんね、ちょっと積極的すぎたね」
と妹
まさか積極的という言葉がこんな使われ方をするなんて!!
驚いた俺は
「俺も真実とはいえ、すまなかった」
と、素直に謝ってしまった
今回は打撃系統だった
良かった

「話は戻るけど、私の何が気に入らなかったのかを聞いてあげようと思うの」
と、仰るので
「遺伝子レベル」
と答えたら下腹部に鈍痛が走った
俺は早く平和な日常に戻りたかった

「真面目に答えてくれないの?」
と今度はシャーペン持ちながら言うので
「まず、体形。次に性格とかセンス。あとはタイプじゃないな」
とマジレス
すると
「分かった、何とかするね」

分かりません

そんな俺を置き去りにしてキッチンに向かう妹は何故か嬉しそうだった

お昼はオムライスだった
超旨かった
ヒ素とかは入ってなかった
良かった

食べ終えたあと俺は違和感を感じる
妹が優しい微笑みを称えているではないか
そして、皿洗い、洗濯、掃除を次々とこなし
お風呂まで沸かしてもらったところで聞いてみた
「貴様!!何をたくらんでやがる」

何で喧嘩腰なんだろう、おれ

そしたらおっそろしいことに
「私ね俺君のためなら何でもしたいし、どんな努力だってするって決めたの」
こいつが言わなきゃ最高のセリフなのに恐怖しかかんじなかった

俺はさっさと風呂にはいって寝た
妹はいつのまにか帰ったらしく
おんなじ布団に入ってくることはなかった
良かった

それからしばらく妹の怖いけど特に変わったことは無かった
しかし、本当は毎日すこしづつ変わっていったらしいのだ
それに気づいたのが12月も中盤に差し掛かったころだった

今思えば遅かったような気がするが気づくのが怖かったのかもしれない
すこしづつ、すこしづつ変わっていった妹に
気づいてしまったらまた平和じゃなくなるのかもしれない
しかし、俺は気づいてしまった

妹がおかっぱではなくなったことに

転入してきた頃から不動だっったおかっぱヘアーではなくセミロングでつやつやの黒髪
良い感じの太ももに白いはだ。
矯正は外され、コンタクト

おまいらの予想は的中
明らかに美人になっていた
俺は姉ちゃんに何か仕込まれたかと思ったがどうやら独学だったらしい
というのはあとから聞いた話

そして、クリスマスイブにですね
呼ばれるわけですよ
放課後、音楽室で待ってるって

今度は俺もふざけないで答えようと思ってました
妹も攻撃してこないだろうしってたかを括って向かいました

いました、部屋の真ん中で
大分印象は変わったけどあの日の場所で妹は待っていました
その顔は決心に満ち、ここに来るまでに大変な努力をしたんだろうなと
言うのが伝わってきました

「いつでも良いぞ」
相変わらず中二の俺
「うん、私ね……」
いやぁ、おんなじセリフとは思えませんね
「俺君のこと好き」
いやぁ、おんなじセリフとは思えねぇな
俺は飛びっきりの決めがおで
「タイプじゃねぇな」

言っておく。忍ちゃん寄りだったらおkだったが羽川は駄目だ

流石に攻撃しては来なかったけど
思いっきり泣かれた
美人に泣かれるのは辛いね
用意の良い俺はハンカチだけ握らせて音楽室を優雅にさり、
家までは全力で帰った
なんだかんだ言って怖いからな

冬休み中は帰省したりしてたので会わないように工夫できた
あと姉ちゃんと一緒に初詣行けて良かった

で、やっと三学期ですよ
なっげぇのwww
とはいっても三学期は平和に終わった
一年の間にキャラ変わりすぎだろ妹……

3年
クラスはそのままだったけど平和で俺は最後の大会に向けて練習に励んだ
まぁ、たいした結果は出せなかったけどね

妹とも普通に接するようになった
仲の良い女友達みたいな感じで付き合いがあったけど
ちょっと怖かったのが正直なところ
性格も変わるもんでお互いクラスメイトとも仲良くやれていた

