萌え体験談

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告白

幼馴染A男(つ)

眠れないので夜中にこっそり投下。

俺男=ごく普通の男。焼き鳥居酒屋でバイト。
彼女=背が高くてスレンダーな感じ。酒に弱い。
A男=幼馴染。高身長、イケメン。

当時高校生だった俺達。
俺男と彼女は同じ高校で、親友のA男は違った。
だが全員同じ町の幼馴染で地元に帰る経由駅も同じだったので
よく同じ電車に乗り合わせて他愛もないことをしゃべりながら帰ったり
そのままA男の家に遊びに行ったりしていた。

その内A男にスカイプを勧められた。
俺と彼女はすぐにヘッドセットを買って、家に帰ってからも
七時頃から三人でオンラインゲームをしながら喋るようになった。
しかし俺は夜のバイトのために居合わせないことが度々あった。
するとなぜか、A男は俺が話しかけても気まずそうな
態度をとるようになっていった。
でも俺は深く考えない性格のため何も気にしていなかった。

ある日、彼女の家に遊びに行くと相談を持ちかけられた。
「スカイプで、その人友達なんだけど
突然付き合おうって言われた。断ったのに諦めてくれないの。」
俺も彼女も何人か他の男友達とスカイプをしていたので
親友だと思っていたA男の事は疑わず、
過去に彼女に告白をした男がまた彼女を狙っているんだと思った。

「またかよ。あいつも懲りねえなあ。」
「…うん。何度も断ってるのに、どうしたら諦めてくれるかな。」
彼女の最初の沈黙が引っかかったが、やっぱり俺は気にしなかった。
とりあえず彼女には「気が無いことを伝えて、相手にするなよ」
というような事を言って、その後は二人で仲良くお菓子作ったりして
もうその話は出なかった。

クリスマスになった。24日、彼女と俺は
彼女宅でケーキを食べプレゼント交換をした後
二人で地元のの田んぼのあぜ道を手つないで
田舎らしい満天の星空見ながら散歩してた。

バイト先の前を通りかかった時、
母の友人であるオーナーさんに「せっかくだから
25日に彼女とA男と友達数人連れておいで、割引するから」
と誘われた。
彼女にはその場でOKをもらい
帰ってメールを送ると、A男も友達も来るという事だった。

次の日バイト先の団体用個室を一部屋借りて、皆で騒いだ。
彼女は女友達とプレゼント交換。
俺は友達の相手しながら食器を下げたり料理運んだり。
ちなみに全員高校生なので酒は出さない約束だった。
皆最初は騒いだが、満腹になってくると落ち着いてきて
だべり大会となった。
彼女はA男の横に居たのだが、
俺が席から離れているオーナーと喋りながら
ちらっと彼女を見るとなぜだか顔が赤くてへろへろだった。

あれ?と思った俺は席を見回すと何人かどうやら酔ってるようだ。
注文内容を確認したが酒はない。
しかし、新人の子に「もしかしてあの席にお酒運んだ?」
と聞いてみると
「はい、マンゴオレンジと?(名前忘れた)じゃなかったんスか?」
「いやいや、お酒は頼んでないよ。他の席の注文確認して」
隣の客の注文内容を確認して
何やら謝って、新人が戻ってきた。
そして俺に
「すんません席間違えました!!」
俺は「しゃーないしいいよ、でも次はお酒運ばないようにね」と言って
自分の友達がいる個室に戻った。

彼女の横に戻ると、彼女は顔真っ赤。
横のA男もかなり赤い。
彼女は俺に気づいて「俺くん、おかえりー。」と
まわってない舌で言って、「好きだよー」と突然抱きついてきた。
周りの友達がはやし立てた。
俺は嬉しかったが何より恥ずかしかったので
こら、と言いながら元通り座らせようとした。
が、俺が口を開かないうちにいきなりA男がぐっと彼女の腕をつかんだ。

「んー?」と彼女がA男を振り向く。
俺もA男を見ると、A男は見たこともないような
怒りの表情で彼女の腕をつかんでいた。
「A男?」と俺が話しかける。途端A男が
彼女を俺からひきはがしてそのまま抱きしめた。
「なんで俺男なんだ!なんでオレじゃないんだ!」
俺唖然。
彼女の方はよくわかっていないようで
「A男くん?やめてー」とクスクス笑いが止まらないようだった。
笑われたことが不満だったのか、A男は突然大声で怒鳴った。
「なんで笑うんだ!!俺男よりオレの方が何倍も…」
途端、いきなりA男が横に吹っ飛んだ。
壁に頭が当たってゴッと音がしてすごく痛そうだった。

俺ポカーン。友達ポカーン。
彼女の方は両腕を横にピーンと伸ばしていた。
どうやら彼女が思いっきり両手でA男を押したようだった。
彼女だけ不機嫌そうに「うるさいー」と言うと
手羽先を皿から取ってもぐもぐしはじめた。
壁のそばでA男はうなっていたかと思うと静かになった。
俺と友達が焦ってA男のそばによると、A男は寝てた。
彼女の横に戻って顔を覗きこむと何事もなかったように
手羽先の骨から取れにくい身と闘っていた。
それを見た友達はげらげら笑っていて、無事にお開きになった。

連投ひっかかって寝てしまいました。すんません。

俺と酔いのさめた彼女は半分寝ているA男をかついでというか
肩を持ってひきずってA男宅へと向かった。
あとA男の家まで50mぐらいのところで、俺はいきなり
A男に首を絞められた。
突然の事にわけもわからず暴れて引きはがそうとする俺。
「彼女は俺のだ!!わかったか!?わかったか!?」
と力を込めながら怒鳴るA男。
息が限界になってきて、本気で死ぬ!!と思った瞬間
ふっと首が楽になり、俺は吐きそうなほど咳き込んだ。

A男を見るとお尻を突き上げたような恰好で、
そのイケメンな顔が鼻の下を変に伸ばして
目は変な上目遣いで、歯を食いしばって…
股間を彼女にうしろからわしづかみにされていた。
「あが…うおおおっ!!!」みたいな声を上げて悶えるA男。
彼女は股間を握ったまま、「ねえ、もう諦める?諦めるよね?」
と力をぐっぐっと入れてにこにこした。
A男は「はい!!はい!!やめて!!お願いやめふじこふじこ」
というような言葉を必死に叫んでいて、
股間を離された後は顔をぐちゃぐちゃにしてぐすぐす泣いていた。
なんだか俺はかわいそうになって背中をさすりながら
家まで送ってやった。

それからA男は俺や彼女に気を遣うようになって
駅でみかけても自分からホームの奥の方に行ってしまうようになった。
友達に聞くとあの後からなぜか
エロゲオタになってしまったらしい。

夜中なのに支援ありがとうございました。
寝てしまってすみませんでした…。

ねぇ、私からB女をとって楽しいの?(つ)

いくつかある修羅場のうちの、もう時効なひとつを。

私子
彼男(私子の彼、同級生。別クラス)
A子(私子の親友、同じクラス。可愛くて男女に人気。)
B女先輩(A子と半年付き合ってた。その後D朗とお付き合い。美人で背が高い女性。)
C美先輩(B女先輩が好きだったらしい。ちょっと変わった女性。)
D朗(私子の後輩、気は優しい可愛い顔の肉食系。)
E男先輩(先輩方の兄貴的存在。私子やA子は、目付きが嫌いだったので、あまり関わりはなかった。)

登場人物が多くて申し訳ない。

高校時代の、とある会であったフェイクありの話。

A子は本当可愛くて、女の子からもよく告白されてた。
私は彼女をそんな目で見たことは一度もないけど、彼女は仲良くなった女友達が突然告白してくるパターンがよくあって、なかなか友達を作らなかった、と出会った頃に言われた。

そんな彼女が、美人でしっかり者の先輩と付き合ってると聞いて驚いた春。
B女先輩は、賢くて男勝りでA子とは対照的にいるような方で、確かに男だったらお付き合いしたいと思う女性だった。
まさかのB女先輩からの熱烈なアプローチからお付き合い始めたとかで、まさか目の前で本物のレズを見れようとはと、私子は若干好奇の目で見てた。

私子にも彼男という恋人がいたので、よく放課後にダブルデートをしてた。
はた目には彼男ハーレム。

彼男も、B女先輩は綺麗な人だとは思っていたらしいけど、両刀はご遠慮したいと苦笑いしながら言ってた。
その前にお前は私の彼だろ、と笑いながら蹴ってやった。

事件が起きたのは、それから半年ぐらいしてから。
突然、A子が学校を長いこと休むようになった。
A子が休むようになる1週間前から、インフルエンザにかかった私子は、学校にきて入れ代わりで休むようになったA子に対し、ははーん、以心伝心でお互い風邪ひいたんだな☆ぐらいにしか思ってなかった。

でもこの時期に、やたらとE男先輩が私子らのクラスに顔を出すことが多くて、不快だった。
大体、お昼休みとかに来るのがわかったから、彼男のとこに行ったり、彼男にきてもらって喋ってたり、とにかく話かけられないようにしてた。

頑張って逃げてたけど、体育の授業終わりに、E男先輩に声をかけられた。
まだ着替えも終わってなかったのに、ちょっといいか、と人の目につかないとこに連れていかれた。

最近A子はどうしてる?
お前はA子とB女が付き合ってるのをいつから知ってる?
お前は誰が好きだ?

ってことを柔らかい笑顔で聞き出そうとしてた。
その笑顔が明らかに何かある顔でやたら背中が寒くなったのを覚えてる。
10月だったし、寒いなー、って思ったな。

A子は、私子にメールで風邪だと言ってたから、それをそのまま言った。
付き合ってるのは最初から知ってたし、彼男が大好きだったから正直にそう話した。

そしたら、
「ふざけるな!お前もB女をたぶらかしているんだろう!年下だからと色目をつかいやがって!」

とか怒鳴りだした。
いきなりファビョる先輩に、ますます気持ち悪くなった。

意味不明だし、寒いしと思ってたら、チャイムが鳴った。
次の授業が始まるからやばいなと思ってたら、偶然歩いてた先生が見つけてくれて、とりあえず助かった。

この日は、彼男に帰りも送ってもらって、あったこと話して、なんかあったら呼べ、って言われた。

その日の夜、B女先輩から電話がかかってきた。
話の内容は、実は話してなかったが、A子と別れたという話。
先輩は泣いてた。
別れたくない、を何回も言ってた。
でも、別れるんだ、と聞いてるうちに私子も泣いてた。
その中でE男に呼び出されたこと、四六時中見張られてることを相談した。
先輩は驚きながら、なるべく逃げて、と言ってきた。
何を話したか覚えてないけど、最終的には、巨乳は素晴らしいって話になってたと思う。

別れた話を聞いたあと、A子が学校に戻ってきた。
季節的に長袖だったけど、手首に包帯があるのにはすぐ気付いた。
でも、私子は深く聞かなかった。
いつも、何かあったら話をしてくれるまで聞かないことにしてたから。

それから半年して、私子に後輩ができた、それがD朗。
正確には彼男のクラブの後輩だけど。
彼男の彼女として紹介され、仲良くなった。

D朗は、B女先輩に一目惚れして、私に相談を持ちかけてきた。
その頃、A子とB女先輩は、表面上は先輩後輩として接してたけど、すごくお互いに距離を置いていて、間に入ってる私子はすごく居心地が悪かった。

どっちでもいいから、新しく恋人ができれば、うまくいくんじゃないかと、いらぬお節介が働いてしまってた。
そこにうまく現れたD朗。
利用しようと私子は考えた。
いろんな雑用を頼んでは、B女先輩に接する機会を作った。
D朗は顔は草食系だが、かなりの肉食で、狙った先輩を簡単に落としてしまった。

私子も彼男も、D朗の手の早さにはすごくびっくりした。
D朗はA子という元彼女の存在も知った上でお付き合いを始めた。
A子もその頃には包帯もなくなって、2人を祝福してた。

夏前、私子は彼男と小さな喧嘩をした。
1週間、彼男と口をきかない日が続いてたときに、たまたま放課後に残ってやらなきゃいけないことを頼まれて、図書館で一人頑張ってた。
「頑張ってるね。」
声をかけてきたのは、C美先輩。
他愛無い話をしつつ、15分ぐらいして出来上がったプリントをかばんに直してると、先輩がいきなり、入っていいよ、と扉に向かって声をかけた。
誰だろうと思いながら、帰り支度をしてると入ってきたのはE男先輩。
私子は、ゲッ、と心の中で思ったが、顔には出さずに一応挨拶した。にこりともしない。
早く帰りたい、そう思った。
「ねぇ、私からB女をとって楽しいの?」
は?
多分口にも出したと思う。
あまりに唐突に言われたから、全く意味がわからなかった。
「A子にも忠告したのに、あんたはまたおんなじことをやるのね。あんたも、A子とおんなじ目にあわせてあげる。」
C美先輩は、周りが認めるかなりの厨二病をこじらせた人で、また何かのキャラを好きになって、なりきってるんだと思った。演劇部だったし。
E男が私子の乳に手を伸ばし、かなりの力技で押し倒されて、かなりヤバイと思った。
「この乳でたぶらかしたんだ!A子はやめてやめて、って泣いてた。お前はどうする。」
E男はかなりがたいが良くて、私子の力ではかなわなかった。
しかも、人の乳をずっと揉みやがって、だんだん怖いってよりイライラしてきてた。
近くにあった本の角で思いっきりE男の頭を殴った。
とりあえずできる抵抗を全部やって、私子の上から離れる瞬間に急所を思いっきり蹴りあげた。
ブラウスもボタン飛んでたし、本はめちゃくちゃだし、すごい惨事だった。
「ざけんな、死ね。」
って呟いて、C美に張り手した。
どうやって逃げたかは覚えてないけど、とりあえず手が痛くて、乳が痛くて、泣きながら走って帰った。
その日のうちに彼男に泣きながら電話。A子にも電話した。

次の日、ちょっと話がしたいとA子に放課後残るように言われた。
彼男は休み時間はずっとそばにいてくれたけど、男に近寄られるのが正直もう怖くて、ごめんと思った。

呼び出された教室には、A子とB女先輩がいた。
A子と先輩が、ごめん、と謝ってきて、詳しく話を聞いた。

A子とB女先輩が付き合っていたとき、C美先輩はずっと2人に嫌がらせをしていたこと。
最初は些細な冷やかしや中傷だったが、いつしかエスカレートして、A子に付き纏い始めたり、B女先輩の家に押し掛けたり色々陰湿なことをしたらしい。
そこに現れたのがE男先輩、C美先輩同様にB女先輩が好きだったため、利害が一致。
別れさせるため協力することになった。
別れさせるなら、力技で、とA子を公園に呼び出し、強姦未遂。

コトが終わる頃にタイミングよく来させる予定だったB女先輩が時間を勘違いして早めに来たために未遂で終わった。

このまま付き合ってたら、ヤバイと別れを決意し2人は別れた。

穏やかになると思ってたが、一向に改善はされず、逆にC美に四六時中付き纏われ、B女先輩は受験と相まってノイローゼに。

A子は、男性不信になり、リストカットを覚え不登校気味になるも、私子が体育後に呼び出されたことを知って、彼男に相談。
私子を守るんだとずっと裏で頑張ってくれてた。

私子、知らないことだらけで頭の中真っ白。彼男が色々知ってたことにもびっくり。
「話せなくて、ごめんね。」
と泣きながら言うA子に、何も知らなくてごめんね。としか言えなかった。
そんな空気の中、D朗登場。
E男とC美を引き連れて、彼男も登場。
「土下座だけじゃすまないし、出るとこ出る!」
と怒る彼男がめちゃくちゃ頼もしく見えたけど、生理的にもう男は無理になってて、一歩ひいて見るしかできなかった私子。
C美は、そんなつもりじゃなかった。私からB美を奪うのが悪い!と最後まで謝らなかった。
C美は、私子が全ての元凶だとずっと主張してた。
それに対して、D朗が
「B女を好きになったのは自分で、アプローチしたのも自分。私子先輩は関係ない。」
ときっぱり言い切ってた。
E男は、可愛いからA子を襲いたかった。
B女は美人で聡明な高嶺の花だが、いつか物にするつもりだった。
私子は、巨乳だからやりたかった、とほざいて彼男とD朗にぼこられてた。
がたいがいいだけで、実はかなり弱かった。
C美もE男も悪びれもせずずっとぐちぐち言ってたけど、B女先輩が最後に。
「私が全ての元凶。A子にも私子にも結局は守るどころか被害を与えてしまった。
C美、私はあんたを友達以上に見たことはかった。でもこれからは、友達とも見れない。
E男、私はあんたを好きにならない。こんなことして、余計に嫌いになった。あんたたち2人2度と顔見たくない。」
とはっきり言って、2人共号泣。

この話し合い後は穏やかな日々が戻りました。
私子と彼男は結局これが元で別れました。
A子は卒業して数年後、男性不信が治り、今は恋を楽しんでいます。
B女先輩は卒業後、進学できず就職。その職場で素敵な旦那様をゲット。
C美先輩は大学に進学。
進学先で、よくわからない宗教に引っ掛かり多額の借金を背負ったとかで中退、その後行方不明です。
E男は数年前、塀の中に。
強姦未遂で捕まったそうです。
風の噂ですが、信憑性は高いと思っています。
今まで、誰にも話せなくて。
でもこんな嫌な思い出をもったまま、結婚はしたくなかったので、吐き出させていただきました。
長文な上、あまり修羅場ではなかったかもしれません。
読んでいただきありがとうございました。

15人いる!(つ)

文才がないのはご勘弁 結末モヤモヤ注意

A子 人当たりの良い子
B子 A子の親友 大人しい感じ
B男 クールイケメン 雰囲気近寄り難しだがモテる
加えてその他大勢(俺含む)

みんな高校の同級生 A子B子は幼馴染で
俺も含めて幼稚園の頃から一緒
二人はレズ疑惑が噂されるほどいつも一緒にいた

ある日B男がB子に告白して二人はめでたくカップルに
派手さはないが静かで落ち着いたカップルって感じで
個人的に理想のカップルだな思った

それから1年後
「B子を助けたい みんな協力して」とA子から一斉送信メールが来た

A子はB男が浮気してる所を目撃して
B子に別れを奨めたがB男に何されるか分からないし、みんなにいて欲しいとのこと
証拠もあるしでみんな協力することに
俺は次の日体調不良でダウン こっからは親友猿男の証言

次の日の昼休み 中庭にB男が呼び出された その場にはA子グループ15人くらいのお仲間がスタンバってた
既に泣いていたB子を見てB男が「どうした?」と聞く
誰か「どうしたじゃねーよ アンタが泣かせてるんだろうが!」とギャラリーが切れる
B男「?? 俺?」 B男ぽかーん
誰か「浮気したんだろ!」「証拠もA子が持ってんだよ」等々その他の皆さま声が大きい
B男は黙って考え込む B子は泣き続けたまま ギャラリーの凄まじい口撃は続く
B男が「周り黙ってくれ」と口を開くと
B男「俺はB子の言う事しか聞かない 別れろと言うなら別れる 今決めてくれ」
B子は泣き崩れたがA子の言う「別れるんでしょ?」に頷いた
B男「そうか 今までありがとな」とその場を去って修羅祭りはあっけなく終わった

純粋な女の子を浮気男から守れたメデタシメデタシ(つづく)

一週間後猿男からメールが来た
「B男浮気はA子のデマカセ B男B子の寄り戻し会議やるからお前も来い」
呼び出し食らって行くとA子、B子、B男以外のその他大勢だけが集まっていた
話の経緯を聞くと、Bカップル別れる→ ところで浮気相手は誰だったんだ? →A子に聞こう
A子「知らない」→証拠ってのがあるじゃんそれ見せてよ→A子「無いもう消した」
周り怪しむA子を問い詰める A子「全部嘘でした」って流れ
理由はB子の一番がずっとA子だったのにB男に変わったことが嫌
B子が自分からそんなことするはずないしきっとB男に騙されてる!と
この日以来みんなA子を一目置くようになった

で、A子に協力してしまった俺らにも責任あるじゃん?だから寄りを戻させよう!とやる気満々のその他大勢
B子はやり直したいがきっと許してくれないと言い諦めモード
そこでB男側を説得しようとB男とそこそこ話せる俺に白羽の矢が立った
何故俺がこんなことに…とか思ったけど 俺が動いてどうにかなるならやってみるか
と、放課後B男と話をした

が、説得できませんでした! 内容は
俺「A子のあれ嘘だったって」 B「そうか」
俺「ごめん」 B「いいよ 知らなかったんだろ」
俺「怒ってる?」B「・・・・・誰を?w」
俺「んー A子…B子…俺たち…全員?w」 B「怒ってないよw 誰も悪くない」
俺「どうして浮気してないって言わなかった?」 B「ん?… 散々言ったからかな、付き合ってる時に」
俺「??」B「俺は浮気したりしないからねって言ってたんだよw ずっとね」俺「あ?…」
俺「寄りを戻すつもりはないのか」B「ん?…」
B「あれでダメだったってことはそうでなくてもいずれダメになったんじゃないかなーと… 強がってみるw」
B「正直言うと心が折れたw B子が頷いた瞬間泣きたかった」と言うBは泣きそうだった

一目は言葉遊びのつもりでした。ごめんね。ごめんね。

ラストです
B男との話をB子に伝えると妙に納得していた Bカップルはそのまま別れた
その他大勢は反省した(言い訳だがA子はふざけた嘘付くわけ無いってくらい良い子だった それまでは)
で、A子は周りから距離を置かれほぼB子とだけ一緒にいることに
B子はA子孤立して可哀想だからとA子と一緒にいることに
B男はクールイケメンから雰囲気良しの爽やかイケメンになり益々モテるようになる
B男B子は笑顔で会話したりできるようになってた それを見てると
もっと上手く説得できたんじゃないかと後悔する俺のお話でした。。

離婚の原因(つ)

僕はショタコンではないんですが(ちなみに、ショコタンでもないです。あ、当たり前ですか。ショコタンは芸人としても素晴らしいですね。絵もうまいし、ショコタン好きな人、この中にいますか?いらっしゃったら、申告してください。申告って言うと税金みたいですが、そう重く捉えなくて大乗仏教ですよ。大乗仏教で思い出しましたが、小乗仏教と大乗仏教の違いは、成長曲線の問題だと思うんです。生物の繁殖数でも、企業の成長でも、商品の普及率も、S字カーブを辿ると言われますよね。冬の「創業期」、春夏の「成長期」、秋の「成熟期」。仏教も小乗は創業期なんだと思いますよ。だから、冬の植物のように、険しい環境の中で生きてるから、あまり外部へと活動をしてしまうと、存在そのものが危うくなってしまう。逆に、夏になると活動を始めねば、自分の存在が危うくなります。おもしろいですね。命って。命で思い出しましたが、昔、「あ、命!」って言うお笑い芸人がいましたよね。知ってる方いますか?)、子供が好きで、常に

