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前話、再婚した友人・完結編 太郎とユウタの父子旅行


太郎(再婚当時33)は前妻礼子に逃げられ、ユウタが残された。
その直後、同級生の真梨子と子連れ再婚して1年。(礼子とも普通に話せるようになったが、礼子はヨーロッパへ移住した)
夏休みには箱根へ家族旅行に行き、宿で「私たちの子どもを作りたい」と真梨子から言われ、中だしをした太郎だったが・・・

【太郎、散々な長期出張】
旅行から帰ったあとも、俺と真梨子は子作りに励もうとしたが、四国の営業所で内紛がありスタッフが集団退職。一時的な人手不足のため、四国へ1ヶ月の長期出張をすることになった。ユウタと二人暮らしの時、会社に散々迷惑をかけていたので、断れなかったのだ。
四国から北東北だと、週末の帰省も難しかった。新幹線だと丸一日かかるし、飛行機は乗り継ぎの便がよくない。結局、ずっとビジネスホテル暮らしに。
で、出張最終日。倉庫で荷物の整理をしていると、OLの三香(22)のミスで脚立から転落。脚を骨折、腰も痛めた。
四国の病院に10日間入院した後、車椅子に乗って地元に戻る。
恐縮した三香が付き添いを志願してくれ、会社は三香を出張扱いにしてくれた。三香の両親と所長がポケットマネーで普通車との差額を出し、生まれて初めて新幹線のグリーン車に乗ったが、駅から地元の病院に直行して即入院。
真梨子や子どもたちとは病院で再会と言うことになってしまった。

【楽しい(?)入院生活】
「遊んでくれないの??」という不満げな様子を見せた子どもたちの姿に三香はショックを受け、出張と休暇を足して滞在可能な4日間はほぼ付きっきりだった。
(三香とは1ヶ月一緒に仕事をして、バカなことも言い合える仲だった。移動の際も肩を借りたりしているし・・・)

二人部屋には同室者も居らず、半個室状態。多少暑めなので、三香は薄着で過ごしていて、体に貼り付いているTシャツからブラ紐が透けるのとか、ジーンズ越しに丸く膨らむ尻とかが気になる。
「暑いでしょ?」と三香が布団を剥いだとき、俺の逸物は天を仰いでいた。
「えっ、どうして?」三香がびっくりした声を上げる。
「三香の体が気になって・・ここ10日以上抜いていないし、三香のでかい尻とか色っぽいし」と冗談交じりに言ったら
「すみません、私がドジしなければ、今頃は奥さんと・・・あの、手で良ければ・・いいですよ」
そう言うと、三香はズボンの上から逸物を捏ね、おもむろに取り出した。
素手で直接触られるだけでぞくぞくした。
「意外と早く逝っちゃうかも」「本当・・?。うん、早くしないと看護婦さん来ちゃうしね」
三香は、俺の逸物を強めに握ると、擦りだした。。。2分ぐらい経った頃
「逝くよっ」「はい」三香が逸物の先にティッシュを当てると、白濁液がこれでもか、と言うぐらい出てきた。
後始末の後「お役に立ててよかった」と、軽いキスをしてくれ、逗留先のホテルへ帰っていった。
その後3日間、朝夕と一日2回抜いてくれて、服の上から胸や腰、尻を触らせてくれていたが、3日目からは生バストを触らせてくれた。
礼子のような、小さくて張りのある胸を揉み、乳首を捏ねると「あんっ、だめ。欲しくなっちゃう」と鼻を鳴らした。
最終日の最後の手コキでは、途中からしゃぶってくれて、口の中に発射。
「また四国に来てね。今度はHしようね」とお別れした。

その3日後。何と、前妻礼子が見舞いに来てくれた。ヨーロッパの旅行会社に行ったのでは?と尋ねると、日本の旅行会社と折衝するため来日し、思ったより早く済んだので、休暇を取って弟の卓也君に厄介になっているとのこと。卓也君とは礼子の渡欧後も親しくしていたが、さすがに気を利かせて礼子来日を伏せていたのだろうか・・・
(卓也君は、礼子が渡欧直前、俺と横浜で逢っていたことは知らない)

「ねえ、溜まっているでしょ」といきなり礼子は布団を剥いで、逸物を取り出し、捏ねた。
「やっぱり、日本人のは固くていいわぁ?」
「固いって・・・向こうの人としたの?」
「うん。現地の人ってどんなモノなのか試してみたくて、一度だけ取引先の妻子持ちの男の人と・・・・」
俺は、小柄な礼子が金髪で毛むくじゃらの白人に貫かれている姿を想像し、逸物はいっそう固くなった。
「向こうの人のって、大きいけど柔らかいのよ。それに、前戯に2時間も掛けるから、疲れちゃった」そう言いながら、慈しむように逸物を捏ね、いきなりくわえた。
「礼子、そろそろ看護師が・・・」「出していいよ」「礼子っ」俺は礼子の口の中にたっぷり出した。
礼子は無理矢理飲み干した後「やっぱり日本人はあっさりとお茶漬けね」何だそりゃ。

その礼子、毎日来ては入り浸るようになった。真梨子とかち合うこともあるが、その時は俺を差し置いて雑談。
世間話の中で、ヨーロッパの暮らしは思ったよりも大変で、永住するのも・・・、ということが話題になっていた。

それにしても、いくら三児の母親だとは言っても、真梨子はどうしてこんなに冷たいんだ?
ふと俺は気になった。車で10分。いつでも来られるのに・・・
病室で手コキやおしゃぶりまでは期待するほうがおかしいとして、朝夕とも短時間で帰ってしまうし、時には結奈を頭に子どもだけバスに乗って来るときもあった。(子どもだけで行くと、お駄賃が貰えるらしい)

そんな不満を礼子に言ったら「3人のママじゃ大変だもん。外科のお見舞いなんてこんなものよ。それより、体拭いてあげようか」と、体を拭きながら逸物を捏ねたりしゃぶったり。何回も発射させられた。
もちろん(?)服の中に手を入れる形ではあるが、生乳も触らせてくれた。
帰国前日の午後、礼子はフレアのワンピースでやってきて
「ねえ、さっきトイレで濡らしてきたの・・・」と逸物をしゃぶって立たせた後、ベッドの上の俺にまたがって、合体した。もちろん、ノーパンだ。
久々の女性の感触に、逝きそうになるが、中に出すわけにはいかない。
「礼子、もっとゆっくり。逝っちゃうよ」
「ちょっと我慢して、すごく気持ちいいの。」そう言うと、礼子は自分で腰を振り始めた。服は着たままである。
「んんんっっっ、あっ。。。逝っちゃった。やっぱ固いのはいいわ。太郎も中で出していいよ」
「おいおい、冗談きついよ」
礼子は、ベッドの上から降りると、俺の逸物を手で扱きだした。
一方で、俺の空いた手をスカートの中に誘導して、局部を捏ねるように促す。久々の礼子の局部は大洪水になっていた。クリを擦ると、「んんんっ」と快感をこらえている。その表情に、俺は逝きそうになった「礼子、逝くよ」「いいよ」「おおおおっ」
後始末の後、礼子は俺に覆い被さってディープキス。

「太郎・・やっぱりあなたが世界で一番好き」
帰り際に礼子はそう言い残して、ヨーロッパに旅立った。

それから数日経った10月末、待ちに待った退院。楽しい入院生活だったが、それとは別格の楽しみ、帰宅。そう、真梨子とは2ヶ月間ご無沙汰していた。
今日は徹底的に真梨子を・・・・・・それだけで逸物が立ってきた。

【真梨子と寝室・・・!】
真梨子が迎えに来て自宅に帰り、荷物をほどいたりするが、どうも真梨子の様子が普通ではない。何か沈んだ感じだ。
帰ったら寝室に連れ込んで押し倒そうと思ったのに、とてもそんな雰囲気ではない。(脚が完全に治っていないので、力ずくというわけにもいかないし)
学校から帰った子どもたちと喋ったり、食事、お風呂と淡々と時間が過ぎていく。
夜10時。子どもたちはそれぞれの部屋に入った。夜10時以降、両親の寝室に用事のある子どもたちはノックをすることになっているので、やっと夫婦の時間。
寝室の片隅にあるソファに腰掛けて、真梨子に隣に座るように促すが・・・・

真梨子は突然「太郎、ごめんなさい・・大事なお話が・・」俺は胸の高鳴りを感じた。
「真梨子、どうしたの」・・・「これを見て!」真梨子が取り出したのは、妊娠検査薬。
窓にはくっきりと赤い帯が。真梨子は妊娠していたのか・・・
「やったぁ、赤ちゃん出来ていたの??、どうして隠していたの?」

「それが・・・・ごめんなさい。あなたの子どもじゃないの!」そう言うと泣き崩れてしまった。
「真梨子!!」俺は怒鳴った後、怒りをかみ殺して「どういう事?本当なのか?」
俺は口から心臓が飛び出しそうになった。

「真梨子、何でも話してみてよ。」

【真梨子、衝撃の告白】
夏休み、俺との子作りは失敗したみたいで、9月に入ってすぐに生理が来た。
(確かに、その後には真梨子とHしていない)

で、9月中旬。昔の同級生が集まるというので、真梨子は(太郎の)おふくろに子どもを預け、出かけていった。
男女合わせて20名ぐらいの和気あいあいとしたメンバーだった。
貧乏時代は同窓会なんてとんでもなかったので、皆、久しぶりの顔ばかり。
普段、家事に追われていることから開放的になり、飲みつけない酒を飲んで、気分が良くなったのだが・・・。
いつの間にか、店を移動していて、昔かっこよかったツッパリのシンジとコウジと3人で喋っていた。そこでも酒を飲まされているうちに記憶を亡くして・・・

気がついたら、股間に違和感を感じていた。真梨子が居たのはラブホテルの1室。全裸で仰向けにされ、シンジが真梨子を貫いていた。抵抗しようとするが、手を押さえられていた。
「おい、まりちゃんのお目覚めだぞ」と、背中からコウジの声。
ここで真梨子は正気にかえった。私、どうしてこんな所でHしてるの?
「ちょっと、やめてよ」と大声を出すが、すぐに口をふさがれた。
それよりも、股間を貫いているシンジのピストンが気持ちよくて、喘ぎ声が出てしまう。
コウジは、乳首をこね回しているので、変になりそうだ。
と・・・「おおっ逝くよっ」と、シンジ
「えっ、まさか。生なんでしょ。中はやめて、お願い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ぉぉぉぉぉぉおおおおおっ」シンジは腰に体重を掛け、真梨子の中にたっぷり放出した。
真梨子から抜け出たシンジの肉棒にはゴムは付いていない。
「ちょっと、やめてよ。ひどい・・・」真梨子は泣き崩れたが、すぐにコウジに尻を掴まれ、バックの体勢にさせられると、肉棒が股間に進入してきた。

正直、真梨子は感じてしまい、抵抗する術もなく声を出し続けるだけだった。
「お願い、中はやめて」という願いもむなしく、中にたっぷり出され、その後も1回ずつ中に出された。最後は抵抗する気力もなく、時間が過ぎるのを待つだけだった。

最後にはお約束の脅迫。「写真撮ったからな。それに、お前から付いてきたんだから、和姦な・・」
「お願い、帰らせて。子どもたちが・・・」「分かったよ。まあ、これからもセフレ続けようぜ」真梨子はようやく服を着て、部屋から連れ出されると、奴らの腕を振りきって幹線道路に飛び出し、タクシーを拾った・・・

その2週間後。シンジとスーパーでばったり出くわし、画像のプリントを見せられ、シンジの車で山の中へ。青姦でバックで貫かれ、中出しされ、写真も撮られた。。それ以降は会っていないと言うが・・・

【真梨子の必死の願い】
「お願いします、私のようなふしだらな女、叩き出されても仕方ありません。私が全部悪いんです。だけど、礼子さんのところに、結奈と若奈だけは連れて行ってください。助けてあげてください・・・お願い」
と、土下座した。
前妻の礼子が一時帰国していたとき、俺のお見舞いと称して病室に入り浸っていたのを真梨子は知っていた。
真梨子は事件?妊娠発覚の後、自分が叩き出されるのは覚悟した。
しかし、結奈と若奈を連れてはいけない。自分の力では生活が成り立たないのは再婚前の生活から明らかだからだ。
そこで太郎が礼子を帰国させ、復縁すれば、子どもたちを引き取ってもらえると思い、礼子が入り浸るのを黙認していたらしい。(道理で礼子に帰国を勧めていた訳か・・・真梨子は)

もちろん、そんなこと出来るわけはない。

「真梨子、俺と別れて奴と一緒になりたいのか?」太郎は恐る恐る聞いた。
「そうじゃないけど、太郎と別れたくないけど、でも、私のしたこととても許されることではない・・・ううっ」
「真梨子。俺は一回礼子に捨てられている。もう女房に逃げられるのはこりごりだ。だから、今現在の率直な俺の気持ちとしては、すぐにお前を叩き出そうとか、礼子に日本に帰国してもらおうというつもりはない。もう少し色々聞いてから考えたい。だけど、ちょっとひとりにして欲しい」
「はい」

俺は、寝室を出ると、書斎にこもった。
なんてことだ・・・・もっと聞きたいことはあったが、聞くのがいたたまれなかった。
Hさせられ、脅迫を受け、望まない妊娠をし・・入院中の俺に気を遣って喋ることもできない。
俺にあわせる顔がなくて、見舞いもおざなりになるのは無理もないだろう。でも・・・

とりあえず、明日色々行動しなくてはならないかも。遅いけど、会社の上司に休むことを伝えないと。中原(なかはら)課長の番号は・・・・・

【太郎の電話した相手】
携帯のボタンを押すと、呼び出し音の後「はい、中部(なかべ)です」
「もしもし・・・あれ?、ケンか!!」どうやら間違えて掛けてしまったようだ。
が、高校の仲間であるケンの声を聞いて、俺は不覚にも泣き出してしまった。
「太郎、どうしたんだ。突然泣き出して・・・」「実は・・・・」
太郎はいきさつを話した。昔の仲間なので、何でも話せる気がした。
何度も何度も嗚咽した。涙が止まらなかった。ケンはそれを全部聞いてくれた。
最初、背後で何人かが談笑していたようだが、静まりかえり、ひそひそ声に変わった。
「ケン、誰かいるのか・・・」「大丈夫だよ、続けろよ」
全部話し終わると、俺は咆哮した。。。。。

ケンの所にいたのは、義父の真一郎氏。
義母が20人近い友人を連れ込み、自宅でホームパーティーをして騒いでいるので、娘(ケンの妻・真帆)の所に逃げ込んできたというわけ。
あと、準備と片づけに手間がかかるということで、弓美と、弓美の婚約者の池本君も来ていて、ケンの所で待ちながらしゃべっていた。(全て葬式?PTA会長シリーズのメンバーです)
皆で談笑していると、突然太郎からの電話。ただならぬ気配に、義父・真一郎氏が関心を示し、太郎が嗚咽している間を利用して、ケンは手短に状況を伝えた。

あまりにも悲惨な話に、皆、声も出ない。

話終わった俺は少し落ち着いた。
「もしもし」・・相手が年輩の男性に代わった。
「太郎君、ケンの義父の真一郎だ。覚えているか?」と野太い声が耳に入る。
真一郎さんとは、ケンの所に遊びに行ったとき、少し話をしたことがある。
「ケンから話は聞いた。本当に辛かったな・・・・」俺は、二、三受け答えすると
「太郎君、今、君は辛いと思うが、これだけは聞いて欲しい。今、君は奥さんのこと責めたいと思っているだろう。だけど、奥さんを取り戻したいと思うなら、絶対に奥さんを責めちゃだめだ。」俺は、はっとなった。レイプの二次被害・・・・
「いいか、太郎君の敵は奥さんではない。あの男たちだ。私はレイプ犯罪を絶対に許さない。私たちも是非協力させて欲しい。一緒に戦おう」

次に電話に出たのは女性だった「太郎、覚えている?。弓美よ。洋子の友達の」
ケンの彼女・洋子の友人弓美。いつも図書室で本を読んでいた明るい娘。なつかしいなぁ。(どうしてケンの所にいるんだろう?)
「ケンから話は聞いたよ。今は真梨子ちゃんを守ってあげて。私も手伝うよ」ケンだけでなく、弓美まで俺のこと応援してくれる・・・懐かしい声を聞いて、気持ちが落ち着いだ。

と、真梨子が書斎に飛び込んできた。
「太郎・・・どうしよう」と携帯の画面を見せてくれた。
『そろそろオレたちといいことしようぜ。会いたいな』シンジからのメールだった。
ご丁寧にも、真梨子の全裸画像まで添えられている。

太郎は電話口のケンに話した。
「そうか・・・でも、このタイミングでメールを見せてくれるのなら、真梨子さんは大丈夫。さて・・・」俺たちはもう少し話を続けた。

電話を切ると、真梨子は「太郎、本当に、私、ここにいてもいいんですか?・・ありがとう」と涙ぐんだ。
「うん。だけど、真梨子。ただでは済まない。俺たちの選ぶ道は辛いぞ・・・」
「はい。太郎と一緒に居られるのなら・・・・死ぬ気で我慢します」
俺たちはベッドをくっつけると、手をつないで寝た。

【作戦会議】
翌朝、会社に電話して休むことを伝えた後、(礼子との離婚を担当した)津田弁護士を訪ねた。
今までに来たメールの文章や画像を見せる。真梨子の裸やHシーンなど、おぞましい画像ばかりだが、そんなこと言っていられない。
真梨子も、自分の裸の画像を前に、屈辱に耐えながらも自分が犯された状況をしっかりした口調で証言する。これが上手くいかなければ破滅なのだ。
「これはひどい・・・」と弁護士は絶句。示談や法的闘争に入るための打ち合わせをする。

作戦としては
(1)真梨子が会うことを装って二人(シンジとコウジ)を呼び出す。
(2)そこで太郎が二人の前に出て、弁護士の元へ連れて行く
(3)その後、証拠を突きつけて示談交渉。
・・示談に応じる姿勢がなかったり、態度によっては告訴。(警察には事前に証拠を持参して相談)

問題は(2)の二人の身柄の確保。多分抵抗することは間違いない。
が、ケンに相談すると「任せとけ」と二つ返事で引き受けてくれた。

【ミッション準備】
決行は今度の日曜日の夜と決め、真梨子は震える指でメールを打った。
「今度の日曜日なら。ファミレスの○○で待っています。。でも、主人はもう戻っています。これで最後にしてください。」
「分かった。でも、これで最後にはしないよ。お前のむちむちの体、忘れられないぜ。またひいひい言わせてあげるよ。タロには内緒で逢おうぜ」と返事が来る。ふざけんなよ!