まぁ、平穏てのはどの世の中でも長く続かないのが常なんですけどね

別のクラスが勇敢にも妹にコクったらしいのだ
アーメン
彼が玉砕したのは放課後だというのに夕方連絡網で
回って来たときには彼に同情せざるを得なかった

夏休み
大会も終わって勉強に励む良いこちゃんだった俺は
妹と一緒に勉強していた
一年前じゃ考えられなかったが俺も器の広い男が格好いいと思っていたし
ヤンデレも無かったので仲良くやってた

2学期
も平和
超平和
クラス内でリア充が増えた位かな
妹はあれから三人くらい振ったって言ってたかな
モテすぎだろ

まぁ、でもクリスマスイブは色々あるんですね、やっぱ
クリスマスイブは妹の家と合同でクリスマスパーティーをしようってことになってたんですけど
姉ちゃんが来ないんですね

いやぁ姉ちゃんがついにかぁと思うのとスッゴク悲しくなった俺は
ケーキだけ食べてふて寝しました
棒コピペが頭の中をよぎります
性の六時間……

この日俺は始めて壁どんをしました
涙が止まりませんでした
これがたぶん俺の初恋です

初恋は叶わないってのは本とすね
姉ちゃんにあとでクリスマスパーティー何で来なかったの?
って聞いて少し恥ずかしそうにそれでいて嬉しそうな姉ちゃんの顔を
俺はたぶん一生忘れないと思ったね

三学期は無事に志望校に入学できた
妹も同じ学校だったので二人で合格発表を見て喜んだよ
まぁその高校姉ちゃんと同じ高校だったから胸が痛かったけどね

-&#8211;-&#8211;-&#8211;--
姉が高校一年の時(俺が中3)を姉視点で回想する

姉は引っ越して会ったときから大人しいという訳でもなくほんとにしゃべってて気持ちの良い人だったね

まぁ俺みたいのとも話してくれるわけだから転校してきても直ぐに学校に溶け込めたようだった
まぁ、頭も天才とまではいかないけど良かったらしい
俺や妹みたいに厨二ぶることも無かったので恐らく黒歴史っていっても大したことないだろうな

部活は書道部に入部
俺は水泳部に入ればー?
って下心みえみえの誘いをしてみたけれど
「泳ぐのは好きだね。でも、ちょっと恥ずかしいなって」
みたいなこと言って却下されてしまった
割りとショックだったね

姉ちゃんはスタイル良いし、成績も良いで誰が見たって良い女の子だったんだ
でも、サッカー部の先輩がコクってフラれてからだと思うけど
俺には無理だな、というやつがいっぱいでてそんなにコクられはしなかったみたい

俺としては姉ちゃんならまぁイケメンと付き合っても釣り合うんだろうなぁとか思ってた
でも、やっぱり姉ちゃんの事を好きだったんだろうな
厨二病が若干進行したかな
俺が姉ちゃんを守るとか言って

何てのが1学期

夏休みは何か友達の家に遊びに行ったりしてたし、俺も受験生だったからあんまし喋れなかった
残念無念
一回プールに行ったらしいが
「俺くんの邪魔になるかなって思って」
とあとで言われて拗ねたら次の日勉強教えてもらえたので良かった

俺の話はともかく夏休みは充分楽しく過ごせていたようです

さて、2学期
俺はほとんど話してなかった頃ですね

どうやらこの時に一人目の彼氏が出来ていたようですね
で、例のクリスマスパーティー事件に繋がる訳なんですよ

2学期の中間の話を先にしますね
文化祭に作品を出品したり、
友達が転校しちゃったり、
ちょっと成績が下がっちゃったり、
と何か普通に青春してたみたいです

三学期に成りました

いやぁ、俺らがおかしいんでしょうけど話を聞いててもほんわかした日々を送ってますね
いやぁ、良いことだね
-&#8211;-&#8211;-&#8211;--



桜の花ってのは厨二心をくすぐるもんでやけにテンションが高かったり
妹と初登校でまぁ、囃し立てられましたね
忘れてたけどカップルに見えなくも無かったなと今思えば

知らない連中や明らかにDQNの先輩
そして、更にきれいになった姉ちゃんが俺を出迎えた
さて、姉ちゃんは平和だけれど俺に平和は似合わない
部活選びで早速トラブル

勿論、俺は水泳部に入るつもりだったんだが問題が
去年は大人しかった二年生部員が春休みに飲酒やって退部
今年で卒業の三年生四人と同学年のおっさんみたいな奴の計六人で
今年の水泳部は活動していくことになったんだな