知り合いの子供の面倒を見ています(優しいでしょ、僕。子供の面倒を見るのが好きな男が好きな方、告白してきてください。もちろん、常にと言っても仕事中は無理ですがw)。

この前も小学校1年生の子が来てお泊りをさせました(うちは旅館ではありません)。

お風呂嫌いみたいなので(しずかちゃんと正反対ですね。しずかちゃんで思い出しましたが、白川静さんによれば、国の字は口の中に玉が入っていますが、もともとは「或(邑(むら)を戈(ほこ)で守る意味)→國(囲いがついた。へえ。)」と変化したようですね。中に玉を入れたのは、王だとデモクラシーでないイメージがつくということで、将棋の玉にしたようですね)、試行錯誤してお風呂の湯船に

スーパーボール(床に投げると勢い良く跳ね返ってくる。地方では夜店の屋台でよく「スーパーボールすくい」なるものが催されています)などのおもちゃ(大人のおもちゃではない)を入れるようにしてました。

そして彼が遊んでいる間に、僕は湯船で休憩をしていました。

すると彼(小1の子です。)が湯船(浴槽内という意味です。要は風呂ですね。)に入ってきて、「どうしたの?」と聞くと

「ちんちん触らせて(笑)」というのです(小学生は突飛でおもしろいですね)。

大人(といっても未成年ですが(笑))の陰部(陰部という表現もあれですが・・ちなみに山陰という名前は未だになくなりませんね。私は山陽地方に住んでいますので気にならないですが、山陰なんて言われたらイヤですよね。誰が陰部だっちゃ!と、まぁ、山陰の人が言うか知りませんが、まぁ鳥取のあたりの人は、だっちゃ、といいますね。自分も怒ったとき、座れっちゃ!などと怒鳴りますが、怒鳴られた方はラムちゃんの真似をしているようで怖くないようです。閑話休題)が気になるのかな?と思い

「いいよ(笑)」と優しくいうと慣れない手つきで触ってきます。

その時点で少し気持ちよくなってしまって、勃起したんですが、

彼の陰部も勃起しているんです。

きっと将来は立派なゲイ少年になるんだろうな。。。と思い、

ずっと触らせていると、急に陰部にキスをし始め、

終いには舌先で亀頭をペロっとしたりするんです。

「どうしてそんなことするの?」と聞いたら

「おいしそうだったから」としかいいません。

その日はそこまでで終わったんですが、また次の日に入ると

次も触らせてというので触らせていたら今度は口いっぱいに

ほおばって(「ほおばる」が正しいくて「ほうばる」は間違ってる気がします。教えてエロイ人)口の中でも舌をぺろぺろ(チュートリアルのペロというネタは面白いです。参照  )とするのです。

凄くうまくて(フェラがということです。)、1分もしないうちに果ててしまったんですが、

「どこでそんなこと覚えたの?」と聞くと

「お父さんにさせられてた」というんです(びっくりですよね!)。

その家庭はちょっとした事情で離婚したんですが、

もしかしたら離婚した原因がこれかもしれません・・・。

なんせ息子に息子を(朕々(ちんちん)を)口にほおばらせるのですから・・・。

嫁の制裁

凛子の思い出画像を見た嫁の反応:はいはいワロスワロス
愛花の思いで画像を見た嫁の反応:pgr
寧々の思いで画像を見た嫁の反応:

思いっきり体重の乗ったミドルキックを脇腹に食らいました。

脇腹に強烈な蹴りを食らった648です。
女の嫉妬の凄さと己の未熟さを思い知らされました。
長くなるけれど、
ここで吐き出させてください。

嫁が「生き仏」じゃなく「生き不動明王」になっていました。
右手に長い物差し、左手に壊れんばかりに握り締められたDS。
で、私の帰宅を待ち構えていました。
ご機嫌取りの為のシュークリームのドライアイスより冷たい顔と心で・・・

嫁にばれた経緯は、
私は仕事で大小二つのカメラバックを使用しており、
見つかった当日は朝も早く、しかも機材入れ替えで慌てていたので、
使わないカメラバックにDSを置き忘れてしまいました。
本当に千慮の一失です。

で、日ごろは絶対にカメラバックの中身を見ない嫁が、
部屋掃除中にカメラバックの中の青い光を、バックの隙間から偶然目撃して、
「何かの電源が入りっぱなしなのでは。連絡しなきゃ」
と、その時に限って親切心を起こし、中をよく見ようとして出してみたらDS、
しかもL+Mモード画面・・・
嫁曰く、ドラマでよくあるような、まさに不倫相手が正妻に自分の存在を示すような感じだったと。
今思い出してもムカつく、と。

嫁は積み重ねてあるレンズの空き箱の中に隠していた説明書等を見つけ出し、
取り上げたDSで何度もの破壊欲求に耐えながらゲーム内の相当日数プレイしたとの事。
その言葉通り、タッチペンは真ん中で折れ、「く」の字になっておりました。
こうしてもはや言い逃れ逃できない状態で、
正座させられた私は、
これまでの行動を全部白状させられました。
メールの愛の言葉のやり取りや登下校でのスキンシップ、
呼び出してのスキンシップやデート中のキス等々。
勿論、我が息子が反応したかどうかも・・・
(´Д⊂グスン

私の告白の後、強烈な物差しの一撃があり、
その後、嫁が話しました。

「今日、情報共有の為、嫁友達の家で嫁友達数人と遊んでみた」と。

最初は凛子や愛花でプレイして見せたらしく、
物珍しそうな顔をしていた嫁友達も、
「男って馬鹿だね?」
とか、
「嫁の愛情が足りないんじゃないの」
とか、若干和やかな雰囲気で見ていたと。
「こういうことがあったね?」
と懐かしむ人もいたとか。

ところが、寧々でのプレイを見た途端、場が一変して、激しい糾弾会が始まったと。
嫁は嬉々としてその場を写した携帯動画を見せてくれました。
携帯動画に映し出されたそれはもう、寧々好き派には耐えられない場面だと断言できます。
寧々のメール内容や言葉や行動に対するあまりにも不条理な批判と彼女の人格否定の言葉の数々・・・
私は泣きました。
逆に嫁は、「ずいぶん気持ちがすっとした」と冷たい声。

嫁友達の騒ぎに、その家の姑や大姑さんが様子を見に来たので、事の顛末を話し、DSの動画を見せたら、
姑さんは大きく溜息をついてあきれたのですが、
大姑さんの含蓄のある言葉で場が凍りついたと。

「この娘さん(寧々)は、他の二人と違ってもう孕む気だね。そして何があっても堕さないで産むよ」と。

大姑さんは言葉を続け、
「嫁にするならいい娘だけど、浮気相手だったら大変だよ。
 男は馬鹿だから、こういう女に簡単に騙される。そして根が真面目な男程、
 浮気が本気になって、最後には家庭を壊すよ、気をつけなきゃね」
と真顔で話されたとか。

嫁が激怒した理由や嫁友達の糾弾理由の一端を垣間見た気がします。

結局、嫁友達全員の評決の後、「浮気認定」そして「有罪」と相成りました。
可愛い寧々は、数枚の野口英世になりました。
当然、そのお金は没収されました。
年末の旅行の全額負担も約束させられました。
ですが、離婚を回避できたのは幸いです。

嫁友達各家庭でも捜索が開始された模様で、
三人が捕まりました。
一人は所持を素直に認め、ROM没収。
一人は所持が見つかり、ROM没収並びに小遣い減額。
そして最後の一人は悲惨な事に、キス中に現場に踏み込まれ、
その場でDS破壊の刑及び寝室出入り禁止に処されたと、嫁から報告がありました。
(誰でのプレイかは不明です)

隠れてプレイしている方々の御多幸をお祈りします。

エリコ式:ラブプラスって流行ってるけど、そんなにすごいもんなの?

明日を見つめて 4.駆け落ち!?

約束の午後7時。
15分ほど前に、彩と浩平が乗っている軽ワゴン車が、北島家の
敷地内にある駐車場に止められた。
浩平は、緊張しながら黙って彩について行き、玄関前に立った。
だいぶ広い敷地に豪壮な邸。
一度来て、周辺の景色や家の中の構造を知っていなかったら、
更に緊張も大きかったことだろう。
『いよいよか』。浩平は大きく深呼吸をした。
彩の指でチャイムが押され、応答がくる。
施錠が外される音がして、彩がドアを引いた。
「ただいまあ」
彩の後に浩平が続いて、玄関の中に入る。
母の妙子がダイニングから玄関に向かってきた。
玄関前に正座し、挨拶をしてくる。
「まあまあ、よくいらっしゃいました」

「初めまして。佐藤浩平です。
 この度は、お招き頂きまして、ありがとうございます」

「こちらこそ、ご無理を言いまして申し訳ございません。
 わざわざお出で下さって、嬉しく存じます。
 どうぞ、お上がり下さい」
社交辞令もあるのだろうが、妙子の顔はにこやかで、子供だと見下す
ところもなく、丁寧な挨拶で歓迎の意を表わしていた。
彩は、二人のやりとりをこそばゆい思いで、脇に立って眺めていた。

三人が連れだってリビングに入って行くと、手作りの暖かな家庭料理が
きれいに盛り付けられ、テーブルに並べられていた。

「どうぞどうぞ、我が家だと思って寛いで下さい」

妙子に促されるまま、浩平と彩は、奥の椅子に並んで腰かける。
妙子は、浩平に向かい合って腰を下ろした。

「この時間だから、おなかが空いたでしょう?
 たいしたものはご用意できませんでしたけれど、
 遠慮なく召し上がって下さいね。
 彩、浩平さんに、ご飯をよそってあげて」

彩が、ご飯をよそって浩平の前に置き、妙子の分と自分の分を
よそおうとしている間に、妙子は、赤ワインの栓を抜いた。

「浩平さん、お酒は飲めるんでしょ?」

「はあ、まあ、少しは。でも、未成年ですよ」

「ワインくらい、大丈夫でしょ」

妙子はニッコリと微笑み、浩平のグラスに注ぎ、自分のグラスにも
注ぎ入れた。彩のグラスは、ミネラルウォーターだろうか。
彩が席に着くと、妙子は、「お近づきを祝して乾杯」とグラスを二人の
方に傾けた。
浩平もグラスを上げ、「乾杯。頂戴します」と返す。
彩は、ミネラルウォーターのグラスを傾け「乾杯」と合わせる。

「さ、どうぞ、お好きなものから、遠慮なく召し上がってください」

彩が、「浩平さん、どれにします?」と聞きながら、小皿に取り分けて
くれていた。
『浩ちゃん』じゃなくて、『浩平さん』という呼び方と敬語に戻って
いるところに、彩の構えが見て取れた。

食事をしながら、妙子からは「△□大なんですってね」。
「経済学部とおっしゃったかしら」。「御両親はご健在なんですか」。
「お仕事は?」。「御兄弟は?」などと、質問をされた。
妙子は、詰問調にならないように気を配り、優しく笑みを浮かべ
ながら、さりげなく、浩平の身の上を探っているようである。
彩からあまり体は強くはないようだと聞いていたし、かなり細身の
浩平の体型も気になった妙子は、浩平の食事の様子にも注意を
払っていた。
やはり、浩平は若者らしくなく、脂っこいものを避け、淡白な料理を
中心に彩に取り分けてもらっている。「もっと少なくていいよ」と、
分量を加減もしている。遠慮しているわけではなさそうだ。
消化器系が丈夫ではないのだろうと察しがつく。

彩に「おかわり」を勧められ、ご飯は二膳平らげた浩平だったが、
妙子から勧められたワインの「おかわり」は辞退した。

浩平とその家族や生い立ちについて、妙子の質問に浩平が応じる
形で自己紹介をしながら、あらかた食事も終え、食後のデザートに
アイスクリームが出された頃に、妙子は核心の質問に入っていった。

「浩平さん。おばさん、不思議なんだけど、晴香ちゃんの告白には、
 進学でこちらを離れるからなかなか会えなくなるし、遠距離恋愛を
 するよりも、こちらでいい人を見つけた方がいいって、断ったんで
 しょう?
 でも、彩が告白しても、あなたの状況は同じよね。
 親のひいき目で見たって、晴香ちゃんの方が綺麗だし、同じ状況
 なのに、なぜ、彩の方は受け入れてくれたの?」

浩平は、やはり、そのことかと思い、心を落ち付かせながら応えた。

「僕に好意を持ってくれた二人のことを、僕自身の口からあれこれ
 言うのは、すごく気恥ずかしいのですけれど、なぜだか事実そう
 いう状況になったものですから、ありのまま、感じたままをお話し
 ます。
 晴香さんが、僕に対して抱いていた感情は、『憧れ』のようなもの
 ではなかったのかなと思えるんです」

妙子は、口を挟まずに、頷きながら先を促し、浩平を見つめている。
彩は、緊張しながら無言で浩平の横顔を見つめていた。

「僕たちの年代というのは、男も女の子も、テレビで活躍する
 アイドルや、スポーツ選手、あるいは周囲にカッコいい男の子や
 好みの女の子がいれば、何かしらファンになったり、憧れます。
 晴香さんが僕に向けた視線も、同じじゃないかなと。
 僕は、自分がカッコいい男だとは思えませんが、晴香さんは、他の
 男子とはちょっと違う、いかにも虚弱なこの容姿や体型に興味を
 持ってしまった。
 僕自身は、それらの全てがコンプレックスでしかないのですけれど、
 そういうところに興味を持ち、なぜかそこに憧れてしまうというような
 勘違いもあるのでしょう。
 僕が、晴香さんから感じた印象というのは、そういうものでした。
 どちらにしても、もうすぐここを出ていかなければいけない。
 それならば、なるべく傷つかないように、そのことを気付かせて
 あげた方が良いと判断したんです。
 晴香さんも、1週間前のあの時点では、僕との交際を望んでいた
 わけではなかったでしょう。
 事実、僕が『高校生活最後の思い出のひとつとして割り切って』と、
 言った時、晴香さんは、『遠距離はやっぱり辛い。好きな人は側に
 いてほしい』と、あっさりと、実にさばさばした様子で了解してくれ
 ました。
 既にその時、晴香さんは、本物の恋愛を探して歩き始めていたように
 僕には感じられました」

ここまで話して、ひと息をついた。
妙子は、「なるほど」と言ってうなずき、次を促した。

「それは、おばさんのおっしゃる通り、あれだけきれいな子です。
 在学中に告白をされていれば、何も考えずに、嬉しくて、喜んで
 お付き合いしていたでしょう。
 でも、彼女はそうはしなかった。
 晴香さんが僕のことを本気で恋愛対象として見ていたのなら、
 告白もせずに、3年間、じっと片想いのままで過ごせるかどうか・・・。
 本気で相手が好きになってしまえば、どちらに転ぼうとも、性急に
 結果を求めようと行動するんじゃないかなと思えるんです。
 だから、その感じとったままに、僕も晴香さんに返してあげることが
 できた。
 そういうことだと思います」

妙子の様子を窺いながら話を進めていく。
妙子は頷くのみである。

「僕も恋愛経験がありませんでしたから、憧れと恋する感情という
 ものの違いは分かりませんでしたが、彩さんを好きになって、
 はっきりとその違いを自覚しました。
 ちょうど卒業を迎え、あと半月で自分がこちらを離れるという現実。
 晴香さんから告白を受けた時は、決定的な障害と思えたことが、
 彩さんから受けた告白の時には、どうにか出来ると思えました」

いよいよ、妙子の質問への核心に入っていく。

「彩さんからは、確かに恋愛の対象として僕のことを好きでいてくれて
 いるという強い思いが、ストレートに伝わって来ました。
 その時に、はっきりと自覚しました。
 僕も彩さんのことが好きだったんだと。これが恋なんだと。
 1週間前に、一目惚れのように彩さんを好きになっていたのに、
 晴香さんの付き添いとして現れた彩さんを好きになってはいけない
 という無意識の抑制、晴香さんへの遠慮があって、無理に胸に
 しまいこんでしまっていたのかも知れません。
 晴香さんへの遠慮という意味では、彩さんも同じでしょう。
 晴香さんと僕との関係がはっきり結着したことで、彩さんは、自分の
 感情を抑える必要がなくなった。
 彩さんから告白されたことで、僕も晴香さんに遠慮する必要が、
 自分の感情を抑える必要がなくなりました。
 晴香さんは3年間、彩さんと僕とを結び付けるために彩さんに、
 僕という存在を観察させてくれていたとも言えるのかなと・・・。
 結果論と言われればその通りですけれど、まさに、男女の関係という
 のはそういうものなのかなと、未熟ながらに考えさせられました。
 彩さんに告白されて、彩さんと二人きりで話をしてみて、まるで、
 お互いの感情が響きあうような、一瞬で共鳴しあうような・・・。
 不思議な感覚でした」

妙子は、ここまでの浩平の言動に、ただただ驚かされていた。
挙措動作、礼儀、立ち居振る舞い、言葉遣い。ものごとの捉え方。
どれもが、高校を出たばかりの18歳の少年のものとは思えない。
何か、質問されることを予め想定して、模範解答のようなシナリオが
用意され、彼はそれを演じているのではないかとさえ錯覚した。

浩平は、口調を強めた。

「晴香さんのことも僕は好きです。
 でもそれは、同学年の異性の友人として、また、自分の恋人の
 親友として好きだということです。
 彩さんへの僕の感情は、それとは全く違うものです。
 そこには、『自分はもうすぐここからいなくなるんだから』などと
 いう抑制やブレーキ。理性は、全く役に立ちませんでした」

浩平は、普段ならとても恥ずかしくて言えないようなことでも、
この、彩の母・妙子の前ではよどみなく口にしていた。
全てを正直に言わせてしまう、そういう威厳と度量を妙子は併せ
持っていた。

「ただ、ひとつだけ。晴香さんと彩さんの仲を、僕のわがままな、
 勝手な振る舞いで壊してしまうことだけはできません。
 ですから、最初に無理やりに自分の感情抑え込み、そのことを
 彩さんに確認しました。
 すると、彩さんは既に晴香さんに相談していて、晴香さんも
 応援してくれているということでしたので、僕の心は、そこで
 決まりました。
 『僕は、彩さんが好きだ。彩さんを恋人として、絶対に手放しは
  しない』と」

浩平は、言うべきことは言ったと、彩の意思を確認するように、
彼女の方を振り返って、『これで、いいんだよね』と、眼で合図を送り、
ゆっくりと妙子に向き直った。

「いろいろな意味で、晴香さんには感謝しています。
 彩さんには、時間的にぎりぎりのところで、僕に告白をしてくれて、
 僕の本心に気づかせてくれたことに感謝しています。
 昨日の、あの時しか、僕が彩さんを恋人として認識できるタイミング
 はなかったように思います。
 これが、僕の正直な気持ちです」

彩は、浩平の話を聞きながら、はっきりと母に言いきってくれたことを
嬉しく思いながら、
『なぜ浩ちゃんは、こんなに深いことまで考えて行動できるんだろう。
 もしかしたら、真知子先生の言うとおり、とんでもない人に恋をして
 しまったのかも知れない。私と釣り合うんだろうか』
と、少しだけ不安を感じた。しかし、そういう浩平を好きになった以上、
『もう、絶対に離れたくない』という思いを強くした。

妙子は、浩平の目に、口に、引き込まれてしまっていた。
そして、思わず唸った。

「すごいわね・・・。
 本当に彩と同じ歳なの?18歳?
 疑ってしまうほど物事を冷静に見ているわね。
 それも、自分が当事者の恋愛について、ここまで・・・。
 普通は、恋心に浮かれて、我を忘れちゃうものよ。
 ハア・・・。 真知子先生が惚れこむのも分かるわ。
 彩から、真知子先生が言っていたという話を聞かされたときは、
 彩が勝手に話を誇張しているのかとも思ったけど、
 違ったみたいねぇ・・・。
 ただ、ひとつだけ。
 晴香ちゃんのあなたへの思いは本物だったと、おばさんは思って
 いるわよ。
 あなたの言うように、晴香ちゃんの心の中で、本当に吹っ切れて、
 過去形になっていて欲しいものだと願うけれど・・・。
 そして、彩?」

「はい」

「これはねぇ、浩平さんが東京に行っちゃったら、向こうの女の子が
 ほっとかないわよ。
 こっちにいて、いつも浩平さんの側にいられないお前より、
 いつでも浩平さんの近くにいられる女の子の方が有利に
 決まっているもの」

「おかあさん!それを言われれも、私にはどうしようもないでしょ!?
 それは私も分かっていたし、浩ちゃんとも話しました。
 浩ちゃんは、『俺を信じろ』って言ってくれたし、
 絶対に、私を裏切らないからって言ってくれています」

「おや、普段は『浩ちゃん』って呼んでたのかい?」

「あ・・・」

「いいんだよ。本音で話そうね。
 いいかい? その浩ちゃんが」

「お母さんは、『浩ちゃん』って呼ばないで!」
彩は、自分としても一番気がかりで、おそれているところを突かれて、
むくれてしまった。

「わかったわよ。それじゃ、その浩平君がね・・・。
 彼は、あまり体は丈夫じゃないって言っていたでしょ!?
 風邪で寝込んだり、何か病気になった時に、浩平君に好意を持って
 いる女の子が彼の部屋に駆けつけて、親身に介抱してくれたり
 したら、いくら彼がお前との約束を守ろうとしてくれたって、やっぱり
 情が移っちゃうだろ?
 これだけの男だもの、好きになる女は出てくるだろうし、
 彼女がいるって彼が宣言しても、それが遠距離恋愛だと知ったら、
 入り込む隙はあると思うわよ。
 浩平君だって、自分が辛い時、苦しい時に、本気で助けてくれた
 女の人を無下に扱うこともできないだろうし。
 それでも、お前は、浩平君の気持ちを引きとめておく自信はある
 のかい?」

「自信なんかない!
 だったら、私は、浩ちゃんについて行く。
 東京に行っちゃう時に、私も一緒に行く。
 進学なんかしない。この家から出て、東京で働く。
 そうすれば、他の女の人にとられたりはしない!
 他の・・ウッ・・・」
彩は、とうとう、泣き出してしまった。