当日午前中、○○ファミレスと離れた山奥温泉のA旅館にケンたちが着いたとのこと。
ここに全員集まり、座敷で昼食を取りながら作戦を確認する。(子どもまで含めると全部で20人近く集まっている。役割を確認しながら、ちょっと見渡してみた)

真梨子・・○○ファミレスでシンジとコウジを誘い出す。
真帆・弓美・・○○ファミレスで客を装って待機し、電話をつなぎっ放しにして真梨子たちの席の様子を盗聴して外部に送信するとともに、会話を録音。
太郎・・・まず、シンジとコウジの前に出て、謝罪と関係解消をするように迫る。

太郎の父、真一郎(ケンの義父)、勇二郎(真一郎の弟)・・・ファミレス隣の公園に待機していて、シンジとコウジが抵抗した場合、身柄を確保

シンジとコウジが抵抗した場合、真帆と弓美が店から真梨子を連れだし、ファミレスに待機している車(ケンが運転)で脱出する。

卓也(前妻礼子の弟で太郎と親しい)、池本君(弓美の婚約者で10コ年下)・・シンジとコウジや太郎たちを津田弁護士の元に運ぶ車のドライバー。見張りも兼ねて公園で待機。

太郎の母、ケンの義母(真一郎さんの奥さん)、勇二郎さんの奥さん・・・A旅館にて、太郎の子どもたち(3人)とケンの子どもの保育(旅館に待機なので今回の作戦には参加しないが、誰かが負傷して病院に担ぎ込まれた、などの緊急時には対応する)

太郎の父の友人である、○○ファミレス店長も、今回の捕物に協力してもらうため同席していた。
津田弁護士は夕方にBシティホテルの個室(小会議室)に移動して待機する。会場には「中部工業面接会場」という札がぶら下がっている。卓也君の奥さんは中部工業の事務員に化け、連絡係として一緒に待機している。(示談中は別室へ)

作戦を確認した後、旅館で色々な人と断続的に喋りながら過ごす。
真梨子(新聞部員)と弓美(本好き)は高校時代、図書室で声をかけあう程度のつきあいだが、同級生と喋ることで多少、真梨子は気が紛れたようだ。

そして、約束の18時。俺はファミレスに隣接した公園駐車場に待機する。
店内には、真梨子と、通路を挟んだ反対側の席に弓美&真帆さんが客を装って待機している。(弓美は大きな眼鏡と帽子で変装している)
と、シンジとコウジが入ってきたのが見えた。昔から粗野な奴だったが、全然変わっていない。
真一郎さんの電話が鳴った。真帆さんが電話をつなぎっぱなしにしたため、店内の様子がスピーカーで流れてくる。

【ファミレス突入】
「まりちゃん、待たせたな。早く会いたかったよ」
「まあ、コーヒーでも飲みなさいよ。。ねえ、太郎にばれたら大変よ。もう退院しているんだから。もうやめようよ」と真梨子は二人を座らせてしゃべり始める。店長はお冷やの器として、アクリル製のコップを用意したとのこと。奴らが投げつけても割れないように。

いよいよ俺の出番だ。「太郎、がんばれよ」とサングラスにマスク姿の真一郎さんが握手をしてくれて、俺は店内へ。

「お前らか?真梨子にまとわり付いているのは?」
「いよっ、タロちゃんのご登場」「わりぃな、お前の奥さんと今から一発やるところなんだよ。お前はとっとと帰ってろ」「この雌豚、抱き心地は最高だぜ。タロちゃんだけじゃ物足りないとさ」二人は立ち上がる。
「お前ら、そんなことしていいと思っているのか?、ちょっと座れよ。話がある」
「うるせえ」シンジが突然、俺の胸ぐらを掴んだ。顔が熱くなり、床に転がった。脚はまだ治りきっていないのだ。鼻からは血が噴き出したところに、何発かパンチが入る。一対二では・・・。
立ち上がろうとすると、コウジに腹を蹴られ、少し意識が遠のいた。
と、「お前ら、何をやっているんだ」と父の声が聞こえ、「真梨子さん、早く」と弓美と真帆さんが真梨子を連れ出す様子が。
真梨子は、「太郎!」と悲鳴を上げながら弓美たちに引きずられるように店外へ。「こっちだ、早くしろ」というケンの声・・
「真梨子、てめえっ、逃げるな」とコウジが怒鳴るが、すぐに崩れ落ちる。誰かが腹を殴ったらしい。駐車場からは白いクラウンがケンや真梨子たちを乗せて、猛スピードで走り去った。

さっきからフラッシュが光っている。(店長が暴行の証拠を撮影していた)
何とか立ち上がると、シンジとコウジは、真一郎さんたちに首根っこを掴まれ、店外に連れ出される所だった。ウエイトレスが用意してくれたおしぼりで顔を拭いた後、俺もついていく・・・

公園の茂みの奥に二人は正座させられている。
そう、真一郎さんと勇二郎さんは、見事に二人で奴らを制圧しているのだ。サングラスにハンチング帽、マスク姿の二人は皮手袋と皮ジャンパーを着用し、勇二郎さんの手元にはドス(短刀)が・・すげえ。作戦通り、俺のおやじと俺は、奴らの後ろに立つ。
「お前ら、他人の女房を寝取って妊娠させた上、旦那に暴行か・・」「証拠は録音と写真で撮ったから」
「今から、示談するから弁護士の所に行くぞ」真一郎さんと勇二郎さんは凄んでいる。
「イヤです。真梨子さんが誘ったんです」「俺たちは中出しなんてしていませんよ」拗ねたような口調で言い返す奴ら。反省の色は見られない。
勇二郎さんがドスを俺の父に預けると、シンジの胸ぐらを掴んで立たせ、後ろから羽交い締めにした。
「そういう嘘つきには・・」真一郎さんがパンチをシンジの腹に浴びせた。顔色一つ変えず、パンチは腹に吸い込まれ、シンジの顔が青ざめている。
「あんた方こそ暴力・・」正座したままのコウジがぼそっと言ったので、俺はコウジの顔に蹴りを入れ、奴は倒れ込んだ。
「おい、顔はまずいぞ」と父。だけど、そう言いつつも、股間に父の蹴りが入った。

「お前ら、強姦罪で告訴されると大変だぞ」
「強姦罪(ツッコミ)で刑務所に服役すると、他の受刑者からいびられるぞ・・」真一郎さんたちは奴らに声を掛ける
崩れ落ちたシンジに代わり、コウジも腹をたっぷり殴られた。
俺も、シンジへの股間への蹴りに加わった。コウジが割と早く崩れ落ちた。
「もっと続けてやろうか」「腹を殴られるとなぁ、なかなか死ねない割には苦しいぞっと」
腹へのパンチを再開するそぶりを見せると
「分かりましたよぉ。行きゃあいいんだろ」
「馬鹿野郎、『はい、行きます』と言え」
「ううっ・・はい、いきます」シンジとコウジはうなだれた。

見張り役&運転手の池本君と卓也君先導の元、俺たちは奴らを車に押し込んだ。
卓也君は空手の有段者なので、今回は見張りに回ったが、気迫は十分に伝わっている。
駐車場には、池本君運転のケンの黒いミニバンと、卓也君のRV車が二台止まっていた。
(いずれも3列シートで、1台一人ずつ、3列目に押し込まれた。口裏合わせ防止と、運転手に対する暴行防止の為のようだ)

【示談】
車はシティホテルに到着した。シンジとコウジを小突きながら弁護士の待機する個室会議室へ。
室内には、俺、弁護士、俺の父、シンジ、コウジ。あと、ドア際に卓也君と勇二郎さんが立つ。
「話を始める前に、あなた方も弁護士や関係者を呼びますか?」「いいえ」「では・・」
津田弁護士は、威厳ある落ち着いた態度で二人と接している。

裁判に持ち込むだけの証拠はある。裁判になったら、費用もかかるし、あなた方は社会的に破滅すると。
「うそでしょ? 僕らがやったという証拠はあるんスか?」
「あなた方の撮ったH写真、顔は写っていなくても手足のほくろや傷は写っている。比べてみるか?」
「でも、先生。あれは真梨子さんから誘って・・」この期に及んで往生際の悪い奴らだ。
「真梨子さんは子どもが欲しくて、8月に産婦人科に健康診断に行っている。これがその明細と領収書だ。そんな状態の主婦が男を誘うものか・・・」
「真梨子さんはまた会いたいと・・・」
「お前たちからのメールは、全部脅迫じゃないか」
さらに、酒に何か混ぜていたというバーの主人の証言、子どもを欲しがっていたという真梨子の友人の証言、太郎が四国のホテルに泊まっていた宿泊証明書、入院費用の明細書、そして、妊娠6週の診断書。
次から次へと、証拠が並べられていくと、彼らは沈黙した。

示談書のフォーマットが提示された。
  ・姦淫の事実を認めること。
  ・今後は一切真梨子や太郎などに接近しないこと。
  ・謝罪すること。慰謝料は・・・・・

奴らがそれを読んでいると、廊下から話し声や悲鳴が聞こえてきた。
「家族をお連れしました」とケンが数人の人を招き入れた。
ドアが開くと「シンジ!」「コウジ!」「なんて事を・・」「ひどい・・・」
シンジとコウジの両親や奥さんたちだった。
交渉に入る前、シンジとコウジの身柄を引き取らせるため、奴らの家族を呼び寄せていたのだった。(突然の呼び出しに不審がる家族に、真一郎さんたちがロビーで説明してくれたようだ。)
「太郎さん、申し訳ありません」皆、一列に並んで俺に土下座した。が、俺は納得できない。本人が謝ってくれないと意味がない。家族たちは、「ちゃんとお詫びしなさいよ」とシンジとコウジに囁いている。全く、ガキじゃあるまいし・・・
少しして、「すみませんでしたぁ」と誠意が感じられない態度で嫌々シンジとコウジが謝罪らしきことをし、示談書にサインした。

俺は、「ちゃんと真梨子にも謝れよ」と言いかけた、その時。
スーツ姿の屈強な男性が数人、室内に入ってきた。
「ここは、中部工業の面接会場ですよ」と卓也君が追い出そうとするが・・・
「○○シンジ、△△コウジ。強制猥褻と強姦容疑で逮捕する」
「あれ?、私の依頼者はまだ告訴していませんよ」と弁護士。(事前に警察に相談はしていた)
「津田先生、どうも、こんばんわ。ちょっと違うんですよ。別件ですので」と、弁護士の知り合いらしい刑事。
逮捕状を見せられたシンジとコウジは、呆然と見つめる家族の目の前で手錠を掛けられ、連行された。

後で聞いたところによると、真梨子とは別の同級生もシンジとコウジに犯され、泣き寝入りしていた。
高校時代はツッパリだった二人も、今は筋金入りのごろつきになっていたのだった。昔の仲間と交流が無かった真梨子は、そのことを知るよしもなく、付いて行ってしまったわけだ。
ところが、真梨子たちが奴らと対決・示談するために証拠を集めているという話を聞き、その同級生も旦那に告白。相談してやつらを告訴することにしたとのこと。
警察への相談の中で、真梨子たちが本人たちの身柄を押さえて示談交渉をするという情報も流していたので、この場での逮捕となった。
後日、同級生に付いている別の弁護士や旦那から、「この件も告訴して欲しい。彼らに重い刑を」と頼まれ、真梨子も告訴した。

「太郎くん、後は奥さんと仲良くするんだぞ」と真一郎さん
「ここまで手を掛けたんだ。真梨子を泣かせたらただじゃおかないぞ」とケン。
別室で待機していた真梨子や、A旅館にいたうちの子どもたちとも合流。
A旅館に宿泊するケンたちをホテル玄関で見送ったあと、卓也君の車で自宅に戻った。

寝室にこもり、真梨子に示談書を見せる。逮捕されたことも伝えると「そう・・・」と少しほっとした表情をした。真梨子は、俺のアザだらけの顔を飽きることなくいつまでも撫でていた・・・

【苦渋の決断】
疲れたのでその晩はそれだけで寝ることにしたが、大切な問題が残っていた。
真梨子のお腹の中の胎児である。

犯された結果出来てしまった胎児。母親としての本能と、男に対する嫌悪感、妻としての責任の間で真梨子は悩んでいるに違いない。A旅館で、真一郎さんや勇二郎さんたちとこの話は十分にしている。
まず、中絶そのものは、
・母体保護法第14条(2) 暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの
に該当するので問題ない。(必要なら示談書も使える)。理解ある医師なら
・母体保護法第14条(1) 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
を適用してくれるだろう。

ただ、誰が話の方向性をつけるか(泥をかぶるか)、という点については太郎がそれをすべきだ、と真一郎氏。(この時点で既に胎児の運命は決まったも同然)
「産むのは女性が決めること」と突き放すのは無責任だというのだ。

そこで、翌日、その話を真梨子にしてみる。やはり、中絶したいが、命のことを・・
と煮え切らない様子。そこで
「真梨子がどうしてもというのなら男が押し切ることはできないけど」と前置きして
「結奈や若奈は連れ子なのを承知で再婚したのだからいいとして、(結婚後に仕込まれた) ”父親が自分ではない子ども”が生まれても自分の子どもとして接する自信がないし、そんな訳のわからない子どもを産んだ真梨子とも今まで通り接するのは難しいと思う。俺のこと、心の小さな人間だと思ってくれて構わない」
と告げた。
その上で「真梨子の十字架は俺が背負うよ」とも・・・・・

真梨子はすすり泣きをした。やっぱり産みたいのか・・・・俺はぎょっとした。また離婚なのか・・・もうこりごりだ。と。
でも真梨子は
「太郎、私、どうしたらいいのか分からなかったけど、そう言ってくれて少し気が楽になりました。お腹の子どもはおろします。太郎と一緒に居られるためなら、どんなことでも我慢します。その代わり、一生離れないから」そう言うと、しがみついてきた。

その後、俺は、自分のおふくろに報告した。怒られるかと思ったが、ドライな性格のおふくろは
「あんたたち、その子の分も幸せになるのよ」とあっさり言ってくれて、術前術後は子どもたちを見てくれるとのこと。
午後、父から紹介された婦人科に行き、事情を話し、手術を申し込む。
この医師、昔は産婦人科医師として多くの出産に立ち会っていたが、最近は体力の衰えから分娩をやめて婦人科(と中絶)をしている由。……父の配慮を感じた。明るい待合室に妊婦向けのポスター(赤ちゃんの図柄が多い)がべたべた貼られているような産婦人科での中絶は、真梨子も辛いだろう。
実際、薄暗い待合室は更年期を迎えたようなおばちゃんばかり。貼られていたポスターで一番目に付いたのは「振り込め詐欺にご注意」だった。

老医師は、真梨子に簡単にねぎらいの言葉を掛けた後、手術の流れや注意事項をこれから爪でも切るように淡々と説明してくれた。
あっさりとした口調が、今の俺たちには嬉しかった。

命を絶つと言うこと・・・辛い決断だ。
手術日までの間、俺は何度も夜中に目が覚めた。ユウタが生まれたときの、礼子の嬉しそうな表情が思い出される。
真梨子を起こし、「真梨子、やっぱり産んでくれ」と言いたくなるが、シンジとコウジのふてぶてしい態度を思い出し、怒りのパワーでそれを押しとどめた。あんな奴の二世なんて、子ども自身がかわいそうだ、とも。
それでも、手術の前日、書斎からこっそりケンの所に電話したときは涙が止まらなかった。ケンは、そんな俺の愚痴をいつまでも聞いてくれた。

【人工妊娠中絶手術】
当日、緊張気味の真梨子を伴って婦人科医院へ行く。車を降りると
「太郎、どうしよう」「?」
「何か、お腹の中で動いた気がするの」
「真梨子・・・」俺は、人前にもかかわらず、真梨子を抱きしめた。真梨子、すまない。寛容ではない俺を許してくれ・・・

「太郎、ありがとう。いいわ。中に入ろうよ。決めたことでしょ。私、太郎のためなら・・・」
受付を通り、病室に案内される。元4人部屋で、昔は赤ちゃんの泣き声とママやパパの笑顔が溢れていたと思われる病室も、今はベッドが1つだけ。入院は受け入れず、婦人科外来と日帰り中絶手術だけなので、これでいいのだろう。(病室は他にもあり、それぞれ個室になっていた)
古びた室内はがらんとしている。薄汚れたピンクの壁紙が物悲しい。
その病室で、真梨子は看護師から問診や血圧、体温の測定を受け、病衣に着替えた。窓の外には、ベビーカーを押した親子連れが歩いていた。

看護師が真梨子を呼びに来た。付いていこうとすると、家族は病室で待つように言われた。

窓の外には、集団降園する幼稚園児や下校する小学生が見える。
俺も悪いことしていないし、たった今、天国に旅立とうとしている天使ちゃんには何の罪もない。
真梨子に隙があった?。それにしては、高すぎる代償だ。
どうしてこんなことになるのだろう・・・あの二人(シンジとコウジ)には、天使ちゃんの分の罪も償ってもらいたいものだ、他の受刑者にいじめ抜かれればいい。と思いつつ景色を眺めた。今日はやけに子どもが目に付く・・・

がらんとした部屋、主のいない空っぽのベッドの傍らでぼんやりしていると、廊下で物音がした。
「奥さんが帰ってきますよ」と看護師。ストレッチャーに横たわった真梨子は気持ちよさそうに眠っている。
看護師は二人がかりで真梨子をベッドに移したあと、「手術は無事に終わりました。人によって違いますが、1?2時間程度で麻酔は覚めます。麻酔が覚めたら呼んでください」

真梨子の寝顔を眺めながら、俺は考えた。再婚して1年ちょっと、真梨子は俺と一緒に居たいために無理してきたのだろう。貧困から這い出して、良き妻、良き母親になるため、一生懸命の毎日だった。
で、クラス会があって、息抜きのつもりで出かけたら、あんな目にあってしまった・・・・がんばりすぎないように言わないと・・・と

【立ち直りに向けて】
中絶手術も、済んでしまえば多少気が楽になった。
術後、真梨子は天使ちゃんのことは一切口にしなかった。

真梨子の求めで、夜の生活も術後1ヶ月後から手コキとおしゃぶり、術後2ヶ月後から本格的に再開したが、避妊している。
本人はクラス会には二度と行かないと言っていたが、そんなわけにも行かないので真梨子がクラス会や結婚式などに参加するときのルールも決めた。一次会のみとし、必ず太郎(又は太郎の父か卓也君)が迎えに行く。迎えの車が確保できないときは参加しない、と。
「話し足りなければ自宅に友達を呼びなよ。遠慮しなくていいんだよ。せっかく礼子がこんなでかい家を残していったんだから。。」太郎が言うと、真梨子は顔を真っ赤にしてうなずいていた。
一方、家事の手抜きはおふくろが相談に乗り、真梨子にも多少の余暇時間ができたようだ。洗濯乾燥機や食器洗い機などの家電製品もより高機能のものに買い換えた。慰謝料の一部で。
さらに、おふくろに勧められて公民館図書室で本の整理や絵本読み聞かせのボランティアを始めるなど、外と関わりをもつようにした。

【岩窟】
翌年の春。手術から4ヶ月が経った春休み。車で金沢に旅行に行った。
桜には早く、寒い季節だが、その分観光客が少なくてゆったり楽しめるというわけ。

初日、小○インターで降りた俺たちは「○○○岩窟院」に寄った。
子どもたちには色々な像があることを伝え、先に進んでもらう。
「何かおどろおどろしい所ね、どうしたの。わざわざ○松で降りるなんて」
「真梨子、あのこと、引っかかっているんだろう」
子作りを再開しないで、避妊を続けている原因は何となく分かる。
真梨子は無言だ。・・・・・・「太郎、これは?」と、真梨子は、ある場所に目を留めた。
「天使ちゃんのお友達だよ」そう、その場所には小さなお地蔵様がびっしり並んでいる。
「天使ちゃんも、この中に入れてもらおうよ」
「うん」真梨子は涙ぐんだ。やっぱり、気になっていたのだ。

傍らのノートに目を留めると

「パパとママは一緒になれないので、産んであげられませんでした。ごめんなさい」
「いつか、パパにもここに来てもらうから待っていてね」

というようなメッセージが何十ページにも渡ってびっしりと書かれている。
「こんなにたくさん苦しんでいる人がいるんだ・・・好きな人の赤ちゃんも産めないなんて」
真梨子はノートに目を走らせていた。涙がぽたぽたと垂れ、ノートを濡らしている。
「太郎、どこに行けば頼めるの?」
俺たちは、小さなお地蔵様を申し込んだ。

と、携帯電話が鳴った。
「お父さん、お母さん、私たちゴールに着いてるよ。早く来てよ」と、結奈の携帯から。
子どもたち3人には携帯ゲームを持たせていて、ゴールで時間つぶしさせていたが、飽きたのだろう。
急ぎ足で様々な彫刻が飾られた洞窟を抜けると、手招きする子どもたちの傍らで、寝そべった姿の大きな仏さまが俺たちを見つめていた。

紀子【1】?川の中での出会い


PTA会長(葬式三部作)、ケンのシリーズ3部作。お嫌いな方はブラウザの「戻る」で戻ってください。


【弓美とデート?】
6月下旬のある日の夕方、俺と同僚の弓美は、得意先回りを終わると、大きな川の河川敷に車を停めた。

日差しの強い平日昼間。河川敷の木陰の回りに止まっている車はない。
「あと1時間ぐらいはサボれるかな」
「弓美がてきぱきと早く動いたおかげだよ。普通なら夜までかかる仕事なのに」
(この仕事、なぜか弓美と回るときだけ、ものすごく早く終わってしまうのだ。あんまり早く帰ると、普段一緒に回っている仲間が「何でこんなに遅くなるんだ」と責められるので、時間つぶしをすることにする)

弓美と久しぶりに喋りながらシートを倒して目をつぶり、一休み・・・・いきなり唇がふさがれ、舌が俺の口の中を暴れ回る。
俺は「おいおい」と言うと「ねえ、前みたいに気持ちよくして」。
弓美は、自分もシートを倒すと、ブラウスのボタンを外し、茶色のブラに包まれた胸をはだけた。
「揉んで・・・」最近、弓美とはご無沙汰していて、Cカップの胸の感触は久々。俺は大きくて張りのある胸を揉み上げ、ブラの隙間から乳首を探し当てた。
「あんっ」と声が出て、ぴくっと反応した。下を見ると、弓美は自分でスカートを捲り上げていて、ストッキング越しに白いショーツが見える。
ストッキング越しに股間を撫でると、「んんっ」と体をびくつかせた。股間は湿っぽくなっている。ストッキングのウエスト部分から股間に向けて手を入れ、局部を触るとすでに大洪水。
ストッキングを太ももまで脱がせ、むちむちの太ももを撫でながらショーツの隙間から指を差し込むと「んんっ」と声を出す。回りの様子をうかがいながら、左手で胸を揉み、右手で股間を撫で、指を差し入れると「ああああああっ」と悲鳴のような大きな声。
「弓美、声がでかいよ」
「だって、気持ちいい・・・ああんっ」
「弓美・・?」
「逝っちゃったぁ♪」
「早いじゃん。溜まっていたの?」
「ひどい!!ケンが最近かまってくれないからだよ。ねえ、ケンも気持ちよくしてあげるからズボン下ろして・・」
白昼の車の中でHは無理なので、おしゃぶりと手コキで逝かせてくれるのかな・・
俺はベルトに手を掛けたところ・・・

【場所移動?そこで見たものは】
そこに1台の営業車が。他社の営業マンも休憩するようだ。木陰のスペースはそんなに広くなく、微妙に覗かれそうなので、場所を移動することにした。(秘密の場所は他にもある)
俺はベルトを締めると、車を走らせた。走らせながら弓美は服を整えていたところ・・・・