いやぁ、正直妹も入ってくるかなぁと思ったけど
姉ちゃんのいる書道部に入った
男しかいない水泳部とは対照的に書道部は女子ばっかりで
一年の頃は百合部とかいってからかってたやつもいたな

まぁ、妹はともかく俺の方は最初っからハードモードだった
まだ四月の話

書道部に男子がいなかった理由についてここでちょっと説明

まぁ、単純に女子ばっかりで入りづらいってのもあったが
書道部にはパフォーマンス書道みたいなのがあるんだよ
まぁ、テレビでやってるような奴
大会にこそでなかったけどそのせいで更に男子が入れなかった
少人数じゃパフォーマンスできないからな
で、極めつけは顧問の先生
これが女子には優しいが男子にはとにかく厳しい鬼ババアでな
先輩から噂を聞いた一年男子がそんなとこに入るわけ無いんだな
で、夢の花園は同時に男子にとっては地獄と言っても過言ではなかったわけだ

さて、美人姉妹の妹が入ってくるということでみんながそわそわしているなか
どうやら美人姉妹と一緒に登校してくる羨ましい一年がいるという噂が今度は広まった
どうやらその一年坊主。
姉妹とご近所さんで仲が大層いいそうじゃないか
何であいつばっかりと嫉妬するのは一年から3年まで沢山いたそうな

いやぁ、1学期俺の下駄箱にトラップが仕掛けて有ることは日常茶飯事になっていた

さて、おっさんについてちょっとだけ
見た目はあれだったけど直ぐに仲良くなった
一本芯が通ってる気立ての良い男で俺より泳ぎも旨かった
たまに飯食うほど仲の良い奴
2学期大活躍

いじめが更に本格化したのは俺は妹のせいだと思ってる

ある日、サッカー部のイケメン三人組に囲まれた妹
放課後だったんで俺は部活にいってた
そばを通った先生に止められて助かったが
結構怖かったらしく姉ちゃんと一緒にその日は部活休んで帰った
しかし、元厨二病去り際に一言言ったらしい
「貴様ら!!鏡見てから出直してきな!!!」

貴様らwwwテラ厨二www

この話は姉ちゃんから聞いたんだけど
いつもは穏やかな娘なのにいきなり貴様ら!!とか言ったのに驚いてイケメン三人組もお口あんぐりだったらしい

その噂が広まってコクろうって奴は減ったらしいがサッカー部の連中が俺に暫く八つ当たりしてきたけどね

夏休み編

とにかく部活
人数は少ないし、先輩も女と一緒に海いってるらしくほとんど居なかった
先生とは言うと夏休み初日の練習で滑って転んで病院送りになってた
という訳でおっさんと二人で練習に励んでた

そして最大のイベント
海水浴で俺はクリスマスパーティー事件の存在を知ることになる

今回はみんな高校生ということで三人だけで
しかもですよ?
泊まりがけで行ってきたんだな
うわぁ、やべぇ、俺リア充過ぎんだろ……

1日中遊んで、疲れて、ちっちゃい民家に行って飯くって

夜ですよ
節約のために一部屋です

しかし、俺はヘタレ紳士
妹がさっさと寝たのを確認しつつも
姉ちゃんには彼氏がいるんだ
だめだ、静まれ、俺のネオアームストロング砲!!!

何て悶々してると
姉ちゃんが
「俺君、起きてる?」

俺は瞬間
『ヤッベェーキンタマキュンッテナッタ』
って思ったけど
「起きてるよ」
っていって
姉ちゃんの声がした方に寝返りをうった

「ばぁ?」
顔をめっちゃくちゃ近付けて携帯の光をしたから当てた姉ちゃんが
そこにはいた

いやぁ可愛かったんでそのまんま食べちゃいたいくらいでした
ほんとに

えーっと想像力を働かせて欲しい
浴衣でちょっと目がとろんとして深き渓谷が目の前に有ったなら
童貞の俺は多分顔真っ赤だったんだろうな
いやぁ童貞って怖いですね

そんなことは露知らず、姉ちゃん話しかけてきます
「俺くんって妹のことどう思ってるの?」
羽川はタイプじゃないんです。
忍ちゃんか戦場ヶ原先輩がど真ん中です
って即答えたかったけど堪えた