妙子の表情に、おこっている風はなく、『困ったわね』という、
母が娘を見る慈愛に満ちていた。
浩平は、彩の肩を抱き、しゃくりあげて下を向いている彩の顔を
覗き込むようにして、諭すように言った。

「彩? お母さんは、まだ俺達に交際するなと言っているわけじゃ
 ないだろ?
 お母さんは、俺達の覚悟がどれほどのものかを試そうとしているん
 だと思うよ。
 俺達のおかれている状況は、確かにお母さんの言われている通り
 かも知れない。
 それは、彩と何度も話してきたよな!?
 彩が働いて、俺と一緒に暮らして、俺がのうのうと学生なんかして
 いたら、それじゃまるっきり、俺は彩の『ひも』じゃないか。
 そんな二人の関係になり下がるわけにはいかないだろ?」

「だっ・・グスッ。・・て」

「それに、彩が進学しないのは、俺も困る。
 栄養士になって、体力のない俺をサポートしてくれよ。な!?
 状況がどうであれ、お互いに好きになっちゃったんだもの、
 それは、しょうがない。
 でも、親は親。お互いに、家族は家族なんだから。
 お互いの家族にすら歓迎されないような関係なんて、俺は嫌だ。
 俺は、だいじょうぶ!
 絶対に、彩と別れたりはしない。
 別れることなんか考えられない。
 俺に何かあったら、彩に真っ先に連絡するから。
 その時は、彩が都合のつく限り、俺のところへ飛んで来い。
 そして、俺を支えてくれ。な!? 彩・・・」

「私はそうしたい。けど・・・」
彩は、子供のようにしゃくりあげながら、上目遣いで妙子を睨んだ。

浩平は、彩の肩を軽く叩いて、居ずまいを正し、妙子に向きなおった。
「おばさん、済みません・・・。
 彩は・・・ア、いや、彩さんは、これまでは、お母さんの言うことに
 逆らったり、反抗したりすることがない、素直でまじめなお嬢さん
 だったのではないですか?」

「そうね。その通りよ。
 この子はね、反抗期なんかあったのかしらというほど、親に逆らうと
 いうことがなくて、よく言い付けは守ってくれたし、ここ何年も、私から
 叱られたことはなかったんじゃないかしら。
 今日、初めて自分を曲げずに、捨て身になって逆らって来たわね。
 浩平君、『彩』って呼んでいるなら、私に遠慮しないで、そのまま
 呼んでもらって構わないわよ。普段着の言葉で話してね」

「はい。そうさせて頂きます。そういう彩を、変えてしまったというか・・・。
 俺も、最初に言葉を交わした時の印象とは変わったなと思っています。
 昨日・・・・、まだ昨日なんですね。
 お付き合いを始めて、次第に彩は、彼女の全てを俺に預けてくれた
 かと思えるほど、俺の言うことは素直に聞き、甘えてくれるようになり
 ました。
 彩が、たった2日間で、俺に全てを任せようとしてくれているのは、
 偏に俺がもう数日過ぎれば、彩の傍から離れてしまうという、その
 不安から逃れたいからでしょう。
 でも、俺がこちらを離れている間に、彩を失うことになるかも知れない
 という不安は、俺も同じなんです。
 彩にとっても俺にとっても、二人の関係がまだまだ不安定だという
 のは、おばさんの言うとおりです。
 俺自身、まだ何も世間を知らない子供です。
 これから先に何が起き、それをどうしていくのか。全てが未知数です。
 この2日間、彩と、ただ二人だけの世界に入り込んで楽しい時間を
 過ごしている間は、他には何もいらないように思ってしまいますが、
 現実には、まだ誰にも認めてもらっていない関係です。
 この先の現実を見ようとすれば、お互いにどうなっていくのかという
 怯えは常にあります。
 絶対的な経験が不足しています。
 俺は、さっき彩が言ったとおり『俺を信じろ』としか言ってあげられ
 ません。
 そのことで、彩は少しは安心できるかも知れませんが、『信じること』
 が、現実的には何の保証にもならないこともまた、彩はよく分って
 いると思います。
 だからこそ、二人のことを、おばさんに認めてもらいたいんです。
 勝手なお願いですが、どうか、彩との交際を認めて下さい。
 二人を信じて見守って下さい。
 それさえ叶うなら、彩の不安の大部分は解消されると思います。
 もちろん、お前の何を信じろというのかと言われればそれまでです。
 そして、俺自身が未熟だから、おばさんにすがるような形でお願い
 するというのは、男として情けないとは思います。
 責任をすり替えているようで、卑怯だとも思います。
 それを承知で、できるならば俺自身が後戻りできないように、
 将来の結婚を前提に、お付き合いをお許し頂けないでしょうか。
 まだ、たった2日間の交際。お母さんには初対面。
 非常識なことは承知の上で・・・。
 それが彩にとっても大きな安心になるだろうと思うんです」

『結婚』という言葉を浩平の口から聞いて、それまで俯いていた彩が、
顔を浩平に向け、『はっ』としたような表情で、半ば口を開いたまま
固まっていた。
妙子も、目を見開いて驚いている。

「勿論、これから大学に進学しようかという、経済的な基盤を何も
 持たない、学費も親に頼っているような分際で、無責任に『婚約』
 などとは言いません。
 そこまで厚かましくお願いをするつもりはありません。
 両家の両親が、将来は俺達二人の結婚を望んでいるという状況を
 頂ければ、それで構いません。
 お母さんが、そのことを受け入れてくれるのであれば、明日にでも、
 彩を俺の両親に紹介したいと思います。
 そして、彩のお父さんが近々お時間を取っていただけるのなら、
 再度、ご挨拶に来させて頂きたいと思います。
 これが、俺が今、彩にしてあげられる精一杯のことです」

浩平は、立ちあがって、深々と頭を下げた。
「どうか、お願いします」

彩は、浩平と妙子を交互に、不安げに見つめていたが、浩平に少し
遅れて慌てて立ち上がり、同じように頭を下げた。
妙子は、暫く呆然と二人を見ていたが、優しく言葉をかけた。

「分かったわ。二人とも、頭を上げて。
 座ってちょうだい」

二人は、頭を上げて、妙子の顔色をうかがいながら、座りなおした。

「おばさんね、いろいろな意味でびっくりしちゃった。
 私はね、最初の浩平君の『正直な気持ち』というのを聞いた時に、
 もう、二人の交際は認めてあげようと思っていたのよ。
 というより、昨日、彩から浩平君のことと、彩との経緯を聞いた時点で
 これは願ってもない男が、彩を射止めてくれたんじゃないかと思って
 いたの。
 今日来て貰ったのは、それを確認するため。
 いきなり、近いうちに家に来るように言われて、彩が夢中になって
 いる彼氏は、どういう態度をとるのかなとも思ったしね。
 そしたら、それを彩から聞いたその日に訪ねて来てくれる。
 それだけで合格よ。
 いいわ。交際、認めてあげるから、簡単に別れるんじゃないわよ」

二人は安堵した。声が弾む。
「ありがとうございます」。「ありがとう」

「彩はね、浩平君も感じていると思うけど、本当に『おくて』でね。
 高校生までは、親として余計な心配もしなくていいし、いい子
 なんだけど、これから自分の世界が広がって行く時期に差し掛かって
 当然、恋愛もしていくでしょうよ。その時に、あまりにも、そういう世界
 を知らないでいたから、簡単に、ろくでもない男に引っ掛かって、
 泣くような思いをするんじゃないかって。
 それが心配だったの。
 それも経験。大人になる階段を昇っていくプロセスだし、それで女は
 強くなっていくというところもあるんだけど、やはり親としては、
 そのときは泣くことになっても、取り返しのつかないような事態だけは
 避けさせなきゃいけない。
 彩に免疫がつくまでは、本人が嫌がっても干渉せざるを得ないし、
 傷が浅いうちに別れさせるということが必要な場合もあるのよね。
 その彩がねえ・・・。
 自分の意思を曲げずに、浩平君との仲を引き裂こうものなら、
 本当に駆け落ちでもしかねないような勢いなんだもの・・・。
 女はね、男で変わるのよ。
 逆もしかりだけど」

妙子は、彩に視線を向けた。
「浩平君に東京で言い寄って来る女がいたらって言うのは、彩、
 あなたの本心を確かめたかったからよ。
 私の本音も含まれてはいるけど。
 あなたは取り乱しちゃったけど、それを浩平君の方がうまくフォロー
 してくれたわね」
浩平に向き直る。
「だけど、まさか、今日『結婚』だの『婚約』だのっていう言葉が
 出てくるとは、予想していなかったな」

「すみません・・・」

「いいのいいの。
 最初から浮かれた調子で『結婚』なんて言葉を軽薄に持ち出して
 くる男なら、恋に熱を上げて、周りや後先が見えなくなっちゃってる
 だけだから、場合によっちゃひっぱたいて、叩き出してやるけどね。
 あなたの場合は、彩を落ち着かせよう、彩に安心を与えてやりたい
 という、心から娘を思ってくれて出てきた言葉だと分かるから、
 親としては、聞いていてとても心地よかったわ。
 それとも、二人の間でそういうことまで話していたの?」

「いえ、まだそこまでは・・・、正直、考えていませんでした」
ちらっと、彩を見る。

「それ以外のところは?ここで、私とのやり取りの中で考えたこと?」

「ある程度は。
 自分たちの状況を考えれば、どういうことを指摘されるかは予想
 できましたから。
 結論は出ませんでしたが、それなりに考えてはいました。
 考えている時に、彩には、『こわい顔』と言われましたけど」

「あっ、あのとき・・・だ」

「そうか・・・。おばさんの目論見なんか、お見通しだったわけか・・・。
 緊張して、喉が渇いたんじゃない? 彩、紅茶でもお出ししたら?」

「はい。でも、浩ちゃんはコーヒーが好きなのよね」

「それなら、コーヒーメーカーがあるでしょ?
 彩は紅茶ばかりだったから、使ったことがなかったっけ?」

「ウーン・・・。やってみる」。彩のまぶたは、まだ腫れぼったい。

「あっ、俺が淹れさせてもらいます」

「じゃあ、教えて。一緒に淹れよ」

妙子は、一緒にコーヒーを淹れている二人を微笑ましく眺めながら、
考えていた。
『良かったね、彩。初恋で浩平君のような男に出会えて。
 何よりも、晴香ちゃんに感謝だわね。
 彼なら将来、彩を嫁がせるのは望むところだけど。
 さて、これから、どうしてあげればいいかしら・・・』

「おまたせ。って、ほとんど浩ちゃんがやってくれちゃったけど」

「昨日は、彩にも聞いたんだけど、二人はどこまで行ってるのかな?
 昨日の夜にキスまでで、1日しか経っていないんだから、
 変わってないか」

「いや、まあ、その・・・」
浩平が大人も驚くほどの思考や行動をするとはいえ、そこはやはり
まだまだ子供で、根が正直な少年。
ましてや、彩に劣らず、恋愛に関しては『おくて』だった浩平は、
しどろもどろになってしまった。
彩も、赤くなって俯いてしまった。

「あらあ・・・。なんだ、もう彩を抱いちゃった?」

「いえ、そこまでは・・・」
まさか、娘さんをを裸にして、恥ずかしいところを舐めまわしました。
などと言えるはずもなく、青ざめた。
彩は自室での生々しい情景を思い出して、真っ赤になっている。

「ふーん。そこまでは・・・か。
 まあ、いいんだけどね。高校を卒業すれば社会人として立派に
 働く人も多いわけだし、そういう意味ではもう立派な大人。
 惚れあった二人が体を求めるのも自然なことだから。
 ただ、順番が逆にならないように、きちんと避妊はしなさいね。
 ましてや、まだ二人とも学生なんだから」

浩平は、恐縮し、「はい。わかりました」と、殊勝な顔で応えた。
「彩も、お願いね。妊娠して困るのは、あなたなんだから」
彩は、消え入りそうな声で小さく「はい」と、返事をした。

「それで浩平君、せっかくだから、今夜はうちに泊っていらっしゃいよ。
 おばさんも、もうちょっと、お話ししたいし。
 あれよ、浩平君たちを困らせるような話はもうしないから。
 お互いに肩の力を抜いて・・・。
 そのね、二人の関係を両家が公認しているという後ろ盾が欲しいん
 でしょ?
 浩平君のご両親にもご相談しなきゃいけないことだけど、北島家の
 スタンスは、はっきりさせておいた方が、ね。
 うちは娘のことだから、佐藤家よりも比重が大きいと思うし・・・ね?」

「そうよ。浩ちゃん、泊って行って!?」

「ありがとうございます。
 でも、着替えも寝まきも用意してきていないですし・・・。
 それに、そう言って頂けることは、本当にありがたいですけれど、
 おじさんもいらっしゃらないのに、いいんですかね?」

「うちの人のことなら、事後報告でも、私から話をしておけば、まず
 大丈夫よ。
 普段なかなか仕事で娘たちを構ってやれない引け目があるから、
 彩にも、お姉ちゃんにも甘い甘い。
 お願いされたことは、何でも聞いてやっちゃうんだから。
 それにね、私はうちの会社の採用も担当していて、これまで何百人
 もの人を見て来ているのよ。
 だから、私の人物評価にはうちの人も一目おいているの。
 なにも問題ないわ。
 下着とか寝まきはね、結構我が家は、仕事上のお付き合いで
 訪問される方も多くて、お客さんが酔っ払っちゃたりすると、
 そのまま泊って行かれるから、いくつかのサイズを常に用意して
 あるの。何でもよければ、それを使ってね」

採用面接で何百人もの人物を見てきて、その評価は、社長である
北島家の主にも一目置かれている彩のお母さん・・・か。
これまでの会話で、自分はどう見られ、どういう評価を下されたの
だろう。
浩平は『ブル』っと、身震いする思いであった。
いずれにしても、そこまで彩のお母さんに勧められては、浩平にも
断る理由は見当たらない。

「分かりました。それじゃ、お言葉に甘えさせて頂きます」

「やったー!!」
彩は、能天気に喜んでいる。

「家に連絡しておきたいので、お電話をお借りします」

「お家にお電話するなら、明日は土曜日だし、浩平君のご両親が
 空いていらっしゃるお時間、お聞きしておいてもらえる?
 できれば午後に」

「え、どうしてですか?」

「北島家のスタンスが決まったら、早めに浩平君のご両親にもお会い
 しておきたいから」

「おばさんが・・・ですか?」

「そうよ。彩と一緒に」
彩は、いきなりの展開に、あっけにとられたように妙子の方を見ている。

「はあ・・・分かりました」
これで、浩平は自宅に電話するにも緊張で、手に汗を握るような
状況になった。

「あっ、母さん? 浩平だけど。
 今、メモに書いておいた北島さんのお宅にお邪魔しているんだけど、
 今晩ね、このまま泊て頂くことになったんで、心配しなくていいよ。
 うん。
 えっ、そうか・・・。そうだよ。
 ああ、そうか。うん、そう。それが北島さん。そうだね。
 それと、明日の午後、父さんは家にいるかな?
 だから、その北島さんを紹介したいんで。
 ・・・。
 そう、大丈夫ね。いや、そうだとは思うけど。
 何時頃がいい?
 3時? うん、分かった。じゃあ、宜しく」

「どうだった?」 彩の方が先に聞いてきた。

「うん。大丈夫だよ」と、彩に一言だけ返事をし、妙子に向って言った。
「3時頃がいいそうです」

「ありがとう。じゃあ、3時に予定しておきましょうね」

改めて、彩に向って話しだす。
「何かねお袋から、今日、女の子のお友達でも来て、
 一緒にお昼を食べたのかって言われちゃった」

「・・・どして?」

「お昼御飯をつくったようだけど、あんなに綺麗に片づいているのは、
 女の子が料理をしたとしか思えないって。
 友達と簡単な料理をつくって、みんなで食べるなんてのはよくあった
 けど、いつも散らかし放題だったからね。
 で、それが、今日お邪魔してる北島さんていうお宅の子かいって」

「あらぁ・・・。それで、何て?」

「『彼女か』って言うから、そうだって言っておいたけど・・・。
 俺が女の子を自分の家に連れて行くなんて初めてだからね。
 母さんも驚いてた」

「そうなんだ・・・。エヘヘ」
彩は、浩平の母が、浩平の彼女として彩の存在を知ってくれたことが
単純に嬉しかった。
妙子が聞きとがめた。
「なんだい?彩。浩平君の家で、勝手にお宅の食材使って料理して、
 お昼を食べて来ちゃったの?
 お母さん、夕飯に使うものが足りなくて、困っちゃっただろうに」

「そっか・・・そこまで考えなかった。ごめんなさい」

「いや、いつものことだから大丈夫だよ。
 そうだ、おばさん。母が、お家の方に宜しくお願いしますと
 お伝え下さいということでした」

「分かりました。しっかりと預からせて頂きます。
 でも、そういうことなら、話は早いわね」

「ええ、まあ、そうですね・・・」

「彩、お風呂入れといで。
 お母さんは、洗い物しちゃうから。

 浩平君は、テレビでも観て寛いでいてね」

彩は浴槽を洗って、湯のスイッチを入れ、妙子と一緒に洗い物を
済ませ、浩平が土産に持ってきたメロンを切り分けたものをテーブル
に運んできた。

浩平は、二人が要領よく立ち回っている姿を見ながら、母子二人で
北島の家を守り、平穏に仲良く生活してきた中に、いきなり自分が
入り込んで来てしまった。
穏やかに澄んだ水面に、いきなり大きな波紋を立ててしまったような
ものだな。
この北島家にとって、自分はこれからどういうポジションを取って行く
ことになるんだろう。俺が割って入ってもいいものなのだろうか。
などと、考えていた。

電話が鳴った。妙子が受話器を取りに行く。

「浩ちゃんが買ったメロン、大きいから1回じゃ食べきれないよ。
 半分を3人分に切り分けてもこの大きさだもの」

「冷蔵庫に入れといても、おじさんが帰って来るまではもたないかな?」

「半分に切っちゃたからね。明後日の夜までは難しいんじゃない?
 残りは、明日の朝ということで」

浩平も彩も、思わぬ急展開に驚きながら、難関を乗り切れたことに
安堵していたが、妙子は二人にとって、さらなる驚きを提案してくる。

処女膜をやぶっても音はしないと思う

「処女に挿入したら挿入に抵抗があって膜が破れる時プチっとした感じがした」という投稿を時々見かけますけど、それって本当?と思いますね。
大体において「完全にふさがっている」なんてことがあったら、生理の時にどこから血が出るの?
私は処女とは3人経験がありますけど、「プチッ」なんてことなかったですけど。
 
 
一人目は高校の同級で、こっちも初めてだったのでそんな余裕もなく、相手も初めてなんだけど、それほど痛がらなかった。
こちらはとにかく成し遂げたい一心で必死だった。相手も性について興味津津だったので、おつきあいして2週間ほどの時。
相手はバスケ部だったので体が柔らかかったので、あそこもほぐれてたのかな?
本人申告で処女だったし、僅かだったけど出血はあったのでそうだと思う。
行為に及ぶ時は、あそこを広げて観察なんてする余裕なかったので、どうなってたのかはきちんと覚えてないけど。
相手は「痛いけど大丈夫」と言ったので、割とすんなりと奥まで入れて、
こっちも初めてで「あ、すごい」と感激して、少しピストンして、すぐ限界になって、あっというまに彼女にしがみついて発射。
彼女が「大丈夫」と言ってたし、こっちも初体験でゴム付けるのもなんだかな?、って用意してなかったので当然中に。
その日は二人で感動して「もう一度」ってやってる内に、親の帰って来る時間になったので終了。
お互いに病みつきになって3カ月くらいはやりまくってた。2回目からはさすがに私服でコンビニにゴム買いに行ったけど。

2人目は20を過ぎてからバイト先の高校2年。
向うから告白されて、「それならば」と初デートの夕方にホテルに直行。
ウブそうな娘だったので「そうかな」とは思ったがやはり。
でも本気で気に入られたようで、向うも最初から体を捧げる気だった。
キスの経験もなかったようで、ずっと体を固くしたままこちらのいいなり。
そんな状態が逆にこっちもやる気を燃やし、こちらと相手の服をすべて脱がせて、フェラをさせてみる。
おずおずと言う事を聞き、それがさらにこっちの興奮をあおる。
でも気持ち良くないので、とりあえず相手の性感をさぐる。
耳たぶから首筋、鎖骨、脇の下、へそ、そして一旦足元から順に上に。
もう一度バイパスしていよいよ胸の回りから順に頂上へと愛撫する頃には、
相手の固さも取れて、こちらの愛撫に敏感に反応して小さく声を出すようになった。
十分感度が上がった所で、いよいよ膝を割って入り、股間を開く。
躊躇する手を払って、指を使って大事な部分を開く。
処女のものはどう違うのかという興味はあったので、観察。
確かに入口と思しき部分に襞が多くて、穴が複数開いているという感じだった。
ゆっくり観察してからそっと舌先で谷間をなぞると「ひゃ」というような声を上げた。
そんな感覚は初めてだったのだろう。
「入れるね」と声をかけると「そのまま入れるの?」というので、「そうだよ。」と答えた。
おずおずと小さい声で「つけないの?」というので、「出す時は一度抜いて付けるから。いいだろ。」と言った。
「えっー?」と悩んでいるので、「僕は何人も経験あるから、出る時に判るから。」と言う。
まだ考えているので、一旦キスして(彼女にとってはまだ2回目のキス)顔をじっと見つけて、
「だって、好きな○○の初めてをもらうのに、僕も直接感じたいから」と言うと、「うん」と納得した。
で、いよいよ挿入。
先をあてがってちょっと進めただけで「痛い!痛い!」と大きな声になった。
前の時はほとんど痛がらなかったのでこっちもびっくり。
こっちのブツもややしぼんだので、再度やりなおし。
彼女の胸とかを愛撫しながらこちらも堪能。どうやら脇の下から胸のもりあがりにかけて感じるようなので集中攻撃。
こちらの方は気持がいいようで、少しずつヨガリ声を出すのも慣れてきたようだ。
彼女の股間も湿り気があり、こちらの我慢汁の分泌も順調だったので、挿入を再開。
相手の気が反れるように声をかけ、名前を呼びながら先に進める。
さっきの状態になったら、また体を固くして小さく「痛い」という。
「安心してね」「好きだよ」とか声をかけ、リラックスさせながら進める。
入口で少し自分のを上下させて、自分の我慢汁で相手の入口を潤しながら進めた。
緊張をほぐすために両手で顔をなで、キスを繰り返し、少しずつ前に進める。
彼女は痛そうな顔をしていたが、声は我慢してくれていた。
ぎゅっと手を握っているので、こちらも握り返し、キスを繰り返し、腰の方も少しずつ進めた。
気がついたら半分くらいは入っていた。「プチッ」とかいうような感覚はなかった。
目を閉じて我慢しているので「どう?」って聞いたら、「痛いけど、なんとかなりそう。」という返事。
「じゃ、もうちょっと我慢して」と言って、ゆっくりと行為を再開。
無駄な力は抜けてきたようだし、私の先端から出る我慢汁で中はかなり潤っているので、ゆっくり入れたらなんとかなりそうだった。
一人目の時はこちらも初めてで比較ができなかったが、2人目は比較ができる。
「狭いのか」と言われると確かに狭いかもしれない。でも、経験済みの娘でも同じように狭い娘もあったと思う。
とか考えながら入れていると、最後まで入ってしまった。
「入ったよ」と声をかけると目を開けて「最後まで?」って聞いてきた。「そうだよ」というと、嬉しそうにぎゅっと手を廻して抱きしめてきた。
私も抱き返してキスをしてから「密着だね」というと、嬉しそうにした。
「○○の初めてもらっちゃった。」と言ってあげると目をうるませて、「うれしい」と喜ぶ。