「ケン、大変よ」さっきまでの色っぽい表情から一転し、張りつめた声で弓美が声をかける。
「どうしたの??」
「あそこに停まっている軽自動車、車の中に子供が取り残されている!!」1台の古い軽自動車が河川敷に停まっている。
俺は、車を軽自動車の近くに停めると、二人で車に向かって駆けだした。

確かに、後部座席に取り付けられたチャイルドシートに4?5歳ぐらいの幼児が固定され、ぐったりしていた。

と、車から遠く離れた川べりに一人の女性が。多少ぽっちゃりしているが、若いようだ。
「おーい、この車の方ですか?っ」と声をかけると、こちらを少し振り向き、しばらくこちらを見た後、そのまま川の中に入っていった。
「子供が・・・」車の中を見ると、子供は真っ赤な顔をしてぐったりしている。苦しそうだ。

【救出】
「ケン!!」
「うん!」
俺は会社の車に戻り、工具箱を持ち出すと、小型のバールでフロントガラスを叩き割った。
ガラスには人が通れるぐらいの穴が空いた。
「弓美、頼む」「はい!」
窓に穴を開けている間に弓美は上着を着て、軍手をはめていた。
弓美がフロントガラスの穴から手を入れ、ドアロックを開けようとするのを確認すると俺は川に向かって駆けていった。
女性は胸まで水に浸かっている。
俺は、靴とワイシャツとズボンを脱ぎ捨て川に飛び込んだ・・・・
女性までもう少し、というところで女性は足を滑らせ、転倒。
「きゃーっ、助けて!!」と女性はもがき始めた。
俺は、暴れる女性を押さえ、助け起こす。かなりぽっちゃりしていて、ちょっと重いがそんなこと言っていられない。何とか肩を貸して浅瀬に。

女性はしゃがみこんでしまった。紺色のワンピースが体に貼り付いている。
「もう大丈夫だよ」「すみません」
「死のうとしたのか??」「はい」
・・・・・・・
「あの車はあなたの・・・」「はい、・・・」
そこで、女性ははっとした「こっ、子供は????」
「大丈夫だよ。連れが助け出しているよ」「ううっ・・・うわーん」

俺は、女性を子供の所へ促したが、腰が抜けたのか歩けない様子。
仕方なく、お姫様抱っこで車の所へ連れて行った。弓美よりも重く肉がついている。胸も大きく飛び出している。

【会社へ】
車では弓美が、冷房の効いた営業車の後部座席に子供を寝かせ、水も飲ませていた。
「この子のお母さんですか??」と弓美。「はい」
「今のところは大丈夫ですよ。」「すみません」
改めて女性を見ると、丸顔のショートヘア。かなり横に大きく、60kg位はありそうだ。胸も丸く大きく膨らんでいた。
弓美が、先ほどまで製品を包んでいた白布を女性と俺に1枚ずつ手渡してくれた。

と、そこに中部工業の車が2台やってきて、部下たちがぞろぞろと降りてきた。
「子供も女の人も大丈夫???」「課長、お疲れ!!」「弓美さん、お待たせ」と声を掛けてくれる。(弓美が手配したらしい)

まず、医務室の看護師が、子供の脇に保冷剤を挟むなど熱中症の応急手当。女性はワンボックスカーに案内されて、濡れたワンピースから会社のユニフォームに着替えさせられていた。(ラインで水をかぶったときに備え、会社には緊急用の着替えセットが用意してある。)
こんな所で話もなんだから、ということで、皆で会社に向かうことになった。
(女性の車は契約ディーラーのレッカー車で修理工場へ)

子供は医務室で嘱託医の手当を受けることになり、応接室には、女性、俺と弓美が入る。続いて、社長(真帆の父=義父:真一郎氏)と経理課長の京子さん(40代の美人で、社長の愛人らしい)も。
「本当にすみませんでした」
「まあ、助かって良かったよ。もし、よければ話を聞かせて欲しい」と社長。

【女性の話】
結婚間もなく子供が生まれた喜びもつかのま、女性の旦那が取引先社長の娘を強姦したとのことで、警察にパトカーで連れて行かれ、その後東京に懲罰的転勤となった。自分も任地についていこうとしたが、建てたばかりのマイホームのことや、乳飲み子を抱えた状態では準備が間に合わず、ずるずると別居していたところ・・・・・
旦那が突然会社に来なくなり、失踪した。会社で探偵を使って調べたら、水商売の女と仲良くなって、二人で繁華街で働いているらしい。会社は彼を懲戒解雇。それと並行して離婚届が送られてきて、離婚。ローンを払い始めたばかりのマイホームは人手に渡った。

女性は、自分の母親が一人で暮らす実家に子供と身を寄せていたが、母親も急逝した。
その母親も借金だらけだったので、実家も人手に渡る。女性はわずかな遺産の分け前と、少しの家財道具、中古の軽自動車だけ持って、アパートで暮らしていた。この町では自動車がないと生活できず、乳飲み子一人抱え、仕事を見つけるのも容易ではない。
ついに、元旦那からの分割の慰謝料や養育費の入金も滞った。調べてもらうと、盛り場でチンピラの少年を殴って半殺しにして収監され、実刑は確実らしい。
女性は窮地に陥るが、強姦魔の元妻というレッテルを貼られたことで、誰も助けてくれない。
そして、とうとうお金が底をつき、月末でアパートを出ていかなくてはならなくなった。
女性は前途を悲観して・・・・子供を車に残したまま発作的に・・・・・

「でも、貴女はおぼれた時『助けて』と言いましたよね。本当は死にたくなかったんじゃないの??」と俺。
「はい・・・・でも、死ぬしかないんです。私なんて、生きていても仕方がないんです」
「・・・・・・・・」全員黙り込んでしまう。

「ところで、あなたの名前とか聞いていなかったわね」と経理の京子さん。
「はい、渡会(わたらい)紀子といいます。」

えっ、渡会って、確か、当時婚約中の真帆を襲い、義父が渡会の会社の社長に処分を命じた男・・・・あれは、誘った渡会も悪いが、部屋までのこのこと付いていった真帆にも責任が・・・

【真帆登場・・・】
と思っているところに、妻の真帆が入ってきた。「あなた、着替え持ってきたわよ」

場の空気が妙な感じになるが、真帆は気がつかない。さっき、社員たちから聞かされた旦那の人命救助(?)武勇伝が嬉しくて一人で浮かれている。
「ケン、すごいわぁ?っ。かっこいい?っ。ところで、ねえ、ケン、弓美さん。どうして仕事中にあの河川敷にいたの???。さ・て・は、いやらしいことしていたんでしょ・・・エッチ」
たちまち、応接室の空気が凍り付く。

真帆、まずいよ、空気読んでよ、と心の中でつぶやいて連れ出そうとしたが・・
義父が一瞬早かった。すっくと立ち上がると
「この大馬鹿娘!!」節くれ立った手で、真帆の頬をはたいた。一発、二発、三発
「お前がふしだらだったから、あの男にのこのこ付いていったからああなったんだ!!」

「お義父さん、やめてください。私の妻です」俺は義父の手を掴んだ。
弓美も「社長!叩くのはやめてください!!」と金切り声で叫び、真帆の前に立ちふさがって、義父からかばう。
義父ははっとなって「ケンくん、弓美さん、すまなかった」と。
「真帆ちゃん!、あなた、席を外しなさい」経理の京子さんとともに、めそめそ泣いている真帆は部屋を出ていった。

と、義父が紀子さんに土下座し「こんなふしだらな娘のせいで、奥さんをこんな目にあわせて、申し訳ない。許してくれ」と大粒の涙をぽろぽろと流し出した。
紀子さんは、どうしていいか分からず、戸惑った顔をしている。

【紀子さんの今後は】
弓美が声を掛けた。
「社長、頭を上げましょうよ。それよりも、私たちで出来ることってないかしら」
「そうか。紀子さん、私たちがアパート代と生活費の援助を・・・・」
「いくらなんでも、それは困ります」と紀子さん。

「だったら、就職してもらえば」と弓美。「ケン、紀子さんでも寮に入れるんでしょ」
「えっ」紀子さんの顔に赤みが差す。
俺は弓美の思いつきを理解した。(弓美は離婚直後、ケンに拾われてここに入ってきた)
俺は話を続けた。中部工業に就職してもらい、最近建てたばかりの母子寮に入ってもらうのはどうか、と。
優秀な女性を掘り起こすため、ここのところ、福利厚生にも力を入れていて、24時間運営の保育室もある。母子寮の家賃は賃金とスライドする仕組みだが、アパート代よりは格安のはず。

人事課長が呼ばれ、紀子には調理師の資格があるというので、社員食堂に入ることが決まった。
さらに、明日、アパートから母子寮への引っ越しをすることにして、人手も手配した。

「本当にありがとうございます」紀子は、深々と頭を下げ、俺と社長に向かってお礼を言う。
「紀子さん、顔を上げてよ。今からは働く仲間だよ」と俺が頭を上げるように肩に手をかける。
「うわーーん」紀子さんは床に突っ伏して号泣した。すかさず弓美が抱き起こす。

社長は県会議員との会食の約束があるということで、俺たちに声をかけて部屋を後にした。(こんな取込事の後に会食なんて・・・気の毒に)
京子さんは医務室から子供を連れてきており、俺は、廊下にいる真帆の所へ。
「ケンさん、わたし・・・・ぐすっ、」「真帆、もういいよ。今日は帰ろう」

一方で弓美と京子さんと紀子さんも何か話していたが「紀子さんたち、今夜は私のアパートに泊めるわ」と弓美。紀子さんのアパートは荒れ放題と聞き、帰さない方が得策との弓美の判断。
京子さんは、社長から出金指示があった支度金と(子供の着替えとして)自分の子供のお古を弓美のアパートに届けるそうだ。(実は京子さんもシングルマザーで、社長に拾われた経歴がある)

俺は、塩をかけられたナメクジのようにうなだれた真帆を伴って自宅に帰った・・・

既に弓美から義母へは連絡がいっており、うちの子供(1)に食事を与え、入浴もさせたとのことで、そのまま泊めてもらう。
(さすがに翌日、義父は義母から大目玉を食らったようだ)
真帆は父親に殴られたショック、それよりも、突然昔の過ちを蒸し返されたことで、めそめそ泣きっぱなしで家事も手に付かない。スープを何とか飲ませ、ベッドで腕枕して寝かしつけた。

さて、晩飯まだだったっけ・・・シャワーを浴び、冷凍食品を解凍して一人で寂しく夕食。
冷蔵庫から缶ビールを取り出したその時弓美から電話が入る。「子供の『穿かせるおむつ』がないんだけど。買ってきてくれない?」
弓美の所は女性の一人暮らしなので、子供用品なんてあるわけがない。
俺は、缶ビールを片づけると家を出た。自分で買いに行けよ、と思いつつ・・・・・

【弓美のアパートで】
弓美のアパートに着くと、室内から談笑が。こちらは弓美の作った料理の他、酒まで入ってうち解けているようだ。テーブルの上にはカクテルの缶が何本も並んでいる。二人とも酔っているのでは買い物に出られるわけないか・・・。
紀子さんは、弓美のTシャツ・スエットを着て、室内には先ほどのワンピースが吊してある。
「はい、おむつ持ってきたよ。じゃ、これで」
「お茶ぐらい飲んでいきなよ」と上がらされる。
そこで、会社の話をしたりして、帰るタイミングを逃す。

と、「紀子さん、もう寝たら」「はい」と紀子さんは子供と一緒に(弓美の)ベッドに入り、程なく寝てしまった。
弓美は床にマットを敷いて寝るようだ。

「じゃ、これで」「まだいいでしょ」引き留められ、マットの上に座らされる。
「ねえ、キスして」「おいおい、紀子さんたちが横で寝ているよ」
「何か、人助けしたためか、興奮して体が火照っているの」
「せめて他の日にしようよ。いくら何でもこの状況では」
「社長さんに言っちゃうわよ。ケンに河原で襲われていたと」・・・ひどい

そう言いながら、弓美はズボンの上から俺の逸物をなで始めた。
さっきの河原でも発射出来なかったし、家でも真帆を抱くどころではなかったので、俺の逸物はあっという間に大きくなる。

【結局弓美と……】
腹をくくった俺は弓美を横たえると、シャツの上からやさしく胸を揉んだ。隣では紀子母子の寝息が聞こえている。
「いや、直接触って」と弓美はTシャツを捲り上げ、スエットとショーツを膝まで下ろした。俺は片手で胸と乳首を揉み、もう片方の手で股間を触ると・・・もうぬるぬるだった。さて、指で逝かせるか・・・
「ケン、挿れて」「まずいよ」「お願い、欲しい。ちょっとだけ挿して。」
そこで、弓美を横向けに寝かせ、俺も横向きになり、上から毛布を掛けると尻を抱え込んで挿入した。横向きに弓美の体重がかかるので、ちょっときつい感じ。
激しくはピストンできないが、弓美はタオルを口に咬んで声をこらえている。
俺はおもしろ半分に強弱をつけてピストンする。しばらく続けていると
「んんんんんんんんんっ、んんっ」と、逝ってしまった。俺は固くなった逸物を抜く。弓美がこちらを向き「ありがと、気持ちよかったわ」とささやいて俺の逸物に手を回した。
「おっきぃ?」「そりゃ、まだ出してないからだよ」
「まだ欲しいけど、声を我慢するのも思ったよりつらいから・・・抜いてあげるよ」
ありがたいが、寝ている紀子さんたちも気になるので、俺は半身を起こし、紀子さんたちの寝姿を見ながら抜かれる形になる。

子供は壁向きに寝ていて、紀子さんは仰向けに。タオルケットははだけられて、Tシャツ越しに胸が膨らんでいる。
重みで多少つぶれているが、大きなバストだ。そして、乳首が膨らんでいるのも・・・・
弓美が手コキをはじめた。弓美は裸のままなので、胸がぶるぶる震えているのがいい眺め・・・と、
「ケン、紀子さんのおっぱい見て欲情してる。やらしー」
「違うよ」
「それなら・・・えいっ」弓美は大胆にも紀子さんのTシャツを捲り上げた。
白くて大きな胸と、ブラウンの乳首が目に飛び込む。(お腹も出ていたが)
「弓美、それはまずい・・・いっ、いくっ」不意を突かれた俺は、紀子さんと弓美の胸を見比べながら発射した。
弓美は「まあ、今日のお礼と言うことでいいんじゃないの??」といいながら、紀子さんのTシャツを戻し、液の始末をし、服を着た。
「泊まっていったら」
「いや、取り乱している真帆を寝かしつけてからこっちへ来たから、朝起きて俺がいないと発狂するよ」
「ひどいなぁ。せっかくしごいてあげたのに、もう奥さんのこと考えてる?」拗ねている(ふりをしている)弓美を残して自宅へ。
真帆はぐっすり寝ていて、俺もベッドに潜り込む。明日は資格更新の法定講習で一日留守にし、明後日から出張だ。

【新天地で】
数日後、出張から戻ってきた俺は、社員食堂で働く紀子を見かけた。休憩時間、食堂の片隅で話す。
「課長、その節は色々ありがとうございました」「仕事はどう??」「母子寮や職場の皆さんによくしていただいて・・・何とか慣れました」よかった。

「課長!!」「???」
「私、また近いうちに弓美さんの所に泊まりに行く約束をしたんですけど、今度は課長も泊まりに来てくださいね」
そういうと、紀子は意味ありげな笑顔を俺に向けた・・・・・・

紀子【2】?山の中での遭難、に続く

紀子【2】?山の中での遭難

三部作の第2話です。参考



前話(紀子【1】?川の中での出会い)のあらすじ
不倫相手で会社事務員の弓美と河川敷でいちゃいちゃしていると、子供を残して入水しようとしているぽっちゃりとした女性を発見。救出してみると、真帆のかつての不倫相手:渡会(わたらい)の奥さん、渡会紀子さんで、生活苦から自死しようとしていたところだった。
弓美と俺:中部ケンの計らいで、紀子は中部工業に入社(社員食堂配属)。母子寮で暮らしている。

【夏のキャンプ】
紀子が中部工業に入社してからほぼ2ヶ月後の夏休み、紀子たちは県立の青少年宿泊施設、狸山自然の家に2泊3日の合宿に来ていた。この会社にはシングルマザーの会と、シングルファザーの会があり、やもめどうしが交流を図っているが、その一大イベントというわけ。

今年は、事務局としてケンも初めて参加したのだが・・・・・シングルマザー、シングルファザーの社員たちは子供そっちのけで、大人の交流を図ろうと夢中になっている。
(子供たちの指導は狸山自然の家のベテラン指導員がするので、親同士ヒマな時間はたくさんある。)
男子社員は、メンバーの女子社員に妙に優しいし、シングルマザーの社員は、短パンやぴちぴちのTシャツ、タンクトップ、はたまたヘソだしルックやはみパンで参加している者もいる。

「なるほど、事務局は妻帯で子持ちの男子社員に限る、というのはこういうことなんですね」二児の父親で、部下の宮本君は恋のつばぜり合いの光景を見ながら、俺に語った。

【紀子さんは・・・】
俺は、ジーンズからはち切れそうになっている大きな尻を振りながら動き回っている紀子さんを見て、今までのことを回想した。
紀子さんが弓美の家に泊まった晩、紀子母子が寝たあと、俺は弓美となりゆきでHしたのだが、紀子さんは感づいていたようで、「また弓美さんの所で一緒に泊まろう」と意味ありげに語った。
 
が、俺が紀子さんの話題を口にする度に、妻の真帆は露骨にイヤな顔をした。
弓美との関係は黙認(3Pもしているので公認?)してくれているものの、かつての不倫相手・渡会の元奥さんに対してはわだかまりがあるようだ。
(ただ、社長の命令で入社させているし、真帆には社員をクビにする権限はないのでどうしようもない)
一方、紀子さんの方も社食や寮の仲間と親密になっていて、弓美とも疎遠になりつつあるそうだ。

【緊急事態発生】
子供たちの歓声と大騒ぎの中、食事や風呂、夜の集いを済ませ、子供たちを寝かしつけた後は大人たちの時間。
指導員室に集まり、おつまみやビールが配られた。事務局長を務める総務部長(孫あり)の話だと、ここでそれとなく相手を見つけてはこっそり抜け出して山の中でHしたりする即席カップルも多いとか。
紀子は・・・初めての参加で入社して日も浅いためか、酒も飲まずに母子寮仲間とボソボソ話しているだけ。
俺は、社長の婿と言うことではやし立てられ、酒を勧められた。

と、「大変!、○○ちゃんが熱を出してる。すぐにふもとの病院へ連れて行かないと」子供の部屋を見回っていた、あるママが飛んできた。
○○ちゃんの父親は酒を飲んでいたが、大丈夫。事務局では緊急要員として酒を飲まない人を決めているのだ・・・今年は下戸の宮本君である。
「おい、宮本君にすぐに車を出してもらってくれ」と、真っ赤な顔をした事務局長。
「それが・・・」宮本君の奥さんが急に入院したとのことで、さっき山を下りてしまったとのこと。なんて事だ。タクシーを呼ぶにも、営業所から上がってくるだけで1時間かかる。・・・・
「あと、酒を飲んでいない人は」と事務局長は皆に声をかける。
「部長、私、飲んでいません」と紀子さん。
(社員食堂は総務部の福利厚生課になるため、紀子は総務部長(事務局長)の部下に当たる)
「のりちゃん、悪いけど・・・・車をお願いしていい?」
「はい、でも、夜の山道はこわいので・・中部課長、ついてきてください」
紀子さんは直々に俺を指名。まあ、俺は事務局員なので、当然と言えば当然か。

結局、会社のハイエースで紀子さんと俺が○○父子を病院へ送り届けた。

【山の中へ迷い込む】
病院の帰り、コンビニでおつまみや飲み物を買い出しし、狸山自然の家へ戻る途中、痛車に後ろにつかれ、煽られた。
ハイエースの運転に不慣れな紀子さん、何とか路地に逃げ込んで痛車を振り切った後もパニックになってしまい、ぐるぐると走り回っている内に見覚えのない山道へ入ってしまった。しかもいつのまにか未舗装の悪路だ・・・

手持ちの地図はと言えば、狸山自然の家でもらった略図のみ。狸山インターか狸山市役所まで戻らないとたどり着けない代物。(俺は初めての参加で、行くときはナビを見ながら自家用車で来ていた)

夜ということもあり、まず、道路標識のあるところに出て、市街地に降り、コンビニでインターか市役所までの地図を確認しようとする。
そう説明しながら走っていると、「きゃあ」と紀子さんがぬかるみにハンドルを取られた。車を停めると、何と前輪がパンクしていた。それでも何とか、広場のように開けた平らな場所に移動することはできた。

荷室からスペアタイヤを取り出し、ジャッキを探していると、また「きゃあ」とまた紀子さんの悲鳴。
「どうしたの?」「タイヤを運ぶの手伝おうとしたら、転がっちゃった」
スペアタイヤは、ガサガサと音を立てて茂みの中に転がっていった。