「仲の良い女友達、それ以上でもそれ以下でもありません」
ここはしっかり言わないといけないよね
姉ちゃん
「そっかー。うん、わかった」
この姉妹の共通点は変なところで理解したっていってくるところかね
一体何が分かったってんだろうか

俺はまだ2つの柔らかい物体の接点に深く感銘を受けていたね
でも次の姉ちゃんの質問に驚かざるというか本当にビックリした

「私ねー今、独り身なんだー」

おうふwww
直ぐに聞き返す
「クリスマスにはいたんでしょ!?」

地雷だったね
おもいっきり投げつけたね
姉ちゃん泣かしちゃった

いやぁ前にもいった気がするけど
美人泣かせるのって辛いわー

そのまんま泣き寝入りしちゃったけど俺はクリスマスに何かあったのは分かったけど何があったのかが気になった
まぁ、俺も疲れて寝ちゃったんだけどね

次の日は起きたら妹がおんなじ布団にいて、
姉ちゃんにちょっとからかわれたけど平和でした

まぁそんなこんなで最高の夏休みだったね

で、最低の2学期の開幕
登校初日
おっさんがタバコを吸っている先輩に注意したら
袋叩きに会うという今時ない珍事に巻き込まれた
早速過ぎんだろうがよと思いながら帰りにバナナ持ってお見舞いにいった

おっさんは俺がお見舞いに行くと泣いて喜んでくれた
バナナを頬張りながら
完全にゴリラです。本当に(ry

鼻を骨折したらしくちょっと検査するために1日入院するそうだ
先輩たちがどうしたかって?
勿論、退学処分を受けたらしい
ざまぁmq(^q^)

で、次の日

何だか水泳部の人数が二人居なくなっていたけど気にせず
特に変わらない日常を送れ……たらよかったなぁ

放課後
下駄箱に謎の手紙が
内容
「屋上にて待つ」

果たし状じゃねぇかと思ったね
まぁ、例のごとく素直に屋上行っちゃうんですけど

屋上にいたのは以外にも姉ちゃんでした

えええええええええええ

ってなったけどそこは俺ですから
「どうした?急に呼び出して」
決まった

「流石俺君やっぱり筆跡で分かっちゃったかー」

俺すげぇ。果たし状とか言ってたけど
うん、俺、ちょっとみんなと違うから

そんな俺の能力に気づいた姉ちゃんは
「もしかして、呼び出した理由もわかってたり?」

「話し合いじゃあ蹴りがつかないだろ」
かっこいいwww
姉ちゃん
「そうかもね、彼もそう思ってくれたら有り難いんだけどね」

ん?
瞬間。
俺の脳味噌を電撃が走る

『彼って誰だよ?』

しかし、俺は動揺を隠して
「彼って誰だよ!!!」

いや、隠そうと思ってたんだけど思いっきり出ちゃったね
姉ちゃんもビックリして
「あれ、今までの流れは?」
って素で聞いてきたね

まぁ、一段落あって姉ちゃんが喋り始める

彼氏というのは以外にも一個下の学年だったらしい
クリスマスイブの日までは皆に隠してらしいんだけど

デートの帰りに事件発生
酔っぱらった兄ちゃんたちに絡まれてしまう
しかし、彼氏は自分が話をするからといって姉ちゃんを帰らせた
兄ちゃんたちにボコられた彼氏君は顔にタバコの火を当てられてやけどを負ってしまいましたとさ

一方、逃げたねぇちゃんは途中で彼氏君が気掛かりになり、
危険を承知でもと来た道を戻ります
走って、走って走ったそうです
でも、姉ちゃんが戻ったとき彼氏君の顔はパンパンに腫れ上がり
見るも無惨な姿になっていました
すぐに警察と救急車が来て彼氏君を乗せていき
姉ちゃんは事情聴取
兄ちゃん達は捕まったそうですが
彼氏君の顔は戻りません、戻りません

何てことがあったあと彼氏君は別れ話を切り出したそうです
自分はこんな顔だし、姉ちゃんを危ない目に会わせた
って

で、姉ちゃんは彼氏君の顔を見ると兄ちゃん達の事を思い出すそうで
実は男性恐怖症になっていたらしいのね

あれ?
俺も男じゃね?