しばらくそのままでお話して、緊張が取れてから、ゆっくりとピストンを開始した。
「ほら、○○の中で僕のが動いてるよ。」と言ってあげると、痛さを堪えながらも嬉しそうにしていた。
相手も快感も得られるように時々胸から脇の下を片手で交互に愛撫したり、キスをしたり、耳たぶを甘噛みしながらピストンを繰り返した。
「思い切り動いて、相手が絶叫するのを見てみたい」という悪い衝動も感じたが、この娘の初体験の思い出をきれいにしてあげたいと思ったので、それはやめておいた。
やがてこちらも発射の衝動が高まってきたので「気持ちいいからこっちも逝きそうだ。」と伝えた。
残念ながら「付けてね」という返事。このまま強制的に出す事も考えたが、やはりそれは悪いので、一旦ゆっくりと抜いた。
ちょっと痛そうだったのもかわいい。
ゴムを付けて再度挿入。かなり潤った事もあり、相手の緊張もほぐれたので、さっきのような抵抗もなかった。
そっとゆっくり挿入すると、彼女も「うーん」と痛いのか感じてるのかわからないような声を出して受け入れた。
そして「動くね」と言って、腕立てでピストンを再開。さっきより激しくしたけど大丈夫そう。
彼女が「あ、あ、あ、」と声を出してきた。そして膝を締め付けてくる。感じてるのか痛いのかは不明。
さっきの生挿入ほど暖かさはないけど、それなりに狭いので挿入感も強く、こちらも気持ち良くなって来た。
かわいい高校生の初めての男になれたんだと制服感も満たされる。
彼女が気持ちいいのか腕を肩に廻して密着を求めてきた。
動きは制限されるがお互い密着の状態で、ピストンに合わせて体を揺すりあうように抱き合った。
やがて我慢の限界が来たので彼女に伝える。
「○○の中、きもちいいから、もういきそうだよ。」彼女が嬉しそうに「うん、うん。いって。」と答えてくれた。
「あ、イク!」と伝えて動きを止めてぎゅっと彼女の顔を両手でつかみ、唇を合わせた。
私は動いた状態でイクのは好きでないので、イク時は止めてじっとしている事にしている。
こうして彼女に密着しながら発射した。

すこし余韻を楽しんでから抜くと、ゴムの周囲に赤い血がついていた。
シーツの上に敷いたタオルの上にもはっきりと血がついていた。

話の続きです。

3人目は会社に入ってからの2年先輩。
元々童顔で若い男性社員から年配のおじさんまで人気のある娘だったけど、特定の彼氏はいなかったらしい。
で、ある事件で親しくなり、3ヶ月程で私が告白。
ずいぶん返事を待たされて、あきらめかけた頃になってようやくOK。
それからも進展が遅くてなかなか先に進まない。
もしやと思って酒に酔っている時にしつこく迫ると未経験を告白。
こちらとしては「おー、3人目だー。」という感激と、「あー、やばいかなー、好きでなくなった時に別れるのがめんどうそう。」という両方の思い。
ま、せっかくなのでいただかないテはないという欲望の方が強く、「大好きなので、抱けないのはとても辛い」と直球勝負。
まあそれなりに年なのでいつまでもというのも彼女にあったようで、「そんなに思ってくれるのなら」と意外とあっさりとOK。
でも、その日は無理で、「次にOKという時にね。」と予約制にされてしまった。

1週間程して「今週末なら」と予約完了。場所は彼女の一人暮らしの部屋。
会社帰りに食事をして、酒を飲んでそのまま直行。
風呂を勧められて出て来るとベッドがきれいに整えられていた。
座ってテレビを見ている内に彼女が風呂から出て来て、なんときれいなパジャマを着ていた。
テレビを消されて「お願いします」と丁寧なあいさつをされる。
二人で抱き合ってキス。そして彼女をベッドに寝かせてパジャマのボタンを開くと白いフリル付のかわいいブラまで付けていた。
「電気消して」と言われたので、ちょっと残念だったけど消して行為を続行。
背中に手を回してブラを外して上に上げると、彼女が手を上げて協力。肩から外して横に置く。
薄明かりに浮かぶ白いきれいな胸を手で包み、やさしく揉みあげて先端に唇をつける。「あっ」と声をあげる彼女。
しばらく楽しんだ後パジャマのズボンに手を掛けると、ちょっと緊張した様子。
「見せてね」というと腰を浮かしてくれたのでズボンをおろす。
ブラとおそろいのパンティーが現れる。
それも手を掛けると、ちょっと考えた後腰を上げてくれたので、引き下ろす。
全部足から外さないで足首に掛けた所で止めておく。
意外に毛が多いような感じだったが、おそらく今日のためだろう、きれいに刈りそろえて、谷間から下の部分はすべて剃っていた。
そっと指を這わせると、それなりに潤んでいるような感じがした。
膝を開いて横から頭を滑り込ませると、かすかに石鹸の匂いがした。
下から回した両手を入れて指で谷間を開く。
薄明かりで良く見えないが白い肌の中でそこだけはピンク色が鮮やかだった。
ふと思い立って起き上がり有無を言わさずに電気のヒモを引く。
「きゃっ」と彼女が顔を手で隠すが、あそこは丸見えだ。
もう一度谷間を開いて見るとやはりきれいなピンク色で、最近付き合った女にはなく、とても新鮮だった。
前の時とは違い、小さい穴ではなくて、穴の入口に声門のようにうすい皮が両側にある感じだった。
「電気消して」と言われたので、それであきらめて電気を消した。
パンティーを足から外すと体制を立て直し、彼女の膝の間に体を入れた。
「本当に初めてなんだね。」というと「うん、なんとなく。つい。ね。」と恥ずかしそう。
「○○(私の名)だったらいいと思ったから。」と言われて悪い気はしない。
「じゃ、いくね。」とあてがおうとしたら「付けないの?」と聞くので、「やっぱ付けないとだめかな?」と聞いてみる。
「うーん」と迷っているので、もうひと押し。
「せっかく○○(彼女の名)に初めていれるんだから、直接感じたいな。」と言って見る。
「あ、の、」と少し迷ってから「どうしてもというなら。でも出さないでね。」とOKしてもらう。
「ありがとう、緊張しなくていいからね。」そういってできるだけさりげない感じで照準を合わせて、彼女の上に体を合わせる。
「好きだよ」と言って力が抜けた隙に、先をちょこっと入れて見る。
「ん!」とちょっと痛そうにしているけど、我慢してる様子。
「大丈夫だよ、愛してる。」と言いながら、先端を埋め込んだ。
当然皆さんが期待してるような「プチッ」というような抵抗はない。
そのままの表現だが、きつい肉の割れ目に自分の肉棒を押し込んでいく感じ。
自分の先端が埋まったぐらいで、彼女がぐっと歯を食いしばり体を固くして力んでいる。
「んー!」と長いうめき声を上げた。
「痛い?」って聞くと「我慢するから、大丈夫。」と返事してくれた。
先端を微妙に揺らしながら、彼女と私の我慢汁をうまく使って、抵抗をゆるめながら挿入する感じだった。
彼女があまり声を出さずに我慢している。息を止めているように思った。
「少しずつ入っているよ。気持ちいいよ。○○の中。うれしいよ。」とか声をかけながら入れていった。
だんだん彼女の力が緩んでいるようだったので、勇気を出して挿入を続けた。
結局、最初の一瞬がかなり痛がっただけで、あとはそれほどでもなく、ものの2?3分で奥まで入れた。
こちらも息を止めながら入れる感じになっていたので、二人でその状態で抱き合って休んだ。
ようやく彼女がリラックスしてきたようなので、その状態で感想を聞いてみたら、
「最初は痛かったけど、今はそれほどでもない。」との事。
「今はどんな感じ?」って聞いてみると「おなかの中に何か別のモノが入ってる。」というそのまま(?)の感想だった。
「動くね。」と声をかけてゆっくりとピストン開始。
ちょっと顔をしかめているが、我慢はできそう。というよりも、動きに合わせて「う、う、うん」と我慢なのか感じてるのか微妙な反応。
上半身を上げて股間の密着だけにして、ゆっくりだがストロークを長くして見ると「ぐちゃ、ぐちゃ」という音。
見下ろしてみると、あきらかに赤い血がペニスについているのが薄明かりでもわかる。鉄分のような匂いもしている。
生理中のセックスの経験も何度もなったので、これ自体は別にイヤではないが。
彼女の中がきついのと、お互いの我慢汁と彼女の出血が重なって、独特の粘っこい感触で、限界がやってきた。
「もうだめだよ。イキそう。」と伝えると、意外な事に彼女の方から「イッテ!」の一言。
思わず「えっ?」と動きながら聞き返すと「いいよ。○○(私の名)イッテ!」と起き上がって抱きついてくる。
OKならば迷う事はないので、私は自分を彼女の中にグッと自分を押し込むと、彼女の上から彼女を抱え込むように密着して快感を解放した。
『ビクビクビク』と彼女中で自分のが快感で震えるのを感じた。彼女の中に初めての男の精液が流し込まれる感動を覚えながら。

そのまま息が収まるのを待ってから、見つめ合ってお互いの顔にキスの雨を降らせた。
そのまま私を見ながら「○○大好き」と言ってくれた。
「僕も。愛してるよ。」と返した。キザな言葉も恥ずかしくなかった。
「一杯愛してね」というので「うん」と答えた。
「どうだった?」って聞くと「最初の一瞬がすごく痛かったけど、その後はそれほどでもなかったよ。」という。
「自分で指とか入れてたでしょ。」というと、ちょっと目をそらせて「うふふ。まあ。先の方だけね。」と恥ずかしそうにした。
そのまま抱き合ってしゃべっていると、少し柔らかくなっていた私が回復してきた。
「大きくなってきた」と入れたまんまのものを軽く動かして見せた。
彼女が「あ、ん。」と、感じたような反応だったので、その仕草が可愛くて、そのままピストンを大きくしてみた。
「ん! ん!」と声を我慢しているので「我慢しなくていいよ。声出していいよ。」と言ってあげた。
すると声を出す恥ずかしさがなくなったのか「あー! あー!」とすごい声を出すようになった。
初めて聞く彼女のかわいいヨガリ声にさらに欲情した私は、なんだかサディスティックな感情が芽生えていままでになく激しく動いた。
「あー!あー!」と感じてるのか我慢してるのか、微妙なバランスの声で反応していた。
上半身を起こし、腰の動きを自由にすると、先端から奥までの長いストロークで、力を込めてズンズンと突いた。
彼女の顔が痛そうな顔で歪んでいるけど「やめて」とは言わなかった。
私の動きに合わせて、彼女の小さめの胸がたわみ、先端のピンクの乳首が上下に揺れていた。
彼女が自分の両腕を顔の横にバンザイして、ぎゅっと指を握っていた。
その指を強引に開き、自分の指を絡めて、手のひらを合わせるようにして押さえつけた。
肘と膝で体重を支えて体全体で抜き差しをするようにして、狭い肉の間を出入りする自分の快感を楽しんだ。
もうありとあらゆる液体と粘液で汚れている二人の股間から、グチャグチャとすさまじい音が出ていた。
やがて体力と快感が限界になり、彼女に絡ませている指にぎゅっと力を込めて、腰を彼女の胎内にぐっと押し込むと、自分の律動に集中した。
あそこが何度もビクビクビクと震えて、再び彼女の中に精液を放出。
全身から汗が吹き出し、ぐったりと彼女にもたれかかった。

彼女の中でモノが小さくなってから抜いて見た。
電気をつけるとペニスからはピンクの糸が引き、
彼女の股間から尻に流れた液体は、ベッドに敷かれたバスタオルの上で、透明と白とピンクの混ざった複雑な模様となっていた。
今まで経験した3人の処女の中では一番出血が多かった。
あとで判ったが、実は彼女は生理直前で、万が一を考えて、その直前でOKしてくれたのだった。
一旦風呂に入ってきれいにしてから、その晩は朝まで何度もまったりと愛し合った。
いろんなテクニック的な事も教えて覚えてもらった。
5度目に挿入する頃には外が明るくなりかけていたが、夜明けの明かりの中で騎乗位で揺れる彼女の裸体は本当にきれいだった。
その挿入が深かったためか、また痛そうにしていたが、途中で血の匂いがするので、結合を見たらまた出血していた。
それがまたかなり出血するので二人でびっくりしたが、初めてのセックスで衝撃が大きかったのか、彼女の生理が始まったのだった。
「と言う事は、やっぱりゴムの必要はなかったね」と、その日は昼過ぎに「もう無理」という所までやりまくった。
女と言うのは怖いもので、それまで経験のなかった反動なのか、彼女の方が積極的に求めてきた。
多少痛かったのだろうが、それまで我慢していた分、興味も大きかったのか、貪欲になっていたようだ。
結局そのまま2年程付き合って、彼女の方が「他の男も経験したい」という理由で、私の転勤を機に別れてしまいました。

Color

俺の通っている高校は、周りの人から「オタク高校」といわれていた。
それは単なる「口コミ」なのだが、子供がこの高校入りたい!というと、親はきまって
「あそこはちょっとおかしいからやめなさい。」や
「あんなオタク高校には入っちゃだめだよ。」の様に必ず否定する。
だから年々入学者数は減っていって、俺が高校1年生の時は1クラスしかなくて、しかも生徒が18人しかいなかった。ちなみに2年は14人、3年生は15人なので、俺らの代は比較的多いほうだった。
18人と言っても、9人9人で男女分かれている訳ではない。男子14人、女子4人で圧倒的男子のほうが多かった。でも唯一の女子4人はこれっぽっちも可愛くなくて、彼女すらセックスもしたくない程度の顔だった。

この学校に入ったことだけあって、俺、井上 夏も結構なオタクだった。オタクと言っても鉄道オタクやアニメオタク、いろいろな種類があるが俺はパソコンオタクだった。パソコンを分解できるほどの知能もあるし、インターネットだってほぼ毎日見ていた。もちろんブラインドタッチもできる。
とにかくこの学校はオタクが集まる高校、だから「オタク高校」と言われていた。

運動会もかなりグダグダに終わって秋に入った。
秋に入ったとことで大きなイベントが行われるわけでもなく、文化祭だってこの高校にはなかった。
しかし10月26日、俺の、いやこのクラスの転機が訪れる。この日はいつまでたっても覚えている。

いつも通りやる気のない朝のHRHが始まろうとして先生が教室に入ってきた。
「おいうるさいぞー!」その声で教室内の話声は消えた。
「えー、今日は大事なお知らせがある。この学校に新しく入るクラスメイトがいる。」瞬間、クラスメイトが声を上げた。
「マジかよ!!!」
「うそだろっ!?」
先生が再び注意を促して、
「今はまだ校長先生と話しているから、そうだな、9時くらいにこの教室に来るだろう。」
するとクラス一お調子者の隆貴が先生に質問をした。
「先生っ!女子ですか!?」
「男子ですか?」を言わなかったため、皆笑いあった。
「まったく隆貴はそういうことしか考えられないのか…。まぁ隆貴の言っている通り女子だ。」
「おっしゃぁぁぁ!!!きたーー!!」雄叫びとも思える大声が教室内を響かせた。
それから朝のHRHは普通に、でもちょっと意外な内容で終わった。

1時間目は歴史だった。ちなみにクラスの中には歴史オタクが2人いた。歴史は担任の授業で、そこまでふざけて受ける生徒もいなかった。
すると教室のドアがガラッと空いた。
「あっ来た来た。こちらが今日からこの学校に転校してきた朝野 紗希さんだ。じゃあ自己紹介してくれるかな。」
彼女はすこし恥ずかしいのか、顔を赤らめながら自己紹介した。
「えっと、親の関係でこの学校に転校してきました朝野 紗希と言います。みんなと仲良くなりたいので、いっぱい話しかけてくれると嬉しいです。よろしくお願いします。」
礼をした彼女にクラスから拍手が送られた。
しかし歓声がなかった。お調子者の隆貴から誰ひとり口をあけることはなかった。
その理由は―――――可愛いから。彼女が可愛いから皆少し見とれていた。もちろん、セックスも、彼女にもしたい子だった。
「朝野の席は井上の隣だ。ほら、あいつが井上。」
一瞬何を言われているか分からなかった。その意味を理解するのに時間がかかった。そして心の中ではものすごくドキドキしていた。フル勃起状態だった。このときだけは仕方ないんじゃないか。
朝野は席に座る前、俺に、
「よろしくお願いします。」と軽く会釈をしてから座った。
「好きです!」と今すぐ言ってしまいたかったが、早すぎると自分でツッコミを入れた。いくらなんでも某マンガの転校生にはなりたくなかった。

1時間目が終わって休み時間になると俺の周りに人が集まった。いや、正確に言うと「俺の近くにいる朝野の周りに人が集まった」だ。
「朝野さんはどこに住んでたの?」「北海道のほうだよ。」
「朝野はなんでこの学校に来たの?」「親の仕事場が移転しちゃって。」
「なんて呼んだらいい?」「んー朝野でも紗希でも…なんでもいいよ(笑)。」
最初から気に入られようとする奴もいたし、唯一の女子4人組も朝野と仲良くなりたいようだった。
するとお調子者の隆貴、時に空気をブチ壊す男がこう聞いた。
「朝野さんは何オタク?」
「えっオタク?オタクってなに?」
この瞬間、皆の顔から笑顔は消えて、驚いた顔に変っていた。朝野は自分が何をしたか分からないで、
「えっ?私、変なこと聞いちゃった?」と焦っていた。
ここでチャイムが鳴ってしまった。朝野を取り囲んでいた連中はぞろぞろと自分の席に戻った。

「さっきのオタクって何のことなの?」
授業中、朝野は小声で俺に聞いてきた。なんていうか迷ったが、俺は適当な知識を拾い集めて、
「んー、何かに熱中してることかな。例えば鉄道に熱中していたら鉄道オタク、アニメが好きでそれに熱中してるやつはアニメオタク、みたいにオタクにはいろんな種類があるの。朝野さん知らないと思うけど、この高校はオタクばっかりが集まってる高校なの。ちょっと変わってる、っていうか結構変わっている。」
ちょっと適当すぎたか、朝野はまだよくわかっていない様子だった。でも朝野は気を利かしてくれて、
「いの…えっと」
「井上ね。井上 夏。」
「あっごめん。で、井上君は何オタクなの?」
「俺はパソコンかな。パソコンいじるのとか、とにかくパソコンなら結構知ってるって感じ。あと井上でいいよ。」
「へぇ?パソコンかぁ?。お父さんがいじってるのは見たことあるけど、私はあんまり知らないな?。井上だとちょっと抵抗あるから、井上君にさせて。井上君は朝野でいいよ。」
朝野だと抵抗あるから…、と言ってしまうと埒が明かないので、承諾することにした。
「でもここの高校、そうだったんだ?。全然知らなかった。でもちょっと面白そうだな?。」
「このクラスの女子もオタクだよ。全員アイドルオタク。あっ、アイドルって言っても男のほうね。」
「へぇ?!私あんまりテレビとか見ないけど、このクラスになじみたいから今日から見よっかな(笑)。」
個人的には唯一クラスの可愛い女子がオタクにはなってほしくなかった。が、それを否定するわけにもいかず、
「テレビは飽きないからね(笑)。」と、朝野の話に合わせた。

朝野が来てから1カ月たった。
もうすっかり朝野はクラスになじんでいたが、オタクにはなっていなかった。周りの奴も朝野をオタクにしようとする奴はいなかったし、仲良くするのに夢中だった。そういう意味では俺らのクラスは仲が良かったのかもしれない。
俺と朝野もたぶんクラスメイトの中でも結構仲が良かった。授業中はよく話すし、たまに休み時間でも話したりしていた。ただ話している内容は決まってパソコン関係の話だった。
「私、昨日インターネットやったよ!」
「パソコンのキーボードって難しいね^^;」
「パソコンってゲームもできるんだ!初めて知った!」
話している内容は変わっていたが、それでも朝野との距離は1歩ずつ近づいていった。
時には俺が遅刻して遅れて学校に歩いて行ったら、偶然朝野に会ったこともあった。お互い走って競争した。意外にも朝野は足が速かった。

しかし今までうまくいっていた分、残念な出来事があった。
それは普通の学校ならなにより楽しみな、2chなら「wktk」が大量発生するであろう、「席替え」だった。
朝野と席が遠くなり、話す回数も日に日に減っていった。隣だった時は毎日話していたが、今ではもう他人の様に話さなくなってしまった。

しかし仲が良くなるイベントもないまま、俺たちは2年生になった。
が、この年最悪な事態が起こった。入学式が行われなかったのだ。そう、1年生が誰1人入学しなかった。
クラスの中では、
「このままじゃこの学校ヤバいんじゃないの!?」
「学校終了フラグ?」
言いたいこと言いあっていた。
するとある日の朝、校長が全生徒の前に立ち、こういった。
「えー、この年は1年生が1人も入学してこなかった。教師一同、非常に残念に思っている。1年生が誰も入ってこなかったので、今の2年生が卒業した時点で廃校が決定した。」
多少考えていたことだが、いざ現実を前にすると少し悲しくなってきた。生徒たちは衝撃すぎて口を開くものはいなかった。
「しかし廃校するまではこの学校はあり続ける。だから3年生、2年生は最後まで頑張ってほしい。」