俺は、青ざめた。真っ暗な中、パンクしたタイヤで未舗装のめかるんだ狭い山道を降りるなんて無謀すぎる・・・・

【遭難】
「どうしよう、これじゃ遭難だ。帰れないよ」
「ぐすっ、ぐすっ」紀子さんは泣き出してしまった。
「運転がヘタで、ごめんなさい。どうしよう。私たち、ここで死んでしまうの?」そういうと、また号泣してしまった。
さっき、煽られた時の恐怖が蘇ったのかもしれないし、一度自死を決意したことを思い出したのかもしれない。

「とりあえず、外部に連絡してみよう」と携帯を取り出すが、無惨にも電池残量がぎりぎり。
昼間、電波の弱い山中で、無線機代わりに使いまくっていたのだから無理もない。
寝るときに充電すればいいやと思っていたのが裏目に・・・キャリアが異なる紀子さんの携帯は「圏外」
とりあえず、狸山自然の家にいる技術課の部下に電話して、山中で遭難して帰れなくなったことを伝えた。「分かりました。課長も紀子さんも怪我とかはありませんか?」「そっちの方は大丈夫」そこで電池は切れた。

電池残量を回復させるため、俺と紀子さんは電源を切って電池を休ませることにした。これで、朝まで世間とは隔絶されたことに。
幸い、車のガソリンは残っているし、水と食料はあるのだが、懐中電灯と呼べるものはなく、車から離れることは危険だ。ヘッドライトとバックランプを使っても車の前後しか照らせない。
とりあえず、体を休めよう。荷物室に段ボールを敷き、二人が横たわるスペースを作った。

エンジンを切り、窓を少し開けて段ボールの上に横たわる。今頃、みんなどうしているのかなぁ、と考える。
暗闇に目が慣れてくると、月明かりで回りが明るいことにも気がつく。

【過去の回想】
と、紀子さんが俺の胸に顔を埋めてきた。
「紀子さん?」
「課長、怖い。私、ここで死ぬのかなぁ」
おいおい、まだ遭難が確定して15分も経っていないのに・・・・
俺は紀子を抱きしめた。ふわふわの体はかなり大柄で、抱き心地が気持ちいい。
さすがに汗くさかったが・・・・

「課長、私のこと嫌いなんですか? 憎んでいるのですか」と紀子が口火を切った。
「そんなことないよ、どうして?」
「何か、私のこと避けているみたいで・・・」それは半分当たり。真帆の気持ちを考えると・・・

「課長も奥さんも、幸せそうでいいですね」と紀子はぼそっと言った。
「うちの主人も、真帆さんと同じ事したのに、私だけこんな目にあって…辛い」
そんなことはない、俺も真帆もあの時は辛くて苦しくて、二人でそれを乗り越えたんだ・・と言おうとしてやめた。

しばしの沈黙の後、紀子が俺の手を握ってきた。
「私、悔しい。あなたは悔しくないの?」「・・・・」
「抱いて・・・」「でも・・・」
「あんた、男として悔しくないの?。現場見ていたんでしょ? 真帆は、ぐちょぐちょのお○んこの中に、ウチの旦那のちん○をくわえ込んだのよ。ウチの旦那のモノをぶち込まれる前、真帆はあんたしか知らなかったそうじゃないの?」

俺は、あの夜のことを思い出した。隣のホテルの窓から見た真帆は、俺しか知らなかった裸身を渡会の前に晒し、胸や股間を弄ばれ、小ぶりの尻を抱えられて貫かれていた。
俺は、偶然出会った元カノの胸に顔を埋め、涙を流しながらその光景を見ていたっけ。
その光景が目の前に広がり、体が熱くなった。

「それに、真帆はレイプされたって言ってるけど、旦那から聞いた話だと、抵抗しなかったって言うじゃないの。本当は真帆から誘ったんじゃないの?」
(それは誤解だ。当夜、真帆は酩酊状態だったのと、初恋相手と言うことで油断して部屋についていってしまった。奴とはプラトニックで終わっていておまけに既婚なので、まさかHするとは思わなかったそうだ。「イヤ」と意思表示もしていたようなのだが………俺からの電話に奴をふりほどいて出ようとして、腕を掴まれてもいる。それと、同窓会終了間際に度会がボーイを通じて部屋を取っていたことも後の調査で分かっている。)

そう、それと今、紀子が「真帆」と妻のことを呼び捨てにしたことにも気にかかる。
俺は真帆の事を誘った渡会のことを憎く思い、色々な形で報復することができたが、紀子は真帆のことを憎んでいるのだろう。

そんなことを考えていると、紀子は話を続けた。まずは渡会とつきあいはじめたきっかけ。女癖は悪かったものの、改心するからとプロポーズされたこと、ほんのわずかな甘い結婚生活、あの事件。東京での仕事は辛くて、やめたい、やめたいとこぼしていたこと。
何とか許しをもらい、友人の結婚式に参加するため帰省すると聞いたとき、久々に会えると楽しみにしていたが、結婚式に出たあと「急用」ができたと紀子に会わずに戻ってしまった。その1ヶ月後……失踪。。……紀子の話が突然止まった。

【●紀子と・・・】
紀子が俺の上にのしかかってきて唇を求めてきたが、それを俺は拒めなかった。のしかかってくる紀子の胸の大きさを感じたとき、俺の逸物はいきり立った。
ここ数日、仕事の都合と真帆の生理が重なってHしていなかった上に、今日一日、シングルマザーたちの色気たっぷりの肢体を見せつけられているのだ。体にぴったりとしたTシャツやジーンズ・短パン、太ももや半ケツを晒す者もいたっけ。

紀子と唇を合わせ、自然と舌をなめ回したあと、体を起こした紀子はTシャツを脱ぎ、ブラを外した。
Tシャツやブラの白さに負けない、真っ白でふくよかな躰が月明かりに輝いている。

俺は体を起こすと、胸を包み込むように揉み上げた。
「んっ、んっ」と紀子は鼻を鳴らしている。そのまま大きめの乳首を捏ねると、すっかり固くなっていた。
「ケンさん、気持ちいい」そう言うと、紀子は俺の股間に手を回し、ジーンズの上からこね回している。
俺は腰を浮かすと、汗で重くなったジーンズを脱ぎ去った。紀子はパンツの中に手を入れ、逸物を握った。「すごい、久しぶり・・・私も脱がせて」

紀子のジーンズを脱がせると、オンナの匂いが広がった。そう言えば、紀子たちはお風呂まだだったっけ・・
コットンのショーツの上から大きな尻を包み込むように撫で、そのまま股間に移動すると、すっかり熱くなっていた。
さっきの買い物袋からウエットティシュを取り出し、手を拭くと股間の中へ。
大した愛撫もしていないのに、もうびしょびしょだった。

「濡れているよ」「うん、ケンさんの指、気持ちいい」
指を中に入れて軽くこすると「ああんっ、あんっ」と喘ぎ声を出した。
さらに、胸を揉みながら指をピストンすると「ちょっとストップ」
「??」「逝きそうだったから」「逝っても良かったのに」「それよりも・・」

俺も実をいうと入れたかった。月明かりだけの暗闇で、紀子の体も殆ど見えない分、想像力をかき立てられる。きっと、真っ赤な顔をしているにちがいない。

ただ、ハイエースの床に段ボールを敷いただけのスペースで、床が固いことから、俺が下になり、紀子がまたがることになった。
紀子は久々のHで、しかも真っ暗なので、なかなか合体できない。逸物の先が紀子の局部に擦られ、もどかしくなった・・・・と、逸物が熱いものに包み込まれ「ああんっ」と紀子の声。

「いいっ、いいっ、気持ちいいよぉ、あんっ」紀子の顔はよく見えないが、腰を前後に振っている様子は分かる。ちょっと重いが、あまり気にならない。

俺は、紀子の胸に手を伸ばし、たぷたぷと揺れているバストを掴んだ。
「ケンさん、すごい、いいよっ」
乳首を探して捏ねると「んんんっ」と一瞬腰の運動が止まる。

激しいピストンを続けていると、急に気持ちよくなってきた。「紀子さん、ちょっとゆっくり。逝きそうだ」「ああんっ」紀子は腰の前後運動を続けたまま。
「ケンさん、逝くうっ、ああっ」紀子の局部がぎゅうんと締まる。俺はあわてて紀子の体を持ち上げると、大量に発射した。

ここで、ハイエースの室内灯をつけた。
むちむちの弓美よりも更にふっくらした躰ではあるが、DかEはありそうな大きな胸は意外と垂れていなくて、ブラウンの大きな乳首は立ったまま。
チェック柄のコットンショーツやお揃いのブラを拾い集め、付けている姿に萌えそうになったが、時間は深夜の2時。
もう無理だろう。淡々と後始末をしたあと、明かりを消して横たわる。

いつの間にか腕枕をしていて、眠りに落ちる前に紀子がぼそっと言った。
「これですっきりしたよ。ケンさん、気持ちよかった」
そう言うと寝息を立て始めた。明日の脱出に備え、俺も眠りについた。

【朝の挨拶】
弓美にしゃぶられている夢を見ていたが、妙にリアルだ。
目を覚ますと、紀子が俺のズボンを下ろし、逸物をしゃぶっていた。
「紀子?」「んんんー(おはよう)」
外は薄明るい。時計を見ると5時前。

紀子は、と言えば、上はTシャツ姿だが、下はショーツだけ。
「山を下りる前に抜いてあげようか」と口を離した紀子が言った。歩いて山を降りるつもりなのか。
「ちょっと待ってよ、降りる手だてを考えてからにしようよ」。
俺は、ズボンをはき直すと、車を降りた。朝の空気が寝不足の体に心地よい。
まず、昨日スペアタイヤが転がった方向に向かって少し歩くと・・・・

茂みの下の方に、黄色いものが見えた。降りて見に行くと、落としたスペアタイヤだった。

「おーい、見つけたよ」「うそーっ、ケンさん、すごい!!」紀子は満面の笑みを浮かべて俺にしがみついてきた。
早速タイヤ交換をしてエンジンをかけ、車を前進させる。ちょっと挙動が不安定だ。前輪につけたスペアタイヤの空気圧が足りないようだ。とりあえず、目標物のある場所、できれば電話のある所まで車を移動することにする。
慎重に車を走らせること10分。タイヤの空気が抜けきり、ぬかるみにハンドルを取られて路肩に脱輪した。でも、眼下には舗装された道路が見える。
二人で道路に降りると、そこには「狐山電鉄バス、熊の沢」というバス停があった。回りに人家はない。
紀子の携帯を取り出すと一晩電池を休ませたおかげか電源が入り、電波も辛うじて入る。バス停からはハイエースの屋根の一部分が見え、時計は朝の6時前。

一方で俺の携帯の電源は入らず、アドレス帳が使えないのでかける相手は限られる。自宅にかけてみた。
「はい、中部です」
「あれ、弓美じゃん。何で家に?」
「何でとは失礼ね。まったくもう!」
弓美が真帆の所に遊びに来ていたとき、ケンと紀子遭難の知らせが事務局長から入ってきた。取り乱す真帆をなだめ、泣き叫ぶ子供を寝かしつけながら、さっき、ようやく真帆も寝たところだという。

今までのいきさつや熊の沢のバス停から見える位置まで来たことを説明。
「じゃあ、私そっちに行くわ」「女の子一人じゃ危ないよ。運転下手なくせに」
「ひどい!!。でも大丈夫よ。誰かドライバーを探すから。バス停の場所も何とか調べるから。狐電バスの熊の沢ね。じゃ、待っててよ。チュッ」
そこで、紀子の携帯も使えなくなった。

熊の沢は、自宅からだと1時間以上はかかるため、とりあえず食料のある車まで戻ることにする。

【●第2回戦】
運転席に座り、おつまみのせんべいとジュースで軽く朝食?を食べていると「ケンさん、助かるのね。良かったぁ」と紀子が首っ玉にぶら下がって、のしかかってきた。俺も、思わず紀子の背中に手を回すと、唇を押しつけてきた。
紀子は、ジーンズの上から俺の逸物をこね始めている。いつのまにかファスナーが開けられ、握られると、さっきのおしゃぶりの刺激もあり、大きくなってきた。
「おいおい」「ねえ、しようよ」
そう言うと、Tシャツを脱ぎ、ブラを取ってしまった。

大柄な体に、真っ白な大きなおっぱい。乳首もぴんぴんに立っている。
紀子は、俺の手を取ると、自分の胸にあてがった。
そのまま大きな胸を揉むと「んっ、んっ」と鼻を鳴らす。乳首をつまむと「ああっ」と声を上げ、体をくねらせた。
体をくねらせた紀子のお腹がぷるん、と震えるのを見て俺はイタズラ心が湧いた。
大きくて真っ白なお腹に顔を埋め、ヘソの穴をぺろりと舐めると
「きゃっ・・・・ああん、何か変よ」
胸を揉みながらヘソやお腹を舐めると、紀子はもぞもぞと悶えている。
「ちょっと待って、いや、いいっ、・・・くっ」「?」
「もう、ひどい。お腹だけで逝かせるなんて」
紀子はそう言うと俺の逸物を取り出し、手でコキ始めた。

回りでは小鳥がさえずり、日差しも強くなってきた。
「ねえ、狭いね。降りようか」と紀子と俺は車を降りる。
が、荷室には取り外したパンクタイヤが鎮座していて、段ボールのベッドは泥まみれ。
それに気づいた紀子は、道路から死角になる場所で車に手をつき、尻を突きだした。
俺は、紀子のジーンズとショーツを脱がし、大きな尻をむき出しにする。
「入れて」えっ、もう?、と思ったが、弓美がこちらに向かっていて、時間があまりない。
股間を触ると、すでにびしょびしょになっていて、クリを触ると「ああんっ」と体をのけぞらした。

俺は、逸物を取り出すと、紀子の尻を抱え込み、一気に挿入した。
「あんっ、あっ、あっ」と紀子の喘ぎ声。そのままぶるぶると震えている胸を揉む。
乳首を捏ねると「ケンさん、すごい、気持ちいいよぉ、」と悶えっぱなし。

これだけ大柄な女性の裸を目の前で見るのは初めてだが、ふんわりした抱き心地、それはそれとしていいものだ。

「ケンさん、また逝きそう」「逝きなよ」「あああああああんっ、ケンさんも逝ってよ」
・・・・・・・・
「ケンんんんん・・逝くうううううううっ、ああっ」その瞬間、再び紀子の中がぎゅううんと締まるので、俺は逸物を抜き、たっぷりと尻に振りかけた。

「たくさん出たね、背中が熱い」背中を拭かれながら紀子が言った。

ウエットティシュで身繕いをしたあとは、ちゃんと服を着直す。
時計を見ると7時。あと30分?1時間ぐらいで迎えがくるのかな・・・

再び運転席に座り、昨日より明らかに綺麗になった紀子が肩によりかかってきたので、それを受けてぼんやりしていると、バス停の方向から派手なクラクションの音が。

紀子【3】?脱出後のこと、に続く。


神輿のあの方

昨日の話をしようと思う。

俺34才 ♂顔濃い既婚
後輩O21才♂優男風
後輩彼女20才?大人しい感じ
二股相手A30位?しゃくれ
その他会社の同僚&後輩数名

一昨日会社でOから相談受けた。
後輩が付き合ってる彼女宅に遊びに行った。

彼女としゃくれた奴が彼女宅で酒飲んでて、Oが怒鳴ったらしい。(お前だれ!等)

しゃくれに殴られ彼女爆笑。
しゃくれに免許と財布取られたらしい。
何してんだよO。

続き

俺「取り返して潰せよ」
後輩「抵抗したんですけど…」小動物かよ?弱!

夜、俺の家で会社の仲間(後輩含む)と飲みつつ話し合い。
俺「しかし暴力沙汰はなぁ…」
同僚「神輿やる?神輿!神輿!」( ゚∀゚)o彡゜
他の後輩「神輿!神輿!」ヾ(´ω`)ノ
俺「うるせえ!彼女宅で警察呼ばれたらアウトだろうが!」
(数年前、俺は彼女と間男を自宅から引きずり出し裸神輿にした事が有る。)
O「神輿って何ですか?」
俺「黙ってろ」

更に続き

会社の仲間達と、どうするかと話し合いをした結果…。

後輩「プレイなら良いんじゃないすか?」
皆「プレイ?」(゚Д゚)ポカーン
後輩「SMなら鞭で叩いてもOKっしょ?」
同僚「それじゃああ!」
えー!?(´・ω・`)んな馬鹿なぁ!

昨日会社をサボり、大人の玩具屋へ。
俺「…なぁ、やめねーか?」
俺を無視、店員に話する同僚。
店員「…え!8本!?…はい…アレも…はい」指差して注文する同僚。
何買ってんだよコイツ。

更に続いて…昨夜

彼女はしゃくれたのと同棲?を始めてたみたい。
可哀相なO、泣くな。

計画実行。
Oが彼女宅を訪問。しゃくれたの出て来た。
胸倉掴まれてO泣き顔で絶叫。
O「王様!助けてえ!」
あの馬鹿、王様お願いしますだろうが…台詞間違えやがって。

俺を含む会社の仲間8人、彼女宅になだれ込む。
しゃくれた「誰だよテメエら!」
しゃくれたのと彼女を後ろ手に拘束。
暴れるもしゃくれた奴の靴下を、二人の口に投入。
ムセて大人しくなった。

そして…

俺達全員パンツ一枚になり、蝶々のマスク着けた。
彼女はヤラれると思ったのか、芋虫みたく暴れてる。

Oはしゃくれたのと彼女の下半身を脱がせ、合図した。
O「王様お願いします!」
蝶々マスクにパンツ一枚の男達が鞭を一斉に振り下ろす。
しゃくれ「ふあああ!」
彼女「ぶぶぐぁあ!」
1分で二人の尻からくるぶし迄真っ赤に。

15分位経過…
二人の下半身がハムみたいに!
この間にOは免許と財布を奪還。
金が入って無いと、二人の財布から取られた分を取り戻した。

最後

ピンポンと玄関なってOが出た。
隣のオバさんが五月蝿いと怒鳴るも、俺達を見て顔がヒキツッてた。

同僚「お!一緒にプレイどうです?」
オバさん「へ!変態!」
ヒイッと言って帰られた。

後輩「Oに何かしたら、またプレイだから」
この後、二人の恥態?を撮影して帰宅。
Oは免許等を取り返し、裸になった俺は風邪。
嫁から「馬鹿が」と叱られた。

めでたしめでたし

Nと俺 (洪水編)

Nと俺


あれは忘れもしない4年前、ちょうど今ぐらいの時期の出来事だった。
当時の俺は大学にも行かず、さりとてバイトもせず、毎日朝から晩までパチンコに明け暮れていた。
わざわざ田舎から名古屋まで出てきて、日々何かを学ぶわけでなく、何一つ成し遂げることなく、
親からの仕送りをそっくりそのままパチンコに費やすような、救いようのないチンカス野郎だった。

そんなある日、ぐうたら生活を送っていた俺に、人生最大の修羅場が訪れようとしていた。

あの日は朝から凄まじい雨だった。 もっとも俺が目を覚ましたのは、昼の12時を回った頃だったけれど。
その日は午後1時からの講義でテストを受けることになっていて、
自力で起きることさえできない俺は、おかんに電話で起こしてもらうようお願いしていたのだ。

寝起きざま、電話口でいきなりおかんに説教を食らう。いつものことだ。

おかん「○○(俺の名前)、起きなさい。あんた今日テストやろ!」
俺「う?ん、・・・頭痛い。」
おかん「『頭痛い』ちゃうわ。 あんた今日テストやのに、どうせまた勉強もせんと、朝まで友達と麻雀やってたんやろ。」

図星を突かれて思わず目が覚める。
俺「・・・今何時?」
おかん「もう12時過ぎやで。とっくにいいとも始まってるわ。はよ顔洗って、ちゃんとテスト受けるんやで!」
俺「分かった分かった、頑張るよ。」

電話を切った直後、「頑張る」とは言ったものの、早くも俺は迷い始めていた。
最近グランドオープンしたばかりのバチ屋が、その日新台入れ替えを行う予定だったのだ。

・・・いやいや、何を迷ってるんだ俺は。出席日数もヤバいし、今回の小テストで絶対に良い点を取っておかねば。
30分で顔を洗い飯を食って服を着替え、マンションを出る。
(さあ、テスト頑張ろう!そしてテストが終わったら心ゆくまで新台を打とう!)
しかしそんな俺の意志とは無関係に、俺の足は勝手に大学の前を素通りし、地下鉄の駅に向かい始める。

(・・・まぁ無理してテスト受けなくてもいいかな? テストは年に何回もあるし、次のテストで良い点取ったらどうにかなるだろ。)
この時点で既に 俺の頭の中には、今日打つであろう新台のことしか無い。
どうしようもないアホの思考だ。しかしそう決心した俺の足取りはやけに軽い。

駅に向かう途中、朝から降り続く雨で、マンホールが「ゴボッ、ゴボッ」と不吉な音を立てていた。
(なんか今日はすげぇ雨だな?。ソッコーで爆連させて、さっさと帰るかぁ。)
パチンカーの思考回路は、いついかなる時でもポジティブだ。

5分後 地下鉄の駅に到着し、改札を潜った。
1分も経たない内に 暗闇を掻き分け、ホームに電車が躍り込んでくる。
都会の電車は非常に便利だ。俺の田舎では電車は最低でも30分は待つのが常識なのに。
プシューと微かな音を立てドアは開いた。 電車は俺を乗せて人生最大の修羅場へと ゆっくり動き始めた。

2つ隣の駅で降りる。
もはや まだ見ぬ新台によって、俺の胸は 期待感で張り裂けそうだ。バチ屋まで歩いて10分の距離が、やけに遠く感じる。
前日に聞いた友人Nからの情報によると、今日入るのは「Fゴースト」という機種らしい。
自動ドアが開くと、けたたましい騒音が俺の耳をつんざく。 心地良い音だ。
(新台空くまで、じっくり待つかな。)
そんな事を考えつつ まったり店内を巡回していると、なんと新台で入ったばかりの「Fゴースト」が、1台空いているではないか!
なんたる幸運、今日の俺はツイてる!
台のデータを見ると、単発の繰り返しで 最後に800ハマッた所で、どうやら前の人の有り金が尽きたようだ。
早速パッキーを買い、目をギラギラさせながら打ち始める。
すると3Kも使わない内に、いきなりの確変ゲット!!
(うぉぉ?、どうした俺、すっげぇ調子良い! なんか今日の俺はヤバい!!)