ちょっと悲しくなった

男性恐怖症なのに俺とは普通に接していることにショックを受けつつも
姉ちゃんに質問してみる
「でも、まだ好きなんだろ?」

俺って地雷投げの天才かも

「……分かんないよ」

聞いてるこっちが泣きたくなるような声で返事をする姉ちゃん
「正直、彼ももう私の事を気にしてないみたいなの」

どう言うことでしょう

「私は一度も別れようなんていってないのに素っ気なくって」
どうやら最近じゃ話もしてくれなくなってるらしい

で、ここで俺は気付くんだが
俺、彼って言っても名前知らないね
いや、知らなくても良いんだけど一応と思って聞いてみる

「姉ちゃん、彼っていってるけど本名教えてくれる?」

落ち着いた頃にさりげなく聞いてみた

姉ちゃんはん?という顔をして
「おっさんだよ?」

あー
うん
ちょっと目眩がね、うん

確かにおっさん顔に火傷有ったけどさー
流石におっさんだとは思わなかったわ

おっさん正義感強いけど不器用そうだしなぁ
責任感じるのもわかるけど

えぇー
おっさんかよ
って感じだった

でまぁ、暗くなって来たんで一旦おひらきとなったんだけど
俺は非常に微妙な気持ちで家に帰った

おっさんどうやら転校しててどうやら転校前から面識はあったみたいで
ということはおっさん俺より姉ちゃんといる時間長くね?
まぁいいや
でおっさんのほうがぞっこんだったらしくその頃の顔は知らんけど
イケメンだったんだろうな
性格は良いし、優しかったしね

そんなことがあって次の日
おっさん復活!!

おっさん鼻になんかしてたけど元気そうだったね
良かった

放課後に呼び出した
二人で暗くなるまで公園に行って話した

で、俺やっぱり厨二病なんだね
帰り際に
「俺は姉ちゃんのこと大好きだ。姉ちゃんが揺らいでるは俺にとってチャンスだ」
「お前が姉ちゃんと別れてるなら俺は姉ちゃんを振り向かせる、絶対に」

俺結構熱いの好きだったからおっさんも熱く
『俺がいつから諦めたと思ったっていた?』
ってのを期待してたんだけどね
おっさんは寂しそうに
「絶対、守ってやれよ」
っていって帰っていった

いや、かっこいいけど

で、大分日がたったある日

妹から着信
「ちょっと俺君の家行くわ。んじゃ」
「っちょおま」ブツッ

久しぶりに出番です、妹

家に帰ると玄関で仁王立ちの妹が
「おう、部屋いこか」
無言で向かう妹
俺も後ろからついていく

部屋に入った瞬間だった
思いっきりビンタ食らったイテェ
「姉ちゃん泣かしてんじゃねぇ!!」
あぁ、また美人を泣かしちまった

泣きながらまた怒鳴る
「あんた、姉ちゃんのこと好きならしっかりしなさいよ!!!」
なにいってんだこいつと思ったけど気圧されて喋れない
「好きな女を守れないで好きとかいってんじゃねぇよ、ニブチン!!」
今、バカにされたな俺
「何があったか私は知らないよ?!でも、辛いことがあったってのは分かるよ!!」
俺はもう正直限界だった
頭ん中で
『ジュゲムジュゲムゴコウノスチキレカイジャリスイギョノ……』
っていってたけど耐えきれなくなってね
「」

気付いたら妹に抱きついてみっともなく泣いてたね

俺は姉ちゃんが好きだけど
おっさんが姉ちゃんのことをほんとは大好きで
それを俺と同じ年なのに我慢してんのもわかってて
おっさんがほんとはイケメンだったら俺なんかどうせ駄目なんだろうな
とか思って
ワケわかんなくなってたね