今日言われたことが頭に残っていて、授業中は上の空だった。
廃校…か。俺らが卒業したらもうこの学校はなくなるんだな…。
その思いが一粒の雫となって目からノートにこぼれた。誰にもばれたくなかったから顔を伏せた。

休み時間、クラスメイトは集まって話していた。
「俺らが最後の代か?。なんか実感ないな?。」
「これからどうするんだろ。」
皆思ってることは違うが、寂しい、ということは同じだろう。窓の向こうは雨が降り始めていた。

この日から俺たちは何事にも一生懸命に取り組んでいた。朝のHRHも静かにしていたし、授業中も真剣に受けていた。確実にこのクラスはいい方向に進んでいった。オタクを除いては。
そして奇跡的に俺は朝野の家に行くことになる。

その日は朝野が学校を休んでいた。休んだ理由はただの風邪、と先生が言っていた。で、小学校の時よくあったが休んだ人の家に行ってプリントを届ける、がうちの高校では行われていた。でも、よほど大事なプリントじゃなければやらない。この日は健康診断に関するプリントで結構重要だった。
「このプリントは重要だから朝野の家に届けてもらいたいんだが…誰かやってくれる人はいるか?」
いくらなんでも、積極的にそこまでする人はいなかった。というか空気的に手を挙げずらかった。
「いないか?。じゃあ先生が勝手に決めるぞ。今日は2日だから出席番号2番に頼んだ。」
2番か?。…俺じゃん!!!
このときはドキドキした、っていうかびっくりした。

帰り道、先生から朝野の家を教えてもらい迷いながらも家に着いた。
……でかいな。
稀に見る豪邸だった。いや、ただ俺の家が小さいだけか?
緊張しながら家のインターホンを鳴らした。数秒たって返答があった。
「はい。」声からして母親だった。
「あっ、同じクラスの井上と言います。えっと、プリントを届けに来ました。」
「わざわざありがとう?。ちょっと待っててね。」
よかった。優しそうな親だ。
ドアが開いて、朝野の母さんが出てきた。
「今、紗希が起きてるから上がってかない?」
「ほえっ?」つい、気の抜けた声が出てしまった。
それは、つまり、俺が、朝野の、家に、上がる、って事ですか?
「ほら、ここまで来さして何か悪いじゃない。ねっ?」
「あっ、じゃあおじゃまします。」俺は奇跡的に朝野の家にあがった。

「わざわざありがとう。」
朝野がマスクをした口で俺に言った。風邪がうつらないように、と距離をあけるのは残念だったがまぁ仕方ない。
「いやいや、全然いいよ。風邪大丈夫?」
言って気がついた。風邪をひいてるってことは大丈夫じゃない、ってことだ。
「大丈夫じゃないけど、大丈夫(笑)。」
「なんだそりゃ(笑)。」
笑い声が朝野の部屋に響いた。
「そういえばさ、私パソコン壊れちゃったんだよね。」
「え?なんで?」
「なんか、電源がつかないの。」
百聞は一見に如かず、という事で例のパソコンを見せてもらった。確かに電源ボタンを押してもつかない。しかし俺も一回こうなったことはある。
「それたぶん、保護回路が働いてるんだよ。」
「保護回路?」
俺は昔やった手順で朝野のパソコンをいじった。数分たってパソコンの電源ボタンを押すと見事に電源がついた。
「えぇ?すごい!!井上君頭いいんだね!」
軽く褒められてテンションが上がった。
「まぁパソコンだけだからね。」
すると朝野が急に咳をし始めた。
「あっ俺そろそろ帰るね。がんばって直してね。お大事に。」
そう言って朝野の家を出た。

それからといったものの、朝野は風邪を治して学校に来たが、相変わらず俺と話す、ということは少なかった。しかし1回だけ大笑いしたことがあった。

朝野が俺に突然聞いてきた。
「ねぇ、オーズって何?」
オーズ?こっちが聞きたい。
「昨日ね、インターネットで動画見てたらコメントにオーズって。なんだろ?わかんない?」
オーズ…。もしかしてあれのことか?
「それorzのこと?」
「あっそうそう、それ。意味わかるの!?」
「それ人間が床に落ち込んでる時の顔文字っていうのかな?とにかく、落ち込んでいる人を表してるの?」
それでも朝野はまだ分からないようなので、俺は自分の体を使って説明した。
「ほら、ここがoで、ここがr、ここがz、ね?」
「あっほんとだ?!すごい!おもしろい!!」
俺もorzを中2で見た時何が何だか分からなかった。でも、話したのはそういうパソコン、ネット関係のことだけだったorz。

冬に雪が降った。クラスでは校庭に出て雪合戦をした。制服が思いっきり濡れて、教室がびしょびしょになって先生に全員で怒られた。でも、それも数少ない思い出のうちの1つだった。
超巨大雪だるまを作ったこともあった。全長2メートル、横幅2メートル。サイズを間違えてかなり不恰好になったが、逆にそこが愛着がわいた。

クラスもまとまりつつ3年生になった。この1年後にはもう学校がない、その事もだんだん現実味がでてきた。
一応この学校は学校らしいこともしている。その中に学級委員を決める、というのが1つだ。男女1人ずつで、仕事の内容は誰も知らない、というか誰も聞いたことがない。なぜなら担任の先生が「あれやれこれやれ」言うので年ごとにやることが違うのだ。
今年の学級委員に俺は立候補するつもりだった。なぜならこの学校の最後を最高な形で迎えられるように、自分で進んで取り組みたいからだ。今までこんな仕事をしたことがないから失敗はあると思うが、やっぱり悔いは残したくなかった。

「じゃあ今日は学級委員を決める。男子でやりたい奴はいるか?」
ハイ。迷わず手を挙げた。その瞬間、クラスから歓声が漏れた。
「おぉ?まじか井上!」
「夏マジかよ!!!」多少照れた。
俺のほかに手を挙げてる人はいなかった。ということは信任投票で過半数を取れば学級委員になることになる。
「男子は井上だけか。じゃあ女子でやりたい奴はいるか?」
すると朝野が手を挙げた。やはり歓声があがった。
「おぉ朝野さんスゲー!!」
「紗希ガンバレーー!!」
俺は朝野とやりたいと思っていたが、ほんとにやるとなるとちょっと緊張してしまう。今まで朝野と話してなかった分、ドキドキ感が一層増した。

「学級委員って意外に簡単だね(笑)。」
朝野が俺に言う。
「まぁ仕事があんまりないからね。」
学級委員になって2カ月たち、6月になった。
信任投票で二人とも過半数を変えて学級委員となった。が、学級委員らしい仕事はまだやっていなかった。
「井上君さ、何で学級委員になったの?」
いきなり聞かれた質問は少し悩んだ。
「この学校、これで最後じゃん?で、下手におわらしたくないわけよ。やっぱりこのクラスで最高な形で卒業して、大人になって学校は残ってないけど思い出に残るような高校生活にしたいから…そんな理由じゃだめかな?」
きれいごとっぽい言い草だが、本当に思っていることだ。
「ううん!いいと思う!っていうか、私も同じような理由で学級委員になったの。私、実は転校する前はいじめられてたの。」
突然のカミングアウトにどう反応していいか困る。
「いじめられてた、っていうか無視されてた、っていうか。でもこの学校は私を受け入れてくれて、オタクっていうちょっと変わってるけどでも一緒にいて楽しかった。私ね、またこの高校卒業したら引っ越さなきゃいけないんだ。」
「えっ!?引っ越し?」
「うん。北海道。でっかいどうで有名の。」
でっかいどうで有名ではないな、うん。
「だから、最後はやっぱり良い形で終わらせたいから。」
引っ越し、と聞いてすごく驚いた。じゃあ同じ大学に上がることもできないし、ましてや付き合うって事もできないのか…。現実はそんなにうまくいかないのか…。
「がんばろうな。」
「えっ?」
「だから、せっかく学級委員になったからにはがんばろうぜ!」
やばい、かっこつけて変なこと言っちまった。今すぐに訂正したかったが、朝野は、
「うん!がんばろう!」
と笑顔で答えた。

運動会も19人じゃやれることは少なかった。文化祭も行われなかった。
でも、それでも、やっていけることは全力で取り組んだ。
気づけば最後の月、3月に入っていった。
そしてある日、学級委員二人で集まって、話し合った。
「ねぇ、最後の思い出作りになんか大きいことやろうよ!」
朝野が俺に提案してきた。
「大きいこと?」
「そう。なんか、ほらタイムカプセルとか…あっ、でもタイムカプセルはだめか。学校壊されちゃうんだっけ。う?ん、そうだなぁ…」
考えて考えて、何分くらい経っただろう。朝野が口を開いた。
「そうだ!学校壊される、それを逆手に取ればいいんじゃない!?」
言っている意味がよくわからなかった。
「どういう意味?」
「だから、校舎とかに何かしても壊されるんでしょ?だからなんでもしていい、ってことじゃない?」
俺からすればそれは名案だった。
「なるほど!」
「だったら皆で校舎に色塗っちゃう!?」
校舎に色を塗る、一見バカげた考えだったが、俺らからすればそれは大真面目だった。
「でもそれさ、校長先生とか言わなければいけないんじゃない?」

「お願いします!最後の思い出作りなんです!」
二人で校長先生がいるところに行って、直々頼んだ。
「いい案だね。学校は君たちが卒業して1週間ちょっとで壊れることになってる。だから別にいいよ。」
「やったーー!!」
あっさりお許しが出て驚いたが、素直に喜んだ。
「でも、」
まだ校長先生の話には続きがあった。
「楽しくやるんだよ。」

ついに校舎に色を塗る日になった。クラスメイトは前々から絵具などを用意していた。赤、黄、緑、青、黒、さまざまな色があった。
生徒たちは思いっきり校舎に色を付けて、文字も書いて、教室内にも塗ったりした。そして、でっかく「今までありがとう」と書いた。
数時間かけて塗った校舎はカラフルに仕上がっていた。

次の日、卒業式が行われた。クラス全員泣いていた。鉄道オタクも、アニメオタクも。もちろんパソコンオタクの俺も。朝野も。
1週間後には俺たちの塗った校舎が壊されるんだ。そう思うと自然に涙があふれてきた。
卒業証書をもらって、教室で最後のHRHを行って、卒業となった。
しかし結局、俺は朝野に何も言えず終いだった。

もう一回だけ教室見ときたいな、そう思ってカラフルな教室に戻った。
ドアを開けたら朝野が窓から顔を出していた。しかし、俺が入ったことに気がついて振り返る。
「何してんの?」俺は朝野に聞いた。
「もう一回教室を見ようかな、と思って。」
あっ、俺と同じだ。
「なんかさ?あっけなかったね。」
「うん。」
確かに思ったよりあっけなかった。
「でもさ、やりたいことやったからいいよね!やっぱりやりたいことはやんないと。」
その言葉は俺にぐさっと刺さった。
―――やっぱり、告白したい。告白しないで後悔するのなんて嫌だ!
俺の心は静かに燃えた。
「あのさ、朝野。」
「なに?」
「えっとさ朝野、北海道いついくの?」
好きです、の4文字が言えない。
「明後日。」
「マジ!?」
ちょっと驚いた。でも今は告白のほうに集中していた。
「でもさ?北海道って寒いイメージがあるからちょっと不安だな?。私さ、さむが…」
「朝野!」
もうここしかない。これでいわなかったら後悔する――――。
「俺、朝野のこと好きだ!北海道行っちゃっても俺好きだ!」
「えっ…。」
「転校した時からずっと好きだった!」
ついに言った。2年間ずっと言えなかった思いを。
「…私も好きだよ。」
下を向いて顔を赤らめながら言った朝野の言葉はしっかりと俺の耳に届いた。
「もう会えなくなるけど…ずっと好き。」
「お、俺もだよ!」
俺は思うがままに朝野の手を握った。朝野は抵抗しなかった。むしろ、握り返してきた。
「俺、絶対朝野のこと忘れないから!」
「私も忘れないよ…。」
朝野は泣いた。数秒後、つられて俺も泣いた。
瞬間、抱き合った。
「今までありがとう…。」

そして朝野は北海道に旅立った。やがて彩られた校舎は壊された。
俺はなぜか泣かなかった。しかも心が清々しかった。

今までで興奮した変態的な行為を告白するターイム!

ちょっとスレ違いなんですけど

会社の飲み会で酔っ払ってきたところで「今までで興奮した変態的な行為を告白するターイム!」ってなった
みんな本当かどうか怪しい話を披露した後に女性の先輩の話が興奮した
なのでカキコミします
以下先輩の女性の口調にて

大学の時に部活で空手部だったの。高校の時に空手部だったから大学に入っても空手部入ったんだけど女性の先輩が卒業して以来、後輩の女の子が入ってこなかったから、女は私一人だったの。
変に女扱いされないのに気を使ってもらってたから居心地は悪くなかったので、4年の時の部の合宿でちょっとしたことがあったんだよね。
私は当時タバコを吸ってたんだけど、部内は禁煙だったから隠れてタバコ吸ってたの。
合宿中はタバコが吸えないのがきつかったからタバコを吸う秘密の場所を見つけて吸ってたんだけど、その時、男の子の部屋から話し声が聞こえてきたの。
「まじで?」「まじだよ」
何の話かと思ったら「女湯丸見えなんだよ」

私は、「げ・・・覗かれてたの?なんか気まずいんだけど・・・」って思ってたんだけど
「先輩の裸で昨晩3回抜けたよ」「オレも見たい!」みたいな話が聞こえてきた。
「この合宿で見れなかったら先輩の裸を見れないのか。絶対見たい!」っていう話を聞いたらチョット変な気分になってきて見せてあげてもいいかなと思ったのよ。
お風呂場に行って、さっき後輩の男の子達が話していた場所を見ると確かに覗けそうな植え込みがある。
植え込みの下にはスペースがあってここから覗かれたのかと確認した。

午後の練習終わった後は軽くシャワーを浴びて、ご飯を食べた後に夜の練習なんだけど
「私がその気になればこの人達全員に私の裸を見られる」と思ったら興奮したきた
結局早めに練習を切り上げ、お風呂に行くことをさりげなくみんなに言って、お風呂場に向かった。
お風呂に向かう途中でタバコを吸う秘密の場所に立ち寄ると、「おし、みんな同罪だぞ。みんなで行くぞ」って話してた。
「ああ、これからストリップか・・・」思いながら脱衣所に到着。
合宿所のお風呂は内湯の他に簡単な露天風呂があって、そこが覗かれるスポット内湯で身体を洗い、いよいよ露天に向かった。

「げっ、こっちからみんなの顔が丸見えなんだけど・・・」って感じで顔が並んでいるのが見えた。
場所がわかってなければ気がつかないんだけど。
タオルで前を隠すのは不自然かと思ったけど、いきなり全開にするのは出来なくて胸だけをタオルで隠して露天へ出た。
足がガクガクして湯船に入るのに一苦労。
湯船の淵の岩のところでバランスを取るのに止まった時に、足を開くことを思いつき、みんなの顔の方向に向けて足を開き、手のタオルも外した。
頭が真っ白になりつつも普通じゃないことをやってる自覚があり、慌てて御湯に浸かった。

とりあえずどういう顔をしていいかわからず、イヤラシイ顔だったら嫌だったんで背中を向けて浸かった。
「とんでもないことをやってる」という気持と「こっちは被害者ってことになってるんだから、もっと見られたい」って気持が入り乱れた

しばらく浸かった後岩の上に座り、みんなにお尻を見せた
この流れだと、このまま背を向けたまま内湯に戻っておしまいになるところだったんだけど、見られたい気持が強くなってきた。
私は、振り向いて湯船をまたぎ、みんながいる植え込みの前でもう一度背を向けた。
今考えると超不自然なんだけど、そこでストレッチを始めた。
伸脚をした後、全後屈、その後足幅を広げて肩を入れるストレッチをした。
最後の肩入れのストレッチでは超至近距離で女性器とお尻の穴を見せたと思う。
さすがにやりすぎだと思った瞬間、また足が震えてきたので内湯に戻った。

明日を見つめて 1.告白

ある一人の男とその半生にかかわった人たちの実話を
ベースに構成した物語です。
登場する人物が特定できないように、複数の人格が
一人の人物として集約されたり、一人の人格を複数の
人物として登場させたりしています。
大筋を変えることななく、出来事の背景は脚色してあります。
かなり長くなりそうなので、読んだ方の反応、コメントを
見ながら続編をアップするかどうかを判断させて頂きます。
(筆力のなさは、ご容赦ください)
****************************************************

高校の卒業式。式典も終わり、一同は、教室に戻った。
級友たちは最後の時間を惜しみ、それぞれに3年間を懐かしく
振り返っておしゃべりをしていた。
喧噪の中、感慨深く見守っている生徒の保護者たち。
生徒たちそれぞれには、担任の先生から今後への『はなむけ』の
言葉が伝えられ、ひとしきり感傷に浸った後、保護者たちは先に
校舎を去り、生徒たちはそれぞれに仲の良かったグループ毎に
帰途につこうとしていた。

佐藤浩平も悪友たち3人と駐輪場の方へ向かいながら、これから
どうするかを話し合っていた。
この時代、大学入試はセンター試験どころか、共通一次もまだ
行われていない。多くの私大の一般入試は、ほぼ2月に集中し、
国公立大の入試が3月に行われていた。浩平も含め、ここにいる
級友たちは、全員がそれぞれに志望していた私大に合格を勝ち
取っていた。

「さあて、どうすっかね。まっすぐ帰ってもしょうがねえし」

「久しぶりに4人揃ったし、ここは麻雀だろ」

「だな。それぞれ進学する大学も場所もバラバラだし、
 集まって麻雀ってのも、夏休みで帰省したときくらいに
 なっちゃうしな」

「じゃあ、とりあえず一旦帰って、浩平ん家に集合でいいな」

「ああ。じゃあ何か食い物と飲み物でも持ってきてくれや」

「ほいよ。かかった金はいつも通り勝ったもん払いってことで」

それぞれが家路につき、佐藤浩平も自転車のペダルに足を
かけた時、後ろから呼びとめられた。

「佐藤さん!!」

「んっ?」

振り返ると、女生徒ふたりが浩平の方に向かって歩いてくる。
ひとりは背が高く、すらりとした子で、まっすぐに浩平を見つめ、
隣の子の背中を軽く押している。良家のお嬢様という雰囲気が
あり、品のいい顔だちをしている。
もうひとりの子は、恥ずかしそうに友達に背中を押されながら、
たどたどしく、なんとか歩いているという感じである。
背格好はまあ平均的な女子高生。ちょっとだけスレンダーか。
伏し目がちの顔からでも、整った顔立ち、可愛さが際立っていた。

浩平は、自転車から降りて、女の子たちの方に向きなおった。
背が高い方の子が声を掛けてきた。
「はじめまして・・・ですよね。
 知らない私たちから突然呼びとめられて、驚きますよね。
 ごめんなさい。
 さあ、晴香、ちゃんと自分から言わなきゃ」
浩平は、この期に及んでも状況が呑み込めていない。
「?」
晴香と呼ばれた子は、頬を赤く染め、少し震える声で何とか
話し始めた。

「あの、あの。佐藤さんの、その、第二ボタンを下さい!」

「え!?」

背の高い子が、見かねて助け舟を出す。

「この子、斎藤晴香って言いますけど、ずっと佐藤さんのことが
 好きで。
 何度も『告白すれば?』って言ったんですけど、結局、何も
 言いだせずに今日まで・・・。
 それで、最後の日だからって私が無理に連れて来たんです。
 様子を窺ってたら・・・。あ、勝手にごめんなさい。
 誰にもボタンを取られていなかったんで、せめて思い出に
 貰っておけって焚きつけたんです」

「はぁ・・・」

「あっ、失礼しました。私の名前は」

「えっと、北島彩さん。・・・ですよね!? 確か、B組の委員長」

彩は驚いた。
「えっ、私たちのこと、ご存じだったんですか!?」

「正直に言うと、よくは知らないんだけど。
 3日ほど前にうちの、C組の立花先生の家に泊りがけで遊びに
 行ってね。ほらあの先生、カメラが趣味なんで、校内の生徒たち
 のスナップを大量にスクラップしているんだよね。
 で、出してくれた酒を飲みながら写真を見せてもらって、同学年
 の女子のことをいろいろと聞かされて・・・。
 その時に、北島さんの写真もあったし、どれも斎藤さん・・・だった
 よね?二人で一緒に写っていたから」

「そうだったんですか・・・」

「まあ、北島さんは委員長だったこともあって、以前から名前と
 顔だけは知っていて、・・・斎藤さんのことは、それまでは知ら
 なかったけど。
 そしたら、立花先生が、『校内男子の一番人気の子だ』って。
 ごめんね。俺はそういうこと全く疎かったんで、斎藤さんだけ
 じゃなく、校内の女子って、同じ中学校から来ていた子以外は、
 誰が誰なのか全然知らなくて。
 うちのC組は3年間、男子だけのクラスだったからなおさら・・・。
 でもね、立花先生から聞いた評判と、写真を見て、確かに
 飛びぬけてきれいな斎藤さんのことが気になったんで、
 情報通のクラスの奴に確かめてみたら、『知らないのお前
 くらいじゃないの? 俺もひそかに憧れてたし』って。
 今日まで話す機会も持てなったは残念だったね」

晴香が、残念そうに聞いてきた。
「うちの女子に興味がないのは、他の高校に彼女さんがいる
 からですか? だから・・・」

「いや、勘違いしないでね。うちの女子や他校の女子もなにも、
 俺、まるっきりもてないんで・・・。
 それなりに片想いもあったけど、一方的なものだったし。
 恥ずかしいけど、これまで付き合った女の子のひとりも
 いなかったから。
 男友達とわいわい騒いでいるだけで充分が楽しかったしね。
 だから、女の子にもてなくてもあまり気にならなかったって
 いうか・・・。あはは、負け惜しみだね・・・。
 斎藤さんの申し出は、正直うれしいし、ボタンなんか全部
 あげても困るわけじゃないからいいんだけど・・・にしても・・・。
 スポーツもできない。ドジで不器用。何の取り柄もない俺の
 どこが・・・?」