それから約10時間後 本当にヤバい事態に陥るなどと夢にも思っていない俺は、鼻歌まじりで大当たりを消化した。
順調に確変は続き、どんどん俺の周りに ドル箱の砦が築かれてゆく。
しかし時はゆっくりと修羅場へ向け、ひっそりとカウントダウンを始めていたのであった。

それからはもうウハウハの展開だった。
確変引いては連チャン、連チャンが終わったら確変引き戻して連チャン、その連チャンが終わるとまた引き戻して連チャン。
俺の周りに積まれたドル箱の「砦」は、どんどん「城」へと変貌を遂げてゆく。
結局閉店時間まで順調に出玉を増やし続け、最終的に20箱以上のドル箱を流すことに成功。
(ウホッ、10万勝ちコース!こいつぁ笑いが止まりませんなァ?!)
カウンターで、当時発売されて間もない「ドラクエ7」と「タバコ1カートン」をゲット。
(さぁ?て、あとは景品交換所で10万円頂いて帰りますか!)
久々の快勝にすっかり気を良くた俺の脳裏では、もはやテストをサボッた事など忘却の彼方。
むしろテストをサボッた自分を思いっきり誉めてやりたかった。

蛍の光が流れ始めた店内を軽やかにスキップしながら、満面の笑みで出口へ向かう。

すると、なんか出口付近の様子が変だ。
大勢の客が出口付近で外を見ながら凍りついている。
(なんだぁ? 店の前で事故でもあったのかな??)
出口で固まってる客を掻き分け、外へ出る。
その時俺の眼前に、かつて見たこともないような光景が飛び込んできた。

な、なんだこれは・・・」思わず小さな声で呻いてしまった。

バチ屋の照明でうっすらと照らし出された周辺の景色は、明らかに異常だった。

水、水、水・・・どこを見渡しても水。
少しばかり高い土地に建てられたバチ屋の周辺は、ぐるりと水で囲まれていた。
まるで暗闇にぽっかり浮かぶ離れ小島みたいだ。

「ザザザザザーーーッ!」
バチ屋の前の道路(と言うより既に小川みたいになってる)で水しぶきを上げながら走っている乗用車が、
俺の目の前で「プスン、ゴボゴボ・・・」と情けない音を立てて動かなくなる。
暗闇によく目を凝らすと、そこら中に動かなくなった車が放置されている。それも半端な数じゃない。

(何なんだこの異常事態は。俺は・・・夢を見てるのか?)
あまりに非現実的な光景を目の当たりにして、俺はただただそこに突っ立っているだけだった。

「どうする!?」「これ やばいよ・・・」
周りの客の声で突如現実に引き戻される。

そうだ、これはヤバい。本当にヤバい。
そういえば、夕方頃からやけに客が減っていったような気がする。まさか外がこんな状態になっていたとは。
いくら外界の情報が遮断されていたとはいえ、何故こんなになるまで気付かなかったのか・・・なんたる不覚!
いや、今は後悔してる場合じゃない。とにかく、この閉塞状況を打破する手立てを 早急に考えねばならない。
パニクリながらも、なんとか俺がしぼり出した案は3つ。

?洪水が収まるまでこの場で待機する
?友達に携帯で助けを求める
?足は濡れるが最寄りの地下鉄の駅まで歩いて帰る

まず?は却下。いつ川の氾濫が収まるか分からないし、こんな所で一夜明かすなんて耐えられそうにない。
?も捨て。さすがに これだけ目の前で車がおシャカになってる状況下、友達を迎えに来させる訳にもいかない。
仕方ない、・・・?か。あまり気は進まないが、足ぐらいなら濡れても構わない。
換金を済ませ、まだ出口付近で突っ立ってるバチ屋の客達を後目に、俺はゆっくりと駅に向かって歩き始めた。
とりあえず駅に着きさえすれば、後はどうにかなるだろう。

ゴボン、ゴボンッ。
小川みたいになった道を慎重に歩く。
すごい洪水だ。膝あたりまで水が溢れている。一体どれだけ雨が降ればこんな洪水が起こるというのだろう。
空は今なお おびただしい大雨を降らせている。早く駅に着かないと風邪をひくかもしれない。

焦りを感じつつも、同時に心の何処かでワクワクしている自分に気付く。
(消防の頃、台風直撃で学校近くの川が氾濫して集団下校した時も、確かこんな気分だったな?。)
目の前には未曾有の修羅場が展開されているのに、ついつい気分は消防時代に戻ってしまう。
なんで俺は何歳になっても台風とか洪水にドキドキしてしまうんだろう?のん気なものだ。

しかし やっとの思いで地下鉄の駅に到着した時、俺はこれから起こる真の修羅場を直視せざるをえない状況に置かれた。

「ザザザザザーーーッ」
ありえない・・・地下鉄へと降りる階段が、まるで滝みたいになってる。
氾濫した水は、容赦なく地下鉄へと流れ込んでいた。
(これは・・・いや、そんなまさか・・・)
俺の嫌な予感は的中した。
『洪水のため、現在 地下鉄鶴舞線は運行停止中』
その張り紙を見た時、背筋が凍りつきそうになった。
この大洪水の中、一体俺にどうしろと?
もしかして俺は、今から2駅分を歩いて自宅まで戻らなきゃならんという事か??
額を大粒の水が流れる。もはや汗か雨かも分からない。完全に精神的な余裕はなくなった。
事態は風雲急を告げていた。降り続く雨は勢いを弱めるどころか、どんどん雨足を強めている。
もはや逡巡している場合ではない、一刻も早く家に帰らねば、もっと危険な状態に陥る可能性もある。
俺は悲痛な面もちで、真っ暗な洪水の中、自宅に向かって歩き始めた。
バチ屋に来た時とは正反対で、俺の足取りは重い。

洪水は俺の予想の範疇を遙かに超える規模だった。
後にニュースで知ったのだが、この洪水は名古屋の歴史に残るほどの記録的な大災害だった。
実際に死者も出し、負傷者は100人に上ったという。
しかも これも後に知ったのだが、当日俺の行っていたバチ屋は何と、名古屋で最も被害の大きかった天白区のど真ん中に建っていたのだ。
もちろんその時の俺は、その豪雨と洪水が全国ニュースで放送されるほど大規模な災害だったとは知る由もない。

そのバチ屋付近は 元々土地が低い上に、天白川というのが近くに走っており、その光景たるやあまりにも凄惨だった。
国道の遙か向こうまで 見渡す限り、車が水に埋まって動かなくなっている。
時たま「ビィィィィィーーーーッ!!」とクラクションを鳴らし続けたまま放置されている車があって、恐怖した。
もっと怖かったのは、車のどこが壊れているのか知らないけど、
「バチバチッ、バチバチッ!」と なんか電気系統がイカれた車の直ぐ傍を通った時だ。
水面に電流みたいなのが流れていた。俺は真剣に死を覚悟した。

最初は膝ぐらいだった水かさも 歩くにつれどんどん深くなり、いつの間にか俺は腰ぐらいまで どっぷり水に浸かっていた。
空は大雨を降らすだけでなく、常に稲光でビカビカ光っている。
真っ暗闇なのに、頭上で雷が鳴る時だけ、不気味に周りの景色が映し出されるのだ。
それはまるで、この世の果てみたいな光景だった。
そして更に深刻だったのが、携帯電話が全く通じなかった事だった。
別に助けを呼ぼうと思ったわけではないけど、誰かと喋ってなければ不安で胸が張り裂けそうだった。

因みにバチ屋のカウンターで取った「ドラクエ7」と「タバコ1カートン」は とっくにずぶ濡れになっていたので、その辺に投げ捨てておいた。
財布と携帯電話だけは濡れないように 右手で高く持ち上げ、左手で傘を持ってひたすら歩いた。

もう水の中を30分以上は歩いている。
普段なら1駅分ぐらいは歩いているはずだが、まだその半分も進めていない。しかも事態は一向に良くならない。

ちょっとした坂が まるで滝のように唸りを上げて水を運んでいる。その奔流に何度も流されそうになった。
そこら中に色んな物がプカプカ浮いている。コンビニの玄関マット、飲食店の店先の看板、植物の鉢、そこにはありとあらゆる物が漂っていた。
水かさは更に深くなり、遂に水位は身長179?の俺の胸まで達していた。
バチ屋から もうどれぐらい水の中を歩いたであろうか、誰1人とすれ違うこともない。
当然だ、こんな時間にこんな状況の中で洪水の街を彷徨うのは、自殺行為以外の何物でもない。

水の中 長距離を歩くというのは、予想以上に困難な作業だった。自分でも どんどん体力が失われていってるのが分かる。
おまけに真っ暗だったのが俺の恐怖心を掻き立てた。自分の足元がまるで見えない。
一歩踏み出す位置を間違えただけで水死体になる危険性も十分ありうる。

水の冷たさと暗闇が、容赦なく俺の体力を奪ってゆく。肉体的にも精神的にも俺の疲労はピークに達しようとしていた。
途中で何度か諦めて避難しようと思ったが、もう全身ずぶ濡れで、俺は完全に冷静な判断力を欠いていた。
もはや一刻も早く家に帰って安心する事だけしか考えられなかった。
幸い、家に向かう途中に友達の家がある。もし家まで体力がもたなかったら、泊めてもらおう。
とにかく俺にできることは、一刻も早く、一歩でも前へ進む事だけだった。

途中、何度かコンビニの公衆電話から電話してる人達を見た。携帯は通じないが、どうやら公衆電話は繋がるらしい。
俺は猛烈に電話したかったが、どのコンビニの公衆電話にも、長蛇の列ができていた。
公衆電話の列に並んで時間を費やすのは痛かったので、全部見て見ぬ振りをして素通りした。

しかし遂に地元の人しか知らないような、ちょっと裏通りにあるコンビニで誰も並んでいない公衆電話を発見した。
(やった・・・やっと電話ができる・・・やっと声が聞ける・・・。)

さて、皆さんは本当に死を覚悟した時、一体誰の声を聞きたいだろうか。
恋人? それとも親友?

俺の場合は両親だった。迷うことなく実家の電話番号をプッシュする。
「トゥルルルル・・・・」
暫くコールした後、電話口に出たのはおかんだった。

おかん「・・・○○!? あんた、大丈夫なん!? ニュース見てめっちゃ心配してたんやで!? 携帯に電話しても全然繋がらんし・・・!!」
おかんの声は震えていた。心配で泣いていたのかもしれない。
ああ、おかん・・・いつ どんな時も俺の味方をしてくれた 優しいおかん・・・。
おかんの声を聞いて 俺もついつい泣きそうになる。
俺「いや・・・実は今危険なんよ、死にそう。」
おかん「『死にそう』て・・・あんた一体どうしたん!? 今日はテスト受けて家に居たんちゃうの!?」

ギクッ!!

俺「あ、いや・・・実はあの電話の後、パチンコ行って・・・閉店まで打ってて・・・」
俺「それで、そのパチンコ屋の辺りの川が めっちゃ氾濫してて・・・もうほんまに死にそうになって・・・」

おかん「・・・・そのまま死ね!! ドアホ!!!!!」

(ぐっはぁ、しまったぁぁぁっ!! テストサボッたのバレたぁぁぁっ!!)
電話を切ろうとするおかん。
俺「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!! 親父に代わって!! 頼む!!」
おかん「バカ息子がっ・・・ちょっと待っときな。今代わるから。」
俺「ゴメンよぅ。」

俺は猛烈に親父の声を聞きたかった。
俺が名古屋の大学に行きたいと言った時、決して家計も楽ではないのに、笑って許してくれた親父。
そんな理解ある親父が送ってくれた大事な仕送りを 馬鹿な俺がパチンコで全部スッて救いを求めた時も、
「母さんには内緒な」と言って、いつも通帳にコッソリ小遣いを振り込んでくれた親父。
どんな時も俺の行く手を照らす灯台の明かりのように温かかった・・・そんな親父の声が聞きてぇっ・・・!

親父「・・・もしもし、○○か? お前大丈夫なんか!?」
俺「うん、何度か死にそうになったけど大丈夫やで。」
親父「母さんが お前は今日テスト受けて家におるはずや、言うてたで?」
俺「あ、いや・・・実はテストをサボッてパチンコしてて、今洪水に巻き込まれて・・・」

親父「そのまま流されて死ねや!! アホが!!!」

俺「ちょ、ちょっと待って、妹、優しい妹の声も聞かせ・・・」

「ガチャッ、ツー、ツー、ツー・・・」
空しく受話器から無言の返事が返ってくる。俺は受話器を握りしめたまま呆然と立ちつくした。

・・・まぁしかし、結果はどうあれ、両親の声が聞けた。それだけで俺の不安は何処かへかき消えた。
さっきまで あまりの洪水で半泣きだったはずの心に、めちゃくちゃ勇気が湧いてきた。
(いける・・・まだいける!ありがとう親父、ありがとうおかん!!)
俺はまた家に向け 水の中を一心不乱に 歩き始めた。

それから20分ぐらい歩いた後、徐々に水かさも減っていき、水位はまた膝ぐらいまでになっていた。
俺の修羅場もようやく終焉の時を迎えようとしていたのである。
ふと、道行く人が携帯電話で喋ってるのに気付く。どうやら携帯が復旧したようだ。
今度は友達のNに電話をかける。
「トゥルルルル・・・・トゥルルルル・・・・」
おかしい、なかなか電話に出ない。 まさかあいつも この洪水で窮地に陥ってるんじゃ・・・?
そんな心配をし始めた頃、ようやくNが電話に出た。

N「・・・もしもし・・・おはよう。」
俺「すまんな、寝てたのか。 起こしてしまって申し訳ない。」
N「おぅ・・・寝すぎて頭痛い・・・今何時?」
俺「たぶん夜の12時過ぎぐらいかな。」
N「えぇ??っ!マジで!? ヤバい、お前の家で麻雀した後、家に帰ってずっと寝とったぁぁ!!」
俺「今まで寝てたんかい!!」

アホ発見。形は違えど、どうやらこいつもテストをサボッたらしい。
このNというバカ友は、一度寝ると20時間近く起きない こち亀の日暮さんみたいなヤツなのだ。
俺「お前 今日名古屋がどんな事になっとるか知らんのか?」
N「いや・・・分からん。何かあったのか?」
俺「実はかくかくしかじかで・・・で、今からお前の家に泊めてもらおうと思って。」
N「えっ、マジで!? すげぇ! つーかそこで待ってろ、今から俺も遊びに行くから!!」
俺「いや、ちょっと待て、俺はお前の家で一刻も早く風呂入れて欲しいんだけど・・・」

俺がそう言った時には既に Nは電話を切っていた。くそっ、どいつもコイツも!!
そこから最寄りのコンビニの駐車場で待つこと10分、おかしい。一向にNが現れない。
ここからは そう遠くないはずだが。

ちょっと心配になり始めた時、携帯電話が鳴る。Nからだ。

俺「もしもし? どうした?」
N「いや・・・それが・・・車でそこまで行こうと思ってたんだけど・・・」
俺「え!? 車で!? お前、まさか・・・。」
N「ああ・・・やっちまった。 スカイラインのエンジン止まってもーた!!(笑)」
俺「笑ってる場合じゃないだろ、だからあれほど車がストップしまくってるって言ったのに!」
N「まぁいいよ、とにかく 歩いてそこ向かってるから待っててくれ!」

アホだ・・・俺級のアホだ。 しかし気が重い、俺が電話してなければNの車も壊れる事はなかったろうに。
5分後 歩いて登場したNは、手にカメラを持っていた。
N「いや?、ホント凄い事になってるな!お前 よくこんな街を1駅ちょっと歩いてきたなぁ。」
俺「つか何でカメラ持ってんの?」
N「いや、せっかくだから記念撮影しようと思って。」
俺「はぁ?」

なんと その後俺は、やっとの思いで切り抜けた修羅場に再び舞い戻り、Nと記念撮影大会をするという愚行を冒してしまった。
今 これを書いてる俺の机の引き出しの中に、あの夜 洪水の道路でプールよろしく泳いでいる俺の写真が入っている。

こうして俺の長い長い一日が終わった。
結局 Nはエンジンの修理に20万かかり(因みにスカイライン自体の購入価格は中古で15万w)、俺はあの日の勝ち分10万をNにプレゼントする羽目になった。
Nは受け取ろうとしなかったけど、さすがに申し訳なかったので。
それから その数ヶ月後 実家に返った時、両親にもボロクソに怒られた。
あの日テストをサボッたからだけじゃなくて、俺の成績表が実家に送られたらしく、『不可』だらけの成績を見て、鬼のような形相で怒られた。
正座で説教されたのは厨房時代以来だった。まぁ全部 自業自得なんだけどね。



あれから4年の歳月が経った。
救いようのないバカ大学生だった俺も、なんとか留年スレスレで卒業できた。
俺は大学卒業後、友達の反対を押し切り、実家に帰って田舎で就職した。
やはり両親には感謝してるし、一生両親の傍で面倒見ていきたいと思ったからだ。

あのアホだったNも現在は名古屋の1流企業でバリバリ働いている。

Nとは大学卒業後1度会ったきりで、それ以後は連絡も取っていない。

そんなつい先日のこと。
台風が俺の田舎を襲った。その台風は 俺の田舎に結構大きな被害をもたらした後、そのまま本州に上陸し、名古屋も襲った。
次の日 その台風が北海道でただの低気圧に変わった頃、俺の携帯にメールが来た。Nからだった。

以下原文↓
件名:久しぶり!
本文:おっす○○、元気にしとるか。
なんか四国にも台風上陸しとったらしいな。大丈夫か?実は俺、いまだに台風が名古屋に来るたび、あの日のことを思い出すよ(笑)
それはそうと、お前スロットの調子どうよ。俺今日吉宗で万枚出したぞ。彼女とあの寿司屋で中トロ食ってきた!
ところでお前、××ちゃんの結婚式来るの?また連絡くれ。じゃあな。

俺はだいぶオッサンになった。Nも2年前に会った時、会社勤めのストレスのせいか、かなり老けていた。二人とも容姿は随分変わったはずだった。
でもやっぱり俺もNと同じように 未だに台風が来るたび あの夜の修羅場を思い出すし、懲りずに毎日 バカみたいにスロット打ってる。
結局変わらないんだ。

そうだ、今週末は久々に仕事休んで××ちゃんの結婚式に行こう。
Nと昔みたいに、二人揃ってスロットでも打とう。
今 俺の田舎の空はどこまでも青く晴れ渡っている。名古屋はどうだろうか。Nも同じような青空を見てるのだろうか。
あの日と変わらぬ笑みを浮かべて名古屋の空を見上げてるのだろうか・・・。

?fin?

上司ハゲよ、今あなたは幸せですか?