怪我して良かった何て思った俺に姉ちゃんを好きになる資格が
あんのかって考えちゃったんだな
ひっさしぶりに泣いたね

まぁ、ガキの悩みなんざここの先輩方からすれば下らないことかもしれないし
妹のこの時の気持ちを俺はその時考えてやれなかった

結局
12月までおっさんも俺も姉ちゃんに対して何も出来なかった

まぁ、何もない状態何て何時までも続くわけないんですよ
例のごとく

12月のはじめだったかな

おっさんが彼女ができたとメールしてきた

メールは姉ちゃんのところにも行くようになってた
俺はおっさんがどんな思いで俺の背中を押してくれていたかを
勝手にかもしれないけど分かった

クリスマスとかに合わせられるほど俺は大人じゃなかったし
そんなに待てなかった

メールが来た次の日に
俺は音楽室に姉ちゃんを呼び出した
ホームグラウンドである
部活が終わって静かだったね

俺はどうせなら俺っぽくいこうと思って
キザな文句を考えていた
虚勢でもなんでも張ってないとやってられなかった

そして、姉ちゃんがやって来た

で、俺コクったよ
普通に
キザな文句を考えていたとか言ったけど出てこなかったよ
流石ヘタレだね

返事はどうだって?
おkだってよ

ヒャッホウ

でもさ?
俺だけ幸せってどうなん?
俺、バットエンド大嫌いだったからね
その場で姉ちゃんに聞いたよ
「おっさんのこと忘れられそう?」

地雷じゃなくて手榴弾とかダイナマイトだね

思いっきりビンタされて逃げられたよ
うん
みゆきちに
「自己犠牲野郎!!」って罵られたいね

まぁ、12月まで何もしてなかったのは実は姉ちゃんに対してってだけで
他の連中には色々やってたんよ

おっさんの説得に一番時間かかったかな
妹無しじゃ無理だったかな
おっさんのメールも事前に組んであったメールで
一緒に添付して送ったプリクラは書道部員の他校の友達に協力してもらった
妹にはそれで後悔しない?って言われたけど
俺はもう戦場ヶ原先輩じゃないけども忍ちゃんを見つけたので
そっちに的を絞ってたしね
あっさり諦めたと思われるけどそうじゃないからな?
厨二病、カッコいいのはどっちかってのが俺の活動方針だからな
まぁ、そんなこんなでおっさんがクリスマスイブの夜
姉ちゃんを一年ぶりにデートに誘うとこまで頑張った訳だ

年が明けた1/1
妹と二人で初詣にいったよ
何かリア充がいたけど二人ではぜろ!!
っていっといた

俺の方はというと突然モテ出すという謎の現象が起きたけれど
1年生を無事終えることができた

さーて、長かったけど二年生ですよ

リア充どもはたまに痴話喧嘩して男の方も女の方も俺に愚痴をこぼしていって
ほんとにはぜろ!!のろけてんじゃねえぞ!!

妹は夏前に十人目を振ったという謎の報告をされた
モテモテで羨ましゅうございます

俺も一人コクられたが
「残念だったな
火燐ちゃんは妹専用だ!!」
っていって断った

で、こないだの夏休みに気が向いた俺は
中学校に顔を見せにいこうと思って妹も誘った

まぁ、カッコいいのは当たり前、そのうえ出来る俺
最後に回って来るのは当然

「姉ちゃん達、幸せそうだね」
「まぁ、二人とも素直にというか子供っぽくても良かったんだよな」
何て話ながら部屋の真ん中にたつ

彼女がいない、とか理想的な女子がいないという男子諸君に偉そさてうにアドヴァイス
女の子ってのは化けるから普段からよーく見てることだね

「さて、ずいぶん独特の髪形に今年からしてるみたいじゃないか?」

「今頃、言うのって遅くない?」

「いや、タイミングってのは大事だろ?」

「それと準備も大事ね」

「早々、君に俺の好みがいかなるものかを理解してもらったり」

「まぁ、戦場ヶ原先輩が魅力的な女性だってのは分かった」

「そいつぁ、良かった。忍ちゃんも可愛いだろ?」

「世に言うロリコンなの?」

「まぁロリータという属性に引かれる人も多いだろうが、俺は違う」

「語るね?」

「俺は彼女の化けっぷりにぞっこんなんだよ」

「へぇ?」

「勿論、顔とかも好きだよ?」

「続けて?」

「でも、病敵にまで依存したり、離れていても二人は絶対に切れない。
どちらかが消えれば楽になれるのに思いあっているから消えることができない」

「どっちかが病んでも?」

「どっちかがボールペンで刺してきてもね」

「どっちかが他の人を愛しても?」

「何時かは気づくよ」

「何に?」

「君が大好きって事に」

厨二病にかかってロマンチックを求めて大火傷したタイプですね
ちなみに今妹はポエムにはまってます
たまに音読してくるのは勘弁してほしい


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