実際、浩平は未熟児であったことが影響してか成長が遅く、
背丈や運動能力がやっと人並みに追いついて来たのが中学生
になってからだった。
高校に入る頃には背丈はごく平均的な身長になってはいたが、
虚弱で、痩せていて、顔色も悪かった。
筋力や瞬発力には問題がなく、短距離走や短距離の競泳など
は、むしろクラス内では上位に食い込むこともあったが、
中・長距離走や中距離以上の競泳など、持久力を要する競技・
スポーツは、からきし苦手だった。スタミナが続かないのである。
容貌は、「ハーフなのか?」と言われるような顔つき。
鼻筋が通り、二重瞼で瞳の色素も薄く茶目。初対面の人からは
神経質そうに見られる。
深い思考に入った時や激怒した時などは、近くにいた人に
怖がられるほど鋭い目つきになるが、それ以外に普段他の人と
接する時は、実に柔和な目をしていた。
性格も争いを好まず、いたって穏やかである。
耳が隠れるくらいのウェーブのかかった半長髪は、手入れをする
でもなく、ヘアブラシで簡単にかき分けているのみ。
彼にとっては、それらのバタくさい顔つきや虚弱な体質など、
全てがコンプレックスになっていた。
ファッションには全く無頓着。可愛がってくれていた2歳上の従姉
が見かねて「浩平も少しは着るものに気を遣いなよ」と、選んで
くれた服をそのまま、何の不満も抵抗もなく着ているような男で
ある。

呆れたように彩が口をはさんだ。
「佐藤さんの自覚がないだけっていうか・・・。
 うちのクラス、佐藤さんの噂でもちきりだったんですよ。
 でも、そういう異性に淡白なところがクールに見えて、
 よけいにみんな気になっちゃうんだろうな・・・」

浩平はもっと話したかったし、ときめくものを感じてはいたが、
時間がない。
「んーっ。残念だけど、今日はこれから、ほら、
 さっき一緒だった悪友たちと約束があってね。
 俺ん家に集合なんで・・・。
 もし、よければだけど、明日の夕方にでももう一度会って、
 話が出来ないかな。
 本当は日中がいいんだろうけど、奴らとの付き合いは
 夜通しになりそうなんで・・・」

晴香の表情がパっと明るくなった。
「わっ、嬉しい! もちろん、大丈夫です。彩も、いいよね!」

「何を言ってんの? ずーっと片想いで告白も出来ずにいた
 憧れの人が、せっかく二人で会える機会をつくってくれるって
 いうのに・・・。
 私がのこのこついて行くわけにはいかないでしょ!」

「あぁ、そんなに堅苦しく考えないで。
 じっくり話してみれば『なんだ、こんな男か』と、がっかりする
 だけだから。
 仮にこんな俺でもいいって思ってくれても、もう3週間後には
 こちらを離れるし、思い出はひとつでも多い方がいいでしょ、
 お互いに。
 だから、もし良ければ北島さんも一緒に。
 俺も誰か一人連れていければいいんだけど・・・。
 男子憧れの二人と会うなんて言ったら、あっと言う間に他にも
 悪友共がおしかけてパニックになりそうだしね」

「そういうことなら、私もお邪魔しちゃおうかな・・・。
 晴香、いいの?」

晴香はコクコクと頷いている。

「斎藤さん、家はどこなの?」

「あっ、日ノ出町です。彩も近くです」

「日ノ出町なら・・・一軒だけ喫茶店があったよね」

「はい。『ほのか』ですよね」

「そうそう。それじゃ、そこに4時半でいい?」

「はい」

「それじゃ、よけいな一人も楽しみにしてます」

「なにもよけいなことないって。
 じゃ、晴香ちゃん、その時にボタンも持っていくね。
 おっと、何か都合が悪くなった時には家に電話して」

浩平は急いで自宅の電話番号をメモした紙片を晴香に渡した。

「ありがとうございます」

「ありがとうじゃなくて、晴香のも渡さなきゃ!」

「あっ、そうでした」
晴香は、可愛い猫のキャラクターが描かれたメモ用紙に
電話番号を書いて浩平に渡した。
まだ、携帯電話など世に出ていない時代である。
電話と言えば、お互いの自宅の固定電話にかけるしか
なかった。

「それじゃ。楽しみにしています。急いでいるときにごめんなさい」

二人と別れて自転車で家路に急いでいた浩平は、担任だった
立花の自宅で見た写真やその時の立花の話と、今日の二人の
印象に思いを巡らせていた。
晴香は確かに可愛い。恥ずかしさが薄らいで素に近い状態に
戻った顔立ちは、整っていながらも、きれいな女性にありがちな
冷たさも感じず、表情には愛らしさがある。
眉の太さに意思の強さを感じさせるが、こればかりは、実際の
ところは分からない。
あの顔立ちは、確かに男のハートを鷲掴みにしてしまうだろう。
プロボーションも若干細身の体に、けして大きくはないが均整の
取れた健康的な胸や腰つきをしていた。
テレビやグラビアで活躍するアイドルと比較しても遜色がない。
男どもが騒ぐのも頷けた。
残念なことに、その騒ぎにさえも俺は取り残されていたわけ
だが・・・。

対して彩は、まず背が高い。165cmは、あるんじゃないか?
ハイヒールなんて履いたら、172cmという、男としてはごく
標準的な俺の背丈と並んでしまいそうだ。
晴香と比べても随分とスリムな体形である。
まあ、そこは55kgと痩せ過ぎの俺に合ってはいるか・・・。
もっとも彼女にしてみれば、俺とつり合うことなど考える必要も
ないのだが。
若干面長の顔は、じゅうぶんに平均レベル以上。いや、かなり
高いランクだろう。晴香と並んでいることで、だいぶ損をしている。
肩の先まで延ばしたストレートヘアも顔や体形にマッチして、
全体に控えめで、自己主張し過ぎない雰囲気・・・そう、
「清楚」という言葉がピッタリか。
細い体に・・・胸もないが、俺は別に巨乳好きなわけではない。
委員長をやっていただけあって、言葉遣いや態度もきちんと
しているし、言いたい事が相手にきちんと伝わる話し方をする。
晴香と比較すると、姉のようにも見えるほどしっかり者という
ところか。
まあ、晴香の場合は、どこがいいんだかはさておき、俺が好き
だということで、やっとの思いでそれを伝えようとしていたわけ
だから、今日のあのシャイな姿は、普段の彼女から割り引いて
見てやらなきゃいかんのだろう。

この時点では、浩平は彩の方に魅かれ始めていることに
気づいてはいない。

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浩平の家では、彼女を持たないむさ苦しい男どもが4人。
浩平の両親が帰って来るまでは麻雀に興じ、その後、皆で
夕食を摂ってからは浩平の部屋に籠ってトランプをしたり下らぬ
話を明け方まで続けていた。
彼女たち二人の話は、誰の口からも出てくることはなかった。
浩平同様、悪友3人も類は友を呼ぶで、女の子に当たり前の
興味はあっても、皆『おくて』というか、意中の子はいても告白
するなど飛んでも8分、歩いて10分。
気の合う男友達と群れて、楽しく騒いでいるだけで満足して
しまう連中ばかりなのである。
どいつもおそらく、縁があって女の子と付き合うことになれば、
お互いに祝福し合うであろうほど気のいい連中ではあるが・・・。

あの二人の子を意識していなかったのは、さすがに浩平だけ
だったということは、随分後に開かれた同級会での会話で
分かったことである。
浩平以外の3人もまた、特に晴香には大いに憧れを抱いていた。
高嶺の花と、口にも出せずにいただけで。

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約束の時間の10分前には、浩平は『喫茶 ほのか』の前に
自転車を止めた。
浩平が
店の前を自転車で通る姿を、彼女たち二人は窓際の
テーブルで、窓とは反対側の席に座って通りを眺めていた。
晴香が、笑顔で手を振っている。彩がにっこり微笑んでいる。
彼女たちを横目に視認して、浩平も軽く手を挙げた。

初めての告白を受けた女の子と、その親友に会いに来たと言う
割には、浩平の心は落ち着いていた。
地元にいられるのは、あと20日しかないのである。
晴香がこれから、どこでどう過ごすのかを聞いてはいなかったが、
浩平が地元を離れれば、そう度々会えるような状況にはない。
であるならば、彼女がこれから浩平と初めて交わすプライベート
な会話の過程で、彼女が抱いていた浩平への感情が間違い
だったと気付き、このまま「さよなら」でも、浩平にとっては
束の間にせよ、自分に好意を抱いてくれた子の存在を知った
だけでも、これからの人生に大きな自信になるし、いい思い出
にはなる。
よもやあるまいとは思いつつ、晴香がその好意を膨らませる
ようなことがあれば、これからどうお付き合いしていけばいい
ものか・・・。かえって戸惑うだろう。
女の子と付き合った経験もない浩平には、そちらの方が見当が
つかない。

大学入試の合格発表が終わってから、それまで女性に縁の
なかった浩平にも、運転免許教習所やら、何かのイベントやら
で同世代の卒業を目前にし、進路が決まった解放感を共有する
女の子と偶然に知り合い、意気投合して一緒に映画を観たり、
お茶を楽しんだりという機会が何度かあったが、全てが恋愛
感情には発展しようもない、お互いにその場限りと割り切った
ものだった。
その場だけのものだからこそ、いわゆる「体目当て」の関係を
漁るような感覚は、浩介は元来持ち合わせてはいない。
そして、この『喫茶 はるか』での晴香と彩との出会いが、
この後の浩平の人生に大きな影響をもたらすことなど、この時は、
知る由もなかった。

「ごめん。待たせちゃったね」

彩が応じた。
「いえ。私達も待ち合わせて今、着いたところですから」

浩平は、空いている窓際の席に腰をおろす。
すぐにウェイトレスが注文を取りに来た。

「えっと、二人は仲良く紅茶なんだね。 俺は、コロンビアを。
 さて、忘れない内に。はい、約束のボタン」

浩平は、5つのボタンをテーブルの上に並べて置いた。
いたずらな目で、晴香に向って言う。
「さあ、どれが第二ボタンでしょう?」

「え!? そんなあ、分からないですよぉ・・・」

彩が口を挟む。
「せっかくだから、全部貰っちゃえば?」

「えぇっ、でもぉ・・・」

「アハハ。実はこれでした」
浩平は、ポケットからもうひとつ、小さな袋を取り出して、晴香に
渡した。
「その5つのボタンの内の一つは、予備用のボタンだよ。
 第二ボタンは、まとめて持っていたら自分でも分からなくなる
 から、真っ先に取って袋に入れておいたんだな」

晴香は、嬉しそうにお礼を言って、その小袋を受け取った。
彩は、浩平の顔をまじまじと見つめながら、『意外に・・・』という
顔をした。
「へえ、佐藤さんってこういうジョークもするんですね」

「そりゃあねえ。
 二人の持っている情報をもとにした俺のイメージは、やっぱり
 現実とは随分違うんじゃない?
 だから言ったでしょ。
 じっくり話してみれば『なんだ、こんな男か』って思うよって」

「いえいえ、逆ですよ。
 なんか、私には・・・というより、たぶん佐藤さんを見ていた
 ほとんどの子には、近寄りがたいイメージがあったんですけど、
 結構、くだけているっていうか・・・。面白い人だなあって。
 そうだ、せっかくだから、その残ったボタン、私が貰っちゃ
 おうかな!」

晴香が文句をつける。
「何で彩が佐藤さんのボタンを受け取るの?それ、おかしいし」

「いいじゃない。私だって思い出づくりに晴香に付き合ってここに
 来たんだし。
 残ったボタンくらい、それくらいのご褒美があったって構わない
 でしょ!!」
お互いに言葉の調子はきつくない。
からかい、じゃれあっている感じである。

「ボタンく・ら・いじゃないもん!」

「まあまあ・・・。俺にとっては不用品だし。
 じゃあ斎藤さんにもあと2つ。
 北島さんには、残った3つ。
 ここには第2ボタンは入っていないから・・・ね!」

なるほど。恋愛は時に、女の友情をもろくも崩してしまう・・・。
この二人は違うな。雰囲気としては、仲のいい親友同士で
じゃれあっているだけ。微笑ましい関係だな。などと、
浩平は、他人ごとのように二人を観察していた。

「ところで、斎藤さんたちは、地元に残るの?」

「私は、市内の●●銀行です。だから、自宅から通います」

「そっか。いいところに入れたね。
 実際、市内や県内で地場の優良企業に就職しようと思ったら、
 下手に県外の大学に進学してUターンするより、地元の高校を
 卒業してすぐに就職した方がよほど入り易いんだよね。
 ましてやうちの高校だったら指名が入るし。
 北島さんは?」

「私は、○○女子大短期大学部の栄養学科です。
 学校推薦でしたから、12月には合格を貰っていました。
 佐藤さんは、東京の△□大でしたよね」

「そう。ま、一応、経済学部だけど、将来何をやりたいかなんて
 まだ決まっていなくてね・・・。
 顔色や体形を見ればわかる通りで、体があまり強くないから、
 すぐに社会に出るのは心配だったようで、先生や親が進学を
 勧めてくれて。
 立花先生が、まあ何になりたいかも決まっていないなら、
 経済が一番潰しが・・・融通がきくぞって言うんで、ほんじゃあ、
 経済で無理せず入れる大学はどこかいなってんで決めた
 ようなもんだしね。
 優柔不断でしょ?
 斎藤さんは、銀行員。北島さんは、栄養士を目指して勉強か・・・。
 俺なんかより全然しっかりしてるよね」

晴香は、興味津々と言った顔つきで聞いている。
彩が口をはさんだ。
「そんな・・・、まだまだ全然しっかりなんかしてないですよ。
 それに、△□大って、そんなに楽に入れるようなレベルでは
 ないですよね」

「いや、それは一応俺達のクラスは進学コースだから、
 それなりに何とかなっちゃうもんで」

浩平たちが通っていた高校はもともとが実業高校で、商業科と
工業科が併設されていたが、浩平が受験をする年に普通科と
いう名の進学コースが追加され、再編されていた。
女子のみの実践商業科がA、Bの2クラス。
この中のB組が晴香と彩のいたクラスである。
浩平のいた男子のみの普通科がC組。
D、Eの2クラスは、男女共学の流通商業科。女子の方が多い。
F、G、Hの3クラスが工業科で、2年次から建築、電子工学、
情報工学の3コースに分かれる。
一応共学だが、ほとんどは男子である。
面白いのは、普通科の生徒でも1年生の時は、選択科目として
簿記や情報処理の科目を取れたところである。
C組の進学実績が一定の成果を得たことで、明年には普通科が
もう1クラス追加され、後に、「総合高校」という校名に変わり、
大幅に再編されていくことになった。

浩平は、運ばれて来たコロンビア・コーヒーに口をつけた。
晴香が不思議そうに聞いてきた。
「砂糖とミルクは入れないんですか?」

「受験期にね、眠気覚ましに頻繁に飲むようになってから、
 砂糖は入れなくなったね。
 ましてや、ちゃんとした喫茶店で出してくれるそれなりの
 コーヒーは、砂糖なしでもじゅうぶんにうまいよ。
 今や、眠気覚ましじゃなくて、俺にとってなくてはならない
 ものだね」

「甘いものは、好きじゃないんですか?
 それで、そんなにスマートだったり・・・」

「アハハ、たぶん君たちと同じか、それ以上に甘い物は好き。
 だけど、コーヒーは別。太れないのは体質だよね」

「へえー・・・。私、コーヒーは、砂糖なしじゃ苦くて飲めない
 ですよぉ」

「それは、斎藤さんはまだお子ちゃまだということで!」

「ひっどーい!! ま、でもその通りですけど・・・。
 食べても太らないって、いいですね」

「うーん、俺としては、もうちょっと太りたいんだけどね・・・。
 北島さんは? やっぱりコーヒーは苦手?」

「私は、紅茶派ですね。コーヒーは苦手ではないですけれど、
 あまり飲まないですね」

「そっか、それは残念。紅茶も嫌いじゃないけどね。
 砂糖の話が出たところで、俺のこと『佐藤さん』って呼ぶの
 やめにしようよ。
 『佐藤』って、必ずクラスに3?4人いるから、いつも名前で
 呼ばれるんだよね。
 何か『佐藤さん』って言われると軽く違和感が・・・」

晴香と彩は顔を見合わせ、少しの間を置いて、彩が応えた。
「じゃあ、『浩平さん』でいいですか?」

「うーん、同学年なんだから呼び捨てでもいいんだけど、俺も
 二人のことを呼び捨てには出来ないし、それでいいことに
 しようか」

晴香が言い、彩が続けた。
「じゃあ、私のことも名前で。
 私もあまり苗字で呼ばれたことはないんで、『晴香』の方が
 いいです」

「私も名前で呼ばれた方がしっくりします。『彩』でいいです」

「了解。
 で、晴香ちゃん。本題だけど、俺に好意を持ってくれたことは
 ありがとう。
 正直、嬉しかったし、もっと早くに言ってくれていたら俺の方が
 舞い上がっていただろうと思う。受験も手につかなかったかも
 知れないね。
 でも、俺がこっちにいられる日数は、あと20日。
 お互いを深く知ることもできずに、いきなり遠恋は難しいよね。
 晴香ちゃんには、これから、この地元で、いい出会いもたくさん
 待っていると思う。
 俺としては、すごく残念ではあるけれど、晴香ちゃんのためを
 思ったら、昨日と今日を高校生活最後の思い出のひとつとして
 割り切って、これからを楽しんでほしい。
 俺が晴香ちゃんの足枷になってはいけないと思うし・・・ね。
 もしかしたら、俺の方が残念な思いを引きずっちゃうかも
 知れないけど」

「はい。私も彩に背中を押されて、思い切って告白することが
 出来て良かったです。
 遠距離は・・・やっぱり辛いし、好きな人は側にいてほしいから。
 でも、・・・彩の言うとおり、もっと早く告白しとけば良かったな・・・」

彩が言葉を引き継いだ。
「でも、高校生活はもっと楽しめたかも知れないけど、晴香の
 性格を考えたら、それはそれで、この時季がすごく辛いものに
 なっていたんじゃない?
 良かったのかも知れないね。・・・これで」

「それにしても、こっちは3年間同じ面子・・・同じ顔ぶれの野郎
 どもばかり。
 そっちは、2年の時から、やはり同じ顔ぶれの女子ばかり・・・。
 二人は、3年間一緒だったのかな?
 いずれにしても、隣同士で、壁1枚隔てただけとは言っても、
 やっぱりなかなか話す機会もないし、遠い存在だったよね」

「それは、浩平さんがそういうことに関心を持たなかったから
 ですよ。
 結構、C組の男子たち、休み時間や放課後にうちのクラスに
 顔を出していたんですよ。
 ほとんどは晴香目当てでしたけどね。」

「なあに言ってんだか?彩だって随分言い寄られていたじゃない。
 彩も頑なって言うか、適当にあしらってばかりいるもんだから、
 中には、ついでに他の子にちょっかいを出しているうちに、
 意気投合してできちゃったカップルもいたし」

「ほう。うちの連中でかい? 誰よ、よれ」

「ほら、伊東君とあきちゃんとか、友田君とじゅんとか・・。
 と言っても浩平さんのことだから、うちのクラスの子は、
 名前を言っても分からないでしょ!?」

「まあ、たしかに。・・・そっか、あいつら、うまいことやってたんだ」
妬ましくはないが、ちょっぴり羨ましい。

「校内をいつも友達に囲まれて歩いている浩平さんの姿、
 晴香に引っ張られて私も陰からよく見ていたんですよ。
 全く気がつかなかったでしょ」

浩平は驚き、一瞬ではあるが、3年間の折々の情景が頭の中に
フラッシュバックしていた。
そう言えば、階段を踏み外した時・・・。一緒に歩いていた連れが
支えようとしたのも虚しく、踊り場に転がり落ちたその場に、
この二人がいたなあ。
確かに晴香の声だった。
『あぶない!! そういえば佐藤さん、この間まで足を怪我して
 杖をついていたよね。まだ治ってないのかな?大丈夫かな!?』
2年生の夏休み明け、実力試験の成績上位者が昇降口正面に
貼り出された時。そうだ、あの時も俺の左後ろにこの二人が
いたっけ。やはり晴香の声で・・・。
『佐藤さん、やっぱりすごいね!』って聞こえていた。
そうだ、そういえばあの時も・・・。

「いつもクラスメイトに囲まれて楽しそうに話しながら、歩いて
 いましたよね。
 ただでさえ浩平さんは近寄りがたい雰囲気なのに、いつも
 多くの友達と一緒で・・・。晴香も私も声をかけるチャンスなんて
 なかったですからね。
 浩平さんは、B組に顔を出すようなこともなかったし。
 まったく興味を示さないんだから、恋する乙女と、それを何とか
 してあげたい親友にとっては、罪な男ではありますよね」

「そう・・・なんだ。ずいぶんとカッコ悪いところも見られていたって
 いうことか・・・。
 そっか、B組に出入りしていた連中から、だいぶ俺のあること
 ないことも吹き込まれていたんだろうね。
 ようっし、仕返しだ。うちのクラスの奴らの事、聞きたい奴が
 いれば正体を暴いてやろうじゃないか。
 どれ、晴香ちゃん、誰からいこうか」

浩平は、名前の挙がった級友たちのエピソードや彼から見た
彼らの性格や素行を、面白おかしく話して聞かせた。
晴香は、ケラケラと笑い、時折腹を抱えながら話にのって、
次々に質問をしてきた。
彩も、終始ニコニコして、時に頷きながら浩平の話に聞き入って
いた。
浩平は、勿論、仕返しだと言わんばかりに、級友たちの失敗談や
エッチな側面を強調しながら話しているのだが、彩は楽しく聞き
ながらも感心していた。
この人は、表面的には友人の格好悪いところを聞かせている
ようでいて、けして彼らをけなしているわけではない。
むしろ巧みにその中に彼らの長所を織り交ぜ、
『だから、こいつはいい奴なんだ』。『この野郎は憎めないんだ』。
『愛すべき連中だよ』と、彼らのイメージを貶めないように、
「素敵な人たちだな」と思わせるように仕向けている。
それは、鼻の下をのばしてB組に顔を覗かせていた男たちの
話し方とは、明らかに違っていた。付け焼き刃の配慮などで
できることではない。そこに彼の人柄がにじみ出ている。
これが、彼が人を魅き付ける、いつも多くの友人たちに囲まれて
いた大きな理由のひとつでもあるのだろう。
この彩の浩平への観察は、彩の長い親友である晴香をも見直す
ことになった。
『親友よ。君は、上辺だけで浩平さんを好きになったわけでは
 なかったんだね。男を見る目はしっかりと持っていたんだね』