嫁がテレビでドラマを見ていて、俺がノートパソコンをいじっていた時の話。

嫁:「このドラマ、つまんない。オチが読める」
俺:「そうだね」
嫁:「っていうか、最近のドラマ自体がつまらない」
俺:「そうだね」
  「だから俺、ドラマ見ない」
嫁:「何か、面白いドラマか、映画とか知らないの?」

俺:「知らない」
  「・・・でも」
嫁:「何?何?」
俺:「・・・ドラマっぽい話なら」
嫁:「それって実話って事?早く話せ!」

俺はパソコンを閉じて、嫁はテレビの音量を下げる。

俺:「・・・じゃあ・・・」
  「むかしむかし、5年くらい昔の話・・・」
  「まだお前と結婚をする遥か昔の話・・・」

嫁:「前置きはいいから、早く話せ!」

俺:「お前、○○さんって人を憶えている?」
嫁:「ああ、アンタが前居た会社の上司でしょ?」
  「私達の結婚式でスピーチした、あのハゲ?」
俺:「そう」
  「そのハゲから5年前に聞いた、ハゲが主人公の話」
嫁:「何かつまらなそうだわ。っていうかオチが読めそう」
俺:「どうだろう?」

俺が前居た会社に、○○という上司がいた。
この○○という男は、口うるさく、怒りっぽく、そしてハゲだった。
気に入らない事があると俺を小汚い居酒屋に連れて行き、酒を飲みながら小言を言った。
実に嫌な奴だったが、俺の直属の上司だったので逆らわずについていった。

そんなある日、いつものように小汚い居酒屋で二人で飲んでいた時だった。
またいつものように小言を言われた。
「お前はだらしがない」とか、
「つまらないミスしやがって」とか、
「所帯も持っていないくせに、生意気言うな」とか。

そこで俺は言ってやった。「俺、そろそろ結婚しようと思っています」
上司は爆笑していた。「お前がか?お前がか?」ってね。
俺が「そうです」と言うと、上司はしばらく笑っていた。

で、笑い終わった上司が言った。「結婚っていうのは大変だぞ?」
俺は「そうでしょうね」と、当たり障りのない答えをした。
上司はもう一度、「本当に大変なんだぞ?」と言った。

俺は煩そうに「それって、○○さんの実体験ですか?」と聞いてやった。
そうしたら上司は言った。「俺はバツイチなんだよ」

「しかもな、普通じゃなかった」

上司○○がまだハゲていない頃、大学卒業後に地元じゃないところに就職したそうだ。
従業員300人くらいの中堅企業。○○とは縁も所縁もない、親族会社だったそうだ。
○○は、中・高・大学と女っ気がなかった。ホモ的に、ではなく。
会社に入っても、周りにほとんど女が居なかったそうだ。職種的に。
仕方がないので、○○は仕事に打ち込んだ。
結果も出た。部長(社長の親族)にも認められた。出世していった。
で、30歳の頃には営業所所長。「異例の大抜擢だった!」と○○は回想している。

そんなある日、○○は部長(社長の親族)に呼ばれる。
部長曰く、「そろそろ○○君も身を固めてはどうかね?」
○○はこう考えたそうだ。「次の役職欲しければ結婚しろ!、ということか?」
さすがは○○、実に考え方がヤラシイ。

部長:「常務(社長の息子)は知っているな?」
○○:「勿論です」
部長:「常務には年頃の娘さんがいる」
   「お前はその娘さんとお見合い、いや、結婚しろ」
○○はこう考えたそうだ。「なにその出世特急券?」
さすがは○○、実に考え方がクズだ。

二つ返事で○○は、常務の娘さんとのお見合いをOKした。
○○の心配事はただ一つ、「常務の娘がゴリラだったらどうしよう?」
さすがは○○、ハゲ、氏ね。

見合いの席で、○○は死ぬほど驚いたという。←氏ね。
常務の娘というのが、凄く美しかったと。
「深窓のお嬢様」と言う以外になかったと。
何が美しかったかというと、着物姿が美しかったと。
こちらに向かって微笑んでいる顔が美しかったと。
黒く長い髪が美しかったと。
「少しぐらい性格が悪いとしても、全然OK!」○○はトキメキを感じていたそうだ。

○○は回想する。「この時に気付いていれば・・・」と。

何かよくわからない自己紹介の後に、「あとはお若い二人だけで」タイムになったそうだ。
高級料亭の一室に二人だけにされて、○○は大層慌てたそうだ。
一生懸命に常務の娘さんに話しかけても、相手は微笑んでいるだけ。
さすがに間が持たないので、「庭の散歩に行きませんか?」と○○は言った。
そこでも常務の娘さんは微笑んでいるだけ。
さすがに馬鹿にされていると思った○○は、常務の娘さんに手を差し出す。←手を出す、ではない。
意外にも、常務の娘さんは○○の手を取って散歩に出たそうだ。
散歩中も○○は常務の娘さんにいろいろ話しかけたが、結局微笑んでいただけらしい。

○○は回想する。「どうしてこの時に気付かなかったんだろう?」と。

デートもしたそうだ。2回。
常務の自宅まで迎えに行って。
1回目は植物公園。相変わらず常務の娘さんは微笑んでいるだけ。
常務夫妻から「遅くなるなよ」と言われたので、
午後1時に出発して、午後3時くらいには自宅に送り届けたそうだ。

2回目は遊園地に連れて行ったそうだ。
常務の娘さんがはしゃいでいたのを憶えているという。
その容姿から想像できない喜び方だったと。
そこで常務の娘さんが「私、○○さんと結婚するんだよね?」と言ったという。
常務の娘さんから初めて聞いた言葉がそれだったんだと。

2回目のデートが終わった後に、○○と常務の娘さんは結納。
さすがの○○でもビビッたらしい。
おかしい?おかしい?

○○は回想する。「ここで気付かない俺は、やはり馬鹿だった」と。

で、結納から3ヵ月後には結婚式。
会社を挙げて結婚披露宴を催したらしい。
それはそうだ。親族会社なのだから。
ちょうど○○は忙しいプロジェクトを抱えていたので、新婚旅行は後回しにされた。

新居は常務夫妻が用意してくれた。全部、それこそ金から備品からすべて。
常務宅から徒歩5分のマンション。
おかしい?おかしい?おかしい?

結婚披露宴の次の日、新居に初めて行く○○。
そこには、嫁となった常務娘と、常務の奥さんが居たそうだ。
料理は常務の奥さんがしていた。三人で夕食を食べた。
午後9時になると常務の奥さんは、常務娘(嫁)を風呂に入れてやり、布団の支度をする。
○○が風呂から出ると、常務の奥さんは帰る。
常務の奥さんは帰り際にこう言う。「△△(常務娘)をお願いします」

すでにパジャマに着替えさせられた嫁(常務娘)と二人きりになった○○は、

嫁(常務娘)に向かってこう言った。「あなたは結婚した実感がありますか?」

嫁(常務娘)はこう言ったそうだ。「△△ちゃんは、○○さんのお嫁さん」

○○も、何となくは感じていたそうだ。口では言えなくても。
嫁(常務娘)が池沼ではないかと。
分かり辛ければもっとはっきりと書く。常務の娘さんは、知的障害者だったそうだ。

さすがの○○も悩んだらしい。
常務娘は人形のように美しい。そう、人形のように。
おそらく○○が一事を我慢すれば、すべてを常務夫妻が、そして会社がバックアップしてくれる。
大体結婚をしてしまっているのだから、道義的な非難を浴びる事もない。

それでも○○は嫁(常務娘)を抱かなかったらしい。こればかりは○○の言葉を信じるしかない。
それでも○○は嫁(常務娘)に優しくし接したらしい。ここも○○の言葉を信じるしかない。

3週間ばかり、こんな生活を続けたらしい。
○○は憔悴していたようだ。
抜け毛が気になり始めたのも、この頃からだと言っていた。
たまたま会議の後に部長と二人きりになる機会のあった○○は、部長に話しかけられた。

部長:「どうだ?上手くいっているか?」
○○:「・・・何の事でしょうか?」
部長:「とぼけるな。嫁さんの事だ」
○○:「・・・知っていて、そう差し向けたんですか?」
部長:「お前だって乗り気だったろ?」
   「もうお前は安泰だ。何の心配も要らない」

○○:「・・・何で俺だったんですか?」
   「どうして俺が選ばれたんですか?」

部長:「ここはお前の出身地から離れた場所だな?」
   「お前、もう父親が死んで居ないだろ?」
   「お前は次男坊だったよな?」
   「それにお前は真面目な働き者だ」
   「ゆくゆくは常務のところに婿養子入りできるだろ?」

○○:「それが理由なんですか?」

部長:「あのな、よく考えてみろ?」
   「ウチみたいな親族会社に、コネなしのお前がどうして入れた?」
   「どうしてお前を出世させたのか、考えた事があるか?」

さすがの○○でもブチギレた、らしい。気持ちは、分からないでもない。

だが、○○はその場で喚き散らさなかったらしい。嘘だよな?
部長のあの言葉がなければ、違った展開もあったかもしれないと○○は言っていた。

結局○○は、新婚生活を一ヶ月続けた。
その一ヶ月間、嫁(常務娘)とどんな生活をして、
どんな会話をしたかまでは、○○も語らなかった。

で、新婚生活一ヶ月記念日に、作戦を決行する。
離婚届を用意して、自分の署名と判子を押す。
嫁(常務娘)にも署名と判子を押させる。
勿論、トラブルもあったらしい。
嫁(常務娘)が署名を漢字で書けなかった。

離婚届をひらがなで書いても有効であったのかどうかは、俺にも分からない。
本人が書いていなくても有効であるのかどうかも、俺にはわからない。
大体、婚姻届がどういう経緯で出されたのかも、俺にはわからない。

だが○○は、嫁(常務娘)に漢字で書くように教えてやったらしい。
○○に言われるままに、漢字を見よう見まねで書く嫁(常務娘)。
さすがの○○でも感じるものがあったらしい。
○○は涙が出た、と言っていた。情が移った、とも言っていた。

翌日、○○は常務夫妻に離婚届を出す事を伝えた。
常務は何も言わなかったらしい。
常務の奥さんは、○○に礼を言ったらしい。
嫁(常務娘)は微笑んでいたらしい。

遅刻の報告を会社にして、離婚届を提出して、やや遅い出社。
○○は部長に面談する。

○○:「離婚しました」
部長:「!!!」
   「お前、分かっているのか!?」
   「全部失うんだぞ!?」
   「慰謝料だって、いや、身ぐるみ剥いでやるぞ!!」
○○:「退職届けです。今までありがとうございました」

部長の罵声を背に、○○はそのまま実家にトンズラ。
慰謝料の請求はなかったとのこと。
逃亡同然の離職・離婚騒ぎも不問だったと言っていた。
それどころか、退職金(口止め料)も出たと言っていた。
全部、常務夫妻の差し金だろう。

ゴタゴタが一段落したところで、○○は他県に再逃亡。今の職場に潜り込む。
○○は結婚恐怖症にかかっていたが、何とか再婚した。恋愛結婚だと言っていた。
娘ができた。「一人娘で可愛い」と、写真を常に持ち歩いていた。キモイ。

小汚い居酒屋で、上司○○のこんな話を聞いた。
俺は「大変でしたね」と、当たり障りのない答えをした。
○○は「そうさ、大変だったさ」と言った。
俺は「結婚が大変なことという事は分かりましたけど、何で今更そんな話を俺に?」、と聞いてみた。

○○:「自分に娘ができて思うんだよ」
   「勿論、俺の娘は普通に生まれてくれたけど」
   「もし元嫁のように生まれていたとしたら、常務夫妻の気持ちも分からないわけじゃないんだ」
   「普通の生活を、送らせてやりたいっていう気持ちが・・・」

なんて事はない、ただの愚痴だった。
いい加減酒を飲んでいたので、上司○○は潰れていた。
仕方がないので、上司○○を自宅まで送ってやった。
さすがに娘は寝ていたようだが、上司○○の嫁さんは起きていた。
今はこんな美人の嫁さんと再婚できたんだから愚痴言うな。ハゲが。

嫁:「・・・・・」
俺:「 お し ま い 」
嫁:「・・・・・」
俺:「つまらなかった?」
嫁:「そうでもなかった」
俺:「オチが読めた?」
嫁:「読めたような、読めなかったような」

俺:「この話を聞いた時に、ちょっと切ない気分になった」
嫁:「それは分かるよ」

嫁:「さっきの話、本当はアンタの身の上話なんじゃないの?」
俺:「戸籍調べてみなよ。俺に離婚歴はないから」
  「それに俺、ハゲじゃないし」

嫁:「あのさ」
俺:「なに?」
嫁:「私達って、見合い結婚だよね」
俺:「そうなんだよね」

田舎だと未だにあるんだよ、見合い結婚って。

嫁:「私達が子供作らないのって、その話と関係ある?」
俺:「そんなの関係ないよ」



今から嫁と子作りしてくる。

俺男と菜美と吉村(吉原)

俺男:都内大学生(18)
山田菜美:都内大学生(18)
吉村和夫:フリーター(27)

大学に入ってしばらくした頃、
今までバイトってものをやったことがなかった俺は
人生経験のためにバイトを始めた。

そのバイト先の先輩に吉村という男がいた。
小太りで、服や髪は秋葉系の人だった。
無口で冗談などはほとんど言わず
自分の興味のあることだけを延々と話すような人で
かなりとっつきにくい人だった。

俺とシフトが重なったとき、吉村はよく俺に彼女の話をしてた。

「もうすぐ俺、結婚するんだよ
彼女、ストレートの黒髪で、すごくかわいい子なんだ」

吉村はそんな話を延々と続けてた。
一応バイトの先輩だし、他にこの人と盛り上がれそうな話題もなかったので
俺はいつも聞き役に徹し、適当に相槌打ったりして時間が過ぎるのを待った。

ある日、バイト先近くのファミレスで友達と待ち合わせをした。
ファミレスに入って店内を見渡してみたけど、まだ友達は来てなかった。
しかし、ファミレスの一番奥の席には意外な人物がいた。
吉村だ。
こちらからでは後姿しか見えないが、吉村の前には女性が座っており
二人で話し込んでるようだった。

正直、吉村のプライベートに踏み込む気は全くなかったけど
ガラ空きの店内でバイト先の先輩がいるのに
あいさつしないのも不自然だと思って、吉村に声を掛けた。

俺「こんにちは。吉村さん。今日はデートですか?」
吉村「ああ。今ちょっと彼女と難しい話してるんだよ」
吉村は素っ気無くぶっきらぼうに答えた。
しかし、俺の声に反応して振り返った女性は、涙を流しながら首を振って
「違うんです。付き合ってないんです」と言った。
俺「え?…」

意味が分からない。
俺がしばらく固まってたら
「お願いです。助けて下さい」
と女性から泣きながらお願いされた。
この女性が菜美だ。

「おい、あんちゃん。おまえこいつの友達か?」

呆然としてる俺に、吉村たちの隣に座ってた男が話掛けて来た。
隣に座ってたのは、二人とも30代半ばぐらいのおじさんたちだった。
ガラの悪いシャツにパンチパーマ、オールバックといったファッションで
どう見ても健全な商売の人間には見えなかった。
どうも、吉村は彼女と二人だけじゃなくて
その横のテーブルに座る柄の悪い二人組とも連れだったみたいだ。

菜美は清楚で大人しそうな感じ。吉村はいつも通りの秋葉系。
吉村たち真面目組とこの柄の悪い二人とは全く接点無さそうだったんで、
連れだとは思いもしなかった。

手前側に座ってたやくざ風の男は立ち上がると
「あんちゃん、悪いことは言わねえよ。
そんなに仲良くないなら、こいつらとは関わらない方がいいよ」
と言って、俺の肩をポンと叩いた。

吉村は無言だった。
菜美の方は、涙をポロポロ流しながら、目から助けて光線を俺に発している

俺「あの、とりあえずトイレ行って来ますね」
そう言って、俺はトイレに向かった。

トイレに向かうまでに、状況を整理して考えた。
吉村&菜美組と、やくざ風の男×2組は、どう見ても友人関係ではない。
また、菜美が泣いているところからすると、
何らかの理由で彼らはやくざ組に脅されてるんだろう。
そうだ。きっと二人は、チンピラに絡まれてるんだ。
俺はそういう結論に達した。

俺はトイレの大きい方に入って、小声で警察に電話し
友達がヤクザに脅されてるから来て欲しいと伝えた。
電話を掛け終えた後、数分トイレで待機してから吉村たちの方へ向かった。
数分待ったのは、少しでもあの居心地の悪そうな場所にいる時間を減らすためだ。
吉村たちの席に向かったのは、
人数が増えれば、やくざ風の男たちも絡みにくいだろうと思ったからだ。
ぶっちゃけ、絡まれてるのを見捨てて
バイト先での人間関係を悪くしたくないという打算もあったけど。

もうすぐ警察も来るし、しばらく我慢すればいいだけだ。
そう自分に言い聞かせて、俺はトイレから出た。

俺「あの、俺も話聞きます」
ヤクザ男「いや、こっちはそれでもいいけどさ。
あんた、ホントにいいの?
こいつらの借金の話してるんだよ?」
俺「え?借金?この二人のですか?」
菜美「違うんです。お願いです。助けてください」
菜美は涙で化粧は落ちてまくりで、脂汗タラタラで顔は真っ青だった。

ヤクザたちは借金だと言い、菜美は違うと言う
とりあえず俺は、一番信用できそうな菜美を信用することにして
吉村たちの席に座った。

座ってから、俺は一言もしゃべらず吉村と菜美の話を聞いてるだけだった。
話を聞く限りでは、どうも吉村は、菜美に風俗で働くようお願いしてるようだった。
菜美は「無理です」とか「お願いです。もう帰してください」
とか、涙を流しながら平身低頭な懇願を繰り返すばかりだった。

俺が席についてから5分もしないうちに警官が到着して
俺たちは全員警察署に連れて行かれた。
ヤクザ風の男たちは
「俺たち何もしてねえよ?何でだよ?」
と抵抗してたけど、警察は問答無用だった。

警察署で事情聴取を受けて取り調べ用の部屋を出ると
別の部屋から菜美が出てきて、俺に話しかけてきた。

菜美「ありがとうございました。助かりました。
ぜひお礼をさせてください。連絡先教えてもらえませんか」

俺が携帯の番号を聞くと、菜美はまた部屋へと戻って行った。
別にお礼なんかいらなかったけど、それぞれ話が食い違ってた理由と
「付き合ってない」と言った意味が知りたくて、俺は番号を教えた。

その日の夜、菜美から電話があった。
お礼の品物を渡したいので自宅を教えてほしいと言われた。
俺は、お礼はいらないと言い、
代わりに少し話がしたいから喫茶店で会わないかと提案した。
菜美は承諾してくれ、俺の最寄り駅近くの喫茶店まで出てくると言った。

だが、待ち合わせ時間が夜になるし、
今日のこともあるので、菜美の自宅から遠いところでは危ないと思った。
結局、菜美の最寄り駅の一つ隣の駅の近くの喫茶店で会うことになった。

一つ駅をずらしたのは、
菜美の自宅の最寄り駅が、やくざ風の男たちに絡まれた駅、
つまりバイト先の最寄駅だったからだ。

喫茶店で見た菜美は
前日の泣き崩れた菜美とは別人のようで、吉村がよく話してるように、
きれいな黒髪のストレートがよく似合う、清楚な雰囲気の美人だった。

自己紹介を一通り終え
その後、お礼と謙遜を言い合ったりとか
菓子折りを渡そうとするので「結構です」と押し返したりなどの定例の社交辞令の後、
菜美から昨日の顛末を聞いた。

驚いたことに、菜美は吉村とは知り合いでもないと言う。
菜美が言うには、事件のあった日、路上で吉村に唐突に
「借金のことで話がある」と話しかけられたらしい。

菜美の家は母子家庭で、あまり裕福ではないそうだ。
このため、東京の大学に娘を進学させるために借金をし
菜美は、てっきりその話なのかと思って、
吉村の誘いに乗って喫茶店に着いて行ってしまったらしい。

本題に入らないままファミレスで茶飲み話をしていると
吉村に呼び出しに応じて後からヤクザ風の男たちがやって来て
吉村を含めた三人に囲まれてしまったらしい。

ヤクザ風の男たちは
「俺らここで待ってるからよ。二人で話をつけろや」
と言い、菜美たちの横のテーブルに陣取ったらしい。

やくざ風の男たちが来てから、初めて吉原は借金の話を始めた。
実は、吉原は街金から借金しており
返済資金に困っているので返済に力を貸して欲しいと、
泣きながらお願いされたとのことだった。
力を貸すってのは、つまり風俗で働くってことだ。

理不尽な話なので最初は
「何で私が…」とか「関係ありませんから」などと反論して
席を立って帰ろうとしたらしい。
だが、席を立とうとすると、吉村に腕を掴まれて無理やり引き戻され
また、やくざ風の男たちからも
「話のケリもつけずに帰ろうってのか?
なめてんのか?てめえは?」
と凄まれたりしたので、怖くて帰ることが出来なくなってしまったらしい。

あまりに意外なストーリーを俺は呆然と聞いてた。
だが、そのとき俺は、菜美の話をあまり信じてなかった。
見ず知らずの女に「自分の借金返済のために風俗で働いてくれ」と頼むやつなんて、
現実にいるわけないだろ、と思ってた。

俺「山田さん、もしかして○○駅近くの○○と
××駅近くの△△でバイトしてるんじゃないの?」
菜美「え?……何でご存知なんですか?」
俺「吉村さんから聞いてるからだけど。

山田さんは見ず知らずだって言ってるけど、
どうして吉村さんは、そのこと知ってるのかな?

それから、もしかして自宅近くにファミマあるんじゃない?
吉村さん、よくそこで山田さんが何買ったとか話してたよ。
本当に、見ず知らずの人なの?