彩は、このとき、どうしようもなく浩平に強く魅かれる自分に戸惑っ
ていた。やがてそれが、自分と浩平にとっての大きな幸福と、
その後の浩平に、深い悲しみを背負わせることになろうとは
思いもよらずに・・・。

ひとしきり、晴香の興味を持っていたC組の男子について話し
終えたところで、浩平は、もう頃合いかなという風に切り出した。
「さて、晴香ちゃん、満足できたかな? C組は、面白い男どもが
集まったいいクラスだろ。あいつらと同級で3年間過ごせて、
俺もホントに楽しかった。
俺のことはいろいろと聞いているようだし、密かに観察されても
いたわけだから、まあ、それでいいよね。特に取り柄もないし。
彩ちゃんもどうだったかな。楽しんでもらえた?」

晴香は、本当に楽しく、いい時間が持てたと、喜んでいた。
しかし、彩がなんだか元気がない。顔を伏せて考え込んでいる。
晴香が心配そうに彩の顔を覗き込む。
「彩? どこか具合が悪い? だいじょうぶ?」

「えっ!? ううん・・・。いや、だいじょうぶよ。浩平さんの話に
 聞き入っていたら、なんだかいろいろ思い出して、ちょっと
 感傷的になっちゃった。
 アハハ、私らしくもない。
 浩平さん、おまけで付いて来た私ですが、すごく楽しかったです。
 ありがとうございます」

彩は、浩平がこの店に入った時と同じ笑顔で応えた。
彩は、『そうだ。お前はおまけなんだから・・・。晴香の引き立て
役だぞ』と、自分に言い聞かせた。

また会える機会があるといいねと、3人はそこで別れた。
彩は独り、『いい思い出だけなんかで、終わらせたくない』という
感情の迸りを制御できずに、それでも必死にこらえながら家路に
ついた。

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5日後、朝9時半。浩平の自宅の電話が鳴った。
「はい、佐藤です。 ああ、彩ちゃん? こないだはどうも。
 えっ、いやあ、さすがに起きてたよ。だいじょうぶ。
 どうしたの!? 晴香ちゃんに何かあった?
 えっ、映画を一緒にみたい!?
 いや、別に構わないけど・・・どうせ暇してるし・・・。
 友達? いやまあ、それぞれの都合で動いてるからねえ、
 なかなか連れだってどこかに行くということもできないし。
 それは、気にしなくてもいいよ。
 うん、今日? いいよ。だけど今、何が上映されているか
 分からないよねえ。
 あっ、新聞の折り込みで分かるの。うん。そっか、
 『シネ5』の近くで待ち合わせて、何を見るのかを決めようと。
 オッケー。いいよ。
 うん。・・・うん。じゃあ、お昼一緒に食べようか。
 えっ、空いてる方がいいから早めの11時半?
 分かった。じゃ、そこで」

あの日の会話だけじゃ満足できなかったのかな・・・。
それにしても、何で晴香ちゃん、自分で誘ってこないんだろ?
親友とはいえ、彩ちゃんも晴香ちゃんのキューピット役をこう度々
押し付けられたんじゃたまらんだろうに・・・。
浩平は、何か腑に落ちないものを感じながら、二人から誘って
貰えることは、やはり嬉しくもある。

『シネ5』とは、市内の主要駅からアーケードを歩いて5分程の
ところにある。正式には「△△シネマ ファイブ」という、大小5つの
上映館を持つ映画館である。
すぐ側の大きいけれど、大衆的な中華料理店で昼食を共に
しながら、何を観るか決めようと言う事であった。

さて、女の子とデートということになると、情けないが浩平には
どういう服装で行けばいいものか迷った。
自分が蔑まれるのは構わないが、自分のセンスのなさで二人が
恥ずかしい思いするのは、申し訳ないと思う。
以前に受けた従妹のアドバイスを思い出してみるが、組み合わせ
が・・・分からない。考えて、考えて・・・。考えるのをやめた。
気心の知れた仲間と一緒に外出する今までどおりのスタイルで
いいやと。
ジーンズに、黒のTシャツ、エンジ色のジャケットをはおった。
スニーカー履きに、布地のバッグを肩から提げた。

外はどんよりとして、いかにもひと雨来そうな空模様である。
折り畳み傘をバッグに詰めて、自転車ではなく、バスで向かう
ことにした。

早めのバスに乗ったつもりであったが、思いの他道路が混雑して
いて、降車のバス停に着いたのは、約束の5分前を切っていた。
小走りで待ち合わせの中華料理店に向かっていくと、彩が入口の
ところに立っていた。浅黄色のスカートに白のブラウス。グリーン
のカーディガンをはおっていた。
手を振っている。

「やあ、ごめん、ごめん。待たせちゃったね。店に入っていて
 くれればよかったのに。
 あれ、晴香ちゃんは? 中にいるの?」

「いいえ、今日は私一人で来ました」

「ああ、そうなんだ・・・」

「ご迷惑でしたか?」

「いや、とんでもない。彩ちゃんとのツーショットも嬉しいよ。
 ・・・とにかく中に入るろうか」
そう言えば、晴香と一緒に来るとは言っていなかったな・・・。

店に入り、店員に促されるまま席に案内されて行くが、
「こちらの席に」と指示された時に、彩が店員に向かって言った。
「すみません、なるべく周囲が空いているところにしたいのですが、
 あちらの席に。いいですか?」
浩平は、彩の何かしら決意を秘めたような態度に、自分に対して
極めて個人的な相談でもしたいのだろうか。晴香との間に何か
あったのかと、少し身構え、訝った。
店員の了解で、二人は結構広い店内の奥の方に席を取り、
丸テーブルに隣り合って腰を下ろした。

「さて、何を食べようかな?
 俺、朝飯は喰わないんで、腹が空いちゃった。」

「だめですよぉ! ちゃんと朝は食べなきゃ。
 だから浩平さん、ほっそりしてるんでしょ」

「なんとも、朝は苦手でね・・・。食欲がわかないんだよね。
 って言うか、細いのは彩ちゃんも負けてないんじゃ・・・」

「私のことは、いいんです!
 浩平さんは、朝の分もちゃんと食べて下さいね。
 何にしますか?」

「ええっと、うん。チンジャオロースとチャーハンにしようかな」

「じゃあ、私は、エビチリと卵スープと、普通にご飯にしよっと」

「あっ、エビチリもいいな・・・」

「アハハ、それじゃあ、私の分けてあげますから。ネ!?
 浩平さんは、好き嫌いはないんですか?」

「うん。嫌いなものはないね。これまでに食べたことのある料理
 と食材には。ただ、あまりに脂っこい物は苦手かな。
 嫌いではないんだけど、食べているうちに気分が悪く・・・ね」

料理をオーダーし、二人が同時に、置かれた水を一口飲んだ。
これから、何か大事な会話が始まるのを予感するかのように。
少しの沈黙の後、彩が意を決したように浩平の目をまっすぐに
見て口を開いた。

「浩平さん。私、浩平さんのことが好きです!」

「へ!?・・・」
浩平は、予期せぬ彩からのストレートな告白に驚いて、
素っ頓狂な声を上げた。

「私、あの5日前の浩平さんの話を聞いていて、浩平さんを
 見ていて、自分では抑えようのない何か・・・。経験したことの
 ない・・・胸を締め付けられるような感覚が湧きあがってきて。
 浩平さんを離したくないって・・・。もっと一緒にいたいって・・・。
 お別れした後にも、このまま終わるのは嫌だって・・・。
 でも、一時的な感情なのかなとも思いました。
 男の人を本気で好きになるのって初めてだったから、自分でも
 わけがわからなくて。
 家に帰り、日が経てば落ち着いてくるのかなって思い込むこと
 にしたんです。
 でも、逆でした。
 次の日も、そしてまたその次の日も、私の頭の中は、浩平さんの
 ことでいっぱいになっちゃうし。
 日が経つにつれて、『ああ、もう浩平さんはいなくなっちゃう』と
 思うと、いてもたってもいられなくなって・・・。
 私は、やっぱり浩平さんのこと、本気で好きになっちゃったん
 だって。
 会いたくて・・・・会いたくて。
 せめて、私の気持ちを聞いて欲しくて。
 それで今日、思いきって電話を・・・」

浩平には、自分でも驚くべきことに、ふいに『俺も、好きだ!』と、
叫び出したい感情が込み上げてきた。そして、一瞬にしてはっきり
と自覚した。
『ああ、俺も、彩ちゃんのことが好きになっていたんだな』と。

しかし、お互いに付き合っていくには、、冷静にクリアしなければ
いけない壁がいくつかある。まずは、それを話し合わなければ
いけない。浩平は感情を極力抑えて、話し始めた。

「ありがとう。素直に嬉しい。
 今、彩ちゃんの方から告白されて、俺も彩ちゃんのことが好き
 だったんだということに気がついた」

彩の顔が輝いた。

「でも、先にはっきりさせておかないといけない問題がいくつか
 あるよね。
 先ず、晴香ちゃんのこと・・・。
 俺たちが付き合い始めることで、彩ちゃんと晴香ちゃんとは
 気まずくならない?
 親友として今まで、何でも相談し合って来たんだよね。
 俺が言うのもなんだけど、特に彩ちゃんは、晴香ちゃんが
 『俺が好き』ということで、何とかしてあげようと後押ししてあげて
 来たわけでしょ?
 晴香ちゃんに、わだかまりは残らないかな?
 親友なだけに、なおさら。
 そりゃあ、俺は彩ちゃんが好きだ。いや、好きだったことに今、
 気がついた。
 女の子に先に告白させてしまって気がつくって情けないけど、
 これは、どうしようもない。
 けど、君たちの関係がこれで壊れてしまうことには耐えられない。
 それだけは、何としても避けたい」

彩は、意外にも深刻そうな表情も見せずに、卒業式の日から
今日までのことを話し始めた。

「晴香のことは、だいじょうぶです。
 晴香は、3年間は本当に一途に浩平さんを追っていました。
 でも、結局卒業式を迎えたあの日までは、言い出すことが
 できなくて・・・。
 浩平さんが東京の大学に合格して、どうやらそちらに行くようだ。
 地元にはもう、帰って来ないかも知れないと分かった時点で、
 晴香は、『これで失恋かあ・・・。でも、一度だけでも話がした
 かったな。思いを伝えておけば良かったな』って。未練な様子が
 ありありだったので、私が、『告白だけでもしちゃえば?
 ありきたりだけど、思い出に、制服の第二ボタンでも貰えるよう
 に頼んでみれば?それでスッパリとあきらめて、新しい職場で
 いい人をさがしなよ』と、あおったんです。
 そしたら思いもかけず、浩平さんの方から話す機会をつくって
 くれて。
 晴香は、その日、浩平さんと別れた後、
 『良かった。やっぱりいい人だった。思った通りの人だった。
  ほんの一刻でも、私に目を向けてくれて、本当に嬉しかった。
  これで、高校生活3年間に思い残すことはないや。
  彩、背中を押してくれてありがとう。今度は、私が彩を応援する
  番だね。早く、いい人見付けなよ』って。
 私は、思わずそのときにポロっと言っちゃったんです。
 『私、浩平さんを好きになっちゃったかも知れない』って。
 晴香は、ホントにビックリした顔をして、暫く固まっていました。
 でも、すぐにいつもの晴香の穏やかな顔に戻って、言って
 くれたんです。
 『そうかあ・・・。でも、それも分かるな・・・。だって、3年間・・・
  そう3年間も彩は私に付き合って浩平さんのことを見て来たん
  だもんね。
  私は、好きだと言う感情を隠しもしないで、・・・自分本位の目で
  浩平さんを見ていたけど、彩は、私の隣で、冷静に観察して
  きているんだよね。
  いろいろな人の浩平さんの噂も一緒に聞いて、実際に私と一緒
  に、自分の目で確かめて・・・。
  私は、能天気に浩平さんへの熱い思いを彩にぶつけて、時に
  慰めて貰って、時に怒られて、そして彩に甘えて親身に相談に
  乗ってもらっていただけだけど。そうだよね・・・。
  彩は、私に気を遣うあまり、無意識に自分の浩平さんへの感情
  を抑えて来たんだろうな・・・。そして今日、会って話してみたら
  ・・・か。
  思っていた通りの、素敵な人だったもんね。
  いいじゃん! さすがは親友! 同じ男に惚れたか。
  私は恋人にはいつも側にいて欲しいから、それが叶わない
  恋ならと割り切ったけど、遠恋でも二人の思いが強ければ
  やりようもあるかもね。
  浩平さんは、彩に好意を持ってはいるよ。それは、私が保証
  する。後は、彩次第だよ。もっとガッチリと浩平さんのハートを
  つかめれば・・・。
  会えない期間、彩が彼の心の中に、強い影響を持った存在と
  して、どう居続けていられるか・・・かな?
  よし、頑張れ!今度は私が彩を応援する。
  ただ、時間がない。思いを伝えるんなら、早くしなきゃ』って
 言ってくれて。
 でも私、そのときは、自分の気持ちにまだ半信半疑だったんです。
 本当に浩平さんのことが好きなのか・・・。
 ううん、好きなことには違いないんだけど、本当に恋と呼べるよう
 なものなのか。
 なんて言ったらいいんだろう・・・。うまく表現できないんだけど
 ・・・。何か、自分が自分でなくなりそうでこわい。
 それが、その時の私の正直な気持ちでした。そしたら、晴香が、
 『だから、それが恋なんだって!私の辛さが、本当の意味で理解
  できたでしょ。彩は、本気の恋の経験がなかったから、そうだ、
  未知との遭遇ってやつだわね。
  帰って、落ち着いてからよく自分の心に聞いてみなよ。
  はっきりするまでは苦しいぞぉ。
  はっきりしたらしたで、また別の辛さがやってくるけどね。
  実際に付き合うようになったら・・・、そりゃ私も経験がないから
  知らん。でも、その前まではアドバイスできるよ。
  これまで彩が私に言ってくれた言葉、それに対して私がどう
  感じたかっていう経験があるから』って。
 それで、昨日まで・・・、晴香の言ったとおり、本当に辛かった。
 でも、うじうじしている時間がない。それで、今日しかないと
 思って、浩平さんに電話する前に、晴香に電話したんです。
 『今日、告白するからついて来て』って。
 そしたら晴香、なんて言ったと思います?
 『付き合いたいって告白する女に、私が付いていけるかい!
  私の場合は、片想いに決着を付けるためだけ。ある意味、
  失恋前提で会いに行ったんだから、彩が必要だったんだよ。
  今日私が付いて行ったら、それこそ[人の恋路を邪魔する奴は]
  になっちゃう。
  だいたい、浩平さんが私に遠慮して本心を明かせなくなっちゃう
  でしょうよ。
  彩なら、だいじょうぶ。期待して報告を待ってるよ?ん』って。
 ひどいでしょ?」

「ふーん。晴香ちゃんの積年の思いが、彩ちゃんに移っちゃったと
 いうところか・・・」

「そんなことはないでしょうけれど・・・。
 だから、晴香のことは大丈夫です。
 私の告白、浩平さんに受け止めて頂いたと捉えて構わない
 ですか?
 その・・・彼女に・・・してもらえますか?」

「勿論。本来は、俺から先に告白しなきゃいけないことだったん
 だよ、きっと。俺、鈍いから・・・。うん、そうなんだよ・・・」
浩平は、少し下を向き考えた後、大きく深呼吸してから彩に
向き直り、真っ直ぐに彩の目を見て言った。
「俺は、佐藤浩平は、北島彩が大好きです。
 彼女になって下さい!!」

彩は、満面の笑みで応えた。目がキラキラしていた。
「はい。喜んで!」
照れながら見つめ合っている二人。
浩平は、男女や年齢を問わず、人の笑顔を見ることが好きだった。
自分も幸せな気分になってくる。
お互いの告白タイムが終わったところで、料理が運ばれて来た。
彩が、かいがいしく浩平の小皿に料理を取り分けてくれている。

「あっ、いいよ。エビチリは、彩ちゃんが食べた残りをもらうから」

「何を言ってるんですか?
 こうやって彼と料理を分け合って食べるのも、私の小さな夢の
 ひとつだったんですから。
 その代り、チンジャオロースも少し分けて下さいね」

「彼か・・・。彼女か・・・。夢か・・・。
 じゃあ、俺のささやかな夢も実現させてもらおうかな?」

「なんですか? あらたまって」

「俺ね、バカみたいなことだけど、彼女ができたら、『ちゃん』とか
 『さん』付けじゃなくて、呼び捨てにしたかったんだ。
 何かね、『俺の彼女だぞ』っていう感じでさ。
 まあ、同校で同学年だから、親しい間柄では呼び捨ては当たり
 前ではあるんだけどね。ハハ、バカでしょ!?」

彩は、笑いながら応えた。
「いいですよ。私もその方が嬉しい。
 じゃあ、私は、なんて呼ぼうかな?
 『浩ちゃん』でいいですか!?」

「いいよ。じゃあ、彩、もうひとつ。
 同い歳なんだし、タメ口にしょうよ。その方が親しみがわくし」

「うーん・・・。でもね、さっき彼女にしてもらいましたけど、私にとって
 浩ちゃんは、彼氏であると同時に、尊敬の対象でもあるんですよ。
 これは晴香にとっても一緒ですけど。
 だから、なかなか、すぐには難しいかも。
 徐々に・・・でいいですよね。
 あっ、このおエビチリ、おいしい。浩ちゃんも食べてみて」

さすがに「あ?ん」はしない。が、何とも赤面しそうな会話である。

「それにしても不思議だよなあ・・・。
 彩にしても晴香ちゃんにしても、3年間で二人で作り上げた俺の
 偶像が独り歩きしちゃったんだろうけど、何でこんなに魅力的な
 二人が・・・。
 実際に校内では相当人気があったようだし、引く手あまただった
 だろうに。
 それが二人とも、あぶれ者の俺に・・・」

「晴香は、私でさえ感心するほど、浩ちゃんに一途でしたからね。
 私は、晴香に振り回されて、他に目を向ける機会を失っちゃた
 かな。そして、知らないうちに浩ちゃんの存在が私の中で大きく
 なっていた。
 違うな・・・。他に目を向ける機会を失ったと言うより、他に目が
 行かないほど、浩ちゃんが好きになっていたのに、自分で気が
 つかなかった・・・ですね。
 もしかしたら、立場が違っただけ、感情の表現の方法が違った
 だけで晴香と私、二人でそれぞれに浩ちゃんに片想いをして
 いたのかも知れない・・・。
 あまりにも一途な晴香の姿を見ていたから、そこに割りこんで、
 私も好きだからとは言えるわけもないし、考えることを放棄して
 いたというか・・・。
 先に『佐藤さんが好きだ』と私に打ち明けた晴香を、3年間私が
 見守る役に徹して、晴香が失恋を受け入れた後で、にぶい私が
 やっと自分も同じ人が好きだったと気がついて。思わず漏らした
 から、晴香も応援してやろうという気になってくれたのかも知れ
 ませんね。
 そして結果的に、こうやって私が浩ちゃんの彼女にいすわっ
 ちゃった。・・・晴香に感謝しなきゃ」

浩平の方は見ずに、料理を口にしながら遠くを見るような目で笑み
を浮かべながら回想する彩の瞼には、うっすらと涙が滲んでいた。
浩平は、『このふたりの友情は、二人にとってなにものにも代え
がたいもので、お互いがこれまでも、そして、これからも大きな
存在としてあり続けるんだろうな』と、うらやましく感じた。

「そうだ。浩ちゃんに関しての一番確かな情報源は、
 実は、真知子先生だったんですよ」

「はい!? 真知子先生って、B組担任の?」

「そうですよ。放課後に真知子先生の時間が空いた時、期待して
 教室で待っている何人かに、興味のある男子のことについて、
 質問した子の要望に応じてよく話してくれたんです。
 勿論、男子の話はおまけで、いろいろな相談に乗ってもらって
 いたんですけどね」

「へえ、あの真知子先生がねえ・・・。
 俺達のクラスでも国語の担当だったから、そりゃいろいろと
 教室での様子は知られてはいるわけだけど・・・。
 でも、先生と生徒の立場だから、悪い話はしないんじゃない?
 確かに事実ではあっても、いい方の側面ばかりが、話題の男子
 の情報としては伝わり易いよね」

「そうでもないですよ。結構、厳しい評価をされる男子もいたし」

「それで、その噂に上る男子生徒の中に俺も入っていたと」

「うん。浩ちゃんも入っていたというより、真知子先生は、浩ちゃん
 のことだけは、・・・・ああっ、もう、この『浩ちゃん』って呼び方、
 ずっと付き合っていたみたいで、すごくいいナ。・・・ねぇ!?」

「そんなことは、どうでも宜しい!
 で、真知子先生は俺のことだけはどうしたって?」

「エヘヘ。
 真知子先生、浩ちゃんの話になると、明らかに他の男子たちより
 熱が入るっていうか、その場にいる子たちが聞いてもいないこと
 にまで話がいくの。ある時、
 『彼のことを理解した上で、あなたたちの誰かが彼を射止める
  ことができたら、先生は、喜んで応援するし、祝福するよ』って。
 『ただし、ちょっぴり嫉妬するかも知れないな』とも言ってましたね。
 先生、私のこと祝福してくれるかな? 嫉妬されちゃうかな?」

「なんじゃ、そりゃ。先生が嫉妬って・・・。
 先生と生徒で、しかも若いとはいえ既婚者だし・・・」

「そうじゃなくて、真知子先生も浩ちゃんのいちファンだったと
 思うんですよ。
 浩ちゃん、よく国語の授業で自分で書いた作文を発表させ
 られたでしょ」

「まあね。でもね、俺は嫌だったんだよ。
 書くことは構わないんだ。文章を書くのは、嫌いじゃないから。
 でも、みんなの前で読むのはねえ・・・。
 もともとあがり症でね。途中からは自分で書いた文章なのに、
 自分で何を言ってるのか分からなくなってきちゃう」

「真知子先生ね、すごく浩ちゃんの作文を評価していたんですよ」
彩の担任であり、浩平のクラの国語の担当だった教師・真知子の
浩平への評価は次のようなものだったと、彩は楽しげに話した。