吉村さん、山田さんとの結婚考えてるって言ってたよ。
トラブルに巻き込まれたくない気持ちはよく分かるけど
でも、見ず知らずの他人なんて言い方したら、吉村さん可哀想だよ」

菜美はきっと、トラブルから逃げたくて、吉村と赤の他人のふりしてるんだろう。
そう考えた俺は、菜美に不快感を感じて、つい意地悪なことを言ってしまった。
意地悪な問いかけによって
菜美は開き直って、少しは本当のことでも話すのかと思った。

だが菜美は、この話を聞いてガタガタ震え出し、泣き出してしまった。
涙も拭きもせずにうつむいたまま脂汗流しており、顔は真っ青だった。
とても演技とは思えない狼狽ぶりだった。

俺「………………
もしかして、本当に見ず知らずの他人なの?」

菜美は声も出さず、真っ青な顔を何度もたてに強く振るだけだった。
たてに振る顔は、いつの間にか、
初めて会ったときのようなグシャグシャの泣き顔だった。
あまりにも取り乱したので、
この話は中止して、俺は菜美を励まして少し落ち着かせた。

菜美は、まだ東京に来たばかりで、
頼れる友達もいないのにこんな事件に巻き込まれ
どうしたらいいか分からないと泣くばかりだった。

仕方なく俺は「俺でよければ、出来ることならするよ」
「力になるから」「大丈夫。少しは頼りにしてよ」
というようなことを言って、菜美を励ました。

だけど内心では「街金は、さすがに手に負えないなあ」と思ってた。
そんなわけで、俺は成り行き上、菜美とよく連絡をとるようになった。
ほぼ初対面の俺に頼らざるを得ないぐらい、菜美は困ってたんだろう。

その後すぐ分かったことだけど、
街金も吉村も「借金の返済方法について相談しただけ」
ということで、すぐに釈放された。

数日後、バイトで吉村と一緒になった
早速、吉村に菜美とのことを聞いてみた。

俺「吉村さん、山田さんとホントに付き合ってるんですか?」
吉村「そうだよ」
俺「でも、山田さん、吉村さんと話したこともないって言ってましたよ」
吉村「話さなくても、俺たちは心が通じ合ってるんだよ」
俺「……( ゚Д゚)」

俺「でも、まだ話したことない人とどうやって仲良くなるつもりなんですか」
吉村「それを考えるのは、相談に乗ってるおまえの仕事だろ」
俺「……(;゚Д゚)」

吉村「おまえ、赤い糸って信じるか?」
俺「はあ」
吉村「俺と菜美は、一つになるってことが運命で決まってるんだよ」
俺「……(;;゚Д゚)」
吉村「まだ、おまえには分かんないかもな。
お前も運命の人にめぐり合えば、きっと分かるよ
強く引かれ合う力ってのがさ」
俺「……(;;;゚Д゚)」

俺「山田さんとデートって、したことあります?」
吉村「あるよ。いつも帰り道、一緒に歩いてるよ」
俺「え?並んで歩いて、手なんか繋いだりするんですか?
じゃあ、おしゃべりしなくても十分ラブラブじゃないですか」
吉村「いや、手は繋いでない。まだ少し距離をおいて歩いてるよ
でも、俺たちには十分なぐらいの近い距離だよ。
その距離なら、俺たちは心が深く通じ合うんだよ」
俺「……で、どれぐらいの距離で歩いてるんですか?」
吉村「50メートルぐらいまで近づけば通じ合うよ」
俺「……(;;;゚Д゚;)」

俺「そんな大切な人を、どうして風俗に沈めようなんて思うんですか?」
吉村「これは俺たちの試練なんだよ。
だけど、俺たちは二人の力で、必ずこの試練を越えてみせるよ。
彼女も辛いだろうけど、俺だって辛いんだよ。
俺たちはこの試練を必ず乗り越える」
俺「……(;;;゚Д゚;;)」

吉村「俺たち二人のことを邪魔するやつらは、必ず俺が叩き潰すから
俺が、必ず菜美を守るから」
俺「……((((;;;゚Д゚;;)))ガクガクブルブル)」

吉村から話を聞くまで半信半疑だったけど、
菜美の言ってることは本当だった。
こんな危険なやつがいたんだ。
実際にこんな人がいるなんて思ってなかったから、手が震えるぐらい驚いた。

菜美に守ってやるといってしまった手前
俺は、有事に備えて飛び出し警棒を買った。

俺は店長に事件の顛末を話して
菜美の身の安全のために吉村の両親と話したいから
吉村の実家の住所を教えて欲しいと頼み込んだ。

店長は、吉村のおかしいところに心当たりがあるらしく
俺の話をすんなり信じてくれて
「いやー。予想以上にとんでもねえやつだなw」と笑ってた。
だが、個人情報の提供については、しばらく考えた後、
やはりバイトの個人情報を教えることはできないと言った

俺はしつこく食い下がった。
店長「うーん。大変なのは分かるけど、
やっぱり個人情報を教えることはできないよ」
俺「そこを何とかお願いします。
今はそんなことを言ってる場合じゃないんです
全く無関係の罪もない女の子が、犯罪に巻き込まれるかもしれないんですよ」
などと俺が延々と力説してたら

店長「話は変わるけどさ、この事務所の書類整理の仕事を頼むよ。
その棚にある履歴書なんかを、整理してファイリングしておいてくれないかな。
俺はこれから1時間ぐらい出かけるけど、その間にお願いね」
と言ってくれた。
店長に深くお礼を言って、俺は仕事に取り掛かった。

吉村はバイト仲間内でも屈指の働かないやつで、
ほとんどバイト収入なんてないくせに、都内一人暮らしだった。
自宅と実家がすぐ近くであるので、
菜美のように地理的理由で一人暮らしをしているのではない。
意外にも、吉原はいいご身分だった。

たぶん、俺が店長に話したからだと思うが
話した後すぐ、吉村はバイトをクビになった。
実際、ほとんど仕事しないし、よく休むし、
バイト仲間からも嫌われてるやつだったので
クビにする理由はいくらでもあった。

俺は、菜美にさっそくgetした吉村の個人情報を伝え
親御さんに話して、
もう近づかないよう吉村の親に警告してもらうことを提案した。

しかし、菜美は複雑な顔をして、親には話したくないと言った。
菜美を大学に通わせるために、菜美のお母さんはかなり無理をしてるようで
毎晩、体力的に限界近くまで働いているらしい。
疲れてるお母さんに余分な心配掛けたくないと菜美は言った。

菜美からの相談に乗ってるうちに、
俺たちは、次第に事件以外のことも色々と話すようになった。
菜美は母子家庭であまり裕福ではなく
仕送りが少ないために、生活費は自分のバイトで捻出していた。
また卒業のためには奨学金獲得が必須であるため、
大学の勉強で手を抜くわけにもいかず
家に帰ってからも自習をせざるを得ず
このため、普通の大学生のように楽しく遊ぶ時間なんて
ほとんどない生活だった。

東京でなかなか親しい友達ができないのは、
まだ来たばかりという理由以外に、
ほとんど遊ぶ時間がないというのも
関係してるんだろうと思った。
友達の少なさとは裏腹に、菜美はすごくいい子だった。

色々話すようになって分かったんだが
菜美は、とても同じ年とは思えないほどすごく大人で、
しっかり芯を持った人だった。
苦労してるだけあって、周りの人にも優しかった。
俺は、急速に菜美に惹かれていった。

バイト先でのヒアリングで吉村が危なすぎるやつだと分かったので、
俺は可能な限り菜美の送り迎えをするようになった。

菜美を自宅まで送った後、
一人で夜道を歩いているとき、目の前に吉村が現れた。

吉村「おまえ、どういうつもりだよ?
俺の女に手出すんじゃねえよ?」

超びびッた。
菜美がおまえを怖がってるとか
おまえから危害を加えられないために送り迎えしてるんだとか
いろいろ説明したけど、全く無駄だった。
「俺と菜美は心でつながってる」とか「菜美はおまえを迷惑がってる」とか
吉村は根拠のない反論し繰り返した。
もう「菜美と俺は相思相愛」てのを固く信じちゃってて
全く聞く耳持ってくれなかった。

話してるうちに
「殺すぞこの野郎!」
と吉村は俺に殴りかかってきた。
でも、俺と吉村では体格も全然違うし
吉村はかなり運動神経が鈍い方だったから、問題なくさばけた。

みぞおちを一発殴ったら、吉村はうずくまって動かなくなった。
うずくまる吉村に俺が、もう一度、
菜美は吉村を怖がってて、出来れば会いたくないと思ってると話したら
「おまえが、おまえがあああ、嘘を吹き込んでるんだろうううう!!!!」
と怒鳴って、その後
「ウウウウウウウウウウウ」とうなった。
うずくまってうなり声を上げる姿は、本当に獣みたいだった。
背筋に冷たいものを感じて、思わず走って逃げてしまった。

安全なところまで逃げてから、すぐ菜美に電話した。
吉村に会って喧嘩になったこと、
何やら物凄い執念だったから、戸締りはしっかりして、
今日はもう家から出ないようにということ
何かあったら、何時でもいいから、すぐに俺に電話するように
ということを言った。

菜美からの連絡はその日の夜にあった。
電話ではなくメールだった。

メールには
玄関前で音がしたので、菜美がドアの覗き穴から外を覗いたら
ちょうど吉村もその穴から部屋の中の様子をうかがってる最中で
うっかり目が合ってしまったとのことだった。
すぐ近くにいると思うと怖くて声が出せないから、
電話ではなくメールで連絡したらしい。

俺は、すぐに警察に連絡するように返信したら
警察に電話なんかしたら、通報する声が吉村に聞かれてしまって
それで逆上されて、とんでもないことになるかもしれないって返信が返って来た。

俺は、警察への通報は俺がするということ、
すぐ行くから部屋から出るなということをメールで伝えた。
俺は、昔、野球やってたときに使ってた金属バットをバットケースに入れ
そのまま菜美の家に向かった。

警察は、俺が着くより前に見回りに来てくれたらしいけど
周囲をざっと見て、菜美の部屋のベルを鳴らして
菜美の顔を見て無事を確認したらすぐ帰ってしまったらしい。

その日、俺は菜美の部屋に入れてもらった。
翌日、菜美は朝早くに出発する予定だったので
俺が寝ないで見張ってるから、とりあえず菜美は寝るように言った。

その日が、菜美の部屋に入った初めての日だった。
普通なら、俺たちの関係に少しぐらい進展があってもいいんだろうけど
結局、何事もなく終わった。

怯える菜美がなんとか寝付いたのは深夜2時過ぎ。
すやすやと寝る菜美を見てさすがにムラムラしたけど
今襲ったら、それこそ菜美を深く傷つける気がして
最後の一歩は踏み出せなかった。

その3日後ぐらいから、菜美のところにも街金が来るようになった。
そのため、俺と菜美は半同棲のような形になった。

だけど俺は、相変わらず菜美には手を出さなかった。
菜美が風呂上りにノーブラパジャマでいたりとか
パジャマのボタンとボタンの隙間から胸が見えそうだったりとか
かなり危ない状況はあった。
だけど俺は、菜美のいないときに狂ったようにオナニーして
精を搾り出したりすることで、なんとか理性を保つことができた。

吉村の一件以降、菜美は知らない男に対して強い警戒感を示すようになった。
これだけ無理して我慢してたのは
もし俺が襲ったら、菜美の男性恐怖症はさらに酷くなると思ったからだ。

俺が菜美の家に通い始めてから1週間ぐらいした頃
菜美の家に俺の歯ブラシを置いた。

歯を磨いた後、菜美は俺の歯ブラシを見ながら
「私たちって、変な関係だよねー
普通、家に男の人の歯ブラシ置くのって、
普通に付き合ってるってだけじゃなくて、
相当深く付き合ってる場合だけだよね?
でも、俺男君の歯ブラシはここにあるのに、
私たち付き合ってもいないんだよ?」
と言った。

返す言葉がなく無言でいる俺に、菜美は言葉を続けた。

菜美「ごめんね。俺男君。
私がもっと魅力的で、変なトラブルに巻き込まれるような女じゃなかったら
俺男君も、もう少し楽しかったんだろうね」

空元気に笑う菜美が無性に可愛く見えた。

本当は、この件が全部片付いた後、
俺から菜美に告るはずだった。
だけど俺は予定を繰り上げて、
その日に菜美に告って、その日に菜美を抱いた。

俺としては、菜美を傷つけないために我慢してたのにな。
だけど、俺が菜美を抱かないことが逆に
菜美を傷つけてるとは思わなかった。
女って、難しいな。

行為が終わって、俺がすぐに服を着ようとしたら菜美に止められた
菜美「もう少し、このままこうしてよう?」
何も着ていない菜美は、何も着ていない俺に抱きついてきた。
俺「ちょっとだけだぞ。襲撃に備えて服は着ておかなきゃだから」
菜美「もういいよ今日は。
今日だったら、このまま死んじゃってもいいや」
俺「何でだよ?今日が俺たちのスタートの日なんだぞ
スタート直後にゲームオーバーって、ださくない?」
菜美「ああ、そっか。
今日が始まりの日なんだ。
俺「そう。今日がミッション・コンプリートじゃない。今日が始まりだ」
菜美「うん。そだね。これからよろしくね」
そう言いながら菜美は俺にキスをしてきて、二回戦が始まった。

菜美の家に来る街金とドア越しに話すのは俺がやった。
警察にも相談したけど、
民事不介入ってことで取り合ってくれなかった。

街金とのやり取りは大体こんな感じ。

街金「山田さん、あなた吉村君の金使っていい思いしたんでしょ?
いい思いしたんだったら、その分のお金は払わないと。
それが世の中ってもんだよ。
世の中なめてると、怪我じゃすまねえよ(ここだけドスの効いた怒鳴り声)」

俺「山田が吉村と付き合った事実はありません」

街金「でも、債務整理の相談したとき乗ってきたんでしょ?
まるで無関係の女が、どうしてそんな相談の場に来るの?
そんなやついねえだろ?」

俺「あれは、大学進学の借金と勘違いしたからです」

街金「吉村君も、山田さんが払うべきだって言ってるよ
一度は、山田さんの涙に騙されて自分が払うって言ったんだけどね
やっぱり、山田さん。相当、吉村君のこと泣かせたんだろうね。
最近になって、やっぱり山田さんと二人で払うって言い出したよ。
まあ、自業自得だと思って、まずはこのドア開けてくれないかなあ」

俺「そもそも二人は付き合ってませんし、ドアは開けることはできません。
お帰りください」

街金「てめえに言ってんじゃねえんだよ(いきなり怒鳴り声)。
俺は山田さんに言ってんだよ。オイコラ。山田さん出せや」

俺「山田の代わりに僕が伺います」

街金「てめえは日本語わかんねえのか?コラ(怒鳴り声)
早く出せや。いい加減にせんかいコラ」
(ドーンというすごい音。たぶんドア蹴っ飛ばしたんだと思う)

街金が来ると、こういう冷や汗ものの会話が最低20分ぐらい
長いときは2時間以上も続きます。

街金の追い込みはさすがにきつかった。
さすがにもう、嵐が過ぎるのをただ耐えるだけなんて不可能だ。
何とか打開策を見つけなくてはならない。
だが、肝心の吉村とは、まるで話にならない。
それどころか、会えば命の危険さえある。

俺は吉村の実家に行って親と交渉することを考えた。
ゲットした吉村の実家の住所に行き、吉村の両親を訪ねた。
ちょうど両親ともに在宅で、俺は吉村の実家に招き入れれた

家に入って驚いた。
廊下の壁のあちこちが穴だらけだった。
ちょうど壁パンチをしたような跡がたくさんあった。
リビングに通されたが、リビングの電気の傘も割れたままで交換されていない。
壁も穴だらけだ。

ちょうど吉村の両親が二人ともいたので二人に話を聞いてもらった。
俺の要求は
・無関係の菜美に借金を払わせないでほしい。
・菜美が怖がっているので、もう吉村を近づけないようにしてほしい。
・吉村を一日も早く精神科に通わせてほしい。
というものだった。

借金について
「吉村はもう成人しているので、親の関知するところではない」

菜美に近づかないようにという依頼に対しては
「一応言ってみるが、最終的には本人が決めること。
保証はできない」

精神科に通わせてほしいとお願いしたんだが、
これがまずかった。母親は突然
「ふざけんじゃねえよ。うちの子は精神病か?はあ?てめえが精神病だろうが?」
と急にスイッチが入ったかのように下品な口調で怒鳴り散らし始めた。

さっきまでは普通のオバサンだったのに、急にこの口調ですよ( ゚Д゚)
母親は、リビングの壁などを蹴りまくり、
俺の顔に湯のみを投げつけた。

「俺男君、もう今日は帰りなさい」
呆然とする俺に、父親は静かな声で助け舟を出した。

簡単に一礼して、俺は玄関に向かった。
玄関で靴を履いていると、母親は俺に塩を投げつけ、
そのままブツブツ独り言を言いながら奥に消えていった。

父親は玄関の外まで俺を見送ってくれ
「すまなかった」
と最後に一言、深く頭を下げて謝った

帰る道すがら、俺は絶望で心が真っ暗だった。
唯一の希望だった吉村親もおかしな人で、まるで話にならない。
吉村はダメ、吉村親もダメなら、もう交渉相手がいないじゃないか。

それでも俺は希望を捨ててはダメだと思い、
一度家に帰って、その日のうちに病院に行った。
湯飲みをぶつけられたときに口を切ったんだが
病院で診断書をとれば、後で何かの役に立つかもと思って。

この頃になると、俺も菜美もさすがに精神的に限界近かった。
特に菜美は酷かった。
街金が来たとき家にいたりすると過呼吸になったりしてた。
俺も菜美も、夜中に悲鳴を上げて飛び起きることが増えた。
その頃の俺は、歩道橋などからふと下を見ると、いつの間にか
「飛び降りたらどうなるか」なんてことを考えていたりした。
自分の危険な思考に気付くと、慌ててその考えを否定した。
そんな感じの状態だった。

仕方なく俺は、父に全てを話して助力を要請した。
父「なんだ。最近、家にいないと思ったら、そんなことしてたのか?
まあ、いい勉強だ」
切迫してる俺とは対照的に、話を聞いた父親の態度はのん気なものだった。

父は、のん気な口調とは裏腹にしっかりした対処をしてくれた。
父の経営する会社の顧問弁護士を俺に紹介してくれた。

弁護士に相談してからは、話が早かった。
街金の取り立ては、相談してから3日後ぐらいにピタリと止んだ。
弁護士は、菜美の債務不存在確認と債務を片代わりする気がない旨
これ以上取り立てるなら、恐喝で告訴する用意がある旨などを書いた手紙を
弁護士名義の内容証明郵便で送った。

たったこれだけで、あれほどしつこかった街金は全く現れなくなった。
あまりに簡単に片付きすぎたので、俺は、
実は父が俺に隠れて、裏で人に言えないようなことをしたんじゃないか
と疑ったぐらいだ。

街金の取り立てがピタリと止んだことを電話で弁護士に伝え、お礼を言った。
「吉村和夫のストーカーの件は、来週ぐらいから始めます」
と弁護士は言った。

だが、弁護士の手続開始を待たずして事件が起こった。
夕方、俺と菜美が菜美の家の近くのスーパーで買い物をして帰る途中
突然、目の前に吉村が現れた。
突然、俺たちの前に立ちふさがった吉村は、俺を無言のまま睨み続けた。
菜美は怯えてしまい、ガタガタ震えながら俺の腕に抱きついてきた。
俺も足の震えが止まらなかった。
俺たちは、その場から動けなくなってしまった。

吉村「おまええがあああ、菜美を騙したんだあああ」
吉村はうなるような大声でそう言いながら、バックから包丁を取り出した。
目は完全に、人の目じゃなかった。
情けない話だが、俺はビビッて声も出なかった。

「ちょっと落ち着いて。話をしよう?ね?」
吉村に話しかけたのは、意外にも俺にしがみ付いて震えてる菜美だった。
吉村「菜美。俺のこと覚えてるか?俺だよ、俺」
菜美「あ、うん。吉村君だよね。憶えてるよ」
吉原「ありがとう。うれしいよ。やっぱりお前は、俺を見捨てられないんだな」
菜美「見捨てるとか、見捨てないとか、そんな話した憶えないよ」

吉原、しばらく号泣

吉村「菜美。お前はその男に騙されてるんだよ。
今俺が助けてやるからな」
菜美「ちょっと待ってね。二人で話そうか」

そう言うと菜美は俺の耳元に口を近づけて小声で
「逃げて。お願い。私なら大丈夫だから」と言った。
俺「出来るわけないだろ」
菜美「お願い。二人無事にすむのはこれしかないの。
私は大丈夫。今度は、私が俺男守るから。」
俺「……じゃあ俺は、2mほど後ろに下がる。
いいか。吉原との、この距離を保て。
この距離なら、万が一にも俺が対処できる。」
菜美「分かった」

俺は少し後ろに下がった。
驚くほど冷静な菜美の言葉を聞いて、体の震えが止まった。
今、自分が何をしなければならないかが、はっきり分かった。
「私が俺男守るから」と言う言葉を聞いて
刃物の前に飛び出す決心が固まった。
最悪の場合、俺は全力で菜美を守る。

菜美と吉原が話している最中、
騒ぎを見に来た40代ぐらいの男性と目が合った。
俺は声を出さずに「けいさつ」と口だけを動かした。
見物人の中年男性は、うなずいて渦中の場所から小走りに離れて行き
50mほど先で電話してくれた。

その間も吉原は「俺たちは結ばれるんだよ」とか
「お前は俺を酷い男だと思ってると思うけど、それは違う。
おまえはこの男に騙されてるんだよ。
こいつが、あることないこと吹き込んでるだけだから」とか
「結婚しよう。将来は生活保護もらって、お前を幸せにするよ」とか
聞くに耐えない話を延々と続けていた。
菜美は適当に話を合わせて、吉原の会話に付き合っていた。

それにしても、何なんだ吉原は。
以前も訳が分からないやつだったけど、今は前以上だ。
支離滅裂で会話にさえなってない。

それにここは、確かに商店街ほど人通りは多くないが
人通りが少ない場所じゃない。
俺たちは、なるべく人通りの多いところを歩くようにしてたけど
それにしても、よく使う道でもっと人気のない場所なんていくらでもある。
一体、何考えてんだ?

子供連れのお母さんなどは、刃物を持って大声出してる吉原に気付いて
大慌てて逃げて行く。

吉原が菜美に近づこうとしたときは少しあせったが
菜美が「まだそこで待ってて。まだ二人が近づくには早いの」
と言ったら、吉原は近づくのを止めた。
すごいと思った。
この短時間で、菜美は支離滅裂な吉原の話に上手く合わせていた。

しばらくして、8人ぐらいの警官が来た。
パトカーから降りると、警官たちは手際よく吉原を包囲した。
「刃物を捨てなさい」
警官の一人が穏やかで、しかし厳しい声で言った。

吉原は、警官は認識できるようで、
オロオロ周り警官を見渡しながら八方の警官に順に刃物を向けた。

菜美「吉原君、まずは包丁地面に置こうか。
吉原君、何か悪いことした?
もし、しちゃってたらもうダメだけど、してないなら捕まらないよ」

菜美は元気よく明るい声でそう言った。
吉原の注意がまた菜美だけに向かう。

菜美「吉原君、死にたくないでしょ。
早く置かないと、鉄砲で撃たれちゃうよ」

吉原は笑顔で包丁を捨てた。
不気味な、人間とは思えない笑顔だった。

吉原が包丁を捨てると、警官がドバっと吉原に襲い掛かって
吉原は地面に組み伏された。
俺と菜美は、泣きながら抱き合って喜んだ。

その後、吉村の父親がうちに謝罪に来た。
うちの両親は、二度と俺や俺の家に近づかせないようにと
それだけを固く約束させた。
母親は、一度も謝罪には来ていない。

予想通り、精神鑑定で見事に病気判定されたので刑事上、吉原は無罪だった。
俺たちは、損害賠償が請求できるだけだった。
民事の席で吉原の父親と会ったとき
父親に吉原の入院先と主治医を聞いた。

俺は予約を取って、その主治医に会って来た。
主治医に、吉原の言動が前からおかしく
事件になる前からのおかしかった言動があったことなどについて説明した。

吉原も、なりたくてああなったんじゃないと思ったから
吉原の治療の助けになればと思ったからだ。

主治医は一通り俺の話を聞いてくれ
「貴重な情報ありがとうございます。治療の参考になります」と言った。
吉原の病名について聞いたが、それは教えてくれなかった。

しかし主治医は「もちろん、吉原さんが統合失調症とは申し上げませんが」
と前置きした上で、
一般論として統合失調症という病気は
相手の思考が読めるとか、自分の思考が相手に通じるなどという妄想を生むことがあり
また前世や赤い糸などの妄想を強く信じたりすることもあり、
妄想を否定されると怒ったりするらしい。
統合失調症を発症すると支離滅裂になるのかと聞いたら、
そういう症状が出ることもあるとのことだった。

親がおかしいと子どもが統合失調症になるのかと聞いたら
はっきり分かっていないが
遺伝と環境の両方の要因が作用して発症するとのことだった。
つまり、遺伝だけではなく、そういう素質を持った人が
ストレスの強い環境におかれると発症しやすいらしい

その話を聞いて、吉原の母親がすぐに思い当たった。
結局、吉原も、病的にヒステリーな母親という
ストレスの強い環境におかれて発症してしまった被害者の一人なのかと思った。

今はもう、菜美との同棲は止めている。
婚前に一緒に住むことに対して、うちの母親が難色を示したからだ。
みんなに祝福されるような付き合いをして、
みんなに祝福される結婚をしようというのが、俺と菜美の出した結論だ。

少年実話18

彼女は美人でした。ビックリするほどの美人でした。
お店で会った数日後、偶然にも全然関係のない場所で彼女と
会ってしまいました。代官山の某レストランで打ち合わせの最中に
商談相手が「イイ女が来たよぉ?。」と言うので振り返ると彼女が
女友達?2人と隣席に案内されているところでした。
あっ!と一瞬で気付き、彼女の方は軽く会釈をしてくれましたが、
俺はセオリー通りに知らん顔をしました。打ち合わせも終わり、
食事を注文しようとした時、商談相手が「あの子達に声掛けようよ!」と
隣席の彼女達に近寄って行き、話しかけていました。(オイオイ!!)
一瞬で意気投合?した様子で、一つのテーブルを囲むハメになりました。
彼女以外の女の子は楽しそうに彼と会話していました。
彼女と何度か目が合いましたが、やり難そうな俺を見て笑っていました。
どう見ても、彼は”彼女狙い”で、仕切りに何度も彼女を見ていました。
2次会の話しになった時、彼女は友達に「帰ろうよ。」と言いましたが、
友達2人は聞く耳を持っていませんでした。渋々、2件目へ移動中に
「人の事は気にせず、適当に消えればイイよ。」と俺が言うと、彼女は
「助かる。あと、お願いね。」と言い、帰りかけましたが、俺達の会話が終わるのを
見計らうように、彼が来て「A子(彼女)ちゃん、こっち。」と彼女を強引に連れて行きました。
2度目の乾杯後、「A子ちゃんは、普段、何やってる人なの?」と彼が質問しました。
彼女は「ソープで働いていますが、何か?」と凍りつく様な答えを言いました。
彼は大笑いしながら、「面白いねぇ?A子ちゃん。」と言い、友達2人は、
顔が引きつっていました。彼女は笑顔で「ホントですよ。」と言い返しました。

「ちょっと。」「A子。やめなよ!」と友達の2人が彼女に言いました。
「ゴメンね。A子ちゃんに興味あって…イヤな事聞いてしまって。」と
彼がフォローしましたが、彼女は「いいえ、気にしてないですから。」と
俺の方を見て笑いました。かなり、卑屈な性格をしていました。
今度は、彼女が彼に「私とヤリたいの?いくら出せるの?」と聞きました。
彼は「いやいや、ちょっと待ってよ!そんな事言ってないよ?。」と
動揺しながら、俺に救いを求めて来ました。(藁)
「タテマエは嫌いみたいやから、幾らか言うてみたら?」と俺は言いました。
彼も友達も唖然としてこっちを見ていました。彼女だけが笑っていました。
彼は堪らず「君だったら、10万で焜Cイかなぁ?。なんてねぇ?。」と口走りました。
彼女は立ちあがり「イイよ。行こうよ!」と彼を連れて店を出て行きました。
2人が居なくなってから、残された友達が「知ってたんですか?」と俺に
聞くので、「前に1度だけ会った事があるよ。」と言うと、彼女の事を話し出し
過去、2回連続で男に騙され、大金を持って逃げられていて
「男はいつも、私を騙すの。だから、男は信用しない。」が口癖になっている
可愛そうな子と説明してくれました。1時間後、友達2人をタクシーで送り
自宅近くのコンビニで買い物をしていると、彼から電話がありました。
「いやーぁ、彼女、最高ですよ。マジ、惚れました。」
「これからも、チョクチョク会ってくれるって約束しました。」
浮かれていました。「はいはい。」と相槌をして早々に電話を切りました。
翌朝、見知らぬ番号で携帯に電話がありました。彼女からでした。
「昨日の私、カッコ良かった?」と言うので笑いました。「自虐的やな。」と
答えると彼女は「イイじゃん。別に自虐的でも…。」と言いました。
何故、俺の携帯番号を知っているのか?と質問したところ、
昨晩、彼が寝ている隙に、携帯のメモリーから調べた。と言いました。
怖い女でした。「彼とは、お金が貰えるから、お仕事としてシタだけ。」と
彼女の言い分も理解できるので、それ以上、関るのは止めようと思い
電話を切りました。しかし、その3ヵ月後、最悪の結末が待っていました。

「最近、代表が会社に来ないんです。業者さんへの支払も遅れがちで…。」と
彼の事務所に行った時、社員の子が俺に言いました。
まさか!と思い、彼に連絡を取り、自宅に呼び出しました。予想通り、
目も虚ろで彼はボロボロになっていました。直接的な話は避けていましたが、
彼が「俺達、今、付き合っているんです。」と言い、彼女の事を真剣に
考えている。と付け加えました。どうも、一人相撲の様子なので、
非情とは思いましたが、その場で彼女を呼び出しました。
「彼はそう言ってるけど、どうなんや?」と確認しました。すると彼女は
「付き合ってないよ。」とハッキリ答えました。彼は「嘘だろ?」と聞きなおしました。
「2日に1回のペースで誘ってくれる、一番イイお客さん。」と現実を突き付けました。
彼は怒りだし、「お前に幾ら使ったと思ってるんだ!!」と怒鳴りました。
彼女は、「知らないよ?そんな事言われても!」とソッポを向きました。
彼が「な、付き合ってるだろ?俺達?」と食い下がると彼女は、
「お金貰わなかったら、○○さんとは、会ってないよ!!」とトドメを刺しました。
「どうして、そんな事、言うんだよ!オイ!」と彼女を押し倒し、テーブルの上に
あったリモコンで殴り始めました。慌てて止めに入りましたが、彼女の額から
鮮血が流れていました。「気が済んだでしょ!!」とそのままウチを出て行きました。
彼は男泣きをしていました。「俺は何やってたんだろ?」とポツリと言い残すと
彼もウチを出ていきました。掛ける声も見当たらず、ただ、見送りました。
その4時間後、彼の奥さんから、交通事故を起こしたと連絡があり、
病院に掛けつけました。彼は、自ら高速の中央分離帯に突っ込んだらしいと
事情を聞きました。彼は左足の指を3本失いました。

彼の奥さんから、「あの人、ここ最近、変だったんです。何か知りませんか?」と
質問されましたが、「分りません。」と答えると、奥さんは寂しそうに
「事故の直前に主人の携帯から○○さんに掛けた形跡があったので…。」と
言われました。俺は「彼とは5時間前に会い、仕事の話をして帰りました。」と
締めつけられる思いで答えました。彼の意識が戻る前に病室を後にしました。
彼はモテる男でした。仕事もカナリできました。ちょっとした”錯覚”で
借金を背負い、自分の体の一部を失いました。正直、責任を感じました。
悩んだ末に彼女に連絡を入れ、会いに行きました。
何も知らない、彼女は額にバンドエイドを張り、「恥かしいよ。」と言いながら、
ウチに入れてくれました。彼が事故に合った事実を告げると彼女は
顔色一つ変えずに「で、私にどうしろって?言うの?」と聞き返してきました。
彼女は無言でアルバムを持って来て、自分の写真を見せ始めました。
そこには、”違う顔”の彼女が写っていました。
「私は騙された度に、顔を変えて生きてきた。」彼女は涙声でした。
「私は、もっと辛い苦しみを男に。あわされてきた。」と言いました。
そこからの話は”被害者意識”のオンパレードで、聞いててウンザリしました。
「で、君には学習能力はないのか?」と言う俺の言葉に彼女は詰まり
「どんな、男と付き合うか?選んだり、決断したのは君やろ?」と聞くと
「その時の私は騙されていたから、分らないよ!」と救い様のない答えでした。
そんな彼女も元々は、素直なイイ子だったろうに…、とアルバムの中の
”違う顔”で写る、彼女の笑顔を見て、そう感じました。

少年実話 11

明日で12月ですが、12月が来ると彼女を思いだします。
彼女が今、どこで?何を?しているのか・・・見当がつきません。
彼女は指名1・2を争う人気者でした。加えて、出勤率も高く、
勤務態度も良好な風俗優等生でした。
忘年会シーズンもあり、朝から予約の電話が鳴りっぱなしでした。
街中が大騒ぎのこの頃は、風俗業界は一番のかき入れ時です。
「外国の方なんですが、接待で利用したいので…。」
東京で仕事する上でこういう依頼が年に数回あります。
既に特別会員の方から頼まれ、彼女に連絡をとりました。
彼女は帰国子女なので英語も堪能で、外人さんは、いつも担当でした。
「事務所で、どんな人か確認するけど、問題なければ受けてイイか?」
彼女は「○○さんの紹介なら、大丈夫でしょー。」とOKをくれました。
夕刻、電話してきた会員さんと180cmくらいの米国人が来ました。
彼は片言の日本語で「こんにちヘ」と挨拶をしてきました。
スリーピースのスーツを着込み、シガーを嗜むジェントルマンでした。

付き添いの会員さんが彼の名刺を見せました。そこには
”○○○証券 アジア部門 日本支社 ゼネラルマネージャー”と、
ごタイソウな肩書きが書いてあり、笑えました。
「入会金と本日分の料金、及び特別手数料です。」と270万を出すので、
「多過ぎるので、受け取れません。定額で結構です。」と断りました。
初めからチップを奮発する客にはロクなヤツはいません。
「それから、アップをご希望ですが、初回は1チャージしか無理です。」と
断ると米国人の男は「Why!!」と首を傾げました。
ここは、お金ではなく、信用だと説明しました。
「PLAY前に食事に付き合ってもらう位、イイだろ?」米国人が言うので、
「それは彼女に聞け。」と答えました。
「OK、俺の誘いを断るレディーはいないよ。」と自身満々にいいました。
彼女の紹介写真を見せると米国人は一気にノリノリになり、
「WOH!!本当か?本当に、この子が来るのか?」と何度も聞きました。
翌日、指定時刻の20分前に「おはようございます。」と彼女が着ました。
「ヤバイ時は、直ぐに電話!」と言うと「相変わらず心配性なんですね。」と
彼女は屈託のない笑顔で微笑みました。彼の宿泊先である品川駅前の
某ホテル駐車場で彼女を降ろし、暫く停車して様子待ちをした。
彼女から、「全然、OKでーす。」と連絡が入って安心して
事務所に戻りました。4時間後、精算をしに彼女が戻って来ました。
明日から2日間アップで、前金で支払うと米国人からの伝言があり、
彼女は全額と同額のチップまで貰っていました。

それでも、何か嫌な感じがする…。
彼女は思い過ごしだと俺に言い、自分はOKだから受けて欲しいと頼まれた。
その場で彼に電話を入れた。「アナタは素晴らしいスタッフをお持ちだ。」と
意味のない誉め言葉で感謝の意を表し、その後、彼女と何分か話していた。
無事に2日間過ぎてくれと思いながら、恐れていた事は最終日の夜に、
最悪の形で起こりました。彼女から唸り声で電話が入りました。
「・・・ぅう・・・ぬぅ・ぬぅ・抜け・・な・い・・いっ・いたいよ・・・。」!!!
喋れない程、危険な状況はありません。急いでホテルまで行きました。
前もって、勘でヤバイと感じる客には部屋のスペアキーをいつも
預けてもらう様にしていました。押し入った部屋の中では、
自分の想像を遥かに超える光景が待っていました。
彼女の股に米国人の右コブシがメリ込み、シーツに血が滲んでいました。
米国人は、いわゆるフィストマニアだったのです・・・。
そのまま米国人の股間を思いきり蹴り上げ、動けない彼女に落ちていた
バスローブを着せ、写真を撮り、闇医者に電話しました。
俺の到着後、彼女は”ひきつけ”を起こし出し、大変危険な状態でした。
彼女の口にフェイスタオルを入れ、舌を傷つけない様にして
体を摩りながら闇医者の到着を待ちました。30分後に到着した
闇医者は驚きながら処置をしました。麻酔を打ってチカラが抜けたところを
一気に引抜きました。「ぐぅーーーーーう。。」彼女が唸りました。
そのまま、闇医者が彼女を抱きかかえ病院に行くと言うので任せました。

部屋に残された米国人は
「アイム・ベリー・ソリ?。彼女とフィストしたのが…。」
言い終わる前にスタンドライトで殴っていました。泣きながら、
米国人は謝るだけでした。
2時間後、彼女は無事で、生殖器の機能も2ヶ月で完治すると
連絡があったので、紹介者と米国人をホテルのロビーに集めて、
彼女の怪我の保証をさせました。この時、怒りがおさまらずに
交渉した金額が生涯で一番大きな額でした。
その後、彼女の病室に行き、闇医者に様子を聞いて金を払い、
保証契約書を手に麻酔で眠っている彼女に一晩付き添いました。
「病人じゃない人はココで寝ないでよ。」と寝てしっまった俺に声を掛けて、
「ご迷惑掛けてスミマセン。○○さんの言う事聞いとけば…。」と言うので
「受けたのは俺の判断ミスやった。申し訳ない。」と保証契約書を渡しました。
内容を読むと彼女は「こんなに貰えるんですか?」と聞くので、
「当然や。全額、君の物や。」と伝えて帰りました。
それから、退院までの2ヶ月間、毎日見舞いに行きました。
お正月だけは外出許可を取り、ウチに招待して豪華な仕出し弁当を
2人でたべました。抜糸も済み、いよいよ退院の前日、彼女は一通の
手紙をくれました。後で読んで下さい。とお願されたので従いました。
自宅に戻り、彼女の手紙を読んで笑いました。文面には、
「色々、お世話になりました。勝手ですが、明日は一人で退院します。
 ガバガバ女になってしまったので、お仕事は辞めさせて頂きます。
 保証を取りつけて頂いたので、不自由なく暮らして行けそうです。
 お金に困ったら、無利息で貸してあげますよ。」
退院の日に”さよなら”と電話があり、そのまま彼女は姿を消しました。

少年裏実話

(悪事●その1)
彼女と知合ったのは飲み屋(パブ)に勤めている時でした。
俺はかなりの借金苦でした。彼女が「稼ぎを全部上げるから。」と
付き合いが始まりました。それでも、全然足りず、2人とも
丸3日何も食べない日がザラにありました。
ある日、彼女に別れを告げました。すると彼女は、
「もっと、稼ぐから別れるのは嫌だ!」と言いました。
次の日から彼女はヘルスで働きだしました。
2ヶ月後には彼女はその店でNO,1になりました。
少し2人の生活が楽になりました。それでも、まだ足りず、
袋のインスタントラーメンをのびるまで待って食べてました。
半年ほど、そんな生活を続けた後に彼女がポツリと言いました。
「借金がなくなったら、絶対、私と結婚してくれる?」
「うん、するよ。」と答えると彼女は笑顔で自分のサインをした
婚姻届を手渡し、「今日、ソープの面接に行って来た・・・。」と言いました。
彼女はソープ嬢でもNO,1になり、瞬く間に借金は減っていきました。
広いマンションに移り、2人の生活もドンドン派手になりました。
そんなある日、彼女が店で倒れたと連絡があり、病院に行った時
医者に「入院して治療が必要。」と言われ、俺は途方にくれました。

数日後、妹らしき人物が見舞いにきました。3人で病室で話した後、
妹がウチに泊まることになったので、一緒に連れて帰りました。
その夜、妹と話し込んでいる内に、欲情して嫌がる彼女を押し倒しました。
日中は姉の見舞いに行き、帰ってきて妹と関係を持ち、1週間後には
どっちが彼女か判らなくなっていました。所持金も少なり、
「姉ちゃんの治療に400万掛かる。」と妹に嘘を言いまいした。
すると妹は「どうすれば…。」と聞くので「稼ぐしかない。」と答えました。
姉には言わないと言う条件で翌日からヘルスで働きだしました。
しかし、数日でヘルスを辞めさせ、姉の行っていたソープの店長に
電話して妹を紹介しました。店長は大喜びで紹介料までくれました。
妹も姉に負けずカナリの人気になり、姉の退院が決まった頃には
NO,1になっていました。
2ヶ月間の入院中、姉は俺に「お金は大丈夫なの?」と聞くので
いつも、「大丈夫だよ。今は病気を治そう。」と答えました。
そして、姉が退院して来ました。夏の暑い日でした。
「1ヶ月、通院と自宅療養したら直ぐに復帰するから。」と
何も知らない彼女は言いました。

ソープの店長から呼び出され、姉妹で働いてくれるように
両方を説得して欲しいと30万渡されました。
それは無理だと断り、彼女達とどうするか帰り道に1人で考えました。
でも、事実は意外な所から、姉に知らされました。
姉の退院を聞きつけた常連客からお見舞いの連絡が入り、
店からの口止めを忘れ、妹が同じ店に居ると口を滑らせたのでした。
俺が帰宅した時、彼女はショックで震えていました。
彼女は何も言わずに妹を直ぐに呼び出しました。
暫くすると、妹は深刻な顔でマンションにやって来ました。
姉は妹に「どうして?お店で働いているの?」と聞きました。
妹は「お金が…、お姉ちゃんの入院費が…。」と答えると、
姉は俺に「お金は大丈夫って言ったのは、こう言うことだったの!」と
泣き崩れました。妹は「彼を責めないで、私がやった事だから。」と
俺にしがみついて来ました。姉は「アンタ!妹と…。」と俺に言うと
逆上して台所に行き包丁を持ってきて振り回しました。
こういう状況は馴れていたので手首をつかみ包丁を取り上げました。
隣の住人から苦情が来て3人とも一旦、冷静さを取り戻しました。
姉は「妹と2人で話をさせて欲しい。」と言うので寝室に行きました。
2人のやり取りが終わり、2時間後、再度リビングへ行き3人で
話ましたが結論は出ず、妹は自分のウチに帰って行きました。
姉は「妹は故郷に返す。もう、会わないで。」と泣きながら言いました。



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