浩平君の与えられたテーマに沿って、対象を冷静に見つめ、
客観的に評価し、論理的に物事の本質に迫ろうとする眼は、
今までの教え子の中でもズバ抜けている。
彼の凄いところは、そういう、科学的な論理思考だけではなくて、
本質を見極めた後に、実に人間的な感情の細やかさ・・・優しさを
持ってその対象を見つめ直し、価値の再評価をして結論を導き
出すところにある。
しかも、あなたたちがそうであるように、C組でも、鉛筆を走らせて
いる時間よりも頭を抱えて考えている時間の方が圧倒的に長い
生徒がほとんどなんだけれど、彼の場合は、テーマを見てから
それほど間を置かずに鉛筆が動き始めるんだな。
彼は、思考し始めると、書こうとする道筋が頭の中にすぐにイメージ
されていくんじゃないかな。そして、書き進めながらそのイメージを
形のあるものにし、その先、その先の道を作って、結論にまで到達
してしまう。
だから、他のみんながまだ三分の一も書けずに悩んでいるうちに、
全てを書き終えて、手直しに入っている。
それも、よく見ていると、文章校正をしているんじゃなくて、誤字
脱字を直しているだけなんだよね。
それで、だいたい10分以上は時間を余らせて提出してきちゃう。
彼が席に戻ってから、何かおかしなところはないか読んでみるけど、
そりゃあねえ、もっとここは、こういう表現にした方がというような
ところはあるけど、私が生徒に期待している水準のはるかに上を
行っちゃってる。
後で読み返してみても、感動すら覚える。

「もうね、褒める褒める」

「ほう、それはまた、えらく買い被ってくれたもんだね」

「そうかなあ・・・?
 でもね、そんなことを先生が言ったところで、私のようにすごく
 可愛いらしいけど、極めて普通の感覚しか持ち合わせていない
 女の子には、先生が浩ちゃんの何を私達に教えようとしている
 のかが、なかなか理解できないわけですよ。
 浩ちゃんの作文は素晴らしいと、私達に褒めて聞かせてもしかた
 がないわけだし」

「誰が、『すごく可愛いらしい女の子』だって?」

「わ・た・し! ねえ、・・・なんで怒ってるの?」

浩平の目が、深く思索する時の鋭いものに変わってきていた。
彩にとっては、初めて間近に見る表情であり、不機嫌そうに
映った。

「何も、怒っちゃいないよ。だいじょうぶ。
 うーん・・・。真知子先生が過大ではあっても、俺を評価して
 くれるのはありがたい。
 でも他のクラスで、先生が教え子の個人的なことを言い振らす
 のは、あまり愉快なことではないね」

「そこが、浩ちゃんなんだろうなあ・・・。
 他の男の子なら嬉しくて、単純に喜んじゃうところだと思うけど。
 じゃあ、この話、やめます?」

「いや、そこまで聞いといて、その先を聞かないわけにはいかない
 なあ・・・」

「でしょ!? じゃ、つづき」
真知子先生の浩平評を更に続けた。

先生の言いたいこと、分かる?
浩平君はね、しっかりとした信念を持っていて、それを忠実に
守ろうとしているところがあるね。ちょっと真面目すぎるけど。
それで、初めて会った女の子を見るにしても、他の男の子が、
どうしても見た目や上辺で判断してしまうところ・・・これは、
高校生くらいじゃ仕方がないんだけど、彼は、その時の姿勢や
態度、話し方や話す内容などで、おそらく極めて的確にその相手の
本質を見抜いて、その後の接し方を決めて行くだろうということ
なのよ。自分の信念にそってね。
だからこそ、彼が『この子なら!』と感じて、交際ができる女の子
なら、たぶん、間違いなく立派な子だろうと、先生は密かに期待
しているわけ。その立派な子がB組であってくれれば、喜ばしい
ことだけどねえ。

「だって。えへへ。
 浩ちゃん。私、何があっても浩ちゃんを支えるからね。
 浩ちゃんの負担にならないように、頑張るから。
 だから、捨てたりしないでね」

「おいおい、何でそういう方向に話が飛躍するんだ?
 彩が俺を支えるとか、負担にならないようにするとか、
 捨てないでって・・・。どこから・・・」

「だって・・・。ここまでの真知子先生の話でさえ、晴香や私に
 プレッシャーを与えるのに十分だったのに、先生はその後に、
 こう続けたの」

浩平君にはひとつだけ、おそらく彼のコンプレックスになっている
ことがあるのよ。それがなければ、もっとはじけて、もっと積極的に
なっているはずなんだけど・・・。
彼、あまり体が強くないんだな。
別に病気を持っていたり、特に生活や勉強や社会に出て仕事に
支障が出るようなものではないんだけれど、体力がねえ・・・、
頑健とは言い難い。
あなたたちも、彼の顔色やスマート過ぎる体型を見て、うすうすは
感じていることだと思うから話しちゃうけど、うちの先生たち、
・・・他の教科の先生も含めてね。彼だけは、宿題をやって来な
かったり、家庭学習でリポートを提出したりをさぼっても、大目に
みているんだな。勿論、彼にはそういうことは言ってないよ。
でも、彼もそういう先生たちの遠慮というか、配慮は感じている
はず。
事実彼は、家ではほとんど勉強している素振りがない。
あなたたちが、宿題やリポートを自分でやっているか、友達の
やったものを写したものか。あるいは、忘れたと言って提出して
来なかった子が、本当に忘れたのか。やる気はあったけど出来な
かったか、初めからやる気がないかなんて言うのは、先生たちには
お見通しでね。
彼は、「やりたくない」んじゃなくて、「やらない」んだな。
彼の場合、遅くまで家で勉強していたら、疲れがたまって、授業に
支障が出ることが自分で分かっているから。
それでも、実力試験なんかでは、あの成績。常に一桁台の順位に
いるよね。それは、家で勉強しない分、授業に集中できているから。
だから、彼に惚れちゃったら、唯一とも言っていい弱点。彼のそう
いう面、体力面をカバーして、支えられるかどうかをよく自分に言い
聞かせて交際を始めないとね。
彼は、そういう体力の面がコンプレックスになっていることは間違い
ないと思うけれど、そのことがあるから、他人の辛い面、痛みもよく
理解できる。
だから、他の人に対してはすごく寛容だし、優しいんだな。
だけど別に、彼と交際する上で、甘えちゃいけないとは言わないよ。
たぶん彼は、自分を愛した人の望むことには、自分のことはそっち
のけでも相手に応えてあげようとするし、それを自分の幸福と感じる
タイプだろうから。
でも、いつでも彼に甘え通しでは彼の体が続かないよね。
だから、彼とともに生きようと思うのなら、彼には体力面の負担は
あまりかけないこと。その分、精神面ではいくら甘えても彼は、
それに応えてくれるわよ。
だから、彼女にして欲しいんなら、彼の体に気を遣って、彼の支え
になってやれるかどうか。そういうパートナーになれると、自分で
思いきれたなら、大いに、彼にアプローチして欲しいな。
先生は、彼には早く、そういうパートナーを見つけて欲しいと思って
いるんだ。本当に、彼が本来の力を発揮できるように・・・ね。

「だから、私は浩ちゃんを支えていけなかったら、真知子先生に
 怒られちゃう!」

「ふーん・・・。まあ、受験期を除いて、家では勉強していなかった
 とか、体が弱いとかは、その通りだけどね・・・。
 でも、真知子先生もいくつか、間違えた認識をしているよね」

「どういうところ?」

「たとえば、夜、宿題や予習・復習をしようと思えばできなかたわけ
 じゃない。
 実際に、次の日が休みの時なんかは、徹夜で麻雀をやったり、
 平日でも、結構遅くまで連れと街中を徘徊していたものだし。
 世間では『不良』のレッテルを貼られている他校の連中ともよく
 飲みに行ったり、ロックバンドのコンサートを観に行ったりもしたよ。
 どんなに悪い噂がつきまとうような奴でも、付き合ってみなけりゃ
 分からないところがある。
 そういう奴らの中にも、実際には友達思いのすごくいい奴もいる。
 何よりも幼い時からの付き合いは大事にしたい。
 だから、朝方まで飲むこともあったし、とことん付き合ったよ。
 奴らに感化されて、煙草も吸っているし。
 校内では真面目な一生徒で通したけれど、それは、目をつけ
 られたら行動が縛られるからで、けして先生たちが言うような
 品行方正な人間じゃないよ。
 ま、彩には俺のそういう面も認識しておいてもらわなければ
 いけないから、ちょうどいい機会ではあるけれど。
 それに、俺が、いくら他人より体力がないとは言っても、人間が
 人生の中で最も気力・体力が充実しているのは、今の時期から
 30歳代半ば頃までだろうから、多少の無理はきく。
 俺も、今から今後十年間程が最も体力の充実期にあると思う。
 もともと虚弱だからこそ、それがより実感できている。
 一晩徹夜をするくらいはなんてことはないし、実際に睡眠時間を
 削ってでも遊んでいたしね。
 そういう意味では、俺は先生たちの配慮を逆手にとって、利用
 していたことになるよね。それに・・・」

「それに?」

「人の内面について、自分でもなかなか自分の本来の姿を客観的
 に観察して、言葉で表現するのは難しいことだけれど、分かり易い
 ところで言えば、俺が実は彩が好きだったっていう感情。これは、
 理屈じゃないんだよね。
 論理的思考だの、科学的洞察だのなんて、何の役にも立たない。
 だって、彩と向き合って話したのは、今日でたったの3回目。
 時間にして数時間でしかないわけだよね」

「・・・うん」

「たったそれだけの時間と回数で、ましてやこれまで、恋愛経験も
 ない俺が、北島彩という女の子がどういう子であるかなんて、
 その本当の姿なんて分かるはずがない。
 彩たちは、俺のことをいろいろと見たり聞いたりはして来たわけ
 だけれど、俺は、彩については全く知る機会を持てなかったわけ
 だし。
 確かに、彩のことは好きだよ。大好きだ。
 でも、はっきりと理由を聞かれたら・・・、まだ分からないもんな。
 情けないないことに、彩の方から告白されて、一瞬にして俺の
 方こそ初めて会って話した時から彩が好きになったんだって
 気がついた。
 そう、普通に人間としての好き嫌いじゃなくて、恋愛の対象として
 好きなんだって。
 この『好き』っていう感情。理屈じゃないんだよ。明確な理由
 なんかない。けして冷静に彩のことを観察して『この子なら』
 なんて思ったわけじゃない。
 だって今、目の前にいて俺のことを好きでいてくれる彩のことを、
 その顔、その姿、その言葉・・・。今見えている聞こえている彩
 以外、何も知らないんだもの。
 要は、きっかけとタイミング。それと相性・・・・なのかな?。
 世間で言うところの『縁』なのか。でも、そういうものともちょっと
 違う・・・。
 『好きだ』っていう、心の底から湧き上がってくる、胸をつかまれる
 ような感情は、それだけとも違う。もっと本源的な何か・・・。
 一生、言葉で理解することはできない感情かも知れない」

「そうですよ・・・ね。
 浩ちゃんには、私のこと、まだ何も知ってもらってないですね。
 『好き』な理由か・・・。
 私は、浩ちゃんのどこが好きかって聞かれたら、いっぱい言える
 けど、でもそれは、今だから。
 昨日まで、浩ちゃんが好きで好きでどうにかなっちゃいそう
 だった時は、浩ちゃんの言うとおり私も理屈なんかいらなかった。
 『だって、好きなんだもん』って」

「そうなんだよなあ・・・。
 でも彩。君を好きだと言うことだけは、間違いない。嘘じゃないよ」

「うん、うん・・・。ありがと。」
 彩の目から頬に一筋、涙が伝わり落ちた。

「なんで? 泣くなよぉ。俺、何か悪いこと言った?
 さっき話したような、不良っぽい人間を好きになって後悔した?」

「あっ、ごめんなさい。違います。
 そういう、私の知らない面も含めて、私が好きになった浩ちゃん
 だから、もっとたくさん知っていきたい。
 ・・・でも、あと2週間余りで、会えなくなっちゃう・・・。
 覚悟はしていたつもりだけど、私は、どうすればいいの?
 夏休みになるまで、ただ待っているしかないの?
 どうやって、この短い間に、私のことをもっともっと知って
 貰えるの?
 浩ちゃんが戻ってくるのを信じてただ、待つしかないなんて・・・。
 分かってはいたつもりだけど、やっぱり・・・。
 ごめんなさい。これじゃ、浩ちゃんを支えるなんて口ばっかり
 ですよね。負担になっちゃいますよね。
 でも・・・、お願いだから、きらわないで!」

静かな声音だが、涙は大粒のものに変わっていた。

これまでも、そしてこの後も、ずいぶんと『ごめんね』が多い二人の
会話。それは、もちろん二人の人柄をあらわすものではあるが、
二人にとって過酷な運命が投影した、誰にもフォローのしようの
ない、彩からの『ごめんね』がやってくるのは、4年後のことだった。

「いや、俺も分かっているんだよ。それなんだよな、問題は・・・。
 晴香ちゃんが俺を見限った理由もそこなんだから。
 よし、あとで二人でよく考えよう。な!? 泣くなって・・・。
 映画! 観たかったんだろ? 何にする?」

「あっ、そうだったネ!」
彩は、ハンカチで目を拭い、鼻を押さえながら、バッグから
『シネ5』の折り込みチラシを出した。
「ねえ、浩ちゃんは何が観たい?」

春休みのことでもあり、子供向けのアニメやら、ラブロマンスもの
やら、アデベンチャーやら、様々なジャンルの映画がロードショウ
公開されていた。

「うーん・・・。俺はその『戦国武将もの』がいいんだけど、女の子が
 観たい映画じゃないよねえ?」

「やったー! 実は私、時代劇が好きなんですよ。
 浩ちゃんの次に!!」

「彩、初めの印象と変わったね!?」

「えっ?そう? 私は何も変わってませんよ。
 浩ちゃんを好きになっちゃったことと、
 浩ちゃんの彼女にしてもらったこと以外は」
勿論、彩の心の振幅は、彩自身が一番自覚していた。
そしてそれは、願いがかなって交際が始まったのに、その相手が
すぐに離れて行ってしまうという、二人の関係の不安定さに由来
することも。

「だから・・・そういうところが・・・。ま、いいや。
 どれ、2回目が1時からか・・・。
 ちょっと早いけど、映画館に入って開演を待とうか」

彩がトイレに寄っている間に、浩平は会計を済ませて出口に立って
いた。
外はいつしか、ドシャ降りの雨。
浩平は、空を見上げながら、バッグから傘を取り出して彩を待った。

「お待たせえ。わあっ、すごい雨!」

「近場でお昼にして正解だったね。傘は、持ってる?」

「はい。持っては来てますけど・・・。浩ちゃんの傘に一緒に
 入っちゃダメ?」

「これ、小さいから濡れちゃうよ」

「すぐそこまでだから、だいじょうぶ。入っちゃおっと!」

浩平は左手に持った傘を自分の顔の右脇に回し、右手で彩の
右脇を抱えるようにして、彩の体が濡れないように気遣いながら
歩いた。
浩平がチケットを買っている間、彩は浩平の左側に回って、用意
して来たタオルで丁寧に浩平のジャケットやジーンズを拭いて
いた。

「浩ちゃん、ごめん。結構、濡れちゃったね。
 ジャケット脱いで? カゼひいちゃう」

「だいじょうぶだよ。映画を観ている間に乾くから」

「だめえ! カゼひいちゃったら、私のせいになっちゃう」

二人は、急ぎ足でロビーに入り、温かい飲み物を買い、前回の
鑑賞者が出てくるのを待って館内に入っていった。
後ろの方の、周りが空いている席に並んで腰かけ、手を握り
合っていたが、上映が開始されると、彩は、浩平の肩にそっと
頭をもたれて来た。
彩は、なんとも言えない幸福感に包まれながら、映画を観ていた。

「おもしろかったね? やっぱりあの迫力は、テレビじゃ味わえ
 ないよね」
ロビーから外に出ると、雨は上がり、雲間から日が射し込んでいた。
彩と浩平は、これからどこに行こうかと、どちらかから言いだした
わけでもなく、ごく自然に、歩いて10分ほどのところにある緑地
公園に向かっていた。
彩が、手を繋いできた。
春先に雨あがりの午後4時前、少し肌寒くはあったが、空気が
澄んで清々しかった。

雨上がりの平日、人影もまばらな公園を手をつなぎながら歩く
二人は、お互いの家族のことを紹介しあっていた。
浩平の家は、主要駅から徒歩だと30分ほど西側の住宅地に
あった。最近になって都市整備が進み、道路が拡張され、子供の
ころに遊んだ田畑や小川はつぶされ、市の施設、マンションや
ショピングセンターが次々と建てられていた。
浩平は、便利さは歓迎するものの、幼いころの懐かしい情景が
破壊されていくようで、寂しさを感じてもいた。
同居している家族は、公共団体職員の父とパート勤めをする
母だけ。6歳上の兄は、勤務の関係で社宅寮に住んでいて、
浩平の家にはいない。
彩の家は、駅からだと歩いて行ける距離ではない。
方角的には、駅から見て浩平の家より更に南西側に位置し、
浩平の家からでも歩けば40分以上はかかるだろう。
彩の父は、地元ではそこそこの規模の電子部品工場を持つ
会社を経営していた。母は、夫の経営する会社の経理を担って
いた。母は家事があるので、5時半頃には帰宅してくるが、父は
いろいろな付き合いもあって、毎晩遅く、午前様も珍しくはない。
『体が心配だ』と、彩は言った。
2歳上の姉は、他県の女子大生で、家を離れて独り暮らしをして
いる。
浩平は、『やはり、彩は、お嬢様だったな』などと考えていた。

「彩、あと残り半月。俺はなるべく彩と一緒の時間をつくりたい
 けど、彩はどうする?」

「私も・・・。あのね。そう言えば明日、朝9時半に、お父さんに
 おねだりして買って貰った車が来るの。軽だけどね、一応、
 新車よ。ドライブしよ!」

「そうかあ、いいなあ・・・。俺は後は筆記試験さえ合格すれば
 免許は取れるけど、進学に金がかかるから、とても車には回ら
 ないもんな。
 しかし、彩の運転で・・・だいじょうぶかあ・・・」

「これでも、運動神経はいいんだよ。教習所の先生にも褒められ
 たんだから」

「それにしても、初めて乗る車だしなあ・・・。
 ま、運転は慣れだから、乗っていれば何とかなるか。
 ・・・さて、問題は、俺が向こうに行ってその後だよな・・・」

「うん・・・」

「電話は、むこうに着いてすぐに申込みを済ませても1週間は
 かかるかな。
 とりあえずは・・・、手紙を交換しようか。
 電話が通っても、そうしょっちゅうかけてたら、お互いにお金が
 かかってしょうがないし。なるべく早く、バイトは探すけどね」

「手紙か・・・。1回やりとりするのに、1週間くらいはかかっちゃう
 でしょ?・・・声も聞きたいし、顔も見たくなっちゃうだろうな・・・。
 月に1回でもいいから、浩ちゃんのところに行ければいいんだ
 けれど、毎月のことだと、お母さんに不審がられちゃいそうだし。
 浩ちゃんだったら、素敵な女の人、いっぱい寄ってくるんだ
 ろうな・・・」
彩は、鼻をすすった。

「また、泣く・・・」

「だって・・・」

「俺が信じられない!?
 そんな男だと思って、俺と付き合いたいと思ったのかい!?」

「ううん、信じてる。信じてはいるけど、遠くにいる彼女より、やっぱり
 近くにいるきれいな人が寄ってくれば・・・。
 浩ちゃんは、二股をかけるような人じゃないのは分かっている
 けど、私なんかより素敵な女の人はたくさんいるわけで、お互いに
 魅かれあったら、たった1通の手紙で、交際したい人ができたから
 別れようって送られて来ても、私には、こっちでデートしたことが
 ある相手だという事実しか今はないし、それを拒否する理由も
 手段もないんだもん・・・」

「俺は、大学で知り合った友人たちは大事にしたいと思っている。
 何かしらサークルにも入るつもりでいるし、バイトもする。
 もちろん、そういった中で知り合い、親しく接する女性もいる
 だろう。
 だけど、彩。俺が彼女として付き合えるのは、お前だけだ!
 彩の顔が見られない、声が聞けなくて淋しくなるのは、俺も
 一緒なんだよ。だからと言って、淋しいからと言って、他の女に
 手を出すようなことは、絶対にない。
 そうだな・・・1週間に1回程度、電話をかけておいで。
 その時、もし俺の部屋に女の気配があれば、彩ならきっと
 気付くだろ?
 俺も、週一くらいは、彩の家に電話をするから。な!?」

「・・・うん。・・・信じてるからね。絶対だよ!」

「よし。夏休みには、また戻ってくるから」

陽が西の空に陰り、辺りは薄暗くなり始めていた。
どちらからともなく、密集した雑木林の前まで来ていた。
彩は、浩平の両脇に自分の腕を差し込み、少し上を向いて目を
つぶった。
いくら鈍い浩平でも、その仕草が何を意味しているのかは理解
できる。浩平は、唇を近づけ、・・・おでこにキスをした。
意地悪をして、そのまま放置してみる。
彩は、ゆっくりと目を開け、せつなそうに抗議をする。
「なんで? それだけ?」

浩平は、返事はせずに、また顔を近づけた。今度は彩の唇
目指して。
初めは軽く触れ、2度、3度、彩の唇を吸ってから、舌を割って
入れた。
彩は何の抵抗もなく受け入れ、自分の舌を絡ませた。
苦しくなっては離し、またつける。次第に濃厚なものにかわって
いく。時に、貪るように互いに唾液を吸い、飲み込んだ。
『クチュッ』という音とともに唇が離れ、舌と舌から糸を引いた。

彩は、トロンとした眼で見上げている。小さく呟いた。
「アッフウ。すごい・・・。体が溶けそう・・・」
口にこそ出せないが、彩は、キスの最中、自分の下半身が
熱を帯び、ジワっと何かが染み出してくるのを感じていた。
浩平にしがみつき、くぐもった声で呟いた。「愛してる!」
浩平は、彩の頭を撫で、ポン、ポンと軽く叩いた。

「彩、もう帰らなきゃ」

「うん・・・。そうね」

一旦、駅に戻り、彩が翌日に、浩平の家まで車で行くことを
約束し、彩はバスに乗った。浩平は、余韻を楽しみながら、
歩いて帰ることにした。
キスを経験しただけなのに、彩の顔には大人の色気が
加わったように見えた。


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